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2014/05/21
今年は春になってから、ほとんど雨が降っていません。乾燥しているとブドウの木が病気にはならないはずなので、今年のブドウは健康的に育つだろうと思っていたのですが、そうでもないらしい。

前回の日記「ブドウ畑専用の豪華なトラクター」に書いたワイン農家のご主人は、「今年は腕のみせどころがある難しい年ですよ」なんておっしゃる。

春先に初夏のように暑かったときにブドウが芽を出したのに、その後には気温が下がってしまったために、かなり霜にやられた被害がでているのだそう。新芽がやられたら、今年の実はならない。去年も収穫量が少なかったのですが、今年もそうなりますか...。

それと、強い風が吹いているのが非常に良くないとのこと。氷の上を渡ってきたような冷たい風が、ここのところ吹いていました。

ブドウの木は北風が大嫌いなのですって。私も嫌いですけど、ブドウの木は背が低いので、風なんか気にならないと思ったのだけどね...。


畑にまく薬剤

ワイン農家に買い付けに行ったこの日も、強い風が吹いていました。農家のご主人は、向こうに見える桜の木が揺れるのを眺めながら、明日は風が収まると天気予報が言っていた、と期待していました。

乾燥しているときにはブドウの木が病気にならないので農薬をまく必要がないのだけれど、今年は必要なのだそう。風がおさまらないと薬剤を散布できないので、仕事がとどこおってしまっているのだと話します。

でも、仕事ができないときだったせいか、おしゃべりは延々と続きました。ワインの試飲じゃなくて、風にあたって乾いた喉をうるおしてくれるほど、並々とグラスにワインを注いでくれます。畑に行くことができない従業員の人も、一緒にワインを飲む。

農薬を撒くのはできるだけ少なくしたいし、農薬は高くつくので使いたくない。それなのに、こんなに乾燥しているときに農薬散布をする必要があるなんて不満... と、話します。

薬剤が入った袋が積み重ねてありました。粉末状なので、これを水に溶いて、新しく買ったトラクターで撒くのだそう。



この農家で使うのは、有機農業で許可されている種類の農薬でした。緑色のマークの中に、「Agriculture biologique(有機農業)で使用可能」という文字が目立つように書いてあります。

はぁ、これが少し前から私が気になっていた「soufre」という薬剤ですか? ...


ワインに入れる添加物とは?

日本人から、「フランスでは有毒物質を入れたワインをつくっている」と言われたことが何度もあったので気になっていました。添加物だらけの食品を食べさせられる日本で、なぜフランスワインを非難するのか不思議に思ったのです。

1980年代半ばに、ドイツやオーストリアのワインにジエチレングリコー ルが入っていたというスキャンダルの記憶が私にはあって、フランスワインは添加物に関する規制が厳しいので安全だ、と思っていた私は納得できない...。 

「防腐剤を入れている」と言われたときには、「ありえないですよ~」と答えてしてしまったのですが、何も知らないで返事していたのは確か。

気をつけていたら、白ワインには、sulfiteとかsoufreとかlevureとか呼ぶもの、それから卵を入れているのを知りました。でも、それが有毒物質だとは思っていなかったのです。


シャブリのワインを作っている農家に行ったときに撮った写真。収穫が終わったばかりのときに訪問したのに、忙しく働いているところを見学させてもらったのですが、ギクっとする場面がありました。

アルコールの発酵を促すために使う、levure(酵母)の粉末を収穫したばかりのブドウ液に入れていたのです ↓

 

私にはショックだったけれど、毒物を入れているわけではないのからでしょうが、作業している人は全く平気でしていました。写真なんか撮るのも、全くOK。

そんなものを入れないとワインにならないというのは楽しくない。シャブリはブルゴーニュ地方の北部にあって寒い地方なので、こういう助けが必要なのだろうと思いました。

友達のお気に入りのワイン農家ということで行ったのですが、なんだかその後は行く気がしなくて、このとき限りの訪問になっています。ワインの出来は悪くないのですが、熟成していないのに収穫した白ワイン独特の酸味が気に入らないのです。

最近は、レストランでワインを選ぶときに、知らない生産者しかないときは、シャブリにはバツ印をつけています。ハズレが多すぎるからです。昔は、シャブリのワインといったら、私でさえも目隠しテストで判断できるくらいの特徴があったのに、最近はそういうのがほとんどなくなりました...。

でも、酵母は問題にされていないようです。


問題のワイン添加物とは?

白ワインを飲むと頭が痛くなる人がいます。特に、安物の白ワイン、それから太陽の光が少ない地域で作られるワインがいけない、と私は思っています。

頭痛がおきるのは、ワインに添加する薬物が原因だと、フランスでも最近はかなり話題になってきました。それが入っているかどうかを、EU圏内で生産するワインのレッテルに表記する義務が最近にできたそうです。

私が添加物について気にしだしたのは、ごく最近。ワインに詳しい方だったら、「なんだ今ごろ!」と思われるでしょうね。調べたことをメモしますが、ご存じだったら読み飛ばしてくださいね。
 

最近、またワインは危険な添加剤が入っていると話題にする友人があったので、前々から気になっていたことを調べてみました。

日本人が毒物だとしていたワインの添加物とは、亜硫酸塩(加工物)でした。
 
これを添加する理由は、次の働きがあるからだそうです:
  • ワインの原料であるぶどう果汁の酸化を防ぐ
  • ぶどうに付着していた腐敗菌などの有害微生物の繁殖を防ぐ
  • 発酵段階で出るアルデヒドのような不快な香りの成分を除く
  • できあがったワインの酸化を防ぐ
使用法は、ボンベなどに充填されたガス、あるいは化合物の水溶液というかたち。

亜硫酸の添加量については制限があるし、良心的にワインを作っているところでは、できる限り亜硫酸の添加量を少なくしているそうです。でも、厳しい規制があるビオワインでさえも、これを微量に抑えて使うことは許可されているのでした。

フランスのワインでは、この添加をしないで生産されるワインは例外的に少ないようです。 白ワインだけではなくて、赤ワインにも入れると知って驚きました。

私のフランスの友人の中には、ワイン添加物のせいなのかどうか分かりませんが、白ワインを飲むと、それが質の良いものであるかどうかにかかわらず、頭痛になるので、絶対に白ワインは飲まないという人がいます。 ぜんそくには関係なく、もともと酷い頭痛持ちの人です。


この添加物について調べていたら、日本人からフランスのワインには毒物を混入していると批判された理由がわかりました。

日本では、「酸化防止剤無添加ワイン」というのがたくさん売られているからなのです。フランスで、そんな風なキャッチフレーズで売っているワインは見たことがありません。

酸化防止のためにワインに添加する亜硫酸塩とは何なのか?

亜硫酸をワインづくりに使うのは、古代ローマ時代から行われていたそうです。ワイン醸造用の樽を消毒するために硫黄を焚き、亜硫酸ガスを発生させて樽に充満させるという方法。そうするとワインが劣化しない、というのが分かっていたらしい。

有害物質であることは確か。もちろん、一定量を超えて使用された場合には危険がありますが、ヨーロッパ圏内でも、日本でも、ワインに亜硫酸を添加する量については厳しい規制がありました。


今回行った農家で、日本には酸化防止剤無添加のワインがあるのだと話したら、酸化防止剤を全く入れないでワインは作れない、とまで断言されました。 この農家では、添加量は極力控えているけれど、ボトル詰めする前にガスを混入しているとのこと。

ブドウには自然に少量の亜硫酸が含まれているので、それで十分な場合には亜硫酸の注入はしないそうです。 AOCワインを作っていると、年に何回も検査の人が来るので、科学的に検査して添加物を入れるかどうかのアドバイスはもらえるのだそう。でも、大丈夫だろうと思って添加しなかったら、瓶詰めした後に酸化してしまったために、そのロットを全て捨てたことがあったので、危険は冒したくないようでした。

ワインに亜硫酸が自然に含まれるというのは、畑の手入れで亜硫酸を農薬として散布することもあるからで、今回見た大きな袋はその薬剤だったのでした。しかも、袋には有機農業用と書いてあるので、亜硫酸だけは有機農業(BIO)ワインでも使用が許可されていると確認できました。


日本では無添加ワインというのが流行っている?

日本で売られている「酸化防止剤無添加ワイン」 とはどんなものなのか、探してみました。

酸化防止剤を入れないという触れ込みのワインは、驚くほどたくさん売られているのでした:
酸化防止剤無添加ワインを楽天市場で検索

大手のアルコール飲料メーカーは、こぞって無添加ワインを出しているようです。

こういうのは、私も日本のスーパーで目にとまっていたような気がしてきました。偽物のワインに見えたので無視していたのだろうと思います。

上に並べた3つの酸化防止剤無添加ワインは、メーカーが違うのですが、共通した雰囲気があります。

まず、いかにも日本語という手書きを思わせる字体で書かれている。外国で生まれたワインという歴史を追い抜いて、日本にだけある独特のアルコール飲料なのだぞ~、というアピールでしょうか?

「酸化防止剤無添加ワイン」という文字を目立たせているのは良いとしても、「おいしい」と書いてあるのは奇妙に思いました。ワインのレッテルに「おいしい」なんて書いてあったら、高貴なワインという感じはなくて、かえって怪しげな飲み物に見えないのでしょうか?...

少し前の日記で、日本人は「おいしい」を連発するのが気になると書いたのですが、ここで再び気になりました!

日本のテレビ番組で気になっていることに関するアンケートのお願い 2014/01/04

この日記にはアンケートを入れたのですが、今現在の投票結果では、半数の回答者は、「美味しい」と言う人は無理して「おいしい」と言っているのではないかと疑ってました。「"美味しい"と言われると、本当に美味しそうに見える」と答えた方は、たった2%だけ。

でも、「おいしい」とアピールするのは効果がある、あるいは、そう言いたくなる、ということなのでしょうね...。


もう1つ、日本の無添加ワインなるものには特徴があると思いました。価格が低いのです。

特殊な技術で作る手間をかけるなら高額の無添加ワインがあっても良いではないかと思って、楽天市場の検索結果を価格が高い順に並べてみたら、出てきた~!

... と喜んだら、12本セットの価格でした。

価格が高い無添加ワインは非常に少ないようですが、ないことはない。 何が違うかというと、ブドウ自体が国産と言えそうです。


左側のスパークリングワインが特に高いのですが、ラベルに目立つように「酸化防止剤無添加」とか「おいしい」とかは書いていないようです。 無添加を売り物にしているわけではなくて、本当においしいのではないかという気になりませんか?


お見事なマーケティング!

安い価格で手に入る「酸化防止剤無添加ワイン」というのは、素晴らしいアイディア商品だと感心しました。

前提として、安く買えるワインがないと、日本ではワイン愛好者は増えないとうのがあったはず。

となると、安い原料を外国から輸入してワインを作る必要があるわけで、粉末に水を混ぜてワインにする方法もあるのだそう。でも、安いだけでは売れない。そういうのは目立たないようにして、何かでアピールでして売る必要があるではないですか?

そこで「無添加♪」という魅力的な言葉をくっつける。そうなれば、得体のしれない原料から作ったワインかどうかなんて、気にならなくなります。

フランスをはじめ、外国のワインにはすべて人体に害を及ぼす劇薬が入っているのに、日本では無添加ワインを作っている、と宣伝する。日本産ワインの株があがります。

無添加で、安くて、おいしい、と三拍子そろったら、売れる商品になるではないですか?!

日本ではワインをセラーで寝かせてから飲める人は少ないし、日本酒でもビールでも長期保存はしない風習があるので、保存がきかない無添加ワインには全く問題はないはず。

さらに...

日本でワインを飲む人たちの中には奇妙なところがあると思うのです。赤ワインは健康に良い、と信じている人たちがいることです。ワインは、好きなら飲めば良いだけだと思う。10年は前のことだったと思うのですが、日本に帰ったら、赤ワインを飲みたいという人がたくさんいるので驚いたことがありました。健康に良いから赤ワインを飲む、なんていうフランス人は、私の知り合いの中には一人もいません。

健康のためにワインを飲む人たちのためには、無添加ワインは理想的です!

人気がでて成功するかどうかは、PRの仕方とアイディアで決まる。芸術作品だって、映画だってしかり。佐村河内守のゴーストライター事件も、その典型だと思います。

そんなこんなで、無添加ワインというネーミングは、ボージョレ―・ヌーヴォーを考え出したのと同じくらいに、優れたアイディアだと思いました。


四日市ぜんそくの原因が、工場から大量に出された亜硫酸ガスだったということが、日本で無添加ワインを成功させた原因だったのかもしれません。

でも、無添加ワインの宣伝のために亜硫酸が危険だと強調されなかったら、それを気にする人はどのくらいいるのでしょうか?

まだ記憶に生々しい福島原発事故だって、放射能汚染の問題は永遠に続くのに、早くも原発再稼働の方向に動いている日本です。東京電力が会社閉鎖とか断罪とかされなかったし、未だに白々しく隠ぺいを続けているも許されているのは、普通の先進国ではありえないことだと思う...。

大手メーカーがワインに添加物が入っていませんというのをキャッチフレーズにして商品がヒットしたのを知ったら、日本は大企業がすべて牛耳れる国なのだろうという思いを強めてしまいました。

フランスの食文化はマトモです、と言いたいのではありません。フランスでテレビのコマーシャルを見ていると、添加物だらけのような大手企業が売っている食品や加工食品ばかりですから!

現代って、そんな時代なのだろうな...。


無添加ワインについては賛否両論

無添加ワインについての日本情報を眺めてみると、捉え方は3通りあるように見えました。

かなりヒステリックに、酸化防止剤を添加したワインを批判している人たちがいます。そんなワインを飲み続けていると、必ずガンになるとまで断言したり、ワインに混入する「酸化防止剤」を「強烈な防腐剤」と呼んでいたりもします。

さらに、発癌性があるともいわれる「亜酸塩(あしょうさんえん)」と、ワイン に添加される「亜酸塩(ありゅうさんえん)」を混同して記述している人もあるので混乱を招きます。

逆に、ワイン業界の人たちは添加物入りワインに寛容。そうでないと売れないですから当然でもあります。基準以下の添加なのだから人体に害はないし、酸化防止剤を使わないワインは本物のワインにはなれない、と断言していました。

ガスの状態で大量に吸い込むと呼吸器系に害がある。ただし、ワインに少量を添加したくらいでは、化学反応によって無害な物質に変化するし、残留する量はごくわずかとなって毒性の心配はないという主張が多かったです。でも、ぜんそくを持っている人は敏感に反応してしまうので、避けた方が良いようです。

それから、本物のワインが好きだから、人体に多少悪かろうと気にしないという人たち。私は、このタイプですね。

今の時代、人体に害があるものは口にしないとなったら、生きていけるに十分な食生活はできないと思う。自給自足の生活をして、外食は絶対にせず、自分が作ったものしか食べないとしたとしても、放射能汚染の危険はある。 福島原発事故がおきたとき、胃がキリキリしてたまらないので主治医のもとに行って、ストレスが原因と話したら、「今の時代、地球上のどこにいたって放射能汚染からは逃れられないですよ」と慰められた(?)のでした...。

いくら健康を気遣ったって、永遠に生きられる人はいません。だったら、したいことをして、毎日を楽しみたいと思ってしまう私...。


どうして酸化防止剤なしにワインができるの?

日本で、千円も出さずに買えるワインというのは、私は薄気味悪く感じてしまいます。酸化防止剤を入れていないとしても、何か変なものを入れているのではないかと思ってしまうので...。

フランスでは亜硫酸を入れることを禁止したらワインが作れない言われているのに、なぜ日本では無添加で、しかも安いワインを作れるのか不思議ではないでかが可能なのか、気になるではないですか?

調べてみたら、日本では次のような手段をおこなっているから、亜硫酸を添加しないでワインが作れるのだと説明されてました。
  • 原料輸入(輸送)や醸造行程の中で、雑菌類に侵されないように処理をほどこす。
  • 日本酒のように加熱処理をして、酵母を殺す。
  • 非常に目の細かい特殊フィルターで濾過して、細菌や酸化で変質する物質を除去する。

なんだか不自然なワインに思えてしまうのですど...。

ところで、間違っていると思える日本情報もありました。フランスでは加熱殺菌は行えないと書いてもあるサイトもあったのですが、最近のフランスでは加熱処理をするワインが登場したことは聞いているのです:
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28

ボトルの中での熟成をストップされるのが目的だと聞き、加熱したワインなんか飲みたくないと思っただけでした。この手法が、亜硫酸を入れないか、ごく少量に抑えられるかのための手段だったのかもしれないと思えてきたのですが、そんなことはないように思うのですが...。


ご存じの方があったら教えて欲しいのですが、酸化防止剤無添加ワインは、ワインの味がするのでしょうか?...

白ワインは悪くないのがあるとして推薦されていた無添加ワインには、ここのワインがありました

一度くらい無添加ワインというのを飲んでみたい気はしますが、やはり自分でお金を出しては買わないだろうな...。

アルコール飲料は、とっていないと生きられないというものではありません。添加物が入っているのが嫌だったら、ワイン風につくった飲料を飲まなくても良いのに... と思ってしまうのですけど...。

でも、ノンアルコールビールなんていうのもあった。アルコールが受け付けられない人でも、みんなと同じに飲みたいものなのかな?...



フランスワインで、酸化防止剤添加ワインかどうかを見分ける方法

フランスでも、当然ながら亜硫酸をワインに使うことについては神経質になる人たちがおり、この問題はネットでも盛んに論議されていました。

最近では、EUの規則として、ワインのボトルに亜硫酸が入っているかを表記する義務もあります。

台所に転がっている飲み終わったワインボトルのラベルの写真をとって入れようと思ったのですが、最近のレッテルは水につけておいても剥がれないので、ラベルをスキャンする考えは放棄。

そもそも、亜硫酸が入っているかどうかは、ワインを作っている人たちだって表記したくないでしょうから、このブログの枠内に収める画像を入れても文字は読めなかったと思います。ボトルの文字が横書きなのに、その外れにボトルを横にしたら見えるように書かれてありました。しかも、虫眼鏡を持ち出さないと見えないくらいの小さな文字!

読めるほど大きな文字で表示しているワインもあるようですので、その画像を入れたサイトの画面をキャプチャして入れます。

http://theobromine.uchini.be/?p=80   [Labo] Dosage du SO2 dans le vin

丸い枠で囲っているのが、亜硫酸が含まれているという表記。
Contient des sulfites」と書いてあります。

私が台所でチェックした空き瓶もこれと同じフレーズばかりだったのですが、「Contient de l’anhydride sulfureux」という表記も許可されているようです。

亜硫酸が含まれていると表示するだけで、どのくらいの分量なのかは表示する義務がないようです。いい加減ではないですか?

亜硫酸はワインには自然に含まれているものなのだそうで、亜硫酸ゼロというのはありえないのだそう。添加したか否かに関わらず、1リットルあたりの10 mg以上になっているワインに表記の義務があるとのことでした。

フランスの場合、1リットルあたりの亜硫酸の最大許可量は、赤ワインは160mg、白ワインとロゼワインは210mgとなっていました。表示義務が発生する最低限の10mgとは大きな差があるので、分量を示さない表記は無意味だという主張もありました。

ネットで挙げていた例では、オーガニックワインのボトルの裏面シールの長々した説明で、亜硫酸は添加ゼロで、自然には2mg/l と書いてあります。少なくしようと思えば、このくらいに収められるという例ですね。 

何でも有害なものは明らかにすることには賛成です。どの程度の添加なのか分からなくても、アレルギーがある人はご注意という警告にはなります。上に入れた画像で、赤枠の横にある妊婦にバツ印マークとともに余計なおせっかいだとは思うけど、危険を隠して「安全です、安全です」と言っているよりはマシです...。


フランスにも、酸化防止剤無添加ワインという商品があるのだろうか?

スペインのワインでも、酸化防止剤無添加を触れ込みにしているワインが日本に輸入されていました。



としたら、フランスで「酸化剤無添加」を特徴にして売っているワインがあっても不思議ではない!

とりあえず、知っている有機農業をしているブルゴーニュのワイン農家が、添加物についてどういっているのかを見てみました。

ギヨ・ブルー という、すごいこだわり方でワインを作っている農家。

以前にもブログで書いたことがありました:
ガメ種のブドウでは美味しいシャンパンを作れない? 2013/12/21

この農家のワインを扱っている日本のショップでは添加物については何も言っていませんので、ドメーヌのサイトをチェック。

アルコール度をあげるための酵母の添加は全くしていないと明記。でも、SO2の使用と加糖は、「厳しく最低限に制限している」と書いてありました。

やっぱり添加していますか...。

この農家で添加していたら、フランスで無添加というのはかなり少ないだろうな... という気がしてくる...。


でも、探してみたら、ありますね...。 さすが日本はこだわるので、「フランス」と「無添加ワイン」で検索すると出てきました。

下は、「事実上の」酸化防止剤無添加として売っているワイン:



日本の無添加ワインは安いのが特徴に見えたのですが、フランス製となると本物のワインにしなければいけないので、安いというわけではないのは当然でしょうね。

頭が痛くなる可能性が高いので私は避ける傾向にあるアルザスの白ワインでも、無添加というのがありました。


ともかく、フランスでも無添加ワインを特徴として売っているワインがあるらしい。それはそうでしょうね。探してみたら、ちゃんと酸化防止剤無添加ワインを探せるフランスのサイトもありました。


ワイン関係の単語

酸化防止剤のことが気になり始めてから、ワイン農家に行ったときに聞いたりしていたのですが、この類いの単語は正確に把握していないので、会話についていけませんでした。

理解しやすいだろうと思って日本語情報をみたら、発癌性があるともいわれる「亜硝酸塩(あしょうさんえん)」と、ワイン に添加される「亜硫酸塩(ありゅうさんえん)」を混同して記述していたりもするので、さらに混乱...。

この際なので、ワイン添加物に関する用語を拾って書き出してみます。「su」で始まる単語と、「sou」で始まる単語があって、ややっこしいので!...

sulfite亜硫酸塩、亜硫酸
Dioxyde de soufre
Anhydride sulfureux
SO2
E220
二酸化硫黄、亜硫酸ガス (SO2の無機化合物)
※英語: Sulfur dioxide
soufre硫黄
sulfiter果汁醪(ろう)に亜硫酸を添加する
(樽を)亜硫酸で処理する
sulfitage亜硫酸添加
※酸化防止、微生物・細菌の繁殖抑制、清澄などを目的に醸造過程で行われる。
soufrage硫黄処理
soufrer果汁醪(ろう)に亜硫酸を添加する
樽を硫黄燻蒸する
levure酵母、酵母菌、イースト
levurage[醸造](アルコール発酵を促すための)酵母添加
chaptalisation加糖、補糖。
アルコール分の供給などのため、発酵前のブドウ液に糖分を添加する作業。
chaptalisatliser発酵前のブドウ駅に糖分を追加する
soutirage澱引き
※樽熟中、ワインの上澄みだけを別の樽に移し、澱を取り除くこと。
Traitement de la vigneブドウ畑の薬剤散布

日本語でのワイン食品添加物としては、亜硫酸塩、亜硫酸、二酸化硫黄と表示されている場合とがあるそうです。亜硫酸は、二酸化硫黄を水に溶かしたもの。亜硫酸塩は、亜硫酸を中和したもの。この2つは本質的には同じとのことでした。

 シリーズ記事: ワイン農家を訪問して


  

ブログ内リンク:
昔のポスターに見たフランスワインの効用 2007/04/24
★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ドメーヌ訪問記
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク
酸化防止剤無添加ワインを楽天市場で検索
ワインに含まれる添加物 ―ワインの安全性を考える―
ワインへの酸化防止剤添加は必要悪?
☆ ワインブームとワインの誤解:
  日本のワインブーム
  ワインの「薀蓄」
  赤ワインは体に良い?
  重厚な味わいのワインは良いワイン?
  ロゼワインの誤解
  白ワインは体に良い!
  日本のワイナリー見学ブーム
  国産ワインの誤解: その1 その2 その3 その4
  酸化防止剤無添加ワイン:     
「国産ワイン」と「日本ワイン」は何が違う? : 大手の「酸化防止剤無添加ワイン」のラベルを見てみると
☆ 食と健康に関する辞典: 亜硫酸塩
食品でさまざまな機能を発揮する亜硫酸塩類
教えて!goo: 輸入のワインはすべて亜硝酸が添加されている?
アルザスの安物白ワインは頭痛のモト?
Savez-vous vraiment ce qui se cache derrière la mention « contient des sulfites » ?
Des Vins VRAIMENT sans sulfites, ça existe !
Analyse des vins par cuvée avec quantités de SO² libre, SO² total (sulfites, soufre)
Vinification des vins sans sulfites, une autre approche de l’œnologie
Les vignerons sans sulfites ajoutés
Étiquetage des vins
« Contient des sulfites », rayez la mention inutile ?
フィリピン:遺伝子組み換えと闘う農民たち


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フランスのお酒 (ワインなど)



コメント
この記事へのコメント
初めましてこんばんは。フランス本国の視点で書かれていて、まだまだフランス語が読めない自分には面白く有り難くて、時々ですが訪問させて頂いてます。

根っからの理系人間ですので、少し引っ掛かったのですが、正確にはワインには亜硫酸ガスが封入されているわけではありません。無色の固体である亜硫酸のNa塩(ナトリウムえん)には還元作用があるため、ワインに使用されています。赤だろうが白だろうが、酸化されますので添加されます。個人的には量もそんなに変わらないと思います。

ただ、亜硫酸Naは弱めの酸と反応すると亜硫酸ガスが出るらしいので、開栓時にごく少量の亜硫酸ガスが出てくる可能性はありますね。
2014/05/22 | URL | Griffith  [ 編集 ]
Re:
v-22 Griffithさんへ

コメントどうもありがとうございます。

お返事を入れていたのですが、スパムコメントが入ってきたので消そうとして、間違って自分のコメントを消してしまいました。

「ワインには亜硫酸ガスが封入されているわけではない」と教えていただいて、少し分かってきたので記事を少し書き直したこと、今後もどうぞよろしく、ということを書いていたのですが...。
2014/05/26 | URL | Otium  [ 編集 ]
日本からです。
大変興味深く拝見させていただきました。
ブログに記してあることは ある程度理解していた者ですが、読んでいく中で、疑問が湧いたことがありましたので、ご教授して頂けると幸いです。
ブルゴーニュの長期熟成とSO2の関係です。
元々、ブルゴーニュワインは長期熟成可能、いい意味での酸化による円熟で有名ですが、SO2添加、散布により酸化が遅れる現象なのでしょうか?
2014/07/07 | URL | たかし  [ 編集 ]
Re:
v-22 たかしさんへ

>元々、ブルゴーニュワインは長期熟成可能、いい意味での酸化による円熟で有名ですが、SO2添加、散布により酸化が遅れる現象なのでしょうか?

⇒ ワインは美味しければ良いと思っていて、ワインに関することを勉強していないので、正確なことは言えないのでお許しください。長期保存できるワインということでは、SO2の添加は逆に作用するのではないかという気がするのですが、どうなのでしょう? AOCブルゴーニュワインは、他の規制が緩いワインよりSO2を多く使っているはずはないので、それが幸いしているとは思えないのですけれど...。

最近のブルゴーニュワインは、本来なら長期保存が楽しめるはずの上質ランクのワインでさえも、昔のように長いこと寝かせていると飲めなくなるものが多くなったと感じているのですが、それが何に原因があるのだろうか、と不思議に思っています。
2014/07/08 | URL | Otium  [ 編集 ]
わたしも同じ意見です。
たまたまとは思いますが、ボルドーも長熟タイプであるはずワインが、近年はリリース間もない段階で普通に飲めたりと、、ん~?
熟成するワインとしての触れ込みがセールスにつながっていた事実があるだけに、生産者でSO2と長熟の関係を詳しく話す方はいないですよね。。。やっぱり
2014/07/08 | URL | たかし  [ 編集 ]
Re:
v-22 たかしさんへ

たかしさんもそう感じられますか。

地下に本物のワインセラーがある民家は多くはないし、レストランでワインを長期間ストックしておくとお金がかかる。早くから飲めるワインの方が売れるので、そういう風に作るようになっているのかな、という気もしています。
2014/07/09 | URL | Otium  [ 編集 ]
はじめまして こんにちは♪
とあるサイトで
ワインの酸化防止剤について質問しましたところ
こちらをリンクしていただき
お邪魔いたしました。

とても分かり易い解説
有難うございます。

Outiさん、、どんな意味かと調べてみましたら
http://napoliparis.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
ラテン語でしょうか。。。
人生を存分に謳歌なさってる ご様子
素敵です。

フランス王家とユリの花の記事も
とても興味深く拝見いたしました♪

これからも お邪魔させていただきます♪
2015/09/06 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: はじめまして こんにちは♪
v-22 たかゆきさんへ

ご訪問、どうもありがとうございます。ダラダラと書いてしまったのに「とても分かり易い解説 」とまで言っていただいて恐縮です。

使っているOtiumの意味を書いていなかったことに気がついたので、書きました。

http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-2345.html

リンクをくださった記事を読みました。イタリアでは普通に使うのですね。ラテン語だから当然なのでしょうけれど!

またコメントをくださったら嬉しいです。
2015/09/06 | URL | Otium  [ 編集 ]
失礼しました♪
名前間違えてしまいました
お赦しあれ。

これからは 誤字脱字のないように
心がけて コメントさせていただきます。

粗忽な性格、、ご容赦くだされ。
2015/09/07 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 失礼しました♪
v-22 たかゆきさんへ

>名前間違えてしまいました お赦しあれ。

どうかお気遣いなく! 私はよくタイプミスや言い間違えをするので、他の方も間違えられるのだと知ると勇気づけになります♪
2015/09/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
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