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2009/06/07
「聖母マリアのハート」と呼ばれる花

フランスで出会ってきれいだなと驚いた花に、Cœur de Marieというのがあります。

Cœur de Marie

Cœur de Marieとは、直訳すれば「マリアのハート」。キリストの母上マリア様の心臓の形をしている、というイメージなのでしょうね。ピンク色が美しくて、ハートはふっくら膨れています。
Cœur de Marie

バレンタインデーの飾りにしたいような花ですが、時期は違うのです。この花がフランスで咲くのは、4月か5月ころです。

お花というには不思議な形をしています。しっかりアップ写真に収めたいと思っているのに、毎年見とれているだけで、まともに写真をとっていませんでした。今年も、花は終わってしまっています。

この花をアップでご覧になりたい方は、こちら:
☆ Wikipédia: Cœur de Marie


キリスト教文化なんだな・・・

なぜマリア様? と思ってしまうのですが、この可憐なハート型は、キリスト教文化圏ではマリア様を連想させるのでしょうね。

ピンクでなくて、まっ白い花のもあります。マリア様に受胎告知をしたシンボルはユリの花なので、それもしっくりきます。

「聖母マリアの心臓」という名前だし、フランスで出会ったので、とてもフランス的な花だと思っていたのですが、全然違っていたのでした!

日本の神社で開かれていた牡丹市に行ったとき、出口に売店があって、「中国の・・・」と付いてこの花を売っていたのでびっくりしてしまったことがありました。フランスの花情報を見ると、どうやら、原産は中国とか韓国のようです。

その時、なんという名前で売っていたか記憶が残っていません。


「聖母マリアのハート」は、日本では何と呼ぶの?

Wikipédiaでは、Cœur de Marieから日本語ページにリンクしていません。書きながら気になってしまったので調べてみたら・・・

日本では「タイツリソウ(鯛釣り草)」あるいは「ケマンソウ(華まん草)」、と呼ぶようです。

  
* 写真をクリックすると、売っている店の説明が見れます。

楽天市場で「タイツリソウ」と「ケマンソウ」で検索してみた結果

「タイツリソウ(鯛釣草)」と呼ぶのは、鯛をつるしたような形に見えるから。「ケマンソウ(華鬘草)」という名は、仏前に飾る「華まん」という花輪に似ているからなのだそうです。

「華まん(ケマン)」と言われても何だか分からないので調べてみたら、こういうもののようです ↓

 華鬘(けまん)5寸 本金メッキ仕上げ

似ていると言えば似ていますけど・・・。

フランスではキリスト教に結びつけ、日本ではご馳走の鯛や仏教に結びつけてしまうのが面白いと思われませんか?

追記(2015年5月):
ケマンソウについて、また気になったことができたので記事を書きました:
「聖母マリアのハート」の不思議 2015/05/07


「法王のコイン」と呼ばれる植物もある

結局、物の名前は身近なものから連想して付けるものなのでしょうね。

そういう例は限りなくなるのでしょうが、思い浮かぶもう一つの植物は、ドライフラワーで使われる「法王のコイン」。

Monnaie du pape

葉のような形をした実が乾燥すると、薄っぺらい銀のコインのように見えるようになります。

フランスでは法王のコインに例えるから価値がでるのではないでしょうか? 日本では、これまた見たことがありません。

WikipédiaでMonnaie du pape(法王のコイン)を検索すると、Lunaireが出てくるのですが、こちらも日本語ページへのリンクはなし。

どうやら、日本語ではルナリアと呼ばれているらしい。


ルナリアのタネ(マネープラント)Lunaria annua

マネープラントと呼んでしまったら、あまりにも味気ないではないですか?・・・

「小判」という表現もありましたが、これは日本的でおもしろい! 法王が持つお金には結びつけていないように見えました。

追記 (2015年4月):
コメントをいたいて知りました。「法王のコイン」とフランスで呼ばれる植物は、日本では銀扇草、大判草、合田草と呼ばれるそうです。なんと、日本へは、明治時代に版画家の合田清氏がフランスから導入したのだそうです。

情報リンクを書き足しました。フランスで「Lunaire」と呼ぶ植物には2種類あって、法王のコインの方は学名がLunaria annuaでした。

フランスではmonnaie-du-pape(法王のコイン)と呼ぶのが一般的ですが、herbe-aux-écus(エキュの草)、médaille-de-Judas(ユダヤのメダル)、satin blanc(白いサテン)とも呼ばれるそうです。.


* * * * * * *

時期外れの植物のお話しを書いたのには、理由があります。

ロバのことで、これも「ところ変われば・・・」なのかな、というのがあるで書こうと思ったのですが、それの前置きなのです。

- 続く -


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化

外部リンク:
☆ Wikipédia: Lunaire annuelle, Monnaie-du-Pape
☆ GKZ植物事典: ギンセンソウ(銀扇草)
ゴウダソウ(ルナリア) [合田草]
☆ 東京文化財研究所: 合田清


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コメント
この記事へのコメント
マリアのハート!
名前が素敵ですね~!
このお花は初めて見ました。ハート型ですね~。すごい。
なんだか「連凧」を思い出しました。連凧といったら、どうしてもCMの影響で「青雲」(お線香)を思い出します~。。。あらら、ヒョンな所から仏教につながった???(笑)
「法王のコイン」という名前も素敵ですね。とても高貴な感じがします。
2009/06/10 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
Re: マリアのハート!
v-22pepe犬さんへ

>このお花は初めて見ました。

⇒ そう言われてみると、フランスでよく見かける花というのではないですね。一番よく見るのは園芸店で売られている姿でした。

>「連凧」を思い出しました。

⇒ 連想したことがなかったのですが、ほんと、その雰囲気もありますね! で、そこから仏教が出てくるところもすごい♪
2009/06/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
ご無沙汰してます。

法王のコイン、可愛いですね。
でも、これうちの実家(八王子)にたくさん生えてます。雑草だと思っていた。。。お金だったのか!これからは見る目変えます。
2009/06/26 | URL | NATASIA  [ 編集 ]
v-22NATASIAさんへ

お久しぶりです。お元気ですか~?

>雑草だと思っていた。。。

⇒ ほんとうですね。乾燥して銀色になって、「法王さまの」と言われて初めて価値があがる草になりますね。
2009/06/26 | URL | Otium  [ 編集 ]
法王さまのコイン、日本では銀扇草とか大判草、または合田草と呼ばれています。ムラサキハナナによく似た可愛らしい花をつけますが、実の方が観賞価値が高いとされているみたいです。大判草という名前は法王さまのコインと同じ発想からきた名前だと思いますが、銀扇草という名前は雅やかな感じがして素敵だと思います。
私はドライフラワーとしてお店で売られているものしか見たことがありませんが、調べてみましたら、会田さんという方がフランスから輸入した、とありました。いつ頃何のために、という説明がなかったのは残念でしたが、別名合田草とも呼ばれている謎は解明されました('◇')ゞ

あっ!別のサイトで輸入は1901年との記述を発見しました。種を輸入し栽培・・・・あらら、これだけではやはり何のためだったのかわかりませんね。単純に観賞用ということでいいのかしら。

大判草があるわけですから小判草もあるわけで、こちらの小判草はうちの庭にも一株植わっています。大判草はアブラナ科ですが、こちらはイネ科なので、葉っぱも稲のようにスイスイ伸びます。結実した実は、小判と言えなくはないかもしれませんが、花はほとんど目立ちません。植えて何年にもなりますが、今だに花を見たことがない。いえ、咲いてはいるのでしょうが、全く目立たないので、気が付かないということだと思います。稲の花にしても、田んぼの稲の花が満開という話は聞いたことがありませんし・・・・

2015/05/04 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

またまた教えてくださり、どうもありがとうございます♪ 記事に情報を追加しました。

>単純に観賞用ということでいいのかしら。
⇒ 私も気になったので少し調べてみました。日本に入ったのは1901年というのが何処でも書いていたのですが、合田清氏(1862~1938年)がフランスにいたのは1880〜87年頃のようなので、ブランクがあるのでした。ご本人が育てていて、十数年たってから珍しい植物だと有名になったのかな...。留学から帰った後に再びパリに行っていたのかもしれないし、種を送ってもらったのかもしれない...。それはどうでも良いのですが、気になった持ち帰った理由は分かりませんでした。

>小判草はうちの庭にも一株植わっています。
⇒ 実は合田草の方は大ぶりなので好きではないのですが、こちらは大好きな草です。アムレット(小さなアムール?)という俗称も、風に揺れる姿を現していて可愛いし。たまに道端に生えているのを見つけると、小さな野原の草花と組み合わせて花束にしています。庭にも植えたのですが、雑草と一緒に草むしりされてしまうらしくて育ちません!

>今だに花を見たことがない。
⇒ 私は花がチラホラ付いている方が可愛いと思って眺めていたような気がします。

でも、こんなに小さな花だったら、本当に見ていたかな?...

http://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ABriza_maxima_SMC_2007.jpg
2015/05/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
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