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2013/05/03
日本で見ると、全く気にならない。でも、フランスで見ると、その場に溶け込んでいなくて美しくないな... と感じてしまうものがあります。

でも、初めてフランスで見たときには、わぁ~、日本のものがある♪ 、と喜んだような気もします。違和感を感じるようになったのは、フランスで頻繁に見かけるようになったからかな?...

何のことについて書こうとしているのかというと、
招き猫です ↓


フランスで招き猫を見かけるのは、ちょっと変わったプレゼントをしたい人のためのグッズをおいている店。それから、最近のフランスでタケノコのように生えてきた日本食レストラン。

こういうレストランの8割か9割は中国系が経営していて、日本人から見ると、なんだか奇妙な日本的装飾がされています。着物を着ている男女の子どもの絵なのだけれど、どう見ても中国人に見える、という飾りなど...。

それで、招き猫は、実は中国が生んだものなのではないか... と疑いを持つようになりました。

「おいで、おいで」のポーズで、客引きや、お金が来るように、としているのは、奥ゆかしい日本人の気質とは合わないではないですか?...


招き猫のあげている手の意味

日本の伝統文化だと思っていると、ルーツは実は中国、というのがたくさんります。でも、調べてみたら、招き猫は日本で生まれたものなのでした。

猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除するので、養蚕の縁起物だったのだそう。養蚕が衰退してからは、招き猫が商売繁盛の縁起物とされるようになったらしい...。

左の前足をあげているのは「客よ来い」のジェスチャーで、右をあげているのは「金が来い」という違いがある、というのが定説のようです。

いずれにしても、招き猫は商売繁盛祈願のお守り。なんだか、さもしく感じて、好きではありません。

同じように客寄せの縁起かつぎでも、料亭の前に塩を盛るのは、美しい日本文化だと思うのです。

なぜ塩を盛るかというと、通い婚だった平安時代、牛車で道を通る男性の気をひくためだったのだそう。塩があると、牛が立ち止まって食べる。となると、牛車に乗っていた男性(状況として皇族でしょうね)は家の前で足止めされ、この家には誰が住んでいるのかな? と興味を持つ、というシナリオ。

今では牛車が通るはずはないのに、店の前に塩を盛っている。美しい伝統ではないですか?!

それに対して、大きな小判なんか持っている猫。「猫に小判」などと馬鹿にされたりもするのに、おいで、おいでのジェスチャーまでさせられている...。

猫は好きなのです。 でも、好きだからこそ、猫にそんなことはさせないで! と思ってしまうのかもしれない...。


ワインのドメーヌで見た招き猫がショック

招き猫のことを書きたくなったのは、少し前に行ったワイン農家で見たからです。

ワインを買いに来たお客さんに試飲させるセラーに、招き猫が飾ってあったのでした。

白と赤を貴重にした、大きな招き猫...。

どこに招き猫を飾ろうと勝手ですが、ワインセラーだけには飾って欲しくない!

ワインを作っている人が招き猫を気に入って買ったのかな?... でも、いくら気に入ったって、普通なら、こういうところには飾らないものだと思うのです...。

フランスでワインを作る人にとって、カーヴというのは神聖なところのはずですから。

ひと昔のブルゴーニュでは、ワインを寝かせるカーヴに入るにも、お客さんが来た時にワインを試飲させる役は男性と決まっていました。日本にもある、女性は不浄という感覚なのだろうと思います。そんな因習は消えましたが。

ワインの買い付けに来た人を応対するための部屋に飾ってあるのは、ブドウ栽培の守護聖人のサン・ヴァンサンの像。それから、ワインの樽、昔のワイン造りの道具など。ワインを作っているのだ、という雰囲気を出すのです。

ボトル、カートンなど、必要なものが積まれていることもあります。でも、それらは全部関係があるものだし、色合いとしてはも統一されています。

そこに、赤と白の派手な大きな招き猫が、おいで、おいでをしている。試飲させてもらっている間に、招き猫に目が行ってしまって困りました。

私にとって、招き猫は商売繁盛のシンボル。金儲けなんかのためにワインを作ってもらいたくない...。

あなたにはワインづくりの誇りがないの?! などとまで思えて、こんなところのワインなんか買いたくない、という気にさえなってきてしまいました...。

私の異常な反応かな?... ワイン大好きという方には同感してもらえるのではないかと思うのですけど...。

日本のワイン輸入業者さんのプレゼントだったのではないかと思いました。フランスでは、飾り物をプレゼントされたら、いくら気に入らなくても、しばらくの間は、来た人が見えるところに飾っておくのが礼儀なのです。


フランスで見かける招き猫

フランスで招き猫を見かけるので、どの程度売っているのかを知るために、フランスのアマゾンで検索してみました。 Wikipediaのフランス語ページには「Maneki Neko」の項目ができているので、この単語で検索。



携帯電話に付ける招き猫のストラップなどまでフランスで売っていたのですね...。こんなに売っているとは思っていなかった。キティーちゃんがかなりフランスに入っているので(「Hello kitty」をフランスのアマゾンで検索)、招き猫も日本独特の文化として人気を呼んだのかな?...

招き猫をフランスで何といって売っているのかといえば、「Maneki Neko」。説明的な呼び名としては、「Chat porte bonheur(幸運をもたらす猫)」、あるいは英語でラッキー・キャットでした。

つまり、商売繁盛というのは出てきていません。それを強調してしまったら、買いたいと思う人が制限されてしまうからかな?...

「招き猫」という言い方をフランスでしないのは理解できます。「おいで、おいで」のポーズが日本とは違うから。

フランスで「こっちにおいで」というジェスチャーは、手のひらを上にして、5本の指を動かすか、人差し指を動かすか(こういうジェスチャー)という形です。

日本式に片手を顔の近くにあげて手のひらを動かすと、「とっとと消え失せろ!」と追い払うジェスチャーに近くなってしまう。

招き猫が手をあげている動作は「消え失せろ」になるのではないかと思って、フランス人に聞いてみました。別に、「消え失せろ」には見えなくて、何の意味もとれないとの返事でした。そうかな?...

手のひらを上にするか下にするかのジェスチャーの違いは、欧米ではみなそうなのではないかと思います。それで、外国で売られる招き猫は、手のひらを逆にして「おいで、おいで」のジェスチャーにしているものも売られている、と書いている人もありました。

探してみたら、バカラがクリスタルの招き猫を作っているのを発見!

日本市場向けに特別に作っているのではないかと思ったのですが、フランスのバカラのサイトにも招き猫が入っていました。

しかも、2,100ユーロ(30万円近い)などというのもある。

これが30万円近いクリスタルの招き猫:
CHAT PORTE BONHEUR GRAND MODÈLE

サイトに入っている画像は拡大して見れるので、眺めてみました。爪が見えるので、手のポーズは日本と同じになっているように見えます。

やはり、ラッキー・キャットとして売っています。でも、説明を見ると、フランスのアマゾンで売っている招き猫などとは少し違っているのが面白い。

これだけ高いのだから、ご利益があるのを強調する必要があったようです。

日本では、富を招くために住宅の入口によく飾られている、と書いてあります。店の入口に飾っているのは自然だろうけど、普通の家の玄関に招き猫を飾りますか? 私はそういう家に行ったことはないのですけど...。
 
右の前足をあげているのは幸運を呼ぶため、と説明されていました。日本で見つけた情報では、右は「金が来い」で、左が「客よ来い」だったのだけれど、決まりがあるわけではないでしょうから、どうでも良い。

バカラでは左の前足をあげている招き猫(255ユーロ)も売っているのだけれど、同じ説明文。買おうとする人は、左手をあげているのは何の意味があるのか気にしないのかな?...  でも、左手をあげているのは黒猫で、夜の猫とある。昼と夜であげる手が違うということで説明できてしまいのかも知れません。

ともかく、バカラでは、ラッキー・キャットは大金持ちになる縁起物だ、と強調して説明が締めくくられていました。

幸運と富はイコールじゃないよ~... と反発を覚えてしまうけど、それは貧しい者のひがみだろうから気にしない。いずれにしても、こんな(失礼!)飾り物に大金を出せる人にとっては、幸運と富はイコールなのだろうと思う...。




コメントをいただいて、日本の縁起物には「だるまさん」があったことを思い出して日記を書きました:
だるま(達磨)は、フランスでは人気がでていないみたい 2013/05/10

外部リンク:
招猫研究室
☆ Wikipédia(仏語): Maneki-neko
☆ All About: 招き猫の由来

内部リンク:
★ 目次: 縁起物や迷信について書いた記事 (フランスを中心に)


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カテゴリー: 日本 | Comment (2) | Top
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コメント
この記事へのコメント
私も今回来る途中、空港で招き猫のキーホルダーを見つけて、Gがだるまとか招き猫がどうのこうの言っていたから軽い気持ちで買おうかな?と思ったのですが、よく見たら猫のお腹のところの福の文字が逆になっていたので、招き猫は中国が原産なのかもと思って買いませんでした。
飾り物をプレゼントされたら、いくら気に入らなくても、しばらくの間は、来た人が見えるところに飾っておくのが礼儀っていうのは知りませんでした。実は最近あんまり気に入らないものを頂いてしまったところです。これ欲しい?って聞いてくれたらなんとか断れたのに、これあなたによ!と笑顔で渡されたらもう断れませんでした。もらったものは、その方(あまり親しくない女性)がとても大事にしているアンティークの人形のうちのひとつです。でも古いものを所有するのは責任があると思うので、もらったからには大事にしようと思っています。
2013/05/06 | URL | とと子  [ 編集 ]
Re:
v-22 とと子さんへ

招き猫のほかに、ダルマもありましたね。こちらはフランスで見かけたことがないような気がします。仏語ページを検索しても大したものは出てこないので、フランスでの人気は招き猫にはほど遠いのだろうと推察しました。気がついたのですが、招き猫よりダルマの方が日本文化を感じさせますね…。

>飾り物をプレゼントされたら、いくら気に入らなくても、しばらくの間は、来た人が見えるところに飾っておくのが礼儀っていうのは知りませんでした。
⇒ そう言われると、これがフランスでは礼儀だと言い切れるか不安になりました。フランス人たちがそうやっているのを見て、それが礼儀なのだろうなと思うようになっただけなのです。

飾るのが礼儀なのだろうな、と思った例:
友人の家に行ったとき、庭にNain de jardinが飾ってあったのですが、「こんなものをプレゼントされちゃったので、仕方なしに飾っているのよ」と言い訳していました。庭に飾る小人の置物は、好きな人と大嫌いな人に大きく分かれるらしいのです。この家では親戚や友人が集まって食事会をすることが頻繁にあるので、リビングルームは一目でプレゼントされたものだと分かるものがたくさん飾られています(つまり、私の目から見ると、かなり悪趣味で、大きく目立つ、フランスの田舎趣味の代表例の品々)。ところで彼らの家の小人は、1週間くらいで庭から姿を消していました。よほど気に入らなかったらしい!

アンティークの人形をコレクションする人がいますが、フランスの伝統的な人形は余りにもリアリティがあって、特に薄暗い部屋で見たら怖いだろうと思ってしまうので、飾りたくないものの1つです。

アンティークのコレクションが趣味の家で、日本人形をくれると言われたのですが、あのときも「これ、あなたの!」と言う表現をされたと思いだしました。でも、もらっても本当に困ってしまうので、断ってしまった!… 相手の気持ちを考えて断りきれないのは日本人の美徳だと思いますが、不便...。日本人形をくれるというのに断ったことが記憶に残っているのは、そうできた少ない例の1つだからだと思います。

プレゼントに対する感覚は、日本とフランスで似ている点はある反面、全然違うところもあるので興味を持っています。「これあなたによ!」と笑顔で、つまり自信満々でプレゼントできてしまうフランス人。日本人は「粗末なものですが」とか「お気に召さないかとも思いますが」とか言って渡すではないですか? 日本からがさばるのに大皿を3枚持ってきたとき、その1枚だと断ってからプレゼントしたら、「いらないからプレゼントしてくれるの?」などと言われたので、腹の中で憤ったことがありました。でも、彼らが引っ越ししたという知らせの手紙に、「あなたにもらった大皿はリビングルームの壁に飾りました」とわざわざ書いてあったので、あれはフランス人的ジョークの中で私が嫌いと分類するタイプの冗談だったのだと分かりました。
2013/05/06 | URL | Otium  [ 編集 ]
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