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2013/08/04
友人に誘われて、修道院で行われるコンサートに行くことにしました。コンサートには久しく行っていなかったし、このシトー会の修道院は2005年に買い取ったお金持ちが修復を進めているので、どうなったか見に行きたかったのが理由。

Abbaye d'Auberiveという名の修道院で、創設されたのは1135年。シャンパーニュ・アルデンヌ地方の小さな村にあります。



前回に行ったときには、内部はちらりと覗いてみただけだったように思います。戦後に林間学校の施設として使われていたのが放置されている状態で、洗面所が並んでいるなどという姿が記憶に残っています。

どうせ修道院は美しくはないだろうと思ってカメラを持っていかなかったので、携帯電話で写真をとっています。やはり、画質はかなり悪いのだな... と発見。

林間学校の施設だった時代の名残りのものは取り外したらしく、建物はかなりの部分が見学できるようになっていました。

でも、ここは現代アートのセンターに変身していたのでした...。


現代アートと修道院の組み合わせ



私は、こういう美術は好きではないのです...。

シトー会の修道院を見たいと思っているのに、どこもかしこもグロテスクな絵ばかり...。



修道院はかなりの広さなので、コレクションを展示するには便利なのでしょうけれど、こういう作品を飾るなら、現代的な建物を使って欲しかったな...。パリのポンピドーセンターみたいな。

違ったものが展示されているコーナーもありました。

剥製がたくさん飾ってある部屋。



見事はコレクションですが、私は剥製が嫌い...。

さらに奥に進むと、お化け屋敷のような雰囲気にするコレクションが所狭しとおかれた部屋が続きました。 オーナーさんは、よほど見て怖くなるものがお好きなのでしょうね。私は好きではないので、写真をとる気もしないし、はや足で通り抜ける。

出たところの廊下には、ディドロの百科全書のページを開いたものが展示されていました。貴重な書物なのでしょうけれど、お化け屋敷からは離れたいので、ざっと眺めただけ。

なぜディドロがここに? と不思議だったので、書きながら調べてみたら、ディドロの娘婿がこの修道院を紡績工場にしていた時期があったのでした。

私が見たかったのは修道院。それで、修道院らしさが残っている部分を探しました。



この修道院が女子の監獄として使われていた時代の独房が並ぶ廊下です。覗き込んでみると、窓もあるので、そう居心地は悪くなさそう...。ここに入っていた人たちは、広い庭園の散歩もできたでしょうし。



もともとは修道僧の部屋だったところなのかな? 修道院のオーナーは、現代アートにしか興味がないらしくて、修道院時代のことについては何の説明プレートもない...。

コンサートが始まる少し前に、ガイド付きで見学できるというので参加してみました。 コンサートに行く人は無料だというので。

でも、現代アートの見学なのでした...。


現代アート鑑賞の楽しさ?

ガイドさんは「ラファエルの作品...」と言うので、どこかに隠してあるルネサンス期の画家ラファエロ(フランス語でRaphaël)の作品を見せてくれるのかと思ってしまったのですが、それとは全く関係ないことはすぐに分りました。

Raphaëlle Ricol という人の作品を説明してくれるというものだったのでした。

恐怖漫画をどぎつくしたような油絵が並ぶ部屋に入って、ガイドさんの説明を聞く。「この作品は、私は、こういう意味があると思います」などという説明。見学に参加した人たちも口々に、「私はこうだと思う」というのをご披露。

そうか...。現代絵画って、誰でも勝手に色々に解釈できるところが面白いのか?...

作品に近寄って説明を見ると、全部「無題」と書いてある。

何を表現しているかという討議が長々と続くので、そのあいだ怖い絵を眺めていたくない。天井を見たり、壁を見たり、暖炉を見たりして、修道院時代はどんな部屋だったのだろうかと連想してみる。でも、修道院として使われなくなってからの歴史が長いし、美しい部分などは全くないので耐え難くなってくる...。

ガイドさんが別の部屋を案内すると言うので歩きだしたら、建物の出入り口の前を通ったのを幸いに、グループからするりと抜けだしました。

庭を歩いてコンサートが始まるのを待つことにしたのですが、庭のあちこちにも作品がある。修道院の壁に落書きアートのようなものさえある。

歴史的建造物に指定されている建物で、こんなことをやってしまって良いの? でも、現代アートも芸術だとみなされるのだから、問題はないのでしょうね。修道院の雰囲気を壊してしまう企画でも、行政からちゃんと補助金なんかが出ているのかもしれない。

そもそも、あのヴェルサイユ宮殿でだって、現代アートの展示会場になったりしているのだから...。でも、絢爛豪華な宮殿の場合は、目をそむければ美しい調度品を鑑賞することはできたのでした。

放置していれば朽ち果てる運命にある大きな建造物を、修復維持しているオーナーの努力は認めないければ。いけないのは、現代アートが好きではない私のような人間が来たことなんだ...。


美術館の学芸員をしている日本の友達が、フランス語圏の画家を招いたときに私を呼んでくれていました。正方形の白いタイルを何にでも貼って作品を作る人とか、原色の絵の具を使って太い筆で正方形を描く人とか...。

でも、彼らが作品の説明をするのを聞いていると、何でもなさそうに見えた作品に意味があるように思えてきて、それなりに面白いのでした。

みんなが「あーだ、こーだ」と言っていたRaphaëlle Ricolさん自身は、自分の作品についてどう語っているのか興味を持ったので、検索してみたら動画が出てきました。

ご自分の作品の意味を語らない人なのですね。手話でないと対話ができない人だからという意味ではありません。作品の意味を、もっともらしく説明したりはしない人のようです。戦争やミサイルなど残酷なイメージの作品、頭から手が出ているなどという図が多いのはどういうところから来ているのか、と質問されると、「自分でも分らない...」。自然にそういうものを描きたくなるので描いている、ということらしい。

作品をたくさん買っている美術館なのだから、ガイドさんは作者から作品について聞いていることを説明すれば良いのにと不満だったのですが、彼女の作品は、勝手に想像する鑑賞法しかない。というか、そこが良いところなのかもしれない、と理解しました。



ようやくコンサート会場に入れる時間になりました♪

修道院のチャペルが会場だったので、その建物に期待したのだけれど...。

続きへ: こんなに酷い演奏のコンサートって、初めて

ブログ内リンク:
★ 目次: 宗教建築物に関する記事
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱
★ 目次: 画家、彫刻家、建築家の足跡を追って

外部リンク:
Abbaye d'Auberive
Rencontre avec la peintre Raphaëlle Ricol


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