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2013/03/20
前回の日記で書いたように、北京ダックのことをフランスでは「Canard laqué pékinois」と呼びます。皮を剥がさないで食べる料理は「Canard laqué」で、どこの中華料理屋でも食べられるのですが、その普通の料理が素晴らしく美味しい店がありました。

北京ダックの話しをしたら、2日以上前に注文すれば食べられるとのこと。普通のがこれだけ美味しいので、北京ダックはさぞかしと思うのですが、まだ機会が訪れていません。やはりパリに近い地方にある店なので、食べるためにだけ行くわけにはいかないからです。


鴨の品種

店の奥さんは、素晴らしく美味しくできるのだと自慢していました。北京ダックはCanard de Barbarieと呼ぶ、大きな鴨を使うのだそう。

そのバルバリー種の鴨とは、こういう鳥。

Household of Muscovy Duck

メスは2~3キロ、オスは4~5キロ。日本では「フランス鴨」とか「バリケン」と呼ばれる種類らしい。

ヨーロッパで飼育される鴨の半分はフランス産で、フランスでは年間85,00羽の鴨が食肉となっている、とありました。フランスはローストした鴨肉の消費では、中国を抜いて世界1なのだそう。確かに、日本で鴨を食べることはめったにないけれど、フランスでは普通の食材ですね。

種類としては、Barbarie種のほかに、Mulard種も知られています。その他に、アジア原産のPékin種(北京のこと)もあるそうですが、ペキン種と強調されているのは見たことがないように思うので、ランクが下がるのでしょうね。


先日、北京ダック風の料理を作ろうと思って店を覗いたとき、Canard de Barbarieが目に飛び込んできました。

鶏肉のまるごとはよく買うのですが、鴨はめったに丸ごとでは買いません。

それで眺めてみました。



確かに大きな鳥です。1キロ9ユーロ弱の値段がついていました。直売農家の価格ですが、キロあたり千円強といったところ。

ものの値段は気にしないというか、すぐに忘れるのだけれど、私が好きでよく買うブレス産の鶏よりずっと安いんだ…。

鴨肉は意外に安いのだな、と思ったことがあったのを思い出しました。

鴨を飼育していて、フォアグラなどの加工食品を作っている農家が朝市に出店しているのですが、あるとき、こんな風に鴨の丸ごとを置いて売っていました。



普段は鴨の加工食品しか売っていないので珍しい。聞いてみたら、注文した人があったので1羽余分に作って持ってきたのだと言います。

フォアグラ570グラム付きの丸ごとの鴨で、値段は55ユーロでした。フォアグラとマグレの部分だけくらいの値段でお得だと思って、迷わず買ってしまいました。


カナールに関係するフランス語

鴨はフランス語で普通はcanard(カナール)と呼ばれるのですが、これはオスの鴨のこと。

メスの鴨はcane(カンヌ)。

子どもはcanette(カネット)なのですが、これはメスの子なのだそう。

その他に、雛の鴨ならcaneton、若い鴨ならcanardeauとう単語も出てきました。

いつも思うのですが、フランス語では食べる家畜の性別や年齢で単語が異なるのだから面倒くさい。

お菓子を作るのに鴨の卵を使うのが好きなのですが、「カナールの卵」と言ったら、「カンヌの卵だ」と直されました。

間違っていると分かるということは、私が言いたいことが分かったという意味なのだから、わざわざ学校の先生みたいに直してくれなくても良いのに!

鴨の場合はみんな「C」で始まるので覚えやすくはありますが、似ても似つかない単語で区別する家畜はたくさんあります。


鴨だと思っていたら、アヒルだった

先日から北京ダックのことを書いていて気がついたのですが、日本語で「鴨」というのは野生の鴨のことで、食べるために飼育しているのは「アヒル」と呼ぶべきならしい。

☆ Wikipedia: アヒル

日本でアヒルの料理のことが書いてあるのは以前から目に止まっていたのですが、アヒルなんか食べるの?! フランスで食べるのは鴨(カナール)だそ~!、と思っていました。

だって、私が「アヒル」と聞けば、子どもがお風呂に浮かせるヒョウキンな顔の玩具を思い浮かべてしまうのです。

それを食べるというのは連想できないし、美味しそうにも感じない...。

でも、フランスで飼育された鴨も、本当はアヒルと呼ぶべきものらしいのでした。

フランス語で区別するなら、飼育されているのはcanard domestiqueで、野生の鴨はcanard sauvage。

やはり「カナール」を使うので、カモとアヒルほどには言葉が大きく変わってはいません。

Anas platyrhynchos male female quadrat野生の鴨では、最も普通に見るのはcanard colvert(右の写真)で、日本語にするとマガモ。

「アイガモ」というのも聞いたことがあるのですが、これはアヒルとマガモの交配種らしい。

でも「アヒル」はマガモを原種とすると書いてあるのだから、何だか分からなくなる...。

合鴨農法などというのでアイガモを覚えたのですが、こちらはカルガモとアヒルの交配もあるのだそう。

アイガモ(合鴨)

いずれにしても、「アヒル」と呼ばれると美味しそうでなくなるという感覚は、私だけのものではないのではないでしょうか?

食材や料理で使うときには、「アヒル」よりも「鴨」の方がよく使われるのではないかという感じがしました。

例えば、楽天市場で検索してみる:
「アヒル」で検索
「鴨」で検索

ジャンルを特定しないと、やはり「アヒル」では玩具や飾り物がヒットしてくるのです。「鴨」の方は食べ物が上に出る。

「アヒル」の検索結果を食品に絞りこんでいっても、なかなか肉が出てきません。

やはり、「鴨肉」と言った方が高級感が出るのではないでしょうか?

パリにトゥール・ダルジャン(La Tour d'Argent)という有名なレストランがあり、そこで出す名物料理の鴨には番号がついているそうです。天皇陛下が食べた鴨のナンバーなどというのも記録に残っているそう。でも、「天皇陛下がパリでアヒルをお召し上がりになりました」と言ったら、何だかしまらないと感じませんか?

今まで「鴨」と書いてきたのは「アヒル」に直さないといけないかなと思ったのですが、やはり、フランスで食べるのは「アヒル」ではなく「鴨」ということで通そうと思いました。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで北京ダックの食べ歩き
★ 目次: フランスで食べる鳥肉(鶏、鴨、ウズラ、鳩など)
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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