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2014/02/05
フランスでは日曜日には普通の店が閉まっているのですけど、日曜日の商店営業を合法化しようというので、法律を犯して営業した店があったので騒がれたことがありました。ニュースを読み直してみたら、去年の秋でしたね。

働いている学生アルバイトなどがインタビューに応じていました。働きたい人が働くなら良いじゃないか、と私は思ったのですけれど、友人たちは口をそろえて「けしからん」と言っていました。

テレビで「けしからん」と言っていた人は、日曜日は家族団らんの日なのに、その風習を壊すのは良くない、という主張。でも、家族がいない人だっているわけだし、学生は日曜日が働き易くて、しかも平日より多くの報酬をもらえたら嬉しいと思うではないですか?

でも、反対する人たちの意見を聞いていると、そういう商店が出てくると、日曜日に働くのが普通になってしまうから、ということらしいと感じました。

こういうときに出てくるのが、「奴隷のように働かされる」という言い方。


奴隷という言葉が気になる

「奴隷」を持ち出すのは、ちょっとオーバーではないですか?

労働者の権利に関しては、日本は後進国なみだと思っているので、フランス人が「奴隷みたいに...」と言うのを聞くと、つい「日本はもっと酷いよ...」と言いたくなってしまう私...。

フランスが週35時間労働になってからは、週末に働かなければならない職種や地位の人たちなど、振替休日のおかげで年に休暇が8週間などという人は珍しくありません。

「年に8週間も休暇をくれる会社だったら、私なら、どんな仕事でも耐えちゃうけどな...」などと、友人に言ってしまったこともありました。そういうことを言うのって、全く励ましにはならないのは分かっているのですけど、うらやましくて、つい口走ってしまう...。

ともかく、日本では「奴隷のように働かされている」なんて表現しないですよね。・・・と書こうとしたのですけど、検索してみました。まず、契約社員とか、派遣社員とか、不利な働き方をしているケースの単語に「奴隷」を組み合わせてみる。

やはり使われているのですね...。書籍のタイトルにもなっていました。

30代こそ「奴隷」から抜け出そう!
脱・社内奴隷 「伝説の先輩」が教える幸せになるための仕事のルール (カードブック版)
「若者奴隷」時代 “若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来 (晋遊舎ムック)
「研修生」という名の奴隷労働―外国人労働者問題とこれからの日本

でも、フランスで言われるときと違うような...。検索してでてきたネット上の発言でも、奴隷になってしまうような生き方をしているのがいけない、という声も目立ちました。本来、奴隷というのは、自分で望まないでそうなってしまう不幸なのだけれど...。

フランスで言われるのはこういう感じ、という文章が出てきました。

☆ アゴラ: 日本サラリーマンの「奴隷的」労働環境を問う

でも、外国で働いた経験がある人だから、「奴隷」という言葉で日本のサラリーマンを捉えたようにも思える。

書籍を検索してみて気がついたのですが、「奴隷」というと、奴隷制のことを抜けば、性と付けて扱われることが非常に多いのでした。「搾取」と言って欲しいと思ったのですが、それだとマルクス主義的になってしまうので適当ではないのでしょうね。

どうも「奴隷」という日本語は、しっくりこない。と思ったら、「社畜(しゃちく)」という言葉が存在していました。そう言われると、すでに聞いたことがあったような...。それにしても、すさまじい表現ですね...。

「社畜」をキーワードにして書籍を検索

「社畜」に関連して、ブラック企業ブラック会社)という表現もあるのだそう。Wikipediaのリンクからフランス語ページにすると、「Atelier de misère」となっていて、現代では主に発展途上国に見られると書いてあります。

英語のページ「Black Company (Japanese term)」では、これは和製英語だと説明してありました。産業革命期にあった低賃金で長時間労働させる工場はSweatshopなので、フランス語の単語はこちらの意味でのリンクでしょうね。
 
でも、社畜とかブラック企業とか言うにしても、それは特殊なケースを指しているようにも感じます。でも、日本は年休がまともに取れない体制だし、その他もろもろ、普通のケースでもかなり労働条件は悪いと思う。フランス人たちが「奴隷のように働かされる」なんていうケースは、日本ではそれほど取沙汰されないのではないかな?...


日本人は我慢強い?

奴隷、社畜とかいう単語が日本で使われているというのは見えたのですが、私の日本の友人がそう言うのは聞いたことがないように思います。

日本人がどのくらい仕事でストレスを感じているのか、データを探してみました。

出てきたのは、これ。


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3274.html 
図録▽仕事のストレスの国際比較

日本人は我慢強いので、ストレスを感じていないというのは分からなくはないですが、「くたくたになって帰宅するか」というフランス人が92.5%もいるのには驚きました。

フランスで週35時間労働が始まったのが2002年。その後のデータですよね? 確かに、フランスでは、例えパートであろうとも、人を雇うには社会保障や有給休暇をしっかり与えるための支出が雇用者にはあるので、人をできるだけ少なくするという傾向があります。なので、実質的にはフランスの方がみっちり仕事をさせられると感じる場面はあります。でも、やたらにリラックスして働いている人たちも多いのですけど...。

でも、ともかく、日本は仕事の拘束時間が長いのは確か。

長時間労働者比率の国際比較

それでもストレスをそれほどには感じないというのは、日本人は我慢強いだけなのじゃないの? ... と思ったら、こんなデータもありました。


図録▽疲れやすい国民・疲れにくい国民

やっぱりね...。日本人は耐えてしまう国民なのだ...。


福島原発事故のすぐ後に見て、いまだに思い出すと落ち込んでしまう動画があります...。


隠された被曝労働〜日本の原発労働者1
1995年 イギリス Channel4

⇒  ⇒ 

 シリーズ記事: 「奴隷のように働く」という例え


外部リンク:
フランスの大問題、商店の日曜日開店と夜間営業は解禁されるか
仏「日曜営業」解禁に割れる世論
☆ JETRO: フランスの特殊な労働時間の取り扱い
ドイツで「奴隷労働」と批判された米アマゾン
欧州の組織はなぜ従業員を丁重に扱うのか
Le contrat à durée déterminée (CDD)
☆ Wikipedia: 社畜 | ブラック企業
ブラック企業問題はなぜ「辞めればいいじゃん」で解決しないのか
「モノ扱いされていた」と言われた「派遣労働者」 法改正で立場はよくなるのか? 2015/03/14
農家、JA、農水省が外人を奴隷にしてる…時給300円で農作業する研修生
長時間労働、数万円の自腹買取り、元ヤン店長の暴力支配…ブラックバイトに気をつけろ
「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議

内部リンク:
【日本での働き方】
『畏れ慄いて』は日本を侮辱する作品なのか? 2013/05/26

【フランス人の働き方】
フランス人は、私生活のこととなると働き者! 2008/07/30
急に元気になった友達 2008/04/03
みんながヴァカンスを楽しんでいるときに働くのは辛い! 2005/07/26
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友達の家に遊びに行って思ったこと 2006/07/29


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