| Login |
2013/08/11
今回行ったビュッシー・ラビュタン城(Château de Bussy Rabutin)のイベントでは、コンサートの後にピクニックがありました。

話しの始まり: 19世紀半ばのピアノで演奏されたショパンを聞く


城の中庭でピクニック

コンサート会場を出てから車に戻り、トランクに積んでいたピクニックのお弁当を出してから移動して、城の正面に行きました。

私はピクニックの用意をショッピングカートで運ぶことを提案していたのですが、お城で食事するのにそんなものは持っていかないでくれと反対されてしまっていました。

かなり歩くのですもの。カートの方が便利だったと思ったのですが、誰もそんなものは持って来ていませんでした。アイスボックスやピクニック用の大きなバスケットなど。フランス人ってピクニックに慣れているな...。

この3面の建物に囲まれた中庭がピクニック会場。



壁にスポットを当てるためにサーチライトも少し使われていましたが、あとはたくさんのロウソクで照明しています。

18世紀の城主は、こんな感じで晩餐会を開いていたのだろうな、と思いをはせる演出。

入口で入場券を見せて、食前酒をふるまってもらいます。そのグラスを食事のときにも使えたので便利でした。

すでにこの城では、ロウソクで照らした城の内部を見学するというイベントにも行ったことで、この照明は見たことがあります。でも、その明かりで食事を楽しめるのは嬉しい企画♪


お城でのピクニックを楽しむ工夫として、重箱を思いつく

テーブルには布がかけられていて、ロウソクが置かれていました。後は、自分の好きなようにテーブルを飾って、持ってきたものを食べてください、という趣向。

テーブルには花も飾ってあるという話しだったのですが、主催者の予想を大きく上回る参加者があったので足りなかったみたい。コンサートには行かないでピクニックだけに来た人たちが、花の置いてあるテーブルを先に確保してしまっていたようでした。

私は小さなブーケを作って持っていったので良かった。

それから、ピクニックを豪華なものにするために私が思いついたアイディアは、重箱に食べ物を入れることでした。

だいぶ前に日本のセールで安く三段重箱を売っていたので買ってフランスに持ってきていたのですが、ほとんど使っていなかったのを思い出したのです。

普通のピクニックでは、プラスチックの密封容器に食べ物を入れて持って行くのですが、それでは味気ないではないですか?

前菜、メイン、チーズを入れて、ちょうど三段。ケーキは別の人が大きいのを用意したので、重箱に入れなくてOK。

ピクニックに重箱を持っていくのが、こんなに便利だとは思っていませんでした。

テーブルが小さかったので、重ねて置けるのは本当に便利なのでした。1段食べ終わると、重ね方を変えて次の料理が出せる。何よりも、プラスチックの入れ物をテーブルに置くのよりきれい。

重箱だとお箸を使わないといけないと思ったのですが、問題はありませんでした。1人で食べるとしたら箸が必要ですが、ぎっしり入れてしまうなら、スプーンとフォークで取り分けられるのでした。

すっかり気に入ったので、ピクニックのときは、いつもこれを使おうかと思ったほど。

木製の本物の重箱だったら素晴らしく美しかったはずですが、食べるものを重ねておけるという便利さにフランス人たちは感心していました。日本の弁当文化はフランスに「bento」として入ったのですが、ピクニックを重箱でするというのはまだ紹介されていないかもしれない。

私の重箱は運ぶときにバラバラになるので、風呂敷できっちり締めました。重ねたものを固定できるタイプの重箱だったら便利だったはず...。

市販されている重箱を検索

日本の旧家で、屋根裏部屋にしまってある昔のものを見せてもらったとき、こんなのが欲しい! と叫びたくなるような重箱を見たのを思い出しました。

お花見に行くときなどに持って行ったであろう、取っ手がついていて持ち運びに便利な重箱。本物の漆なので、ため息がでるほど美しかったのでした。

お婆さんが愛着を持っているだけで、子どもたちは骨董品には全く関心がないようす。そのうち、通りかかった骨董品屋が二束三文で引き取っていくのだろうと思って、他人事ながら口惜しかったです。

同じような昔のピクニック用重箱は博物館などにはあるだろうと思って探してみたら、そんなのを買おうと思えば、買えるのでした。

私なんぞには、手が出ないお値段ですけど~!

こんな花見重箱なんかを持ってピクニックに行ったら、フランス人たちを仰天させられるだろうな...。

それにしても、日本のお弁当文化って、すごい!

フランス国王も、狩猟などで外で宴会をすることがあっただろうけれど、ただ普通の食器をたくさん召使に持たせていただけではないかな?...

そんな画像を探してみたら、18世紀の貴族たちの狩猟のときの典型的な食事風景という画像がでてきました。18世紀のフランス人画家Charles André van Looの作品。

Charles-André, dit Carle Vanloo - Halte de chasse (1737)
Halte de chasse(1737年)

皿を膝の上にのせて食べています。イスまで持ってきたのだから、テーブルもあれば良かったのにと思うけど...。

貴族たちのピクニック風景なのですが、絵画の題名にはピクニックという言葉は使われていません。ピクニックはフランス語ではpique-nique(ピック・ニック)。この言葉が文献に現れたのは1740年とのこと。pique-niqueとは、軽いものを突っついて食べるという意味で、自分が食べるものを持ち寄るのが基本。なので、貴族の野外の食事には使わなかっただろうと思います。ちなみに、英語のpicnicはフランス語から派生しています。

こちらは、Jean-François de TROYが同じように狩猟のときの食事を扱った作品(Le déjeuner de Chasse、1737年)。過去に書いた日記「クイズにした絵の背景: 18世紀の貴族たちの食事」で扱ったフランスの画家です。

こちらはテーブルもあるし、外で食事しているということ以外には、普通の食事と変わりがありませんね。

貴族の野外の食事の画像を探していたら、スイスのアンティークショップが日本の19世紀の重箱を扱っているのも見つけまいました。私が日本で見せてもらったのは、こんな感じのでした。
Boîte à pique-nique « Jubako » avec décor oiseaux et plantes

持ち運びにもちょうど良い大きさ。とても美しいです。スイスフランで価格が表示されているのですが(2,850 CHF)、30万円くらいかな。上に入れた花見重箱よりずっと安いし、アンティークなのが魅力ですけど、やっぱり、私には買えない...。


絵から飛び出たようなカップルがいた 

お城でピクニックということで、それ風の服装で来るようにした人たちもいました。

私も何を着て行くかを考えてはいました。でも、暑い夜ではないことは確かなので、コートを着て食事をすることを覚悟。そうなると、何を着ても隠れてしまうし、面倒だし、というわけで普段のリラックスした姿で行きました。

18世紀風に仮装した人はチラホラ。

日本だったら、京都御所の庭でピクニックをします、などという企画があったら、大勢の人が着物で参加したかもしれないけれど、フランスは昔の衣装を持っている人は限られます。

でも、目立つカップルを発見。



左の方に写っているカップルです。フランス人は仮装パーティーが好きなのですが、こんなに本格的な衣装というのは珍しい。

お二人がそろそろ帰ろうと支度を始めたら、ピクニックのバスケットなんかを持っている。この恰好でバスケットを2つ持つという姿が愉快なので、そばに行って写真撮影する許可を求めてしまいました。



そうそう、この日のピクニックは、当日がアムール(愛)という名前の聖人の祭日だったので、イベントはその雰囲気に演出されていたのでした。そんなのは無視して数人の友人仲間で来ている人たちも多かったのですが。

遠くから眺めていても、すごい懲りようの衣装だと思ったのですが、そばで見たら、もっと徹底した仮装だったことが分かりました。男性は、王朝時代のようにお化粧までしていたのです。




大成功のイベント

今回のイベントでは、予想を上回る予約があったので、主催者は大変だったようです。城の正面にある中庭だけをピクニックの会場に使う予定だったのに、城の外側にまで席が作られていました。



不況でヴァカンスに出かけられない人も多いと言われる今年の夏。こういうお金がかからないで楽しめるイベントには人気があるのだろうと思います。

このたびの城でのピクニックの参加費用は1人4.5ユーロ、コンサートと組み合わせた人は3ユーロだったのです。それで、お城のパーティーを味わえてしまうのですから楽しいです。

このビュッシー・ラビュタン城(Château de Bussy Rabutin) は、文化省の管轄に入っているフランス文化財センター(CMN: Centre des monuments nationaux)が所有している城です。つまり、この城は国の所有。

国が所有しているからできるイベントであって、普通のお城だったらやらないでしょうね。だって、イベントをして儲けようという企画にはならないはず。イスとテーブルを用意する費用もかかるし、テーブルクロスはクリーニングに出さなければならないし、ロウソクもたくさん使われていました。赤字にならなければ良い、と立ち上げたのだと思います。

フランス文化財センターは、所有している建築物の管理や見学に携わっています。それがうまく起動しているのか、このビュッシー・ラビュタン城では色々なイベントが行われています。無料で見学できる日もある。

となると、もっとたくさんの歴史的建造物をフランス文化財センターが所有して欲しいと思ってしまうのですが、フランス全土に100くらいしかありません。ブルゴーニュ地方では、このビュッシー・ラビュタン城とクリュニー修道院(Abbaye de Cluny)だけ。


豪華なヴォー・ル・ヴィコント城の場合

パリに近いと、人が多いし、お金持ちも多いので、城の庭でピクニックというイベントも大々的にできてしまいます。

下に入れる動画は、ヴォー・ル・ヴィコント城(Château de Vaux-le-Vicomte)で6月に行われる「Journée Grand Siècle(偉大なる世紀の日)」というイベント。


☆ イベント開催情報: La Journée Grand Siècle 2013 au Château de Vaux le Vicomte

参加者は、数は限られるものの、その場で貸衣装も借りることができるのだそうです。昔を再現するイベントではよくあることなのですが、その時代の衣装を着てきた人には割引料金が適用されます。このときも、17世紀と18世紀の衣装で参加すれば少し割引がありました。

最も奇抜あるいはエレガントなピクニックをした人を選ぶコンクールもあったのだそう。

これをご覧になって、わぁ~、ステキ~ と思われる方もあるかと思いますが、私は行ってみたいとは思いませんでした。どのくらいお金をかけたかが勝負みたいで、そんな人たちが闊歩しているイベントなんて感じが良くない...。

こんなのに比べると、私たちの田舎のイベントは質素。でも、古典ピアノでのコンサートも良かったし、キャンドルの明かりで、ちゃんとテーブルに座ってのピクニックも楽しめたは良かった。ここは食道楽のブルゴーニュ。地面に座って食べるというのでは嫌われたと思う。

ともかく、文句のつけようはない、とても楽しい1日になりました。

このときのピクニックを楽しむために何を持っていくか? という問題がありました。

そのことを書いた続き:
鶏のから揚げを作るには、ブロイラー鶏に限るの?

ブログ内リンク:
ロウソクで城を照らし出すイベント  2011/09/03
フランス人は仮装するのがお好き? 2005/09/29
★ 目次: ロウソク、キャンドルスタンド、暖炉、燃える火
フランスがBentoブームって本当? 2011/11/19
ヴォー・ル・ヴィコント城: 億万長者がフランスですること・・・ 2006/02/07
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ
カーニバルで買った帽子 2010/03/17
このパリジェンヌたち、何と呼ぶファッション?... 2010/12/17

外部リンク:
Centre des monuments nationaux
À Table !


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する