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2013/01/28

シリーズ記事目次【2013年1月: 長野旅行記】 目次へ
その6


先日から長野に行った話しを書いているのですが、その途中で、偶然にも長野出身という人と東京で2回出会っていました。しかも、同じ日のうちに2度!


故郷がある人がうらやましい

1人目に出合った長野県人は、近所のお店の奥さんでした。

出かける前に長野に行くのだと話していたらしくて、「どうでした?」と興味ありげに聞いてきたのでした。子どもの頃は長野で暮らしていたのだそう。

子どもの頃は本当に楽しかった、と懐かしそうに話します。

子ども時代を田舎で過ごしたフランス人からは、そんな風に目を輝かせて話すのによく出合っているのですが、日本ではめったに機会がありません。それで、何がどんな風に楽しかったのか聞かせてもらいました。

温泉町に住んでいたのだそうです。

何が楽しかったって、お祭り。それが、本当に年中あって、大きな祭りのときは準備も長くかかって、ワクワクとさせられる雰囲気だったらしい。

聞いていると、行ったこともない温泉町の姿が見えるような気がしてきました。

美しい木造建築の旅館がたくさんあって、そこの美しい庭に入って遊んでいたのだそう。

夕方になると番頭さんが旅館の前の道に内水をする。そして、観光バスが2台も3台も到着して…。

板前さんは、食べ物の端っこの部分などをくれて、それが美味しかった。お祭りになると、羽振りの良い旅館の人たちが子どもにお金をばらまいた…。

ところが、彼女が育った温泉町は、今では全く昔の風情は全くなくなってしまっているそうです。

まず、大手業者が大きなコンクリートの大きなホテルをつくった。地元の温泉旅館が食われてしまって、美しい温泉場の風景はなくなった。さらに、新幹線が止まらないので客足が途絶え、今ではすっかり寂れた。

親戚はみな長野にいるのだそう。「どうして私は東京なんかに出てきちゃったのかしらね~?」などとおっしゃる。


そんな話しを聞いた夜は、銀座のレストランで友人と夕食をとりました。

ワインバーのようなところで薄暗い。私の横にあるガラスの壁面にチラホラと何かが見えます。

私は無意識に、山の景色を探していました。たった2泊しただけなのに、北アルプスの山並みが頭に染みついてしまったらしい。東京では、窓の外を見れば山が見えるわけではないのに!

我ながら可笑しくなったので友人に話していたら、お給仕の若い男性が「長野のどこにいらしたのですか?」と聞いてきました。彼も長野出身なのだそう。

長野はとても良かった、と話すと、嬉しそうな顔をしました。

長野県の人たちって、東京に出てくる人も多いけれど、とても郷土愛が強いのではないでしょうか?

当然だろうと思うのです。長野県人は故郷を離れても、山並みが浮かんでくるでしょう? 日本の地方を故郷にする人たちは、どこでも思う描く風景があるのだと思いますけど。私はフランスにいるとき、東京の景色を思い浮かべながら懐かしいなんて思うことは全くありません!

そもそも、○○県人会というのがありますが、地方には東京都民会なんていうのがあるのだろうか?...


◆ 長野県歌「信濃の国」

「長野県人はすべて、県歌を歌えるのだ」と言われたことがありました。長野の話しをしてくれた近所の店の奥さんに、その話しをして、本当なのかと聞いてみました。

「そうですよ~。学校で毎日歌わされましたからね~」
そう言って歌いだしました。

店先なので、一節歌ってくれただけ。どんな歌なのか知りたくなったので探してみました。便利な世の中ですね。すぐに出てきました♪



想像していた歌と全く違う。なんだか、戦時中にできた歌のような雰囲気ではないですか?...

明治32年(1899年)から翌年にかけて、長野県師範学校の先生たちが作詞作曲したのだそうです。明治時代の歌、作ったのは先生たちだと聞くと、なんとなく納得。

それにしても、長野の地名もたくさん出てきて、社会科のお勉強みたい。こんな覚えにくい曲を暗記しているって、本当?!...

違う歌を拾い出してしまったのではないかと思って確認したのですが、長野県のサイトで紹介しているのと同じだから、やはり、これらしい。

私なんか、義務教育9年が終わるときでも歌えるようにはならないと思う...。


ブルゴーニュ賛歌

長野の県歌に興味を持ったのは、我がブルゴーニュにも地方歌とでも呼べそうな曲があるからです。

それに、長野とブルゴーニュ、不思議に似ているところがあるのです。

まず、内陸部で、海がない!
もっとも、ブルゴーニュには山らしい山もないのですけど。

でも、長野の人たちのブログを見ていると、寒さが同じくらいではないかと感じます。

ただし、ブルゴーニュでは余り雪は降りません。

つまり、ブルゴーニュは無いものづくし?...

長野にはワインがない、と言いたいところですが、あるのですよね。最近は地球の温暖化のせいか、ワインの生産が本格化してきたみたいです。

ブルゴーニュの歌は、「Joyeux enfants de la Bourgogne(ブルゴーニュの陽気な子どもたち)」と題されています。

20世紀初頭につくられたらしいので、期せずして長野県歌の誕生とほぼ同じ時期ですね。

でも、内容も、雰囲気も、全く違います。ブルゴーニュの方は、底抜けに陽気な歌なのです。故郷のブルゴーニュが大好き! という感情がこめられていて、とても好きな曲です。

家族が集まって歌っている動画がありました。復活祭に家族が集まって歌うのが風習の家らしく、みなさん本格的に合唱しています。



ワインボトルを持ったり、グラスを持ったりしているのは、歌詞に合わせているからです。つまり、この歌は、ワイン大好き人間の歌。ブルゴーニュの民謡は、どれも酔っ払いの歌です!

この曲は、ブルゴーニュの学校で教えるということはないだろうと思います。よそから来た人がいるとき、ブルゴーニュを意識する祭りの場などで、よくこのブルゴーニュ賛歌が飛び出します。

歌詞をちゃんと覚えていなくても合唱できてしまう便利な曲。

次のフレーズが繰り返されます:

Je suis fier d'être bourguignon.
Et suis fier, et je suis fier,
et je suis fier d'être bourguignon.


「私はブルギニョン(ブルゴーニュ人)であることが誇らしい」という意味。

そこだけ、特に「誇らしい」を意味する「fier(フィエール)」という単語を声を張り上げて歌えば、その場が盛り上がる、というわけです。

メロディーだけでも明るくて良い曲だと思います。

クルゾー町の教会が演奏している様子:



ディジョンの町だったと思いますが、カリヨンがある教会で演奏されているのを聞いたことがあります。まだ東京に足止めされているのですが、ブルゴーニュに帰りたくなってしまうな...。


ユーモラスなブルゴーニュのイメージを見せる動画でも、この曲がバックに使われていました。



好きなタイプの絵ではないけれど、ユーモアが面白い。「海も山もないけど、ブルゴーニュへようこそ!」なんて書いてあります。

ブルゴーニュ人は、食べて、飲んで、陽気にはしゃぐというのがイメージ。それがよく出ている。

この絵は絵葉書やランチョンマットになっていて、お土産屋さんなどで売っています。私も何枚か買ってしまっていました。

ところで、ブルゴーニュの特産食品の中で、エスカルゴがたくさん登場しています。日本ではブルゴーニュ=エスカルゴとはならないでしょうけれど、食用になるカタツムリの本物は「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種で、エスカルゴ料理はブルゴーニュの郷土料理なのです。それで私のブログの題も「エスカルゴの国から」にしています。

前回の日記(美しい風景も、自然に与えられてしまうと有難みを感じない?)では、美しい北アルプスを臨む村に住む人から、山が美しくたって、おかずにならない、と言う人がいたことを書きました。ブルゴーニュでは、おかずがなくてもワインを飲んでいれば良い?!

外部リンク:
☆ 長野県公式ホームページ: 県歌「信濃の国」
☆ Wikipédia : Joyeux enfants de la Bourgogne

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
田舎で育った人から昔の話しを聞くのが好き 2012/11/19


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コメント
この記事へのコメント
長野県~
またまた、長野県民としてコメントしたくなる記事ですね~☆
といいましても、私は北海道生まれなので、生粋の長野県民じゃないので「信濃の国」は歌えません。

「信濃の国」が歌えるかどうかで、長野で育ったかどうかが判ります。
私はこの信濃の国の話題が出ると、どーせ私は信州人じゃないさっと、ふてくさります(笑)

あと、長野県の温泉旅館の話も、長野県は旅館の倒産が今年も全国最多だと、最近ニュースでみました。。。
厳しい現実です。
 
ワインのお話もーー
私の暮らす東御市は、今、ワイナリーが熱いです!
玉村豊男さんのヴィラデストをはじめ、小山英明さんのリュード・ヴァンも注目されています。
ワイナリーを夢見て、東御市へ移住しようとしている若い方もいらっしゃるし、長野県のワイン、いい感じです~。

もしこちらへ来られる機会がありましたら、ワイナリーへも足を延ばされてみては如何でしょうか♪

2013/02/02 | URL | kaori  [ 編集 ]
Re: 長野県~
v-22kaoriさんへ

>「信濃の国」が歌えるかどうかで、長野で育ったかどうかが判ります。
⇒ そういうことにもなってしまうか、と気がつきました! まさか、よそ者を区別できるために、こんなに覚えにくい曲にしたわけでもないのでしょうけど。

>長野県は旅館の倒産が今年も全国最多だと、最近ニュースでみました。。。
⇒ 何かがおかしいのでしょうね...。

やはり、ワイン熱がありましたか。教えてくださったヴィラデストとリュード・ヴァンのサイトを見てみました。観光ワイナリーというのは私の趣味ではないのですが、リュード・ヴァンのブドウ栽培報告は興味深かったです。長野県でワインを作るとしたら、ブルゴーニュ北部にあるシャブリ地区のような工夫が必要なのかなと思ったのですが、冬にはブドウの木にワラをまいて保護してあげることまでしていたのでした。お値段はブルゴーニュ顔負けに高いけれど、手間がかかるから当然でしょうね。

地元でワインも作ってくれるのは楽しくて良いですね。ブルゴーニュだと、樽のたまったオリを使った郷土料理もあるのですが、そういうのを使った料理も食べられると、なお楽しい。
2013/02/02 | URL | Otium  [ 編集 ]
リュードヴァンさんは最近話題になってます。
が、高いですね^^;
県内でもそこそこ美味しいワインはあるのですが、
大抵の場合5000円越えです・・・

個人的には小布施ワイナリーがお勧めですね。
ここは味と値段が釣り合ってます。
やや入手難ですが

長野県は気候的にはブルゴーニュよりもやや暖かい様に思います。
ワインの栽培されている地域の最低気温は-10℃程度ですので。

味はロワールに近いかな~と感じています。
2013/02/05 | URL | albifrons  [ 編集 ]
Re:
v-22albifronsさんへ

情報ありがとうございます♪ 小布施ワイナリーのワイン、いつか味わってみたいです。ブルゴーニュにいると、試飲しないでワインを買うということはまずないので、どのミレジムが気に入ったかなども選べないで買うのには強い抵抗があるのですが...。

ずいぶん前に山梨のワイナリーに行って話しを聞いたことがあったのですが、あれから日本も上質のワインを作るようになって、それで値段が高くても売れるようになったのだろうな、と思いました。

小布施ワイナリーのブドウ畑の画像を探してみたら、ブドウの房1つ1つに帽子をかぶせているので(傘紙と呼ぶのだそう)びっくりしました。すごい手間をかけているのだ~!
2013/02/06 | URL | Otium  [ 編集 ]
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