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2014/07/04
フランスで体調を崩したときは、できるだけ薬は飲まないで、お酒で治療してみることにしています。

私にとって薬代わりになるアルコール飲料は幾つかあるのですが、風邪をひいたときに飲むものについてはすでに書いていました:
風邪気味なのでフランス式たまご酒を飲みました 2005/10/12

今日は、お腹をこわしたときに飲む酒について...。


アニスの酒

これが私には効くと知ったのは、初めてフランスに留学したときでした。

親しくなったホームステイ先の家族と一緒にレストランに昼食を食べに行くことにしていたのですが、私はお腹をこわしていて、食事などは抜きたいくらいだったのです。

奥さんに「困った」と言ったら、「これを飲みなさい」と言ってお酒を出してきました。

アニスで作った、パスティスという食前酒でした。

そんなものは何の役にもたたないと思ったけれど、断るのも悪いので飲みました。

そしたら、言われたように30分後、つまりレストランに向かって出発するときに、私のお腹は普通の状態になってしまったのでした。

不思議な酒...。

それ以来、フランスでお腹の調子を悪くしたときには、アニスの酒を飲むことにしています。

メーカーは色々あります。

パスティスを楽天市場で検索
パスティスはリキュールに分類されていました。甘いお酒ではないのですけどね...。

その後、別の友達が、アニスの酒ならこれを飲めというメーカーを教えてくれたので、もっぱらそれを愛飲しています。

実を言って、アニスというハーブの、香りというか味というかは好きではありません。
でも、薬だから、飲む!

私はフランス料理は好きだし、フランスにいるときは日本料理が恋しくもならないという便利な体なのですが、胃腸はやはりフランス料理向きにできていないらしい。さらに、フランスの硬水を私の胃袋は受けつけない。それで、お腹をこわすことが非常に多いのです。

それで旅行に出るときには、アニスの酒を持って行くのは必需品になりました。頭痛がするなどというのは我慢すれば良いのですが、旅行中に下痢しているのは最も困る...。 持っていなくても、フランス国内旅行なら、カフェなどには必ずパスティスがおいてあるので便利ではあります。

エジプト3週間旅行をしたときには、絶対にお腹をこわすだろうと思ったのですが、持っていったアニス酒を毎日飲んでいたおかげで全く問題がありませんでした。

ところで、パスティス、ないしアニスの酒と呼ばれるものは、冷水を加えて薄めて飲むのですが、薬として飲むときにはストレートが最も効きます。

カフェで注文してそれをやるときには、周りの人に「お腹をこわしておりまして...」と言い訳します。だって、ストレートで飲んだらアル中だと思われてしまいますから! でも、フランスでは、これが下痢を止めるというのは知られているらしくて、言い訳すると、みんな納得してくれます。

私がアニスの酒はこれと決めたのは、ブルゴーニュのお隣にあるフランシュ・コンテ地方で醸造されているPontarlier-Anisというものです。有名ブランドのパスティスは色々なものが入っているけれど、これは添加物なしに純粋にアニスで作られている酒だと聞きました。

醸造所のサイトを見ると、原料はAnis Vert (グリーン・アニス、学名 Pimpinella anisum)の種と、厳選した植物で作られているとのこと。


アルコール度数が高い酒にかかる税金

アルコールの度数が高いアルコール飲料は、特別に酒税が高いのだと聞いていました。

例えば、ワインを作るときにブドウを絞ったカスで、「マール」というブランデーが作れます。ブルゴーニュワインの場合は、マール・ド・ブルゴーニュという質の良いブランデーができます。 買い付けに行くワイン農家では、自分用に作っているのをおすそわけしてくれる程度。余り作らないのです。なぜ作らないのかを聞いたとき、売れる値段の8割だか9割だかは国に治めることになるので馬鹿らしいからだ、と答えられました。

私が愛飲しているPontarlier-Anisのアルコール分は45度。少し前、このアニスの飲料を作っている醸造所に行ったとき、商品価格のうち、幾らが酒税に相当するのかが書いてあったので確認できました。

販売価格のうち、64.4 %が国に収める金額となっていました。ワイン農家が80~90%と言っていたのはオーバーだったのかな?... でも、生産者価格が安いとそうなるのかもしれない。

 

このアニス酒1リットル入りのボトルのお値段は、1本21.40ユーロのボトル。そのうちの13.78ユーロは国が取ってしまうのだ、と示しています。

1ユーロ143円で計算すると、1本3,060円。もしも税金がなかったら、1,090円で買えてしまえるわけですか...。

上に入れた図に書いてあることを表にしてみます。

価格構成要素金額販売価格に
占める割合
税抜き価格 7.62 €35.6 %
① 強い酒に対する消費権 7.73 €36.1 %
② アルコール分18度以上の酒に対する社会保障分担金 2.48 €11.6 %
③ 付加価値税(TVA) 20% 3.57 €16.7 %
販売価格 21.40 € 
※販売価格のうち、国に収める金額13.78 €64.4 %


の「Alcool fort(強い酒)」というのは、アルコール分が18度以上のものを指すようです。

の社会保障の分担金というのがよく分からない。製造メーカーとして支払っている社会保険料がボトル1本に対してこうなっている、というのかとも思ったのですが、強いお酒が対象なので特別についている支払なのでしょうね。強い酒を飲むと病気になって健康保険財政を苦しめるから、という罰金(?)みたいなものなのでしょうか?...

の付加価値税(TVA)というのは、税抜き価格に対してかかっているのではなくて、それに①と②を足した金額にかかっているのですね。つまり、アルコール分が強い酒でなければ、メーカーの出す価格に20%かかるだけなわけですが、強い酒だとさらに税金が大きくなるわけなのだ...。

日本でもアルコール度数が高い酒には高い酒税が課せられるのですが、フランスほどにはいっていない気がします。


フランスの酒でも、日本で買った方が安い場合もある

フランスの商品を日本で買うと、2倍や3倍の値段になっていることが多いです。特に、チーズは、飛行機で輸送する必要があるからだと思いますが、笑ってしまいたくなるほど小さなチーズに高い値段をつけて売っています。

でも、アルコール度が高いお酒はそうではないと感じています。

日本にいるときにフランス産のアルコール飲料を買うことがあるので、フランスで買う価格と、日本での販売価格を比較してみることがあります。日本で買った方がかえって安いか、同じくらいの場合があるから面白いのです。

日本で買った方が安いというケースは、アルコール度が高い酒か、販売価格が高いために税金が大きくなっている酒だと感じます。日本に無税で輸出されて、日本で税金が課せられるので、フランスと日本での酒税の差が出るからではないでしょうか?

過去にも、そんなことを書いていました:
あがり続けるユーロを見て、コニャックを日本で買うべきかと迷う 2006/12/05
コニャックの不思議 【その1】 2005/09/08
ブルゴーニュのブドウ畑: (2) ロマネ・コンティ 2008/09/12
ブーズロン村で、ロマネ・コンティのドメーヌを探す 2010/02/23


カルヴァドスで販売価格を検証してみる

フランスのお酒を日本で買った方が安くなるかを気にしたのは、フランスに旅行に来る友人がカルヴァドスを買おうと思っていると相談してきたからでした。

カルヴァドスとは、りんごで作ったブランデー。つまり、アルコール度が高いので酒税が大きいはず。

友達の旅行ではカルヴァドスの産地に行くわけではないので、日本では手に入らない小規模生産の、安くておいしいカルヴァドスが手に入るわけがない。日本のディスカウントショップで買った方が安いか同じくらいだろうから、重いボトルをお土産として持ち帰るのは馬鹿らしいのではないか、と答えてしまいました。

もちろん、海外旅行者は免税手続きができるのですが、免税店での商品価格は高くなっているので、免税にしてもらっても大した特にはならない。普通の店で買い物をすれば、お酒1本のために免税手続き用の用紙を作ってはくれないので、酒税込みの料金で買うことになります。

日本で買った方が面倒がないのは確か。でも、日本で買った方が安いと言ってしまうのは間違っていないかなと思って、同じ商品をフランスと日本のネットショップ価格を比較してみます。

本場のペイ・ドージュ地区のカルヴァドスの日本での商品価格 (安い順)


日本の値段は楽天市場で最も安い価格を出しているところを入れました。フランスの値段は、フランスのネットショップからピックアップしているので、一番安いかどうかは分かりません。換算は、1ユーロ=143円でしました。
ブラー・グランソラージュ
日本の価格:
2,344円

フランスの価格:
34.20ユーロ
(4,890円)

日本で買うと半額!
シャトー・ド・ブルイユ
8年
日本の価格:
5,138 円

フランスの価格:
43.50ユーロ
(6,220円)
シャトー・ド・ブルイユ
フィーヌ 
(5年もの) 
日本の価格:
4,320 円

フランスの価格:
25.50ユーロ
(3,650円)

どのメーカーのカルヴァドスを買ったら良いか聞かれたら、シャトー・ド・ブルイユ(Château du Breuil)と答えるつもりでした。 1年前に友達の家で飲んで気に入ったメーカーで、そのときのことをブログにも書いていました:
ガレージセールに行ってシャンパンを飲む 2013/06/14

フランスで買った方が得なケースもありますが、大した差はないですね...。



ブログ内リンク:
フラヴィニーのアニス、カロリング朝の教会 2011/09/01
マール・ド・ブルゴーニュという蒸留酒 2006/06/12
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
☆ 財務省: 酒税の税率
お酒の税金-酒税法
☆ Wikipedia: アニス
☆ Wikipedia: パスティス


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フランスのお酒 (ワインなど)



コメント
この記事へのコメント
高いのは
こんにちは

>>チーズは、飛行機で輸送する必要があるからだと思いますが、笑ってしまいたくなるほど小さなチーズに高い値段をつけて売っています

これは関税で高くなってます。
たしか、フランスからのチーズはバターと同じ360%の関税がかけられていたはず。
2014/07/04 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: 高いのは
v-22 じゃむおじさんへ

あぁ~、関税というのがありましたね~!!!

日本でフランス産のバターを買ったときにもやたらに高いと思ったのですが、そういうからくりがありましたか~。

関税のことを全く考えていなかったので、税率を調べてみました。

http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1204_jr.htm

360%というのは1ケタ違うのではないかと思ったのですが、チーズは他に飛びぬけて関税が高いのは確かなようですね。日本はミルク文化ではないので、なぜ乳製品にこだわるのか不思議です...。

日本の農産物を守るのは大賛成ですが、バターやチーズはミルクで作ったと感じる味を出して欲しいと思ってしまいます。日本産のは、片栗粉の他に何を入れて作っているのかと思ってしまうので...。
2014/07/04 | URL | Otium  [ 編集 ]
勘違い
バターが360%
チーズは35~40%
でした(テヘペロ)

含有脂肪分で税率が変わるらしいです。

あと、販売価格は為替差益でどんどん高くなってます。
円安ですから。
ちなみに、ネットで売ってるのはまだ円高のときのものがあったりして安いのかも?ですね。

バターはエ○レもボ○デ○エもおいしいけれど、個人的にはBIOマルシェで売ってるような個人経営のや、フロマージュ屋さんのバターがお気に入りです(駄)
2014/07/05 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: 勘違い
v-22 じゃむおじさんへ

はぁ~、含有脂肪分で税率が変わる。またまた教えていただき、ありがとうございます♪

それにしても、バターの関税が360%ととはすさまじ過ぎると思って別の表を見つけたら( http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000196786.pdf )、米の関税率は778%と書いてあるので仰天しました。こんにゃくいもなどは1,706%! 日本にいるときに、これらの食材の外国産を食べたくなることはないので、自分には関係しないと無視できますが...。

日本でバターらしい味がするバターに飢えたときにフランス産を買ったときは、エシレは高すぎて手が出ませんでした。

私も、有名ブランドのバターより、質の良いミルクで小規模生産しているものの方が圧倒的に美味しいと思っています。ミルクはモンベリアルド種の牛のもの味が最高だと思っているので、その牛の本場であるフランシュ・コンテ地方に旅行したときには、必ずミルク工房に行って、手作りバター、生クリーム、チーズを買います。

ただし、添加剤なしのバターは1週間しかもたないし、冷凍するとダメになってしまうので大量の買いだめはできません。ワインはストックできるのでブドウ畑がある地方に住まなくても良いのですが、乳製品のことを考えると、質の高いミルクが生産される酪農地帯に住むのが一番だと感じます。なにしろ、フランスでは乳製品を多く消費するため、食生活での重要性が大きいので。

>ネットで売ってるのはまだ円高のときのものがあったりして安いのかも?ですね。
⇒ そうですね。少し前まで円は異常なほど高かったですものね。日本では、円高になるとすぐに下げなければと騒ぎますが、円高が嬉しい人もいるのに無視されるのは不思議です...。
2014/07/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
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