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2014/01/12
家禽類が私の好物です。フランスで食用にされるトリには色々な種類があるので、日本に帰ってくると、それが一番つまらない...。

ニワトリにしても、性別、育て方、年齢によって色々な種類があります。その他、、鴨(アヒル)、ガチョウ、ホロホロ鳥、ハト、ウズラ、七面鳥。

これらの食材は、普通に手に入ります。それほど普及はしていなけれど、鳥の肉としてはダチョウもあります。それから、狩猟シーズンに登場するジビエの野鳥たちもある...。


七面鳥

とり肉が好きと言っても、好きなのは大きさからいってガチョウどまり。七面鳥を食べたいという気持ちになることは、まずありません。

丸ごと買うのを原則にしているので、やたらに大きい七面鳥を見ると食欲がわいてこないというせいもあるはず。

Wild turkey eastern us Large White turkey female

自分で七面鳥を買うことがないので、出会うのは安い料理のときです。こういうのはコストを安くしている料理なので、当然ながら、美味しくない。 二度と食べたくないと思ってしまう、パサパサのもあります。

七面鳥には安いトリ肉だというイメージが私はできてしまっていまっているために、食指が動かないのだろうと思います。それで、フランスで出会う家禽類の中では、私にとって七面鳥は最も縁が薄いトリ肉の部類に入ります。

ほとんど何も知らない七面鳥について、少し調べてみたくなりました。

日本で七面鳥を売っているのを見かけたことはないのですが、ちゃんとネット販売はされていました。

右に入れたのはアメリカ産の丸焼きで、重量6キロ、焼き上がり4.5~5キロなのだそう。

ショップの説明を見ると、1羽で12~14人分とありました。

これはかなり大きいのでしょうね。フランスのレシピの材料をみたら、3キロの七面鳥をローストにするというのが多かったです。それで8人分。


クリスマスには七面鳥を食べる?

七面鳥が気になったのは、前回の日記「日本の人気クリスマス料理はファーストフード?!」を書きながら出てくる日本語のページを読んでいたら、欧米のクリスマスでは七面鳥を食べるものだ、と断定していたからでした。

日本ではクリスマスにはケンタッキーのフライドチキンに人気があると発見したことを書いたのですが、KFCがクリスマスと結びつけて宣伝するようになった1974年。七面鳥を入手しにくい日本にいる外国人たちがクリスマスに鶏肉を食べているのを見て、アイディアを思いついたのだそうです。

今日のフランスで、クリスマスには七面鳥を食べることにしている家庭は、どのくらいの割合なのだろうか? レシピを探すとたくさん出てくるので、昔の伝統を守っている家が多いらしいとは想像できます。

でも、私がクリスマスの食事に招待されたとき、七面鳥の丸焼きを出されたことがないのです。クリスマスイブというのは家族だけで過ごすのが普通で、他人を呼ぶとしても家族のように親しい人だけ。なので、色々な家庭のクリスマス料理を味わっていないため、一般的な事情については判断できません。



年配の友人たちは、「子どものときにはクリスマスには必ず七面鳥を食べた」と語ります。七面鳥に栗を詰め込んだ丸焼き料理「Dinde (farcie) aux marrons」で、これがフランスの伝統的なクリスマス料理の定番なのだそう。

でも、思い出話をする友人たちは、美味しくて嬉しかったという顔をしては語らないのです。

七面鳥をほおばって、さらに付け合せの栗を食べて、窒息しそうなくらいお腹が膨らんだ、という話し。

つまりは、むしろ恨みの料理みたいな言い方をしています。

Dinde de Noël en Aveyron右に入れたのは、Wikipediaの「クリスマスの七面鳥(Dinde de Noël)」という項目に入っていた写真です。

普通の七面鳥はここまでは大きくはないと思うのですが、ガチョウよりも大きいので、子どもが10人くらいいた昔の家族が集まってご馳走として食べるとなったら、向いている食材です。

大家族では七面鳥1羽でも足りないので、付け合せをお腹が膨らむ栗にする、というお母さんのテクニックではないでしょうか?

こういうお腹が膨れるクリスマス料理はフランス人に定着したイメージのようで、フランスの人気歌手Renaud(ルノー)の歌の中にも、栗詰めの七面鳥のクリスマス料理と窒息を結びつけていました。これが面白かったのですが、書きだすと脱線が長くなってしまうので、次回の日記でご紹介しようと思います。


フランスにおける七面鳥の歴史

クリスマスに七面鳥を食べる風習は、いつできたのか?

クリスマスのご馳走として、家禽類、特にガチョウを食べる風習が昔からあったのだそう。

16世紀後半、スペイン人が新大陸からヨーロッパに七面鳥を持ち込み、珍しい食材ということで、フランスでもご馳走の食材となったそうです。

メソアメリカでは紀元前1300年頃から七面鳥が飼育されていたとのこと。新大陸を発見したコロンブスは第1回目の旅行で七面鳥に出会い「羊毛のような羽を持った大きな雌鶏」と表現していたそうです。

アメリカ大陸から来たと聞くと納得できることがありました。七面鳥はフランス語では「dinde」なのですが、「インド」を連想させる言葉なのです。アメリカ大陸を発見したコロンブスは、始めはインドだと思ったと言われます。だから、原住民がインデァンと呼ばれる。

だから七面鳥も、フランスに入ったときは「インドの鶏(poules d'Inde、coq d’Inde、poule d’Inde)」と呼ばれたのだそう。「インドの」というところだけ残って「ダンド」となったのですか。ただし、学名はgallopavo

でも、不思議なことに、英語では七面鳥はターキー(turkey)ではないですか?  なぜ「トルコ」が登場するかは色々な説があるのでしょうが、フランス情報では英語圏の国々にはトルコ経由で七面鳥が入ったのからと説明されていました。日本のサイト「語源由来辞典」では、そうではないと言っていますが(ターキーの語源・由来)。

フランスに入った七面鳥は直ちに気に入られたようです。フランソワ・ラブレー(François Rabelais)の『ガルガンチュワ物語(1534年)』には、「poulles d'Inde(インドの雌鶏)」として七面鳥が登場しています。

大きいので丸焼きにするのは難しいため、詰め物をする(ファルシー)レシピが普及します。肉そのものには味があまりないので、調理人の腕によるところが多かったのでした。

でも、飼育可能な七面鳥は確保できる食材としての価値は大きかった。数カ月前の日記に書いたように、フランスで肉牛の飼育が本格的になったのは、たかが17世紀でした。
これは「雄牛御殿」と呼べる城? 2013/09/07

野生動物を食べることが多かったわけで、 それでは食糧難の時期があったはず。

始めは珍しい動物だし、肥えさせるためにはコストもかかるので、七面鳥は非常に高価な食材でした。食べられる貴族やブルジョワ階級でないと食べられなかったのですが、時代とともに手頃な値段になっていきます。

1538年には、七面鳥1羽の価格は雌鶏8羽分を上回っていました。1711年には、2羽分までに下がっています。

19世紀になると、クリスマスに食べる詰め物の七面鳥になり、20世紀になると庶民の口にも入るようになる。さらに、集中飼育法が開発されて、さらに丸ごとではなく部分で売るようにもなり、安価な食材になってきたのでした。


七面鳥といっても色々...

七面鳥の飼育はアメリカで最も盛んですが、フランスは世界で2番目の生産量になるのだそう(年間生産量は625,000トン)。

こうなると集中飼育されている七面鳥が多いというでしょうから、不味いのと美味しいのの差が大きいのだと思います。中には、七面鳥って、こんなに美味しかったのかと驚くものに出会うこともあるのです。

クリスマス前の七面鳥市の動画がありました。百年の歴史を持つFoire aux dindesだそうです:


Pour Noël: choisir sa dinde vivante

買いに来たマダムたちが、生産者を知っているから美味しいと分かるのだ、と言っていますね。

最後に食事会の料理を作っている場面が出てきますが、これは美味しそう。キャベツをチキンスープで煮込んで、生クリームもたっぷり入れています。七面鳥は、農家が手塩をかけて飼育したものであることのほかに、いかにパサパサにしないように仕上げるかも腕のみせどころなのです。

栗を詰める伝統的な七面鳥料理でも、美味しそうに見えたレシピは、栗のほかに色々なものを詰めて丸焼きにしていました。3~4キロの七面鳥に、栗1.5キロ。それだけではなくて、レバー、子羊肉、豚肉、ベーコン、さらにトリュフまで入れて詰め物を作っています。かなり手がこんだ料理。

やはり、七面鳥を買って、自分で料理してみようという気にはなりませんでした...。

 シリーズ記事: ご馳走料理 vs 日常の食事


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: フランスで食べる鳥肉と卵(鶏、鴨、ウズラ、鳩、卵など)

外部リンク:
Histoire de la dinde
Pas de Noël sans une dinde !
「日本ケンタッキー・フライド・チキン編」クリスマスにはチキン~外食企業が創り出した日本文化~
☆ レシピ: Dinde de noël farcie aux marrons


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