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2014/03/18
旅行したフランシュ・コンテ地方では酪農が盛んです。まだ牛を放牧するには早すぎるかもしれないけれど、5月の陽気などと言われるこの頃なので、もう出てきているのではないかと期待しました。

いました、いました♪
この地方の牛、モンベリアルド(Montbéliarde)という種類の乳牛です。



この品種の牛から作った乳製品が私は一番好き。美味しいだけではなくて、姿も可愛いと思います。

フランシュ・コンテが産地のチーズとしてまず思い浮かぶのは、コンテ。それから、モルビエ。

でも、季節限定のチーズ、モンドールがあります。今年は1回もモンドールを食べなかったのに、もうそろそろ販売しなくなる。 買って帰ることにしました。


シーズンが終わりが近づいたモンドール

地元に住む人から薦められていたのはナピオ社(Napiot)のモンドールなので、それを買おうと思ったのですが出会いませんでした。それで、旅行の最後に立ち寄った店にあったバドーズ社(Badoz)のものを買ったのですが、これが非常に美味しかったのでした。

調べてみると、Badozは1830年創業で、自分のところでチーズの熟成をしている家族経営会社。良いメーカーのようです。

バドーズという名前とパッケージを覚えておこうっと。



バドーズのモンドールのパッケージの画像を入れようと思って、楽天市場で売られてモンドールを眺めたのですが、1つ発見。

日本ではメーカーは余り気にしないようですね。トップはナピオ社のものになっていて、それに続く説明のところの画像がバドーズ社になっている、というのがかなりありました。ナピオのはモン・ドールの産地に住む友人のお勧めだと教えてくれたメーカー。 バドーズは、今回見つけて満足したメーカーなので、どちらでも良いのですけど。

モンドール・チーズを楽天市場で検索

モンドールは、簡単にできてしまうチーズフォンデューのようにして食べるのが好き。作り方は、チーズについてきたバドーズ社のレシピに従って作りました。それが良かったから美味しかったのかもしれないのでメモしておきます。
  • モンドールチーズは、1人あたり200グラムとする。
  • 箱を開けたら、チーズの中央に直径3センチの穴をあける。そこにジュラの白ワインを入れて穴を埋め、ニンニクと胡椒を入れる。
  • 箱をアルミホイルで包み、オーブンに入れる。温度は7のポジション。20分焼いて表面に焦げ目をつける。チーズをトロリとさせたいなら、焼いている間にかき混ぜる。
  • 茹でたジャガイモ、ハム・ソーセージ類と一緒に食べる。

ニンニクは中の芯を取り除くために半分に切ったままで差し込んだのですが、食べるときにはすっかり溶けていました。


レシピは当然ながら地元のワインを薦めていました。でも、私はジュラのワイン、特にサヴァニャンという品種のブドウから作ったワインが好きではありません。

それで、普通に、ブルゴーニュ白ワインを使いました。

いつもより美味しく感じたのは、癖が強いジュラのワインは使わなかったせいかもしれない。


濃くがあって美味しそう
 コンテとモンドールで作るチーズフォンデュー


チーズについてきたレシピには、モンドールとコンテを使ったチーズフォンデューの作り方も書いてありました。これもいつか作ってみたいのでメモ。

材料:
コンテ 700g、モンドール 300g、辛口白ワイン 50cl、ニンニク、胡椒

作り方:
  • 鍋の底にニンニクをこすりつける。
  • コンテチーズを鍋に入れて熱し、白ワインを加えてかき混ぜ続ける。
  • コンテが溶けたらモンドールを加えてかき混ぜる。
  • 胡椒を加えてできあがり。

実はフランシュ・コンテ地方を旅行したときにレストランで食べたチーズフォンデューが余りにも美味しかったので、あれはどうやって作ったのかと気になっているのです。

これが、その忘れられないフォンデュー:


一番好きなチーズ・フォンデュはコントワーズ 2012/12/29

モンドールがほんの少し入っていたのではないかと思ったのですが、違うかな?...


モンドール・チーズにはフランス産とスイス産がある

モンドールは年に1回か2回くらいしか食べないので、私には身近なチーズではありません。

Mont d'Or」と綴るのですが、スイスでも似たようなのを作っていて、スイスの場合は「Mont-d'Or」とハイフンを入れたスペルになるのだそう。

フランスのとスイスのとの違いを比較してみます。
 フランス産スイス産
名称Mont d'Or
あるいは
Vacherin du Haut-Doubs
Vacherin Mont-d’Or
あるいは
Vacherin
ミルク生乳加熱処理乳
牛の種類montbéliarde
あるいは
simmental française
特定なし
生産地の標高700 m特定なし
生産時期8月15日~3月15日8月15日~3月31日
販売時期9月10日~5月10日9月~4月

日本に輸入されているモンドールにも、スイス産のはないように見えました:
モンドール・チーズを楽天市場で検索

フランスのサイトでスイス産のモンドールを検索しても、売っているのは全く見えない...。

こうなったら、やけになる。しつこく探してみたら、日本で扱っているショップを見つけました。フランス産がクリーム色なのに対して、スイス産は少しオレンジがかった色をしているのだそうです。

こちらのショップが、その色の違いを写真で見せてくれています:
モンドールチーズ ~言葉を失うおいしさ~

この日本のサイトでは両方扱っていて(両方とも在庫切れですが)、500グラムのモンドールが、フランス産は3,220円、スイス産は4,620円となっていました。

現地価格を比較できないので分りませんが、仕入れ値で決めているのでしょうから、スイス産の方が高額なのだろうと推測します。スイスは物価が高いので、フランス産より規制が厳しくなくて作れるとしても売値が高いのは納得できます。となると、フランスのネットショップでは、安い国産品しか扱わないのも無理はないと思いました。

ルモンド紙に、フランス産とスイス産のモンドールについての記事があったのですが、記事の最後はこう結ばれていました。
― もしもあなたがパリでmont-d'or(スイス産)を探そうとするなら、頑張ってくださいね。私はmont d'or(フランス産)しか見つけることができませんでした。


フランス産とスイス産のモンドールの製造法の違いを比べてみると、私はAOC/AOP(原産地呼称統制)を持っているフランス産のモンドールの方が美味しそうに見えました。

第1の理由は、フランス産のモン・ドールはモンベリアルド種かシマンタール種の牛のミルクしか使っていないこと。この地方を旅行すると、牧場にはモンベリアール種の牛の姿ばかりみるので、シマンタールは少ないと思う。もしもホルシュタインのミルクで作っていたら、同じ名前のチーズでも、味は180度変わると思います。

第2は、スイス産のモンドールは低温加熱処理をしているそうなので(57度~68度で20秒間)、ミルクの本来の味が落ちてしまっているのではないかと懸念すること。

最近のフランスのチーズメーカーでも、危険を避けるために低温殺菌をすることが多くなっています。例えば、カマンベールでも、大手メーカーは低温加熱殺菌をするようになってことが多くなって、カマンベールの味が落ちたというのがカマンベール・ファンの間では話題になっています。加熱したらAOC/AOP付きのカマンベールとしては売れませんが、大手メーカーでは売れるのだから気にしない!

スイスのモンドールは、1987年にリステリア菌の混入問題があったのだそう(死者34名)。真っ先に言われたのは、殺菌をしていない生乳を使っていたからだろう、ということ。でも、すでにスイスのモンドールは、1985年にサルモネラ菌混入問題があった後、低温殺菌のミルクしか使っていようになっていたのでした。

近代的な設備でチーズを作ると清潔そうに見えますが、私は昔ながらの製法の方が好きです...。


追記:

バドーズ社のモンドールは初めてではなかった

写真アルバムを眺めていたら、バドーズ社のモンドールの写真が入っていたことに気がつきました。このメーカーのは美味しいからパッケージデザインを覚えておこうと日記に書いたわけですが、なあんだ、初めて食べたわけではなかったのだ...。



フォンデューにするのに便利なように、ジュラのワインの小瓶が付いているというタイプのもの。冬になるとスーパーで山積みして売る特売品のモンドールだったのではないかな?...

このときは、オーブンで焼いた写真もとっていました。



美味しかったように記憶してはいるのですが、感激してブログにしたりはしていませんでした。今回のが格別に美味しく感じたのは、産地で買ったために、冷蔵庫などには保管されていなかったからなのではないか、とも思います。 チーズは生き物なのですよね...。

 シリーズ記事: フランシュ・コンテ旅行記 (2014年3月)  目次


ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた日記
   ⇒ フランシュ・コンテ(ジュラ)地方のチーズ
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事

外部リンク:
☆ Le Monde: Il y a mont d'or et mont-d'or
LE MONT D'OR - L'authentique fromage de montagne du Haut-Doubs


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コメント
この記事へのコメント
モンドール
スイス産のモンドール、日本でもチーズショップで売られていることもありますよ。
いつだったかは忘れましたが、スイス産のから菌が見つかったので今回は入ってきてないんですと言われた年もありました。(逆もあるでしょうね)
それから、スイス産はウオッシュされる回数がフランス産より多いせいか、表皮もオレンジで臭いもちょっと強くて、でも中はトロトロでこちらのほうが好きという人も結構多いです。
昨年12月に両方をパリで購入しましたが、フランスの方があっさり固め、スイス産が柔らかくて味が濃くてトロトロでした。私はスイス産のほうが好みでした。製造メーカーによっても味がちがうのかもしれません。
2014/03/20 | URL | かてきん  [ 編集 ]
Re: モンドール
v-22 かてきんさんへ

>スイス産のモンドール、日本でもチーズショップで売られていることもありますよ。
⇒ ページを転送してから、スイス産のが売られていないこともないだろうと疑いを持って調べていたら、それを扱っている日本のネットショップを見つけました。メモしておかないと忘れてしまう。コメントをいただいてから、少し記事の文章を追加しました。

比べて味わったという貴重なご報告、どうもありがとうございます! もちろん、スイスのサイトにはスイス産のモンドールの紹介が出てきますが、フランスや日本で、客観的にどう言われているかを知りたかったのです。

>スイス産はウオッシュされる回数がフランス産より多いせいか、表皮もオレンジで臭いもちょっと強くて、でも中はトロトロでこちらのほうが好きという人も結構多いです。
⇒ ウオッシュの回数が多いというのは知りませんでした。色がオレンジ色っぽいのには何かしら理由があるだろうとは思っていたのですが、そこらへんに理由がありましたか。

「臭いもちょっと強くて」というのは意外でした。スイス産を扱っている日本のショップが、スイス産モンドールのリクエストが多いので入れたいうのを読んで、スイス製の方がさっぱりしていて、だから日本人ファンがいるのではないかと想像したのですが、その逆でしたか~。

今まで私が食べたモンドールは(フランス産のをオーブン焼きしたものだけ)、やたらに濃厚な味がするのが私にはネックで、年に1回か2回食べればたくさんだと思っていました。ところが、今回のは非常にさっぱりとして、適度に風味があって、一人用に500グラムのを1個与えられても平らげてしまっただろうと思うほど食べやすかったのが気に入ったのでした。一人あたり、その半分だったので、ものたりなかった...。

>昨年12月に両方をパリで購入しましたが、フランスの方があっさり固め、スイス産が柔らかくて味が濃くてトロトロでした。
⇒ 食べた記憶が新しいバドーズ社のモンドールのフォンデューは、ほとんど液体状態でした。あれよりトロトロだと、どうなるのかな?… あぁ~! オーブンに入れないで召し上がりましたか? 私はモンドールをそのまま食べたことがありません。皮が少し堅そうで、だからといって切り落とすほどの皮でもないので、このチーズはフォンデューにすべきなのだと信じ切っているのです。今回のブログを書きながら、次にモンドールを買ったときには、オーブンに入れる前に少し味見してみようと、今さらながら気がついたのでした...。
2014/03/20 | URL | Otium  [ 編集 ]
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