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2013/05/28
庭に植えていながら使ったことがなかったlivèche(ラベージ)というハーブに目覚めているこの頃。

きっかけは、これを練りこんだバターがレストランで出たとき、一緒にいたうちの一人がいたく感激していたことでした。

庭のラベージが葉を伸ばしてきたのを見たとき、それを思い出して使ってみることにしたのです。

ラベージ入りバターは前菜の付け合せで出たので、前菜の皿を下げるときにバターも引き上げられそうになったのに、彼はストップをかけていました。

フランス人は普通の料理ではパンにバターを付けないものなのに、その後もラベージ入りバターを食べ続ける。確かに、このハーブの風味は、麻薬になるのではないかと思うほど特徴があるのです。

バターに練りこんだだけなのだから簡単にできるはずだと思って、ラディシュの付け合せのためにラベージ・バターを作ってみました。

フランス人たちは、ラディッシュを無塩バターと塩で食べます。ラディッシュを何度も食べていたので、私は変わった食べ方がしたくなったのでした。

私のラベージ・バターは、レシピを探すこともせずに、こんな風に作りました。

ラベージを細かく刻み、すり鉢に入れてする。それにバター、ゲランドの塩の花を少し加えて練る。

せっかくなので形にしようと思って、マドレーヌ型に詰めてからラップをして冷蔵庫にいれました。

バターが冷蔵庫で固まると、するりと型から抜けます。友人たちにラディッシュと一緒に出したら、珍しいバターなので、かなり好評。

これに出会ったのはミシュランの星付きレストランなんですよ、なんて、自分からもPRしましたが。

ラベージ・バターは、すぐに食べたときよりも、1晩おいた方が香りが浸み込んで、なかなか良い感じになりました。

それでラベージが気に入り、蟹を茹でるときや、鶏肉でスープを作るときにも使ってみました。すごい香りがするハーブなのですね。葉を1枚入れているだけなのに、台所中に良い香りが漂ってしまいます!

レシピも探さずに適当に使っていたので、ラベージの正しい使い方を調べようと思ったら、全然関係ないものに出会ってしまって脱線。


パリが詰まったバター

ハーブなどを練りこむバターを探していたら、こんなのに出合いました。

日本での評判はなかなか良さそう。いかにもフランス直輸入という感じがしたので買って、とても美味しいフランス料理ができた、と報告しているブログもありました。

う~ん、パッケージを見ると、フランスの商品だろうと思いますよね。国旗まで付いているし。

こんな風な商品説明を書いているショップもありました:

バター風味豊かなソフトタイプマーガリンに、エシャロット・ガーリック・アンチョビ・エストラゴン・パセリを練り込んでフランスを代表するソース「ブールコンポーゼ・ド・パリ」の味を再現しました。

「フランスを代表する」と書いてあるのだけど、本当にそういうバターがフランスにあるの? 私は知らなかった...。エスカルゴを殻につめて焼くときのエスカルゴ・バター(ニンニクやパセリを練りこんだバター)はあるし、料理の上にのせる合せバターはあるけれど、アンチョビまで入れたバターというのは、かなりフランスでは特殊ではないかな?...

フランスのサイトで検索すると、何も出てこない。商品も存在しないし、そういう名前のバターの作り方のレシピも出てこない。それもそのはず、マリンフードという日本の会社が命名して作っている商品なのでした。

Beurre composé de Paris(パリの合わせバター)」というフランス語が大きく書いてあるこの商品を日本のスーパーで見かけたフランス人が、ブログで取り上げていました。

書いている人の言いたいことを察して意訳すると、こうなります。

「パリのコンパウンド・バター」と聞いたら、どんなものを想像しますか?
パリっ子たちの不機嫌さの予感、1トンの犬の糞、それから、もちろん少なからぬ大気汚染など...。
食べてみましょうよ。パリには農薬をまく農場がないから、間違いなくオーガニック食品のはずですよ。


笑っちゃうでしょう? 以前にも書いたけれど、フランス人にとってのパリのイメージはこうなのです。

フランスでこの手の食品を宣伝するには、実際には大きな工場で大量生産しているのに、あたかも田舎で小規模に作っている食品のイメージにするコマーシャルが今のフランスでは流行っています。田舎の風景とか、お百姓さんの姿を入れたりして。

香水、ファッション、車の宣伝なら良いけれど、パリのバターというのはフランスでは売れないでしょうね。日本人はパリが好き、それから都会=美食という感覚があるのだろうな...。


こういう風に色々なものが入ったマーガリンなのだそう。


原材料は次の通り:
食用植物油脂、食用精製加工油脂、エシャロット、乳脂肪、香辛料、ガーリック、食塩、生クリーム、アンチョビ、魚介エキス、酸味料、乳化剤、着色料(カロテン)、(原材料の一部に大豆を含む)

完全にバターではないですね。beurre(バター)というフランス語を商品名にしていますが、実際はマーガリン。日本語名ではバターという言葉が入った商品名にしたら許可されないと思うのですが、フランス語にしちゃったら問題ないのでしょうね。賢~い!


合わせバター作りに凝ってみる?

「Beurre composé」というフランス語は存在します。どんなバターがあるのか検索してみたら、こんなのが出てきました。

Beurres composés (sardines-wasabi, mangue-touron, roquette-parmesan) – Paris des Chefs

「Beurre à la sardine, wasabi et algues japonaises」というのは、サーディン、ワサビ、海苔を混ぜたバター。国を問わず、みんな珍しさを求めるのでしょうね。

簡単なので試してみようかな...。

材料は以下の通り:
バター 125 g
オイル漬けサーディン 1箱 ... 油を除いてバターに混ぜる
海苔 1枚(10 x 15cm) ... 1 x 0.5 cmに切る
ワサビ 小さじ1杯

パンに塗って食前酒のおつまみにしたり、白身魚の料理に使うのだそう。
おいしいのかな...。



追記 (2012年2月):

フランス語で書いてあっても不法表示になるはずだというコメントをいただきました。この記事を書いてから2年半くらいたっているので、まだ商品があるのかと思って、入れたリンクをクリックしたら、びっくり!

パッケージが変わっているのですが、商品名も全く違うのです。

メーカーは同じだし、以前と同じ写真も使っているので同じ商品だと思います。やはり問題にされて、「パリが詰まったバター」では売れなくなったのでしょうか?

フランス国旗は残っていますが、「バター」も「パリ」の文字も消えて、「私のフランス料理」という、マーガリンだとも思えない商品名になっていました。

1つの方は、バターをブレンドしていると書いてあるけれど、もう一つのショップの紹介では、原材料の中にバターの文字は見えません。やっぱり不思議...。

ブログ内リンク:
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ » 都市と農村
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名

外部リンク:
Beurre parisien…
フランポネ franponais


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コメント
この記事へのコメント
「東京」の詰まった マーガリン♪
フランス語表記でも
不当表示には違いありませんね。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO134.html

ぼくがこの製品を口にすることはないので
消費生活センター
http://www.kokusen.go.jp/map/ には
連絡しません ♪

マーガリンといえば トランス脂肪酸の危険性が
言われてますけど
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10696.html
どうなんでしょうね。
ちなみに ぼくは 食べません。
2016/02/18 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 「東京」の詰まった マーガリン♪
v-7 たかゆきさんへ

たかゆきさんが報告しなくても、誰かがしたのかもしれない。マーガリンの商品名が変わっていたので、追記を加えました。

東京がつまったマーガリンだと売れないでしょうね(笑)。

私もマーガリンは買わないです。何となく気持ち悪いのだもの。もっとも、日本で売っているバターはミルクから作ったという味がしないので、余り変わりはないのではないかとも思いますけど。

トランス脂肪酸とは知らなかったので調べてみました。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content.html

農水省は企業の肩を持ちたがるのか、遺伝子組み換えを肯定するような書き方をしているので驚いたのを記憶しています。トランス脂肪酸についても同じような書き方ですね。誰か死なないと「悪い」とは決めつけない?...
2016/02/18 | URL | Otium  [ 編集 ]
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