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2009/05/26

シリーズ記事【ベルギー旅行記(目次】 その6


フランスのことを書くつもりのブログなのに、ベルギー旅行のことをすでに5回も書いてしまいました。

ベルギー旅行の日記をスタートしてしまったのは、こちらの日記

本当は、今日書く言葉の問題で感じたことだけを日記にしておきたかったのです。でも、私などには奥が分からない事情なので、軽々しく書けない・・・。
少し書きかけていたら、ベルギーには「言語戦争」といわれるものもあるらしいと知りました。
ともかく、軽い話しからベルギーを旅行したときのことをメモしておこう... と書き始めたら、どんどん脱線してしまいました...。


ベルギーの公用語は3つ

ベルギーは、日本に例えると、九州を一回り小さくした大きさの小さな国です。それなのに、公用語が3つもあるのです。
オランダ語、フランス語、ドイツ語。
オランダ語?:
ベルギーのことを書いている日本語の文章では「オランダ語」と表記していることが多いのでそれに従ったのですが、フランスではフラマン語と呼ばれてています。オランダ本土のオランダ語とは少し違うはずです。


マイナーな存在だそうですが、ドイツ語まで入っていたとは知りませんでした。

ただし、首都のブリュッセルの周辺は、フランス語とオランダ語のバイリンガル地域になっているのだそう。


公用語が複数ある国では、表示は公用語で書いてあるものだと思っていました。ふつう、複数言語の国や地域では、地名なども公用語で複数表示されています。大変だな...、お金がかかるだろうな... とは同情しておりました!

ベルギーの公用語にはフランス語が入っているので全く問題ないはず、と楽観していました。
ところが・・・


何が書いてあるのか、さっぱりわからない!

今回私が旅行したベルギーはオランダ語圏の地域だけでした。

オランダ語しか書いてない!
外国人も来るのだから英語も書いておこう、という配慮も、超観光地以外ではゼロだと感じました。

これって、変だな... と思ってしまいました。

フランス語圏に住むベルギー人は、自分の国にあるオランダ語圏に行ったら、外国旅行しているような気分になるはずです。

さらに、ベルギーに住むことになった外国人はどうするのでしょう?

日常生活ができるレベルになるまでにフランス語ないしオランダ語をマスターするだけでも大変なのに、2カ国語をある程度理解できるようにならなかえれば生活できないのでしょうか? 少なくとも、地名くらいは2通りで知っていないと、どうしようもないはず。

フランス語とオランダ語は全く違うのですもの! フランス語とイタリア語を両方マスターするというのとは違います。

フランス語が分からないでフランスに来てしまう日本人も、同じように感じるのかも知れないですね。私も言葉が分からない国に行ったときには、何が書いてあるのかさっぱり分からない、と思うわけです。

でも、公用語になっている言葉の1つを知っている国を旅行するのだったら、それさえあれば不自由しないで済むだろう、と楽観して行ってしまうではないですか?...


ベルギーの言語戦争?

オランダ語圏では完全にフランス語をボイコットしているように感じました。

博物館に入っても、オランダ語の説明しかないという徹底さです。外国人だっているのですから、せめてタイトルくらいには英語を入れてくれたって良いではないですか?...

極東の日本だって、努力していますよ。外国人にしたら、まだ足りないと思われるでしょうが、でも、日本は努力しています!

オランダ語というのは、私には全くわからない言語です。

例として、こんな写真を入れてみましょうか?
教会の横の広場にテラスで食事していたとき、私の横に書いてあったもの。



その場の感じと、ドイツ語からの連想(?)から、「ここに駐車すると罰金をとられる」というような意味なのではないかと想像しました。

でも、禁止することくらい公用語で列記して表示すれば良いではありませんか?!

地名をフランス語で知っている町に行きたくても、道路標示も完全にオランダ語表記だけ。普通は、複数の言語を持っている国の場合、それを並べて書くのが普通だと思っていたのですけど...。

例えば、私の目的地の一つに、ベルギーがブルゴーニュ公国時代にゆかりのあったCourtraiという町がありました。なぜ行きたかったのかは長くなるので省略しますが、この町の現地語の呼称、つまりオランダ語での名称はKortrijkでした。発音すれば似ているのかも知れませんが、高速道路を飛ばしているときに見えてくる地名の字ズラは全くちがいます!

ベルギーの地名表記の一覧表を見てみたら、こんなのもありました。

フランス語表記でLéauは、オランダ語表記でZoutleeuwになっていました。これくらい違うと、連想もできませんよ~!

子どもたちの地理の授業では、どうしているのでしょう? 地名を覚えるだけでも大変なのに、2通りに覚えさせるのでしょうか?...

ただし、発見した高速道路走行中の唯一の例外。ベルギー国境に近いフランスの町リール市だけは、オランダ語の表記(Rijsel)のあとに、カッコでくくって「Lille」と表記していました。それは親切だと思いました!


「ベルギーの言語戦争」と呼ぶらしい

物知りということでマークしているフランス人が言っていたことなので真偽は分かりませんが、ベルギーのオランダ語圏では、言語の対立が激しくなってきた最近、道路標識公式な表記にあったフランス語表記をなくしたとのこと。

すでにあった道路標識などを新しくしたのなら、税金の無駄遣いだと思ってしまうのですが、オランダ語圏なのにフランス語を書いているのは許せなかった?...

オランダ語圏にあるレストランなのに、フランス語で表示していると、ご近所から白い目で見られるので避けるのだ、と聞きました。

もしも事情を知っていらっしゃる方がこの日記を読んでくださっていたら、真相を教えてくださると嬉しいです。

「ベルギー 言語戦争」をキーワードにした検索結果


形成すべきではなかった国だった、と言ってしまったら行き過ぎでしょうけど...

1つの国に複数の言語があるのは複雑な状況を生み出すと思います。

言葉が違うと祖先の民族が違うのだろうという問題だけではなくて、ある言語をしゃべっていると、その背景となっている文化の影響も受けると思うのです。外国語を話す日本人を見ていても、話す言葉の国の国民性のようなものを持ってしまっていると感じますから。

数か月前、B&B民宿で朝食をとったとき、ベルギーから来た観光客がいたので、フランス人たちも交えてベルギーについておしゃべりしたことがありました。

ベルギーでは、オランダ語圏とフランス語圏の仲がとても悪いのだ、という話しをしていました。

食卓を囲んでいたのはフランス語圏から来た女性2人。オランダ語圏の人たちは経済的に豊かなのでフランス語圏の人たちをバカにしたり、圧力をかけたりするのだと言います。

「そもそも、ベルギーという国ができてしまったのが不自然なんだ」

そう言ったフランス人がいました。今の国境の線が引かれたのは、200年にも満たない頃だったそうです。

日本の歴史で連想してみると、明治維新の30年くらい前ですか。確かに、それまでの日本が中国に属していたり、韓国に属していたりした地域があって、たった200年くらい前に日本として独立したとすると、確かに奇妙ではあります。しかも、言葉まで違う地域が一つの国を作るなんて、想像できないです。

オランダ語圏とフランス語圏の争いがひどい地域では、圏を超えての結婚もしないようなところさえあるとのこと。今の世の中に、ロメオとジュリエットの世界がまだあるということ?!...

そんなに仲が悪いなら、ベルギーはオランダとフランスにそれぞれ編入してしまった方が良いのではないか、などと思ってしまったのですが、そういうものでもないのでしょうね...。

☆ Wikipediaの「ベルギー」の記事に、国の歴史が記載されていました。


スイスも複数の公用語がある国だけれど...

スイスにも公用語は4カ国語ありますが、仲よくやっているように感じます。

去年の夏にスイスに行ったときには、ドイツ語圏を旅行していても、今回のベルギーのような違和感はありませんでした。

スイスに行ったときにとった写真アルバムを覗いてみたのですが、博物館の説明はたいてい3カ国語くらいで書いてありますね。

下は、ドイツ語圏にあったテーマパークで撮った写真です。



昔の水飲み場か何かなのですが、ちゃんと、「ここで水浴をしてはいけない」と4カ国語で書いてあります。真夏には、そんなことをしたくなる人も出るのは分かりますが、でも禁止! ちゃんと禁止内容が誰にでも分かるようにする努力は評価しましょう!

フランス語の文章は間違いだらけなので、誰か直しています。意味はとれるのですから、「放っておいて~!」と言いたくなりますが、おせっかいな人がいた様子。

フランス人がしたのか、フランス語圏のスイス人がしたのか?... フランス語を母国語とするフランス人でも綴りや文法上の間違いをする人は多いので、こういう風に直しているのはをフランスでもよく見かけます!


言語戦争があるとはいえ、ベルギー人はバイリンガル!

オランダ語圏を旅行していたので、レストランの入り口に掲げてあるメニューもオランダ語でしか書いていないので不便でした。

そのくせ、レストランやカフェの名前だけは、フランス語が圧倒的に多い! やはり食べ物はフランス語の方がイメージが良いということなのでしょうか? あるいは、言語の間の摩擦がない時代にできた店の名前だったのか?・・・

ただし、レストランに入ってフランス語のメニューを頼むと、出してくれるところは多かったです。ウエーターもちゃんとフランス語を話す人が多い。ホテルも問題なしにフランス語が通じる。

つまり、言語戦争という背景があるにしても、商売となるとちゃんとバイリンガルでやっている。

観光に携わっていなくても、バイリンガルの人は多いのではないでしょうか? オランダ語圏では、かたくなに表面上でフランス語をボイコットしているだけなのだ、という印象を受けました。

それなら、そんなに硬くなにならなくても良いのに...。分からないです!


同じ国に複数の公用語がある国では、初対面の人と何語で話すのか?

スイスのお役人と仕事をしたとき、言葉が違う人たちが集まる会議ではどうしているのか聞いてみたことがありました。だって、通訳をつけていたらお金がかかってしかたないではないですか?

それぞれ自分の言葉でしゃべると、聞いている人は自分の言葉でなくても、だいたい分かるので問題ないのだ、との返事でした。

なるほど・・・。
そういうのって、日本などでは想像もできないですよね?...

複数の言語がある国というのは、不便なことが多いと思います。

フランスでは、久しぶりに誰かに会って挨拶するとき、少し面倒なことがあります。この人とはキスの挨拶だったっけ?... 握手だったっけ?... さらに、キスをする間柄だったと思いだしたときは、何回キスする相手だったかを思い出さなければなりません。

フランスのキスの挨拶は1つから4つとなっているのですが、たいていの場合は、2回か4回。でも、4回だと思って連続キスの構えでいたときに相手に顔をひっこめられると、非常にバツの悪い思いをします!

それだけでも面倒だと思っていたのですが、言語が色々ある国では、この人とは何語で話すんだったっけ? というのも思い出さなければならないのでしょう?

各地から集まった人がいる席で、完全にバイリンガルの人は、隣にいる人に何語で話しかけるかをま迷わないのでしょうか?

自分の言葉で話してしまう、という方法をとるのか? あるいは、相手の顔を見ると、何語を使えば良いのか分かるのか?...

無理をしてオランダ語で話していたら、しばらくしてから、相手もフランス語の方が得意だった、というのが分るという状況もあるはず。

言葉の問題がある国というのは、日本人の私にはどうにも不便だと思ってしまいます...。

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コメント
この記事へのコメント
こんにちは。言語戦争とは興味深いですね。。
他言語を排することで自分のポジションをアピールするというのは、確かにわかりやすいのかもしれないですが、たてまえと本音のようにわけるのは、う~ん確かに少し面倒くさそうな。。

会社にペルー人とブラジル人の方が働いていて、2人で話すのを聞くと、スペイン語とポルトガル語で普通に会話しています。意味はだいたい通じるそうなので、言語が近いのっていいなと思いました。

日本の場合だったら、韓国語のニュースを聞くとたまに漢字の発音が同じ箇所を見つけたり、中国語は文字になっていると意味がなんとなくわかると言ったことはあったとしても、会話を理解できるということは、勉強しなきゃ難しいですよね。。

しかしお写真のフランス語の文字を何度か直した看板は面白いですね!フランス語ってやっぱ難しいんですね^^;

2009/05/30 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
v-22chiaki@静岡さんへ

ベルギーの場合は、普通に多国語の国で動かすのは簡単なのに、民族間の感情的摩擦が大きいのだろうと思いました。スイスの場合は国を1つにするためにかなり努力しているのだろうな、と改めて感じました。スイスは徴兵制も徹底しているし...。

>会社にペルー人とブラジル人の方が働いていて、2人で話すのを聞くと、スペイン語とポルトガル語で普通に会話しています。

⇒ スペイン語とポルトガル語はかなり違うと思っていたのですが、そうですか。こういう場面って、私たちは経験できないので面白いですよね。

韓国語は文法が日本語に似ているので習得しやすいと聞いて、ちょっと勉強してみたことがあるのですが、音で聞く言葉が全く頭に入らないのであきらめました。イタリア語などだと、一度聞けば覚えてしまう単語がたくさんなるのに。韓国が漢字を使わなくなってしまったのも残念に思ってしまいました。

中国語は、日本語を理解するために絶対に勉強しなければと思ったこともあるのですが、それでなくても漢字は苦手なのでお手上げ。でも、書いたものは意味を想像できたりできるので嬉しいです。

>写真のフランス語の文字を何度か直した看板は面白いですね!フランス語ってやっぱ難しいんですね^^;

⇒ 間違いをしやすい言語でもありますが、子どものときに添削された癖が付いているのかな? 直すのが好きな人が多いので笑ってしまいます。もっとも、フランス語の乱れは激しくなっているので、あと数十年したら、こんな添削を書きこんだ掲示を見ることはなくなるのではないかな?...
2009/05/30 | URL | Otium  [ 編集 ]
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