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2013/10/25
今回オーヴェール・シュル・オワーズ町(Auvers-sur-Oise)に行ったのは、この町にあるオーヴェール城Château d'Auvers)に行くことが目的でした。

この町に 5年前に来たときには、ゴッホが描いた町の中の場所を歩き回ってしまって、城には行く時間はなかったので、いつか来てみたいと思っていたのです。

レストランで昼食を済ませてから、城に向かいました。


オーヴェール城


Château d'Auvers(Château de Léry)

17世紀にイタリアの銀行家が建築させた城ですが、その後ほかの人の手に渡り、18世紀半ばには大々的に改築されています。

ゴッホは、日没時のオーヴェール城を描いていました:
☆ 画像: Château d'Auvers au coucher du soleil (1890年の作品)
Chateau d'Auvers 188... 
その作品が描かれたほんの少し前、1880年代のオーヴェール城は、右に入れた姿だったのだそう。

今とほとんど変わっていませんね。

色々な人が持ち主になっていましたが、現在は城のあるヴァル・ドワーズ (Val-d'Oise) 県議会が所有しています。

良い保存状態。庭園もきれいになっていました。

惚れぼれするほど美しくはないのですが、昔からある城の姿。中がミュージアムになっているのですが、あんな風に現代的になっているとは、外から見ただけでは全く想像もしていませんでした!


オーヴェール城のミュージアム

城のミュージアムは、「印象派の画家たちの時代の旅(Voyage au temps des Impressionnistes)」という名前がついています。

ミュージアムのテーマに「ボワヤージュ(旅)」と名がついているとおり、城の中を歩くという周遊コースです。当時のパリの生活から始まって、電車に乗って田舎(田園や海辺)まで旅するということになっていました。

改めて気がつくと、印象派の時代19世紀には鉄道が発達し、パリから田舎に出かけられる時代だったのでした。印象派の画家たちが田舎の風景をよく描いたのもうなずけます。

印象派の画家たちが生きた時代を体験できるという趣向。城があるオーヴェール・シュール・オワーズ町は、ゴッホ終焉の地として知られていますが、他の印象派の画家たちともかかわりがありました。パリから30キロくらいなので、簡単に来ることもできたのでしょう。

印象派の先駆者シャルル=フランソワ・ドービニー( Charles-François Daubigny 1817年~78年)はこの町に住み、オワーズ川に浮かべた舟の上で作品を描いています。印象派画家に影響を与えたコロー(Jean-Baptiste Camille Corot 1796年~1875年)もこの町を描きます。

そして、印象派の画家としては、ピサロ(Jacob Camille Pissarro、1830年~1903年)、セザンヌ(Paul Cézanne、1839年~1906年)、ゴッホ(Vincent van Gogh 1853年~90年)

この町に印象派美術館を作りたい、というのは理解できます。でも、このミュージアムには印象派の所蔵作品が1つもない! したがって、ハイテク設備を整えたオーディオ・ヴィジュアルで鑑賞するというアイディアになっていました。


当時の雰囲気が味わえる工夫が色々あります。
例えば、こちらはパリのキャバレー。



この部屋に入ると探知するようになっていて、「まもなくショーが始まります」などというアナウンスが流れます。そして、スクリーンにフレンチカンカンの踊りが始まる、という具合。

これで飲み物のサービスでもあれば最高なのですけどね。 テーブルには当時のボトルなどが置いてあるので、盗まれないのかなと思ったら、しっかりテーブルに固定されていました!

私が行ったときは見学客が数人しかいなかったので、ゆったりと見学できました。団体で入ったら、あちこちに少しある席に座って鑑賞することができないし、人声が邪魔したりして雰囲気は少し違ったかもしれない...。


ハイテクを駆使した展示。印象派の作品500点近くを見ることができるのだそう。スクリーンで見るだけなのですが、大きな画面で作品の細部まで見えるのは興味深いです。



退屈しないように、ということなのでしょう。各ビデオは短く簡潔にできていて、次々と違うスクリーンを見ます。同じ部屋に幾つもスクリーンがある部屋もあったのですが、団体で来た人たちが1カ所にたまって、後ろの人は見えないということがない配慮なのでしょうね。


非常によく出来ています。何にも展示する芸術作品がなくても、お金さえかければ、こんなミュージアムができてしまうのだな... と感心しました。

最後くらい、昔の城の姿を見せる部屋が2つや3つあっても良いと思ったのですが、それは全くなし。内部を歩いていると、城の中にいることは全く忘れてしまいます。つまり、近代的建築で作れたミュージアムなのですが、この大きな城を保存する手段として、こんな風にしたのだろうと思います。

どんな風に城の中を歩くのか、ミュージアムが作ったビデオがあったので入れてみます。




ミュージアムの受付けで

見学が終わって、受付けの人と少し話しました。日本人が大勢来るでしょうから、日本人向けに文字や音声が出るのか知りたかったのです。

いちおう日本語バージョンもあるのだそう。イアフォンで聞く感じかなと思いました。最近のフランスでは、かなり日本語の解説を見かけるようになりました。

話していたら、猫を抱いた女性が入ってきました。庭で見つけたのだそう。もらって帰って良いか、と聞いています。

見事な猫ちゃんなので写真を撮らせて欲しいと言うと、抱いていた猫をカウンターに座らせようとしてくれてしまいました。この女性、とても素敵な洋服を着ていて、大きな猫を抱いているのが図になっていたので、猫にポーズをとらせようとしないで欲しかったのだけれど...。



人懐こくて、フサフサの毛の素晴らしく美しい猫ちゃんでした。

受付けの人は、これは野良猫だろうけれど、いつも城の庭園にいるので、それが幸せなのだろうから連れて帰らないようにと答えていました。

マダム、とてもがっかりした様子。猫はすでに1匹飼っているのだけれど、この見事な猫ちゃんが大そう気に入ったようなのです。

おそらくお金持ちの人でしょうから、猫は不幸にはならなかっただろうけど、住み慣れたところを離れるのは寂しいでしょうね。しかも、これだけ太っていられたら、近所の人たちから可愛がってもらって、食べ物には困らない生活をしていると思う。


こういうミュージアムって、好かれるのだろうか?

このミュージアムの入場料は、大人13.50ユーロ。かなりお高いです。印象派のミュージアムと言ったって、全く本物の作品は1枚もないのを知っていたので、入るときに料金を言われたときには少なからず驚きました。

でも、このハイテクを駆使したミュージアムは維持費がかかるのは理解できます。見学をし終わったときには、入場料にみあう見学ができたと思いました。

見学者数は、年間6万人なのだそう。人口が少ないし、ミュージアムに行く人も少ないフランスだと、悪くない数字です。

ところで、この城にはレストランもありました。どんなところかと覗いてみたら、日本人の団体さんが入っていました。これを書きながらサイトを見たら、ここのレストランのランチと入場料を組ませたプランがあったのでした。33.50ユーロ。 現在は入場料+ランチは30ユーロに割引中でした。

このプランで出される昼食は、前菜とメイン料理、あるいはメイン料理とデザートだけですが、その代金は16.5ユーロとなるので安いですね。この日私が食べたランチ定食の半額だ...。でも、どうせ美味しくないだろうから、と思うことにする。


ともかく、映像だけ見るミュージアム。しかも、かなり高い入場料。みんな満足するのだろうかと気になったので、インターネットの旅のサイトにある書き込みを眺めてみました。

☆ トリップアドバイザー: Chateau d'Auvers

満足した人が多いのですが、高すぎると怒っている人たちもいるので面白い。特に、本物の作品は見れないのだと知らなかったら、ショックでしょうね。

私などはオーヴェール・シュル・オワーズ町には何回も行っているので、こういう変わった趣向も面白いと思いました。でも、はるばるやって来た人が、窓のないミュージアムに閉じこもって時間を費やすというのはどうかな?... という気もします。だって、何もここまで来なくたって、パリにでも作れるミュージアムなのですから。

ミュージアムの見学は、たっぷり2時間かかりました。よほど時間があるなら良いけれど、オーヴェール・シュル・オワーズ町は散策が楽しいで、こういうところに閉じこもる時間はもったいなくないかな?...

この町では、ゴッホが描いた風景がかなり残っています。 有名な画家が描いたフランスの町や村では、どこでもやっていますが、絵画がパネルになって掲示されているので、この風景がこう描けるのだと見比べる面白みがあります。

オーヴェール・シュル・オワーズ町も、歩き回って色々な場面を見ることができます。



今回は立ち寄らなかったですが、有名な教会も当時そのままに残っています。

L'église d'Auvers-sur-Oise

ここは、パリから日帰りで旅行できる場所にあります。ツアーではどうなっているのかと見てみました。パリ発の1日コースだと、ジヴェルニーにあるクロード・モネの家と庭園の見学と組ませて、オーヴェル・シュル・オワーズの見学になっているのが多いようでした。

オーヴェル・シュル・オワーズには鉄道の駅もあるそうなので、個人で来て、のんびり散策するのが楽しいと思うけどな...。 でも、連れていってもらった方が楽なのは確か。私も日本で会社勤めをしていたときには、よく海外旅行ツアーに参加しました。

 パリ近郊の旅: 

  レストランに飾ってあった変な絵旅行記目次新しく見つけたレストランが気に入った 




ブログ内リンク:
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外部リンク
☆ オフィシャルサイト: Chateau d Auvers sur Oise
☆ Wikipédia: Château d'Auvers
☆ MMM: 印象派の時代を旅するオーヴェル=シュル=オワーズ城
ゴッホ終焉の地、オーヴェール・シュル・オワーズ~麦畑とラヴー亭
☆ パリ発フランス情報ハヤクー: ゴッホの足跡を追って Auvers-sur-Oise


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