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2014/05/28
今日は中世祭りがあるから行こうではないかという誘いがあったので、中世の景観が残るSemur-en-Auxoisスミュール・アン・ノーソワ) という町に行くことになりました。

丘の上につくられた城塞都市の姿が残っているので、ブルゴーニュの中でも珍しい景観を誇っています。この町については、すでに下の写真を入れて書いているので省略。


美しい中世の町で見つけた希少物件の売家  2013/09/23


中世祭り

昔の景観が残っている町ではよく中世祭りが行われます。道路に藁をまけば、中世の雰囲気をだせる! でも、石畳にワラをまくとツルツルすべって危ない、と今回気がつきました。 普通は、少し水を撒いたりして、滑らないようにするのではないかな?...

 

祭り会場になった地域の入り口のあたりに貸衣装屋さんが入っていて、祭りに来た人たちが変装するので雰囲気が出ます。

みんなの姿を見たら、私も中世風に変装できる小道具を持っていたのを思い出しました。着てくれば良かった...。

中世に関連したものを売る店もたくさん出ていました。業者さんは、フランス全土で開かれる中世祭りに行けば、それで商売がなりたつくらい中世祭りは多いのかな?...

アトラクションも盛りだくさん。



中世のメロディーを現代風にアレンジした演奏が目立ちました。

 

私は本物の中世音楽が好き。ガンガンやられるのを頭が痛くなってしまう。遠くから聞こえてくる分には、祭りらしくて楽しいのですけど...。


人だかりがあったので何かと思ったら、生きた蛇を持っている親子がいたのでした。

 

色々なものを売っているし、この町の近くでもワインを作っているので、ワインの生産者が出展しているかと思ったら、全くない。食前酒代わりに飲ませてもらおうと思ったのだけど。

町にはカフェもあるし、飲み物や軽食を出す店もでているので、ワインをタダで飲ませてしまう出展は認めなかったのかな? あるいは、こんな祭りではワインを買う人がほとんどいないから来ないのか?... でも、ここはブルゴーニュなんですけどね...。


◆ 「イポクラ」という中世のワイン

出店が売っているのは、ブルゴーニュではない不味そうなワインばかり。
Hypocras-label 
それと、中世の飲み物といったら、これに限る! という「hypocrasイポクラ)」という甘いワインはたくさんありました。

よく出会う飲み物ではないので、それを飲もうかと思ったのですけど、以前に飲んだときに美味しいとは思わないのでパス。

それにしても、このワインはどういうものなのだろう?

辞書には、こう書いてありました。

肉桂、丁子入りの香りが強い甘味ワイン。
中世で珍重された強壮飲料。

あれ、あれ...。
これは蜂蜜が入っているのが特徴だと聞いていたのだけど...。


Wikipediaに書いてあることは全部を信じられないという問題がありますが、そこに書いてあることをメモしてみます。

中世ヨーロッパで飲まれていて、初めはclaret、 pimentなどと呼ばれていた。

clairetと呼ぶワインは、ほんの少し前に知ったところでした。Château Pontus de Tyardという城のイベントに行ったら、色々なブドウの品種を植えた畑をつくるようになって、そこで収穫されたブドウを混ぜて昔風のワインを作っていたのですが、それを「クラレ」と呼んでいたのです。

試飲しましたが、何かを混ぜてカクテルにしないと飲めないような、とてもきついワインでした。と言いながら、飲んでいると慣れてくるので、おしゃべりを続けていたら、グラス1杯飲み干しました。喉が渇いていたせいもあります!

作っているボランティアの人たちを励ますために1本買ってきましたが、開けてみる気にならない...。


中世の製造Wikipediaの記述に戻ります。

Hypocrasは、古代ギリシャの医者Hippocrate(ヒポクラテス)が発明した飲み物だから付いた名前だと言われている。

Hypocrasという言葉が現れたのは14世紀。

このワインは、蜂蜜で非常に甘くなっている。

3リットルのワインに、蜂蜜を200グラムも入れて作るのだそう。それに香辛料を混ぜる。肉桂と丁子は必ず入る。

これを濾過すると、何年も保存できるのだそうです。


Gueuxと呼ばれる人たち

お昼になったので何か食べようということになりました。

フランスのイベントで一番困るのは食事の問題。フランスの友達は、こういうときでも、ちゃんとテーブルに座って食べたがるのですが、そういう人たちが多いから席はたりない。

バーベキューをしている人たちがいる。しかも、塔の横にある、見晴の良い一等地。

わぁ、ここで食べよう~!♪ と思ったら、イベントをオーガナイズしている人たちが食事する場所なのでした。

 

イベントでは住民たちがボランティアで働いているのですが、こういう特権があるから協力するのが楽しくてやっているのだろうと思います。

こちらは食べる場所を探してウロウロしているのに!... でも、ひがむのは止めよう。「Gueuxの居酒屋」と呼ばれるアトラクションでもあるのですから。

フランスで行われる中世祭りにつきものとしては、イポクラという蜂蜜ワインというのの他に、gueux(グー)というのもあります。昔のフランス語で、物乞い、浮浪者の意味があります。

フランス人たち、グーが特別に好きなのかな? ボロをまとって、泥を塗ったような顔にしていて、気が狂ったように演じている人たちが、このイベントでもたくさんいました。 中世の衣装にしようとするとき、これが最もお金をかけないでできるコスチュームだからなのかな?...




ゴロワのビール

上の写真をグーの例として入れながら、書いてある文字が気になったので調べてみました。

Cervoise(セルヴォワーズ)というのは、古代フランスでゴール人が発明したビールのことなのでした。 大麦などを使って作られ、ミントのようなハーブで香りづけすることが多いようです。

ワインが貴重品だった中世には、ミサではワインが使われ、庶民はビールを飲んでいたのでしょう。 セルヴォワーズはワインに似た風味になっているようです。

ややっこしいことに、ビール、ワイン、レモンのリキュールで作るカクテルも「セルヴォワーズ」と呼ばれるのだそう。このイベントで売っていたのは、昔風に作ったビールだっただろうと思いますが。

フランスではその名を付けたビールが存在しているのですが、日本のサイトで検索したら、ビール用のグラスが出てきました。

ふと気がついたのですが、日本でビール用のグラスといっただジョッキですよね?

フランスのカフェでビールを注文すると、このセルヴォワール・グラスのように、厚めのガラスでできた背の高いグラスが多いです。

ビールがジョッキに入って出てきたことが、フランスであったかな?...

フランス人に聞いたら、昔はビール・ジョッキもよく使われていたのだそう。思い出せば、私が日本でフランス語を勉強していたときには、教材の中に、カフェに入った客が「bock(ボック)を1杯ください」と注文している場面がありました。

ボックとはビールジョッキのことだろうと思っていたのですが、これを書きながら辞書で引いたら、分量について記載されていました。

ボック: カフェーで注文できる生ビールの最低量で、demiより少なく、脚付きのグラスに入ってくる。

あれ、あれ...。ボックは脚付きのグラスですか~?

続きがあった。古語として、(約4分の1リットルの)ビールジョッキ、となっていました。はあ、私は古い言葉を学んでしまっていたわけだ...。

つまり、分量がポイントの表現なのですね。 でも...  フランスのアマゾンで売られている商品の画像を検索してみたら...

「Bocks à bière(ビールジョッキ)」を検索
「Verres à bière(ビールグラス)」を検索

フランスで売られているBockというビールジョッキは、4分の1リットルというのにはこだわっていない感じがしたのですけど...。

bock(ボック)を画像検索したらビールそのものが出てきたので混乱してしまったのですが、この言葉には「ボックビール」の意味もあって、ドイツの濃厚で香りの強い黒ビールとありました。なるほど...。


中世祭りは飽きてきてしまったかな?...

簡単にピザを食べて、祭りを後にすることにしました。 人が多いのに圧倒されて疲れてきてしまったからです。

町を出ようとしたら、向こうから歩いてきた家族がみごとい変装していたので写真を撮らせてもらいました。

 

「おみごと」と言ったら、「サンドイッチなんかかじっているのは絵にならないわ」と照れていました。座って食べられるレストランが不足しているのだから、サンドイッチの方が賢いですよ~。


町の門を出ていくと、こちらに向かってくる人たちがゾロゾロ。すごい人気のイベントのようです。

私が中世祭りにであったのは、パリに近いところにある世界遺産にも登録されている美しい町プロヴァン (Provins) でした。写真アルバムを見ると、ちょうど10年前のこと。

この頃からフランスは中世祭りのブームになったと感じていたのですが、ここスミュール・アン・オーソワの中世祭りは今年が15回目の開催なのだそう。

プロヴァンの中世祭りは初めての出会いだったので感激したのですが、その後は何回も行ったので、そろそろ私は飽きてきたかもしれない。ともかく、今回の中世祭りは、音楽がすさまじくて疲れました。

数年前にこの町を通りかかった夕方には、丘の下を流れている川の畔にテントが張られていて、とても雰囲気の良い中世祭りだと思ったのですが、今年のは丘の上でしかアトラクションが行われていないようでした。


YouTubeに入っている動画で確認してみようと思ったら、2009年のときのものが出てきました。


Fêtes médiévales du Roi Chaussé de Semur-en-Auxois

このときのコーディネートの方が中世祭りらしくて好きだな...。馬がたくさん登場しているのが良いです。今回も3頭の馬が建物の日陰で休んでいるところは見たのですが、動画のような騎馬戦を見せるようなデモンストレーションはなかったはず...。

少し前の市町村選挙で、この町の町長が代わって、中世祭りも予算を4分の1減らしたそうなので、その影響なのかな?... この美しい町では、Les fêtes de la Bagueというイベントが行われるので、その映像をイメージとして加えたのではないかという気もするのですが分かりません。

美しいスミュール・アン・ノーソワの町には、ヨーロッパで最も小さいという愛らしいオペラハウスがあって、そこで毎年音楽祭が開かれていたので通っていました。

ほとんどボランティアで東欧から来た人たちが、町の住民の家にホームステイさせてもらって上演するというコンセプト。従ってハイレベルの音楽祭ではないのですが、舞台が身近に感じられるので、モーツアルトのオペラなどは、昔はこういうのだったのだろうなと思って感動ものでした...。でも、町の経費節減で中止になってから久しくなっています。復活する予定は全くなさそう。

イベントを開催するからには大勢の人に来てもらわないといけない。それで、今回行った中世祭りも、中世音楽をロックミュージックにアレンジして演奏していたのでしょう。私はクラシック音楽が好きなので、そういうのは残念だと思ってしまうのですけど、過半数の人の好みに合わせると、そうなってしまうのだろうな...。

ブログ内リンク:
中世祭りに行く 2008/07/02
小さな教会の楽しいコンサート 2006/09/30
フランス人は仮装するのがお好き? 2005/09/29
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
ビールの歴史
☆ Wikipédia: Hypocras
☆ Wikipédia: Cervoise
Boissons de Bretagne : la cervoise


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コメント
この記事へのコメント
はじめまして(^_^)
はじめまして
こんにちは

通りすがりですが、気になったので。

もしかしてhypocrasは
世界(人類史上)最古のお酒
と呼ばれているミードのたぐいでしょうか。

ジャム以外あまり明るくないので、間違ってたらごめんなさい。
2014/05/29 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: はじめまして(^_^)
v-22 じゃむおじさんへ

はじめまして。コメント、どうもありがとうございます♪

この分野には全く知識がないので、ミードとは何かを調べました。ミードは、フランス語ではHydromelと呼ぶそうです。聞いたことがあるような、ないような...。

蜂蜜と水を混ぜてつくる、古代ギリシャ起源の世界最古の酒だ、とフランス語情報にもでてきました。

Hypocrasの方はワインがベースで、おそらく当時の醸造法ではそのままで飲むには口当たりが悪すぎる、あるいは栄養素を加えるということで蜂蜜を加えたのだろうと推察するので、Hypocrasはミードとは異なる分類だろうと思うですが...。

蜂蜜に水を加えると発酵するのだそう。面白いですね...。実験してみたくなりました!
2014/05/29 | URL | Otium  [ 編集 ]
はにーむぅーん
こんにちは
返信ありがとうございます。

ミードといえば・・・。ハネムーンの語源

古代から中世にかけてのヨーロッパでは、新婚家庭で花婿に精力増強効果が期待され、またはミツバチの多産にあやかって、ミードが飲まされた。この約1ヶ月の間、新郎新婦は家から出ずに励んだそうです(何にだ?)。w

>中世で珍重された強壮飲料。

まさしく!!!
2014/06/05 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: はにーむぅーん
v-22 じゃむおじさんへ

子どもの頃だったと思いますが、ハネムーンとはハニーから来ていて、新婚旅行のことだと知り、なぜ蜂蜜? と思ったのを思い出しました。この記事を書くまで、蜂蜜が強壮剤だとは知っていなかったような気もします。

媚薬ということでフランスで驚いたのは生姜でした。

フランス人に生姜料理を出すと、とんでもない反応がある!:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-843.html

蜂蜜を出したときにニヤニヤされたことはないので不思議です...。
2014/06/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
ニヤニヤ
文献も資料もないので
まったくの根拠もない推測ですが…

蜂蜜は、男性用の媚薬
生姜は、女性用の媚薬
と考えられているのではないかと?

あとは、下ネタにしかならないのでご想像におまかせします(笑)
2014/06/05 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: ニヤニヤ
v-22 じゃむおじさん

日本に関しても、フランスに関しても、常識がないと自覚して反省している私なのですが、フランス人の生姜に関するステレオタイプの受け取り方については、男性に作用するものだとされていると、ほぼ確信しております。なぜ? というのは省略。

結局のところ、動物の世界で、努力すべき役割を担わされているのはオスではないでしょうか? 野鳥も、なぜそんなに派手にして目立つ必要があるの?! と笑いたくなる姿のがいるし、クジャクなどはもっと極端ですから!
2014/06/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
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