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2013/06/29

シリーズ記事目次 【ヴェズレー8日間滞在記】 目次へ
その8


ヴェズレーのすぐ近くにあるサン・ペール村(Saint-Père)に、Fontaines Salées(塩分を含んだ泉)という観光スポットがあります。

1934年から発掘が行われていて、ヨーロッパでも珍しいと言われるう古代遺跡。でも、古代遺跡などというのは、草むらに何かが見える程度という感じがして行く気にはならないでいたのですが、何もなくてもともと、という気持ちで入場してみました。



ここは何だったという説明を読まないと何だか分らない遺跡ではあったのですが、2つの理由ですっかり気に入りました。

第1は、モルヴァン自然公園として草むらが残されていて、野生の花が咲き乱れていたこと。遺跡の前に入れたのは、大好きな野生のランです。

第2は、管理人の男性が、ここにある井戸の掃除をしているのに立ち会えたこと。


紀元前2,300年ころ、新石器時代、ここで水を汲みとる井戸がありました。紀元前1,500年から100年ころにかけては、泉の水から塩を取り出す。ここの地下水は、塩化ナトリウムが含まれたミネラルウオーターなのだそう。

古代ローマ文化の影響を受ける時代になると、温泉場として利用されます。 遺跡のパネルでは、こんな風な施設だったと説明していました。



その後、湯治場は衰退し、西暦4世紀には廃墟にすぎなくなりました。ところが14世紀には、近くにあるヴェズレーの修道院の塩貯蔵庫ができ、村人たちが水を汲みに来ることは禁止になります。17世紀から大々的に修復されますが、18世紀には王家が使用禁止令が出ます(塩の税金をとれないから?)。

そして1934年、中世の歌に歌われていることから学者が忘れ去られていたこの遺跡を発見し、発掘が開始。


新石器時代の井戸の掃除

井戸があって、ポンプから水をくみ取って飲めるところがありました。怖いのでゴクリとは飲まないで、なめてみたのですが、確かにしょっぱい。

入場券を売ってくれた人が、少ししたら古代の井戸を掃除すると言っていたので、それを待ちました。バキュームの装置で井戸の水を抜くようです。



音も凄まじかったですが、見る見るうちに水が減っていきました。



この後が見もの! 中央に、樫の木をくりぬいて作った樽のようなものが埋め込まれているのが出てくるのです。

樽が露出してきました♪



http://www.saint-pere.fr/tourisme/fontaines-salees-historique.htm

この後に行った博物館には、掘り出した樽が展示されていました(右の画像)。

このような樫の樽で作った井戸が19あったそうですが、そのうちの14は今でも使える状態で残っています。

掃除をしているのとは別のところにある井戸の説明書きを見ると、直径80cm、高さ1.2mの底なしの樽。

年輪から木齢を計算すると、紀元前2238年に倒された木なのだそう。少なくとも紀元前700年まで使われた、とありました。

4,000年以上前の樫で作った樽。そんなに長いこと水につかっていても腐らないものなのですね。

ここの湧いてくる地下水をためて、日干しして塩を作ったのでした。


カエルになれないオタマジャクシ

井戸の水がなくなったら、オタマジャクシがいるのに気がつきました。作業をしている人に、オタマジャクシが干上がってしまう... と声をかけました。

後で知ったのですが、水を完全に抜いてしまうためのではなくて、掃除してから綺麗な水に入れ替える作業だったのでした。だから、一時的に水がなくなってもオタマジャクシは大丈夫だったはず。

でも、作業していた男性は、オタマジャクシを1つ1つ拾って、水が残っている桶の中に入れてくれました。

そして、私に言う...。

この水は微量の放射能が混じっているので、カエルになれない子が多いのですよ...。

ここは花崗岩が基本のモルヴァン地域。花崗岩があるところだと、自然に放射能が多くなる、と聞いたことがあります。

自然に発生する放射能程度なら、日本でもラドン温泉とかあるし、そんな感じで保養地に適しているから古代ローマ占領時代には利用されていたのでしょう。でも、水の中で暮らすオタマジャクシには不幸な環境なのでしょうね...。

管理人の男性は、オタマジャクシを手に乗せて見せてくれました。気持ち悪いと思う方があるかと思うので、小さな写真にしておきます。



並べて私に見せてくれて、「この子は蛙になれそうだな~♪」などと言いながら、違いを見せてくれました。

井戸のお掃除。生えてしまっている水ゴケ(?)なども取り除いていました。



私が蛙になれないオタマジャクシを悲しく思ってしまったのを察してくれたのか、作業が終わると近くにある別の井戸に住むカエルを見せてくれました。



ちゃんと育つと、こんな風になる。
小さなカエルを手にのせて、いとおしそうに撫ぜながら見せてくれました。

自然保護に情熱を燃やしている人なのが伝わってきます。ここの敷地内の芝刈りも彼がしているのだろうと思うのですが、野生のランがあるところはしっかりと残しているのです。ここにランがあるという標識を立てているわけでもないのに、場所を知っているようす。それを指摘したら、嬉しそうな顔をしていました。

私は野生植物に興味があるので、色々な話しを聞かせてくれました。

いつも思うのだけれど、自然が好きで、それに関係した仕事を職業にできる人は幸せそう...。


ここの遺跡とペアになっている博物館が同じ村の教会の横にあったので、そちらにも行ってみました。出土品がたくさん陳列されていて、取り出した井戸の中の樽もあって、小さいながら非常に充実した博物館だったので大満足。でも、館内は撮影禁止だったので写真はありません。

全く有名ではないこの遺跡が気に入ったので、もう1つ、全く有名でない古代遺跡にも行ってみました。

モルヴァンって、不思議な魅力がある地域。ここからもう少し離れたところにあるモルヴァン地域の大きな町オータン(Autun)には、驚くほど立派な古代ローマ時代の遺跡が残っています。

外部リンク:
☆ Wikipédia: Site archéologique des Fontaines Salées
☆ Mairie de Saint-Père: Les Fontaines Salées
☆ Sens et le Sénonais antique et médiévalLes: Fontaines-salées
☆ L'encyclopédie - L'Arbre Celtique: Fontaines Salées

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