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2013/06/22

シリーズ記事目次 【ヴェズレー8日間滞在記】 目次へ
その1


ヴェズレー村(Vézelay)にある大聖堂では、夏至日の正午に聖堂の中に「光の道(Chemin de lumière)」ができると聞いたのはいつのことだったか?... ブルゴーニュ地方にあるので日帰りできるくらいに近いのですが、今年になって、やっと見に行く機会が訪れました。 大聖堂に近いところにある家に1週間滞在。

世界遺産にも登録されているヴェズレーの大聖堂の名前は、Basilique Sainte Marie-Madeleine。日本語では「サント=マドレーヌ大聖堂」とするのが一般的なようでした。フランス語の名称では、聖マリー・マドレーヌ(マグダラのマリア)」を祭るバジリカだと分かります。なぜ日本では「マドレーヌ」だけになってしまったのかな?...

夏至点(太陽の赤緯が最大となる点)は、今年は6月21日(月)。光の道ができるのは太陽時計で正午なので、普通の時計とは2時間の時差があります。光の道を見るには午後2時から3時ころが良い、という情報がありました。


夏至の3日前(6月18日)

もちろん太陽が照っていなければ、聖堂の中に光が差し込むはずはない。 夏至日を待たずに行ってみたら、光の道はできていました♪ 感激...。


2013年6月18日 14時2分撮影

南側にある窓から光が差し込んで、narthex(ナルテックス、キリスト教聖堂の正面入り口の拝廊) からchœur (祭壇のある内陣)へと光の道ができました。 光の環は9つ。

教会の祭壇があるのは、特別な例外を除いてメッカの方向、つまり東と決まっています。


2013年6月18日 14時20分撮影

調べることもなく、ここも祭壇は東の方向を示していました。

この光の道に導かれて歩けば、メッカにたどり着く?... カトリック信者にとっては特別な意味を持つものなのだろうと、初めて気がつきました!

見に来た人はまばらで、おごそか...。
また見に来れるか分らないので、写真を撮りまくりました。


光の道ができる構造は?

祭壇のテーブルの上にまで光があがってとまったら見事なのに、内陣の手前で道はストップしていました。 


2013年6月18日 14時19分撮影 

上と反対側、つまり内陣の、立ち入り禁止の手前に立って見たところから見た写真も入れます。


2013年6月18日 14時9分撮影

南側の上の窓(写真左手)から日が差し込んでいます。

実は、私は大きな勘違いをしていました。聖堂の中央にある通路に点々と光が落ちている写真を見て、西側(写真中央)の上に見える窓や、扉から祭壇の方向に日が差し込む構造になっているのかと思ったのです。

上にある窓から光が差し込むわけなのでした。とすると、点々と光ができるのも当然なのでした!



夏至の正午、つまり太陽の赤緯が最大となる点に、この窓から光が入り込む構造にしたというのは凄い!

でも、上の窓は修復で下の部分が少し削られたので、正午とは少しずれるようになったらしい。 しかも夏時間があるので、フランスの時計は太陽時計と2時間のずれがあります。今年は6月21日の午後2時15分ころがピークだと言われていました。

ヴェズレーのサント=マドレーヌ大聖堂では、月日によって太陽の光は下の図のように差し込むのだそう。「21 juin」とあるのが夏至の日の光線です。

http://cadrans-solaires.scg.ulaval.ca/v08-08-04/pdf/4-4-vezelay-cs.pdf

夏至日の光に工夫があるなら、冬至日にも何かがあるのか気になりました。「21 décembre」と書いてあるのが冬至で、この角度からだと柱頭彫刻を照らしだすようです。こちらとか、こちらに画像が入っていました。思い出せば、柱頭彫刻がやたらに良く見えるときがあったけ...。

変哲もない窓から差し込む光は、光の道では窓の形とは違って丸くなっていました。 光線の具合がパーフェクトだと、丸の形も小さくなるような気がします。

ひょっとして、イスが作る影も変わっているのかと思って眺めてみる。



近くに並んでいるイスなのに、影の形が微妙に違う。でも、これが丸い光を作るのと関係しているのかどうかは、私には分りません...。


夏至の日(6月21日)

いよいよ、夏至日の到来。でも、天気予報は曇天か雨となっていました。

少し早く見てしまったからどうでも良いや、という気分で行ってみると、この日に光の道を見ようと待ち受ける人たちがたくさん来ていました。

日本だったら足の踏み場もなくなるほどの観光スポットになってしまうでしょうが、さすがフランス。しかも、観光バスが押しかける時間でもないので、混雑というほどではない。

でも、聖堂に入ってみたら、いつもにはない緊張感が漂っていました。

やっぱりね、と思ったのはプロのカメラマンが交通整理(?)をしていたこと。聖堂の後ろ正面に踏み台を設置していたのですが、その視界を遮る場所にいた人たちに声をかけて、どくように促していました。



白いジャケットを着ているのが、その人。何人かプロのカメラマンがいたら、みんなで交通整理ができたでしょうが、彼は1人。あっちに行ったり、こっちに行ったりで、自分はプロなのだからどけ、と声をかけていました。

皆だって写真を撮りたくて来ているのであって、商売で写真を撮るのだから優先しろ、という道理は通らないと思うのですけど。それに、カメラマンの口調は横柄なので、怒っている人たちもいました。

カメラマンの仕事というのは大変だろうなと思う。ただ、上手に写真を撮れる技術があるだけではプロにはなれないと思うのですよね。人物の写真を撮る場合には、うまく気持ちを和ませて自然な笑顔を作らせたりとかもある。

野生動物の写真を撮る専門などというのは、根気と体力。戦場に行くには命がけだけれど、プロ魂を満足させる。邪魔な人たちがたくさんいる場面で写真を撮るのは、最も難しいのではないか、などと思ってしまいました。

光の道ができるところには、みなさん並んで座っていました。ふ~っと、ぼんやりとした光が差し込む瞬間もあって、みんなのため息が聞こえてくるような...。


左: 14時9分撮影  |  右: 14時10分撮影

せっかく皆さんいらしたけど、この日はアンラッキーだったと思いますね...。

この光の中を歩くと縁起が良い、というのもあるのだそうですが、こんなに人が多いと、みなさん遠慮していました。

しばし光が差し込むのを待っていたので、来ていた人たちとおしゃべりしました。フランス西部から来た人たちは、前日に素晴らしい光の道を見たといって、デジカメに入っていた写真を見せてくれました。

横柄にみんなをどかしたプロのカメラマンへの批判が話題になりました。「パリジャンのカメラマン」と呼ぶ人がいたので、「わざわざパリから来たと言っていたの?」と私は質問。

あの威張りくさった口調がいかにもパリジャンという感じだからそう呼んだだけなのだそう。



この日は晴天ではないと分かっていたので、他にはプロのカメラマンは来ようとしなかったのではないでしょうか? そもそも、ポスターなどで見る見事な光の道の写真だって、夏至の日に撮影したのだかどうかなんて、見る人には分らないですよ...。

もう時間が過ぎたから光の道はできないだろうと諦めたらしく、カメラマンは今度は電話をかけまくっていました。普通の人だと、教会の中で電話するなんて不謹慎なので、絶対に遠慮するのですけどね...。 




夏至の翌日(6月22日)

夏至の翌日の午後、大聖堂の横にある博物館で、修復時にとりはずした彫刻の数々に見惚れていたのですが、外は晴れているらしい。

飛び出して、また光の道を見に行きました。翌日というだけなのに、見学者は激減。信者の人たちは光の道を歩くのだと学んだので、私も歩いてみました。


2013年6月22日 14時48分撮影

結局のところ、夏至の日に見なければ意味がないという信仰心でもない限り、前後の時期に光の道を見るのが一番ではないかと思いました。

来年、2014年の夏至は6月21日で、土曜日になるので、もっと人出が多いのではないかとのこと。見にいらっしゃる方があったら、前後の日にゆっくりと鑑賞されることをお勧めします。夏至の前後の時期なら、1ヵ月くらい光の道が見えるのだそう。ただし、太陽が高く上る時間でないといけないでしょうね。

追記:
この翌年、夏至の1週間後に行ったときも光の道を見ることができました。
そのときの日記:
ヴェズレーの教会で、コミュニオンの予行練習が行われていた 2014/06/18

ブログ内リンク:
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外部リンク:
La cathédrale de Vézelay et la gnomonique
☆ Wikipedia: 至点


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