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2014/03/27
今回の旅行目的の1つは、日本にあったギュスターヴクールベの作品『フラジェの樫の木』が、クールベの故郷にあるクールベ美術館に戻ったので見に行くことでした。本当は、戻ってすぐの昨年に行こうと思っていたのに機会を逃してしまっていたのです。

目的地は、フランシュ・コンテ地方ドゥー県にあるオルナン町(Ornans)。

県名になっているドゥー川(Doubs)に流れ込む支流のほとりに家々が並ぶ、独特の雰囲気がある町です。



「フランシュ・コンテ地方の小さなヴェネチア」とも呼ばれるオルナン。人口4,000人余りのこじんまりした町なのですが、この町で生まれた画家ギュスターヴ・クールベGustave Courbet: 1819~1877年)の作品を飾るクールベ美術館(Musée Courbet)を最近改築して、所蔵品も充実させてきています。

有名な絵画はパリに行かないと見れない傾向があるので、○○美術館といっても大した作品はないことが多いフランスなのですが、ここは見応えがある作品を上手に展示しています。そこに、また目玉となる作品を入れたのでした。


フラジェの樫の木

八王子にある村内美術館から買い取った『フラジェの樫の木Le Chêne de Flagey)』。ようやく樫の木が故郷に根を張れるようになった、と地元では大きな話題になりました。

地元というとき、我がブルゴーニュ地方も入ってしまいます。テレビの地方放送局は、ブルゴーニュとフランシュ・コンテが一緒になっているので。

フランスの写実主義の画家ギュスターヴ・クールベGustave Courbet: 1819~1877年)が、1864年に描いた作品です。


Le Chêne de Flagey appelé Chêne de Vercingétorix, camp de César près d’Alésia, Franche-Comté

フラジェとは村の名前で、クールベの父方の家があります。大地主だったのを思わせる立派な家が残っており、これも最近になって県が買い取って、展示場として使うほか、クールベの小さな寝室を残しながら、B&B民宿の部屋も作っています。

絵のモデルとなった樫の木はすでに残っていないということもあるし、ただの樹木ではないので、この作品を取り戻したいという地元の人たちの熱意は大変なものでした。

そのことについては、すでに書いているので省略:
画家ギュスターヴ・クールベとアレシアの戦いの関係 2011/08/25 


この絵の存在を知ってから、日本で見に行こうかとも思ったのですが、やはり故郷に帰った姿を見たいと思って待っていたのでした。

ありました♪

小さな絵を想像していたのですが、かなりの大きさ。160 cm × 110 cm のキャンバスなのだそう。



作品の右に台があって、布(だったかな?)でできたノートが置いてある。この絵画を買い取るための寄付に協力した企業や人の名前が書いてありました。

村内美術館の売値は450万ユーロで、その6割は地元企業や民間人の寄付によるものでした(企業メセナが250万ユーロ)。行政機関が出した資金は、残りの130万ユーロ(65万ユーロを国が、県議会と地方圏議会が30万ユーロずつ負担)。

この絵を故郷に戻すことに関して、地元ではかなり盛り上がっていました。オルナン町に近いブザンソン市に住む友人は絶対に寄付しただろうと思う。ページを繰って探してみようかとも思ったのですが、おそらく彼は自分の会社の名前で寄付しただろうし、彼の会社の名前なんか知らないので止めました。

この絵画についての日本での報道記事を検索してみたら、複製画がたくさん出てきたので驚きました:
「フラジェの樫の木」を楽天市場で検索

日本人受けする絵画なのでしょうね。とすると、日本では見れなくなったのを残念に思う人も多いはず...。フランシュ・コンテ地方の人たちには特別な思いがある絵なので、許してあげてください!


この日のクールベ美術館では、Hector Hanoteau(1823~1890年)という名の画家の特別展「エクトール・アノトー - 風景画家、クールベの友人」もしていました。

この風景画家の作品がとても気に入ったので、次回に書きます。

 シリーズ記事: フランシュ・コンテ旅行記 (2014年3月)  目次


ブログ内リンク:
★ 目次: 画家、彫刻家、建築家の足跡を追って

【樹齢400年の巨木】
ハーブティーにする菩提樹の花を命がけで摘む 2013/07/14

外部リンク
Le Chêne de Flagey retrouve ses racines (Le Monde)
YouTube: Le Chêne de Flagey
さようなら クールベ《フラジェの樫の木》 村内美術館


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