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2013/05/05
料理を作ってくれる人に「何が食べたい?」と聞かれたとき、答えの定番ができているように感じます。

思い浮かぶのは、結局のところ、日本では食べられない食材。そういう定番の答えの1つに、ラム肉があります。


日本ではめったに食べられない羊肉

日本では食べたいと思っても売っていない! たまにはスーパーで見かけますが、どこか外国から冷凍で来たような肉しか見かけないように思うのです。

この冬に帰国したとき、友達が羊肉を食べる会を家で開いてくれました。肉に飢えだしてきていた私は大喜び。

食道楽の友達が多い人で、その中に「羊肉の○○さん」という呼ぶ人がいて、その彼が羊肉を持ってきてくれるとのこと。埼玉あたりで羊を飼っている人なのかと思ったら、羊肉が大好きで、プロが買いに行くような羊肉を売っている店によく行っている、という人なのでした。

作ってくれたのは羊肉のしゃぶしゃぶ。タレはこれが一番おいしいというのを教えてもらったのですが、この日は写真も撮らなかったので忘れてしまった。

とても美味しかったです。でも、フランスで食べる子羊肉とどこか違う...。ラム肉だと言っていたけれど、少し育ちすぎた子羊なのではないかという感じがしました。

でも、日本でもフランスでも、ラムは12カ月以内の羊となっていました。

肉は薄くスライスしてパックしてあったので、どこの部分なのか分りませんでした。フランスの肉屋で羊肉を売っているときは、部分によって名前がついていて、値段もだいぶ違うのだけれど。

肉はたくさん持ってきてくれていたので、しゃぶしゃぶを食べた後、ステーキにして食べたいと私は言いました。これで肉の味が違うという感じが決定。しゃぶしゃぶで食べた方が美味しい肉でした。


調べてみたら、日本でも少しは羊肉が生産されているらしい。

日本における肉の消費量の統計がありました(2003年):
肉の種類消費量うち国内産
242万トン127万トン
183万トン124万トン
124万トン50万トン
ヒツジ2.7万トン300トン

やはり羊肉は、消費量も国内生産量も極端に少ないですね。日本人一人あたり、年間400グラム食べているということになるそうですが、そんなに食べるかな?... とさえ感じました。


フランスで食べるラム肉

フランス人は特にたくさん羊を食べる国民ではないようです。2010年の統計では、羊肉を最も多く食べるのはギリシャ(年間一人当たり10.1キロ)。キプロス(7.5キロ)、イギリス(4.8キロ)、アイルランド(3.5キロ)と続き、フランスは5番目(3.4キロ)。

フランスにはAgneau pascal(復活祭の子羊)という言葉があって、復活祭のときにはラム肉を食べる風習があります。

イースターの頃には、ラム肉屋さんになってしまったような肉屋も出現します。



子羊を食べるという習慣は、キリスト教だけではなくてユダヤ教にもあるのだそう。キリスト教は復活祭だけれど、ユダヤ教では過越祭。

無実の罪で十字架にかけられたキリストを従順な羊に例える、と聞きました。だからといって、キリストに例えた神聖な子羊を、キリストの復活を祝って食べてしまうのか、私には理解できないのですけど...。


ヒツジ肉に関する単語

北アフリカ料理などではマトンという名が出てきますが、フランスの肉屋でマトンとして売っていることがあるのでしょうか? 私はラムしか見たことがないような気がします。

私がフランスで子羊肉を買うときは、バーベキュー用の骨付き肉で、Côte découverteかCôte premièreと呼ぶ部分。

この部分を日本では「ラムチャップ」と呼ぶらしい

切り離していない状態の肉はラムラックらしい。

リブロースという言い方もあるような...。

「フレンチラム」と名がついているの右に入れた肉の説明を見たのですが、原産地はオーストラリアなのでした。なぜ「フレンチ」なのか分らない。

これを書きながら、日本でラムを食べたくなったらネットショップで注文してしまえば良いのだと知ったのですが、冷凍肉なんかは食べたくないしな...。


レストランでクスクスを食べるときには、付きものがラム肉をどの部分にするか選ぶので、買ったことがないラム肉の部分も名前だけは知っています。

この際、絵を見て確認。
部分の色分けは、脂肪分の違い。濃い赤は10%未満で、黄色は15%以上、と説明されています。そう言われると、そうなっているな... と感じる。

この写真を使った過去の日記フランスで最高のラム肉として売られるのは「agneau de lait」という、ミルクだけで育った幼い子羊。

それから豚トロみたいに珍重される「Souris d'agneau」という変な呼び名の部分があるのですが(ラムの鼠)、これはgigot(後ろ足のもも肉)の一部

スーリ・ダニヨーはめったに売っていないように思います。料理の仕方も知らないので、レストランでしか食べたことがありません。


ついでにフランス語のお勉強。
羊肉に関する言葉を拾ってみました。

La famille des ovins
Ovin羊類
Agneau生後12カ月未満の子羊(オス、メス)。ラム
Agnelle生後12カ月未満のメス
Antenais(e)前年に生まれ、繁殖が可能agneauないしagnelle
Bélier生後12カ月を超えるオス
Brebis生後12カ月以上のメス。羊のチーズに使われる単語
Mouton羊肉。マトン
Berger / Bergère羊飼い。羊小屋はBergerie


Anatomical Man星座の牡牛座と星占いの白羊宮はBélierなので、1歳の誕生日を過ぎたオスの羊なのですね。気にしたことがなかった。

そうか...。
角がシンボルなので、そうなるか...。

いつも思うのですが、動物に関するフランス語は複雑すぎる!

動物の名前がオスとメス、年齢で異なるのに加えて、肉の部分の名称も恐ろしくたくさんあります。

せめて、同じファミリーなら、始めのアルファベットくらいは統一して欲しかった。だって、食べる家畜の種類は非常に多いのですから。

フランス人の子どもたちは、学校でこういう単語を全部習って覚えるのでしょうか? だって、文字を眺めただけでは、羊なんだかさえ分らないではないですか。

ベッドの下にたまる綿ぼこりはmoutons。

ヒツジのように従順、付和雷同と言うときもmouton。でも、ヒツジのようにおとなしい、というときにはagneauも使う。

羊のチーズというときはbrebis。これは考えてみれば当然ですね。子育てするメスの羊じゃなければミルクを出さないのだから。でも、なぜそんなにオスかメスかにこだわらるの?! ヒツジのミルクといえば、雌から絞った乳だと特定しなくたって分かるではないですか。

日本も、魚の名前は複雑なのでお相子かな?... でも、たいてい魚へんがついているので、魚なのだとは分かりますよ~。

... と思ったのだけれど、不安なので調べてみたら、魚へんがつかない魚はたくさんあるのでした...。

私はフランス語も日本語もお手上げ!






少し前に珍しい羊肉の料理を食べたので、それをメモしておこうと思って書き始めたのに、前置きが長くなってしまいました。料理の話しは次回に書きます。
⇒  「仔羊の腿肉の七時間煮込み」という料理



情報リンク:
羊と羊肉について
☆ Mouton et Agneau
Viande d’agneau au BBQ
La consommation de viande ovine / une baisse difficile à enrayer – FranceAgriMer (juin 2012)
魚へんの漢字一覧
魚の漢字名

内部リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記


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カテゴリー: 食材: 肉類 | Comment (3) | Top
この記事のURL | Rédiger
コメント
この記事へのコメント
こんにちは。
Otiumさんの記事は、目からウロコのパウロのようです!!

ラムは、オーストラリアのが多いように思いますが、現地ではイギリスの方が高値で購入されるそうで(日本人は安く買おうとする)、日本には、良いお品が入ってこない??という番組を見ました。御用牧場で飼育されているサフォーク種は、イギリスのより美味しいとか。

ゴッホの甥の映像、ありがとうございます。とても似てありますね。素敵なおじさまですが、孫のテオ氏は(オランダ在住だった映画監督など多才)、殺害されてあるんですね。
こちらでも、ゴッホ展は何度かありましたので行きました。カーク・ダグラス主演のゴッホの映画を観ましたが、激しやすい人柄で(恋愛も多い)、困った人でした。(汗) 

イベリコの後ろ脚の生ハムは、レストランのイベントでいただきました。メーカーは、『ホセリート』。当時(笑)、1本10数万だったとか。福岡では、初めてだったそう。¡もの凄〜くナッティで、びっくり! どんぐりの味は知りませんが、クルミのような風味で、少し離れていてもいい香りが。脂身も、¡とっても美味しかったです !(¡!スペイン語の感嘆符は面白いですね)。 イベリコのリブロースは、臭みがなく好きです。

昔は、ガレットに入っていたフェーブ、貧しい人の・・・だったなんて!
パンペルデュも! 帝国ホテルのフレンチトーストは、有名ですのにね。
ほうれん草やキュウリ、フレンチで出る柔らかいアスパラ・ソヴァージュも意外でした。
大昔のイギリスでは、キュウリは高級な野菜で、サンドイッチのキュウリは憧れだったそうですが・・。

和牛も、雌牛が柔らかいので、赤みが強い松阪牛は、雌牛だけですよね。しかし、松坂は格付けがないので、購入時は要注意。赤ピンク系の佐賀牛、雄は去勢してあります。以前は、A-5以上でしたが、A-4・7〜A-5・12、に。

フレンチのアミューズ、日本語ですと『先付』では、おかしいでしょうか?
突き出しは、乱暴な言い方なので(遊郭の禿などが初デビューすること)、一流のお店にはふさわしくないと書かれた本があり、なんだか気になります(日本料理の真髄・阿部狐柳氏)。

ベカスの記事を読んで、よくよく貴重なジビエだとわかりました! 山ウズラを読んで、シャンパーニュを思い出しました。そう、ジャン・ヴェッセルのロゼ『ウイユ・ド・ペルドリ』。残念ながら、評価がいまひとつでしたので購入を見送っていました。

ヤマウズラの目の色だと書いてありますが、目の色ではなく、目のまわりの毛がオレンジ色?(玉ねぎの皮色?)なのではないでしょうか・・。

ワインなささやきというブログ(2011/4/2)で紹介してあったのですが、シャンパーニュの色を見るのは初めて。昔の本に『ヤマシギ(❎)の目の色で、赤みの強い色調のロゼ』と・・。しかし、画像を観ると、とっても薄い色のロゼ(琥珀色)。

黒ブドウのプレス時に果皮から滲み出る色素をそのまま生かして醸造してあるので、琥珀がかったピンク色なんだそう。これは、ジャン・ヴェッセルだけなのでしょうね。
これって、もしかしたら??、ドラピエのNVで感じた色に近いような??感じでした。ここまで濃くはないですが・・。

お付き合いくださり、恐縮いたします。

2016/02/17 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
うっかり。。
イベリコは、リブロースではなく、サーロインの部位です。
豚肉は、サーロインでもリブロースでも、こちらでは、ロースとして販売してあることが多いです。

ドラピエ、グラス入りの画像を検索しましたが、若干銅色をしたのはありませんでした。いつまでも、同じように醸造してはいませんよね。アイテムも変わっていますし・・。
失礼いたしました。
2016/02/17 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

>ラムは、オーストラリアのが多いように思いますが、現地ではイギリスの方が高値で購入されるそうで(日本人は安く買おうとする)、日本には、良いお品が入ってこない??という番組を見ました。

そうなのですか。日本ではラムが好きな人が余りいないから、高いのを入れても売れないかもしれない。美味しいのを入れないと、消費者が増えない、という悪循環かな。日本で何回か食べて、とてもラムとは言えない肉だと思ったので、もう絶対に買わないと腹をくくっています。

>ゴッホの映画を観ましたが、激しやすい人柄で(恋愛も多い)、困った人でした。(汗)

天才というのは狂人との境目にあって、苦しむから素晴らしい作品が生み出される、とゴッホを思うときに感じます。現在では、少し才能があれば騒がれるので、本当の天才は育たない...。ゴッホは、フランスで旅行しているとゆかりの地に出会ってしまうので親しみを持った程度なので、どんな人だったのかよく知りません。恋愛が多かったというのは全く想像できない!

>御用牧場で飼育されているサフォーク種は、イギリスのより美味しいとか。

イギリスの食事がまずいのは、食材に乏しい食文化が育たなかったからだと思っているので、比べてみる気もしない私です。イギリス人に「なぜイギリスの食事は不味いのか」と聞いたら、宗教上で食べ物にうつつを抜かすのは悪いこととされているから、と返事されたのですが。

>イベリコの後ろ脚の生ハムは、レストランのイベントでいただきました。

イベリコの生ハムは深みのある美味しさですよね。ハムが美味しいのは、乾燥しているからかな、と思ったのは、日本で生ハムを軒先で作っているのを見たら、表面がかびてしまっていたのを目撃したとき。

>イベリコは、リブロースではなく、サーロインの部位です。

いやあ、フォルナリーナさんは飛びぬけて食べ物にお詳しいので、私は全くついていけないです~!(笑)

>フレンチのアミューズ、日本語ですと『先付』では、おかしいでしょうか?
突き出しは、乱暴な言い方なので(遊郭の禿などが初デビューすること)、一流のお店にはふさわしくないと書かれた本があり、なんだか気になります


そうですね。「先付」を使うことにします。いつも私は何を使っていたかな?... お通し? 「突き出し」というのは私も好きではありません。遊郭の禿などが初デビューすることと聞いたら、よけいに場違いな言葉だと思えてきました。フランス語のamuse boucheというのも、もっと気が利いた言い方がなかったのだろうかと思ってしまうけど。amuse gueuleと言う人もいますが、これはもっとひどい!

>大昔のイギリスでは、キュウリは高級な野菜で、サンドイッチのキュウリは憧れだったそうですが・・

興味深いです。フランスにアスパラガスが入ったときと同じ感じかな。ロシアの飛行機をよく利用していた時期(シベリア経由でパリに行くのが最も早かった)、機内食ではキュウリの輪切りが必ず出るので参りました。あれは、イギリスと同じで、高級野菜を出しているつもりだったのかな?...

>ジャン・ヴェッセルのロゼ『ウイユ・ド・ペルドリ』。

ヤマウズラの目はどんななのかと思って「œil perdrix」で検索にかけたら、汚い足の写真ばかりが出てきたのでびっくりしました! 「œil de perdrix」は、足にできる魚の目のことなのだそう。仕方がないので「perdrix」で検索して、出てきた鳥の写真を見たのですが、おしゃるように目の周りが赤いですよね。

フランス語圏の人が見たら魚の目になるような名前を付けているのが気になるので調べたら、ウイユ・ド・ペルドリは、ワインでは特別な意味を持っていると知って納得:
http://www.dico-du-vin.com/o/oeil-de-perdrix-vin-rose-ou-gris/
http://etlevinfut.com/vin-tas-bel-oeil-perdrix/

ヤマウズラが断末魔の状態になると、目がその色になることからの表現だそうです。17世紀には淡く色づいたブルゴーニュワインに対して用いられた表現で、今日ではピノ・ノワールから直接圧搾法で作られたロゼに対して用いられるらしい。
ジャン・ヴェッセルの『ウイユ・ド・ペルドリ』の説明と一致します:
http://mathusalem.jp/?pid=72469666

冬のジビエのシーズンに山ウズラを売っていたので買って、肉屋さんが教えてくれたレシピで作ったら、ものすごく美味しかったのを思い出しました。可哀想に、あの子も鉄砲で撃たれたときには目をオレンジ色に染めたのかな…。ごめんね~!

勉強させていただきました♪
2016/02/17 | URL | Otium  [ 編集 ]
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