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2013/04/27

シリーズ記事目次 【ディジョンからニュイのブドウ畑に行った1日】 目次へ


ニュイ・サン・ジョルジュ市(Nuits-Saint-Georges)について、前回の日記「ニュイ・サン・ジョルジュという町の名前」で町の名前が気になったことを書いたのですが、この町を通ると、いつも気になるものがあります。

町に入るところに町の名前を書いた標識があるのですが、そこに日本のIchinomiyaと姉妹都市になっている、と表示されているのです。

愛知県の一宮市のことだというのは突き止めたのですが、この2つの都市のどこに共通点があって姉妹都市になったのだろう?...

ニュイ・サン・ジョルジュ市はコート・ドール県にあって、ブルゴーニュワインの産地です。といって、一宮市がワイン産地ということもないですよね?

フランスで日本の姉妹都市を持っている場合、その2つの町が関係を結んだ理由を聞かなくても分るものがあります。

例えば、自動車の24時間レースで有名なル・マン市(Le Mans)と、サーキットで有名な鈴鹿市。互いに美しい城があることで有名なシャンティイ市(Chantilly)と姫路市、など。

ニュイ・サン・ジョルジュ市と一宮市の共通点とは何なのかな、と考えてしまったわけなのですが、分かりませんでした。

でも、私が知っている関係でも、姉妹都市というのはひょんなことからまとまったりするので、気にすることもないのでしょう。


「姉妹都市」という言葉

「姉妹都市」という表現は不思議だな... とも気になります。

フランス語では「jumelage」で、2都市が姉妹都市になるという動詞はjumeler。「○○市の姉妹都市は...」と列挙するときは「les villes jumelées avec ○○市」となります。

jumeau/elleが双子なので、市が双子関係になったイメージだと思うのです。 もっとも、これらは姉妹都市に特定した単語ではなくて、2つのものを対にするという意味なのですが。

姉妹といったら、どちらがお姉さんで、どちらが妹なのかと思ってしまって、上下関係か、歴史の長さで差がついているのかと感じてしまうではないですか?

なぜ姉妹で、兄弟ではないの? という疑問もわくのですが、フランス語で市(ville)は女性系なので、抵抗は感じない。

日本語の姉妹都市ということばは、町が女性系の言語圏の言葉から来たのかなと思ったのですが、アメリカ英語の "sister city" に由来するのだそうです。

イギリス英語では「twin town」ありは「twin city」と呼ぶらしい。これだとフランス語と同じ感覚で作った言葉ですね。

姉妹都市がアメリカ英語から作られたという言葉なら、なぜ姉妹なんだと疑問に思う必要はないでしょうね。でも、私のように気になる人もいるのか、姉妹都市の代わりに友好都市ないし親善都市という言葉も使われています。

厳島神社がある宮島と、美しい修道院があるル・モン=サン=ミシェル(Le Mont-Saint-Michel)もツインになるのにぴったりだなと思う。2009年に提携したそうなのですが、広島県廿日市(はつかいち)市として姉妹都市になっていました。

人口11万を超す日本の都市と、人口が50人にもならないフランスの村が姉妹都市というのも変だけど、行政区分の違いだから仕方ないのでしょうね。

もっとも、Wikipediaの記載では、姉妹都市ではなくて、観光友好提携都市。フランスの情報だとjumelageを使っているのですけど。


アヴァロン市と佐久市が姉妹都市

アヴァロンの町つい最近、ブルゴーニュの北の方にあるアヴァロン市(Avallon)を通ったら、日本のSakuと姉妹都市という表示が出ていました。

Sakuって、私が去年の夏に行った長野県の佐久市のこと?

それで正しいのでした。

姉妹都市の提携をしたのは1976年。かなり昔なのですね。町の看板に気がついたのは先日が初めてなのですが。

となると、この2つの都市の似ているところって何なのだろう、と気になりました。佐久市の中を観光したわけではないので、アヴァロン市ほどには知らないのですが、共通点は思い浮かばない。

こちらはすぐに情報が見つかりました。佐久市が詳しいことを書いているので、非常に興味があります。

☆ 佐久市: アバロン市 姉妹都市提携の歩み

自然環境の類似、というのが理由と書いてありました。自然環境の類似といったら、もっと似たような町がフランスにはあると思うけれど...。


フランスで海から最も遠いのは何処?

Wikipediaの情報を見たら、長野県佐久市は、日本で一番海から遠い地点(旧臼田町)があるという特徴があると書いてありました。

日本列島の姿を思い浮かべると、長野県のあたりが一番太っていて、海から最も遠いといったらそのあたりだろうな、と想像がつきます。

とすると、海まではかなり遠いところが多いフランスの場合、どこが海から最も遠いのだろう?

検索したら次の結果が出たので、地図に入れてみました。

A: 海から最も遠い地点があるのは、Artolsheim村 (アルザス地方)
B: 海から最も遠いのは、Croix村 (フランシュ・コンテ地方)


大きな地図で見る

ドイツ国境に近いあたりなのですね。私はフランスのど真ん中の山岳地帯にあるクレルモン・フェラン(Clermont-Ferrand)あたりではないかと思ったのですが。

でも、改めて地図を眺めると、地中海の海岸線がマルセイユ市の西で少しくびれているので、ブルゴーニュから地中海に出ようとするより近いのですね。


日本とフランスが姉妹都市になった場合におこる不都合

たまたま見つけたアヴァロン市と佐久市の姉妹都市関係について、佐久市のホームページに詳しい姉妹都市関係の経緯が書いてあったので興味深く眺めました。

というのは、以前に気になったことがあったのでした。

リーマンショック前の、まだ景気が良かったころだったと思います。日本からフランスに来た村長さんに、フランスの村長さんを紹介したことがありました。

和気藹々と食事をして気分を良くしたせいか、日本の村長さんが、相手に姉妹都市関係を結びたいと申し出たのです。

すると、フランス人の村長さんは困った顔をして、即座に姉妹都市関係にはなれないと答えたのでした。

理由は、こうでした。あなたがた日本人はフランスに来れるだろうけれど、私たちの方は日本に親善旅行をできるような人はいない。

双方が行ったり来たりできるのが姉妹都市なんだな... と気がついたのでした。私の故郷の東京には外国に姉妹都市がたくさんあったはずですが、そんなことで外国に行くなんていうことがあるのは想像もしていなかったのです。でも、フランスの場合、ドイツとよく姉妹都市関係を結んでいて、頻繁に住民が遊びに行ったり、向こうから来た団体をボランティアで歓待しているのですよね。

とすると、相手が来たのを接待するだけでは友好関係なんて言えるものではない、というわけなのでしょう。

フランスで、姉妹都市とはこんなものなのだと知ったときのことを書いた日記:
小さな村のドイツ人歓迎パーティー 2010/11/08

フランスの村長さんくらいは行くことができるだろうと思うのですが、こんな小さな村の、つまり予算が少ない村で、そんなことをやったらみんなから税金の無駄遣いだと吊し上げられてしまうはず。

ブルゴーニュ地方県議会が中国との姉妹都市関係で議員さんたちが不当にお金を使ったというのがスキャンダルになったことがあったのですが、それと同じころだったかもしれません。

だとすると、村長さん尻込みしてしまったのも当然だったと思います。フランス人たちは税金の無駄遣いに非常にシビアなのです。

佐久市の姉妹都市提携の歩みを眺めてみました。アヴァロン市くらいの大きな町だと予算があるらしく、日本に親善旅行をしていますが、やはり、圧倒的に日本からフランスに行っている人数の方が多いですね。

フランスは日本ほどには経済力がないうえに、一般の人たちは基本的な生活費を多く使うので、地球の裏側まで行ける人は極端に少ないと思います。

日本とフランスの姉妹都市を結ぶのは、大きな町同士でないと無理だろうな...。大きな町なら、親善の団体さんが来てくれるのは観光客が来てくれたという効果になりますが、ホテルもないような村だったら、全面的に面倒をみなければならないお客さんということになるでしょうから。

フランスの人口が少ない村でも住民たちの団体旅行を企画することもあるのですが、行くのはたいていはフランス国内、せいぜい近隣の国、遠くても物価が安い北アフリカくらいまでです。


ところで、ここに登場したアヴァロンの美しい旧市街を、少し前に久しぶりに観光したので次回に書きます:
美しいアヴァロン市の旧市街で見たストリートアート



ブログ内リンク:
フランスとドイツを仲直りさせたのは友好都市 2010/11/07
★ シリーズ記事目次: フランスの市町村について

外部リンク:
日仏姉妹都市交流


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