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2009/04/12
「田舎って、町より騒音がひどいんだなよな~」

ブルゴーニュで一番大きな町のマンションに住む友人が、そう言ったことがありました。

夜になると車はほとんど通らない道に面したマンションに住んでいる彼は、ときどき両親の家(農家)に帰ると、騒音が耳について仕方ないと言うのです。

雄鶏が鳴いたり、夜明けを告げる教会の鐘が鳴り響いたり、朝早くから動き出すトラクターのエンジン音が聞こえてきたりする、というのが理由。

そうかもしれない。自動車の音などがひどい都会でなかったら、田舎より静かというのは十分ありえると思います。これから季節が良くなると、田舎では芝刈り機の音も響き渡るようになるし。


教会の時を告げる鐘もうるさい?

教会の鐘は15分ごとになるものだと思っているのですが(私が住んでいるところはそうなので)、そういうのは騒音だとして、鳴らさないことにしている町もあります。

夏休みを一緒に過ごしたマルセイユに住む友達は、どうやらそういう環境で育ったようでした。

夜明けを告げる教会の鐘が聞こえてきたので、緊急事態発生を知らせるtocsin(警鐘)だと思って慌てたのだそう。戦争中を経験している世代ではないので、映画で見たことがあるからでしょうか? パリが解放されたときに響き渡った鐘の音というのは、私の記憶に焼き付いています。

夜明けを告げる鐘だと分かってからも、彼女は一週間の休暇の間、毎朝目を覚ましていました。

私は教会とは無縁の異邦人なのですが、なんの抵抗もく鐘の音に慣れてしまったように思います。それどころか、鐘の音は好きです。

でも、慣れてしまうと音に注意を向けなくなってしまうのですよね。特に晩鐘のときは外に出て聞きたくなるくらい好きなのに、たいていは気付かないうちに時間が過ぎてしまっています。

アンジェリュスの鐘のことを書いた過去の日記:
アンジェリュスの鐘



教会の鐘が鳴らないのに気がついた

この土曜日、なんだかやたらに静かだと感じました。

教会から鐘の音が聞こえてこないから物音ひとつ聞こえてこないのだ、と気が付いたのは午後になってから。

前夜には停電になるような嵐はなかったのですが、何かの具合で時計が壊れたのだろうと思いました。

ふらりとやって来た近所の人に、「教会の鐘が壊れているらしい」と言うと、意外な返事が返ってきました。
― 明日が復活祭だから、教会の鐘は鳴らないんだよ。

― どうして?

― 教会の鐘はみんなローマに行ってしまったから。

キョトン...。

でも、日本にも「神無月」というのがあるのを思い出したので、なんとなく納得してしまいました。

この友達は、子どもの頃に聖歌隊に入っていたときの思い出話しをよくするので、教会の事情に詳しいのだ、と感心。


鐘がなってもたいていは意識していないのに、鳴らないと意識すると、なんだか変な気分になります…。世の中が動かなくなったかのよう…。

夜になったら、気になりだしました。鐘がローマに行くなんて、奇妙な話しです。そもそも、復活祭のときには教会の鐘がならないというのは、今まで一度も気づいたことがなかったのです。

友達は適当なことを言っていたのではないだろうか?...


復活祭の日曜日には鐘がなった

翌日曜日(つまり復活祭の日)、耳をすましていたら、朝から鐘は普通になっていました。

やっぱり故障だったのだ、と確信。だって、復活祭だからというのが理由なら、一番大切な祭日である日曜日にもならさないというのが自然ではないですか?

教会の鐘は電動式になっていて、こんな機械で動いています。

教会の鐘を制御する時計

フランスの電化製品はとても故障が多いのです。

ローマに行ったなんていうのは子ども向けの話しであって、私の近所の教会の鐘が鳴らないのは単なる故障じゃないだろうか?…


イースター・エッグの謎もとけた

疑問は膨らむばかりなので、インターネットで調べてみました。すると、友達が話していた風習があるのだと分かりました。

聖なる木曜日(最後の晩餐の日)のミサの後から、キリストが復活する日曜日までの間は、鐘を鳴らさないことになっているようです。キリストが復活した日(つまり日曜日にくる復活祭)には、再び鐘がなるようになる。

つまり、キリストが死んでいる間は悲しみで鐘なんかならさない、ということなのでしょうね。復活祭の当日はお祝いだから鳴らしても良い。確かに、理論的!

ただ鳴らさないだけではなくて、鐘が不在になるというのが面白いと思いました。

「聖なる木曜日」には、教会の鐘はみな、法王に祝福してもらいにローマに行く、ということになっているのだそうです。そして、鐘は、復活を祝う喜びと一緒に戻ってくる、という筋書き。



それなら、復活祭の朝を告げる鐘はいつもより華やかでも良かったと思うのですが、いつもと同じアンジェリュスだったように思います。復活祭のミサが行われる教会だったら、ミサを告げる鐘が華やかになって、鐘が戻ってきたかのような感じになるのでしょうね。私の近所の教会ではミサがありませんでした。


イースター・エッグは鐘に関係していた

ところで、鐘たちを迎えたローマでは、卵を用意して、家々の庭にまくということになっているのだそうです。これがイースター・エッグ

そう聞くと、イースター・エッグの意味が分かりました。私は、単に子どもたちが庭に隠された卵を探すゲームにすぎないと思っていたのです。

前回の日記で、友達にイースターエッグの色の付け方を教えてもらったことを書いたのですが、今年は復活祭について新しい発見をした年になりました。

いつからいつまで鐘が鳴らないのか、来年は注意して聞いてみようと思います!

楽しい復活祭を!


追記
教会の鐘が鳴らないときにする伝統的な風習がフランスにあったことを知ったので日記にしました:
イースターの直前、教会の鐘の代わりにラチェットが鳴る 2014/04/20

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
★ 目次: 教会など宗教建築物に関する記事


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コメント
この記事へのコメント
鐘の音!
鐘がローマに行く!というのは、面白い表現ですね。
イラストはまさにそんな感じです。
私も教会の鐘の音は大好きです。残念ながらリヨンでは鐘の音が鳴らない場所に暮らしていたので、物足りない感じでした。(涙)
アパートを選ぶときには近所に「おいしいパン屋」と「鐘の音」をチェックしなくてはいけないかも。。。(笑)
毎日、何気なく感じている鐘の音も聴こえないと「え?」ってなりますね。
そしていつものようにまた鐘の音がなってホッとしたり…。
きっと大切なものに気付くのはこういうことなのかな~?
2009/04/13 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
Re: 鐘の音!
v-22pepe犬さんへ

>鐘がローマに行く!というのは、面白い表現ですね。

⇒ 私は「サンタクロースが煙突からおりてくる」というのよりも本来の信仰心から出たお話しのように感じて、すっかり気に入りました。

>アパートを選ぶときには近所に「おいしいパン屋」と「鐘の音」をチェックしなくてはいけないかも。。。(笑)

⇒ Pepe犬さんも鐘の音が好きと知って嬉しいです。でも、アパート選びの条件に入れる人は、どのくらいいるかな・・・? おいしいパン屋さんがあるのは大事なポイントにする人も多いと思うけど。

気に入るような鐘の音かどうかはポイントになりますね。ヒビが入った鐘の音が聞こえる村では、みなさんよく耐えているな・・・と思ってしまいます。日本では良い音が出るお寺の鐘というのが知られているのですが、フランスではほとんどないみたいだと思われません? カリヨンだ、というのは特徴にされるけれど。

>残念ながらリヨンでは鐘の音が鳴らない場所に暮らしていたので、物足りない感じでした。(涙)

⇒ 永久に住まうわけではないときは、その方が良かったのではないかな・・・。私などは、フランスにサヨナラして日本に帰って、テレビかなにかでアンジェリュスの鐘を聞いたら、絶対に涙ぐんでしまうと思います。
2009/04/13 | URL | Otium  [ 編集 ]
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