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2013/03/14
ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の屋根にとりつけられた、やたらに簡素な煙突から白い煙がたち、コンクラーヴェ(法王選挙会)の結果が出た、と分かったのは13日。

新しい法王はどんな人? テレビは、どこにチャンネルを回しても、新法王が姿を現すのを待つ場面ばかり。フランス大統領選挙の結果が出たときをほうふつとさせられました。

あまりテレビは見ない私なのに、テレビの前に釘づけになってしまいました。

ライトアップされたヴァチカン宮殿も、衛兵たちも美しかったし...。

フランスのカトリック系テレビチャンネルKTOが、ライブ放送をYouTubeにのせていたので入れます。

どんな具合だったのかを体験なさりたい方は、下の動画をご覧ください。20分の動画ですが、それでも少し場面を飛ばしています。



バルコニーに姿を現した新法王。ポカーンとしているかのような顔の沈黙が、かなり続きました。

眺めていると、メガネが耳にかろうじてひっかかっているだけなので、ご自分のをコンクラーヴェの間に壊してしまって、誰かのを借りたのだろうか、などと心配してしまう。

やっと口を開いたら、「ボナセーラ(こんばんわ)」と、私で分かるイタリア語を発するので、ギャフン。

高齢だからなのか、法王になってしまったことに動転しているのか、などと気をもんでしまいました。

でも、話し始めたら流暢のスポーチ。

コンクラーヴェでは、枢機卿たちが地球の向こう側まで探しに行かなければならなかったけれど、私たちはここにいます、などと冗談を発して笑わせます。

そして、先代の法王ベネディクト16世に祈りを捧げましょうと呼びかけ、それが済むと、「みなさんにお願いがあります」と切り出しました。集まった人たちに法王として祝福を与える前に、みんなで自分のことを祈って欲しいと言うのです。

沈黙の祈り。信者あっての法王、というジェスチャーでしょうか? これは前例があるかないか、というくらい珍しいことなのだそう。アルゼンチンで貧しい人たちの傍にいたという、謙虚な人柄を表すジェスチャーと評価されていました。

良い人柄を思わせる話し方と、穏やかな笑顔。この人は悪い人であるはずがない、と感じさせられました。


Conclave

コンクラーヴェ(conclave)はラテン語で、「鍵がかかった」という意味。

3分の2以上の票を集めた人が現れないと法王にはならないので、何度も投票が行われ、時には何日も決まりません。まるで、システィーナ礼拝堂に閉じこもった枢機卿たちの「根くらべ」みたい。

コンクラーヴェという単語は、一度聞いただけで覚えてしまいました。フランス語ではコンクラーヴで、やはり同じような言葉なので、これも覚えやすい。

選挙が行われて結果が出ると、礼拝堂の屋根にある煙突から煙があげられます。黒い煙だったら、当選者がいなかったという意味。白い煙は決まったときにあげられます。煙突がやたらに粗末なのが気になったのですが、これは選挙結果を見せるために、そのときだけ取り付けられる煙突だったのでした。

黒い煙と白い煙というのは、福島原発事故のときに覚えました。連日、原子力発電所が爆発したり、煙があがったりする映像をフランスのテレビニュースで流していたとき、現地の特派員に「黒い煙ですか? 白い煙ですか?」などと聞く、不謹慎な(?)ジョークを言うアナウンサーがいたからでした。

法王を選ぶために集まるのは枢機卿たち。今では80歳以上の枢機卿は参加しなくても良いのだそう。高齢では疲れますものね。

今回の新教皇誕生のニュースを見ながら覚えた単語は「Habemus papam」。


Habemus papam

新法王がロッジアに現れて挨拶をするのを待つ報道番組の題名が、これになっていました。 法王はフランス語ではパップですが、イタリア語ではパーパなので、papamというのが法王のことなのだろう、と想像できました。

タイトルに新法王が誕生したときに発するラテン語の慣用句で、「我々は法王を持った」という意味なのだそう。「アベムス・パパーム」と聞こえました。

前にも聞いたことがあったはずですが、今度は忘れないように今日の日記のタイトルにして残しました。

ローマ法王の休日 [DVD]
書きながら分かったのですが、少し前にテレビでちらりと見て、つい最近、飛行機の中で見たばかりの映画のタイトルが『Habemus papam』だったのでした。

ミシェル・ピッコリが演じる枢機卿が法王に選ばれたというストーリー。

本人は全く望んでいなかったことなので、法王の座という重圧に耐えかねてノイローゼになり、就任演説もせずにローマの街に逃げ出すというコメディ。

少しバカバカしい内容に感じましたが、ヴァチカンの様子が見えたのは興味深い映画でした。

そんな映画を見た後、先代の方法ベネディクト16世が退位すると聞いて少し驚きました。法王って、自ら辞めることができるとは知らなかった。

映画の邦題は『ローマ法王の休日』となっていましたが、フランスでは原題のままでした。
フランス人には「Habemus papam」だけで意味が通じるからなのでしょうね。

下の動画は、今回のコンクラーヴェに入る前(公開されるのは、そこまで!)のもののようですが、映画でもそっくりの画面が見れました。




第266代ローマ法王の名前

法王になったときには今までのとは違う名前がつくそうで、今回も誰が法王になるかというのと同時に、何という名前を選ぶのだろう、というのにも興味がありました。

法王が民衆の前に姿を現す前に、フランス人の枢機卿Jean-Louis Tauranがラテン語で新法王の名前を告げたのですが、私が見ていたテレビの開設者は何も言わない空白の時間が流れました。

私が聞いていても「ベルゴリオ枢機卿」と「フランシスコ」というのは聞き取れれました。でも中継をしていた人たちはアルゼンチンのブエノスアイレス大司教が選ばれるというのは予想していなかったので、何を言えば良いか準備していなかった様子。
 
後に出てきた報道では、前回のコンクラーヴェの投票では第2位だったと言っているのですから、マスコミがマークしていなかったのが不思議です。肺が片方にしかないので激務は無理だ、などと思われていたのでしょうか?

Card. Jorge Bergoglio SJ, 2008新法王の本名は、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio)。名前からわかるようにイタリア移民でした。

フランス語だと「フランチェスコ」はフランソワ。
「フランソワ1世」という名前が繰り返されました。

フランチェスコという聖人は過去にも何人もいたはずですが、法王の名前になったのは今回が初めてと知って、意外に思いました。

前回の日記で書いたアッシジのフランチェスコもいたし、日本に来た宣教師もフランシスコ・ザビエルだったし...。

フランスでフランソワというファーストネームは、かなりよくある名前です。現フランス大統領オランド氏も、少し前の大統領ミッテラン氏も、ファーストネームはフランソワ。

それもそのはず。20世紀には、フランソワという名は最も多い男性の名前の中で20番台に位置していたのだそう。最近は、日本と同様にフランスでも変わった名前を生まれた子につけるのが流行っているので、1963年をピークにしてフランソワという命名は減ってきています。

http://www.journaldesfemmes.com/prenoms/prenom/3559/francois/

「フランソワ」というのは良いのですが、「フランソワ1世」と言われてしまうとしっくりきません。というのも、ルネサンス期のフランス国王で、フランス人に今でも人気があるフランソワ1世(1494~1547年)がいるのですから。

紛らわしいというより、フランソワという法王は以前にはいなかったのだから「1世」と付ける必要はないらしくて、翌日のニュースでは、どこでも「法王フランソワ」と呼んでいました。


ヴァチカンのニュースが賑わうと、今は敬虔な信者が少なくなったとはいえ、やはりフランスはカトリックの国なのだな... と感じます。ほんの少し前、3月10日、11日のニュースでは福島原発事故のことが大きく取り上げられていたのですが、ヴァチカンのニュースには及びませんでした。

新法王誕生というのは明るい。暗いニュースばかりのときには歓迎します。

... と言って良いのかな?
ヴァチカンも閉鎖された社会なので、色々ありそう。

3代前のヨハネ・パウロ1世は、法王になってから33日と6時間で謎の死を遂げてしまっていた...。

明るいニュースが欲しいな...。
思い出せば、今年の復活祭は3月31日でした。

続き: フランスにいると、キリスト教関係の単語を知っていなければならない

外部リンク:
新ローマ法王、サンピエトロ大聖堂で最初の祝福の言葉(英文)
☆ カトリック中央協議会: 新教皇フランシスコの最初の祝福
☆ Goo映画: ローマ法王の休日
☆ Wikipedia: ローマ教皇の一覧
フランチェスコという名前

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コメント
この記事へのコメント
ローマ法王の休日…
 素敵な題名で…鍵のかかった部屋からパパが…楽しく読ませて頂きました…日本は脱原発のConclave中なのかもしれません(苦笑)♪
2013/03/16 | URL | ひでわく  [ 編集 ]
Re: ローマ法王の休日…
v-22 ひでわくさんへ

日本は脱原発のConclave中とは良い表現ですね。フランスで3.11の特集番組を見ながら、日本でもたくさんの特集番組が組まれただろうけれど、こういう視線からは原発を扱ってはいないだろうな... と思っていました...。

2013/03/17 | URL | Otium  [ 編集 ]
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