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2013/07/27
フランス人は節約家なのに、平気で無駄なことをするな... と、思うことの1つにパンがあります。

バゲットは、翌日にはもう固くなってしまいます。頑張って食べても、3日目には歯が立たないほど固くなる。

それで、どうするかというと、惜しげなく捨てるのです。田舎でウサギや鶏を飼っている家では、古パンは餌にするのはありますが。


硬くなったフランスパンでパン粉を作る

私は、固くなったパンを砕いてパン粉にします。

前回の日記「パンを主食にする文化って、不便...」で書いたように、遠くのパン屋まで行って、これは美味しいというパンを選んだのに、捨てるのはどうにも忍びない...。

とはいっても、パン粉はそんなに使うわけではないので、やはり捨てるパンも多いのですが。

パン粉を作るためにアイディア商品など買ったりもしたのですが、一番気に入った道具は、石臼。

中国系の店で売っていたものを買いました。

石をくりぬいた臼は非常に高いのですが、私が買ったのは粉にした石を固めて作ってあるとのこと。それで手が出る値段だったのでした。

ずっしりと重い石臼。

これに固くなったバゲットを入れて、付属の棒で軽く叩くと、簡単に粉になっていきます。

質の良いフランスパンを荒く砕いて作ったパン粉をフライにすると、日本で買うパン粉より美味しくできるので気に入っています。

カリカリ感がとても良いのです。日本に帰国するときには古パンを持って帰りたくなるほど! でも、そこまですることもないと思って、硬くなったパンをスーツケースに入れるのはやめていますけれど...。


フランスのパン粉

パン粉を作るようになったのは、フランスで売っているパン粉(Chapelure)は粒が小さくて、日本の料理に使うには適さないというのも理由。

フランスのパン粉は、荒く挽いた小麦粉というような粒なのです。

肉屋さんの店先。手前にある茶色の粉をかぶっているのがそれ。



パン粉をまぶしてしまった料理というのは、フランスでは非常に庶民的で、好かれているとは感じません。それで、豚カツを作ると言うと、フランス人たちは良い顔をしてくれません。

私の特製パン粉ではパリっとあがるので、食べさせてしまうと美味しいと言われます。特に、カキフライは好評でした。

パン粉をまぶした料理に使うpaner(形容詞にするとpané)という単語が、フランス人の食欲をそそらないように感じます。


豚カツ

日本の友人の中に、豚カツは優れた日本料理なので世界に広めたいと言っている人がいます。

最近のフランスにある日本料理のレストランでも、豚カツを出すところがボツボツでてきたような気もします。フランスの日本料理店には、日本系と中国系があるのですが(後者が大半を占める)、豚カツをメニューにするのは日本系ではないかという気がします。私が日本料理をレストランで食べるのはごくまれなので、判断はできないのですが。

もしも日本系で豚カツを出しているのだとすると、日本人には豚カツは日本料理で、中国系の人たちにはそう思えないのかもしれない、という気もしてきます。

豚カツを説明するには、フランス人には「Porc pané(ポール・パネ)」と言えば、何であるか想像してもらえます。 でも、パン粉をまぶした「パネ」には良いイメージがない。

なので、私はフランス人が豚カツを好むかというのには疑問を持っています。

そもそも、日本で揚げ物を食べるのは、淡泊な日本料理ばかり食べるので、脂分を補いたくなるからではないかと思うのです。

私が子どものころには、脂分が不足していました。

だから、学校給食で、コッペパンを揚げて砂糖をまぶした揚げパンがでるのがとても嬉しかった。 毎週、金曜日に出たメニュー♪

フランス人たちが思い出話しを語るとき、給食で出てきた不味い料理の話しをよくします。

でも、私が学校給食で思い出せるのは、好きだった揚げパンと、臭くて嫌いだった脱脂粉乳のミルクしかありません。

給食の定番として出る料理というのもあったはずなのに、何も覚えていない...。思い出したときに目に浮かぶのは、何を入れても不味そうに見えるアルミの食器くらいかな...。


豚カツの歴史

豚カツは、何となく伝統的な日本料理ではないような気がする。この際、調べてみました。

Wikipediaの「豚カツ」から要約してみると、トンカツの歴史というのは、次のようなものなのだそう。


明治洋食事始め
― とんかつの誕生

1872年
(明治5年): 
仮名垣魯文著『西洋料理通』に「ホールコットレット」として記述された。
※ 油で揚げるのではなく、西洋風に油でソテーしたカツレツ

1899年
(明治32年):
銀座の洋食店「煉瓦亭」が「豚肉のカツレツ」をメニューに採用(のちに「ポークカツレツ」と改称される)。
牛肉でなく豚肉を使い、ソテー(炒め揚げ)ではなく天ぷらのように大量の油で揚げ、温野菜のかわりに生キャベツの千切りを添えて提供。

1932年
(昭和7年):
とんかつ専門店が次々と開店し、とんかつブームがおきる。


やはり、始めに作られたのは、西洋料理から入ったカツレツ。これを天ぷらのように油の中で揚げるのを考案したのが日本、ということらしい。


コートレットという料理

豚カツのルーツとされるカツレツは、フランス語のcôtelette(コートレット)から来ているのだそう。

côtelette(コートレット)と聞くと、私は骨付き背肉(ロース)を思い浮かべるのですけれど、それを使ってソテーにする料理があるのでした。

※ Côtelette Pojarski(ポジェルスキー風コートレット)という料理は、子牛などの挽き肉をロース肉の断面の形にして、パン粉を付けて炒めた料理。

肉屋で、子牛にパン粉をまぶした肉を売っているのを見ますが、これがコートレットでしょうか? そのままフライパンにオイルを敷いて焼けば料理になるという形。

パン粉のキメが細かいと美味しそうには見えないので買ったことがありません。レストランで食べたこともないし、友人の家に行ったときに出てきたこともありません。

高度成長期になる前のフランスでは、貧しい家では肉はご馳走だったのだそう。肉にパン粉をまぶしてボリュームを出すのは、貧しい食卓だった時代の料理だったのではないかという気もします。

これだけ肉を大量に食べるフランスで、肉はご馳走だったというのは信じられないのですが...。そんな話しを書いた日記:
田舎で育った人から昔の話しを聞くのが好き 2012/11/19

イタリアを旅行したときには、何だか分らなくて注文して出てきたのがコートレットだったのを思い出します。パサパサで、酷い料理だったので、もう20年以上たっているのに、ローマに到着して一番始めに食べたこの料理を、まざまざと覚えています。

イタリアでは付け合せの野菜を別に注文する風習があるのを全く知らなかったのも失敗。皿にパン粉をまぶした肉がのっているだけの、なんとも耐え難く、味気ない料理だったのでした。このときの恨みには根強いものがあるので、あれから、イタリアでは肉料理を注文するのをやめてしまっています!


フランス式豚カツ?

トンカツの作り方を見せるフランスの動画があったので見たら、やはり使うのは「日本のパン粉」に限る、としていました。



日本のパン粉は「Panko」、あるいは「日本のパン粉」として、フランスでも市販もされていました。WikipediaにもPankoとして紹介しています(Bread crumbs)。

でも、この動画の豚カツの作り方は変ですよ~!

油で揚げないで、フライパンに油をしいて焼いているのです。これだと、豚カツのルーツのカツレツではないですか?!

レシピを紹介している男性は、「毎週食べたくなる」なんて言っていますが、ただ日本風のパン粉を使っているというだけではないですか? コメントには、日本のパン粉は市販もされているけれど、パン・ド・ミーの皮の部分を取り除けばできる、と言っている人もいますね。

私は、フランスパンから作ったパン粉の豚カツも美味しいと思うし、それは油でカラっと揚げているのが味を引き出しているのだと思うのですけど...。

もったいぶって豚カツのレシピを紹介しています。動画が入ったのは2013年4月なので、最近のフランスでの日本食ブームから、このレシピ・サイトでも入れたのでしょうね。

フランス人が作る日本料理も邪道が多いし、日本人がつくるフランス料理も日本人向けにアレンジしているものが多いので、自分が美味しいと喜べるなら何でも良いとは思います。


フライヤー

なぜ、上に紹介した豚カツのレシピではソテーにしていたのか?

まず、フランスの料理には、カツやコロッケのように大量の油で揚げるという料理はほとんど存在していません。思いつくのは、フライドポテトと小魚の揚げ物くらい。

つまり、鍋に油をたくさん入れて揚げてくださいというレシピだと、フランス人は困ってしまうのではないでしょうか?

揚げ物をすると台所が汚れるというのも、嫌われる理由のはず。フランス人家庭の台所はピカピカに掃除しているので、私が天ぷらなどの油が飛び散ってしまう料理をすると、嫌な顔をされます!

フランスでフライドポテトなどを作るには、「friteuse」と呼ぶ電気製品の揚げ鍋を使っているのです。

これだと、炊飯器のようにぴったり蓋を閉めてしまうので、油が飛ばないし、煙も出ないのです。

これに入れるのは、日本の天ぷら油のような液体ではなくて、Végétalineと呼ぶ固形の油を入れて溶かすのが普通だと思います。

でも、最近は進歩しているのを知らなかった! 右に画像を入れたものは「オイルなし」というタイプなのでした。

鍋の中にジャガイモを切ったものを入れて、スプーン1杯のオイルを入れるとフライドポテトができるのですって。

それで揚げ物ができるなら欲しくなる道具ですが、本当に揚げ物の味にでくるとは信じられない...。

日本の方が親切な情報を提供をしているはずなので、探してみました。



日本でも、オイルを使わないで揚げ物ができる器具を売っているのですね。

オイルを使わないフライヤーを楽天市場で検索

メーカーのサイトにあるレシピは、こちら
やはり、天ぷらなどには向かないように見えました。

ちょっと笑ってしまったのは、日本市場向けのサイズに見える器具なこと。

1回にはほんの少ししかできないみたい...。
これだと、フランス人1人分にしかならないですよ~。

日本のサイトでは100グラムのフライドポテトを作るのがレシピとして紹介されていました。でも、フランスアマゾンで売っているノンフライヤーでは、1.5キロのフライドポテトを作れるという記述でした!


硬くなってしまったパンをパン粉にするフランス人がどのくらいいるか分りませんが、もう1つ、有名な古パン再利用方法があります。

伝統的な料理のはずなのですが、フランスの伝統として残っているようにも見えないので気になる。それを次回に書きます。
⇒ フレンチトーストをフランス人は嫌う?

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Que faire avec du pain rassis ?


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