| Login |
2014/07/06
ブルゴーニュワインの中で最高級のワインができる地域は、ニュイ・サン・ジョルジュ市の周辺のコート・ド・ニュイ(Côtes de Nuits)、ボーヌ市の周辺のコート・ド・ボーヌ(Côte de Beaune)です。

飛びぬけて高価な価格で売られるロマネ・コンティの畑はコート・ド・ニュイに属します。




コート・ド・ボーヌを襲った雹

前回の日記「まともに雨が降らない今年の異常気象」に書いたロマネ・コンティの畑を見た翌日の朝、コート・ド・ボーヌのブドウ畑に雹が降って被害を出したというニュースが流れていました。

全国ニュースだったので、よほど大きな被害だったらしい。局地的に雹が降ったので、区画によって10%から90%の被害があったとの報道でした。

6月28日の午後7時ころに雹が降り、ムルソー、ポマール、ヴォルネー、サントネーの畑で被害が大きかったようです。この地域では、ここ3年連続で雹にやられているのだそう。

この日はボーヌ市に近いところに泊まっていたので、ブドウ畑を見に行くことにしました。

私のお気に入りの銘柄ポマールの畑を見てみたかったのですが、とりあえずオート・コート・ド・ボーヌという標高の高い部分のブドウ畑を通ったので車を降りてみました。

わぁ~、これは全滅だぞ~ という憐れな姿になっていました!



この畑では、今年のブドウ収穫は無理でしょうね...。
来年用の芽もやられてしまったでしょうから、深刻ですね...。




どのくらいの被害になったのか?

調べてみたら、コート・ド・ボーヌに降った雹の大きさはグリーンピースからクルミの実くらいで、10分足らずの間に降った状態はミサイル攻撃みたいだったのだそう。

降った雹を見せる画像 ↓

 
Nuits-Saint-Georges | Côte-d'Or : la grêle a frappé - Le Bien Public


テニスボールくらいの大きさな雹に降られて、路上駐車していた車のボンネットが凸凹になって廃車にしたと言っていたフランスの友人がいました。このくらいだったら耐えられるかなという大きさには見えますが、柔らかいブドウの葉や実は破壊するくらいに大きい粒ですね...。


この日に雹が降ってきたのを見せる動画 ↓

その日に私が友人たちと呑気に昼食をとっていたヴォルネー村の位置を見せる地図に続いて、雹が降ってきた庭を見せる映像です。


Vignobles dévastés par la grêle Le moral en prend un coup


ブドウ畑の雹の被害を見たあとに行ってみなかった、私がお気に入りにしているブルゴーニュ赤ワイン「ポマール」のブドウ畑の被害 を見せる動画 ↓


Dégâts causés par la grêle à Pommard

ブドウの実に糖分が出るためには葉が必要なのに、破れてしまっているので致命的。雹に叩かれた実は腐ってしまうので、ブドウの木が病気が発生する可能性がある。

ブドウ栽培者たちは、被害があった畑に早急にヘリコプターで亜硫酸を散布するように県庁に依頼したのだそうです。収穫が少ないほかに、薬剤を撒くとは嬉しくない話しですね...。この地域で無農薬でブドウ栽培している畑も、ヘリコプターで散布されたら風にのって農薬が流れて来てしまうではないですか? どうなるのだろう?...

この地域では、10月になるまではブドウの収穫ができないだろうと言っています。 気温が高くて作物の成長が早いと思っていた春だったのですが、そうなりますか...。


近代的な雹対策装置とは?

コート・ド・ボーヌに雹が降った夕方、私はボーヌの町から山に入って20キロくらいのところにいました。夕方に雲行きが悪くなって雨が降り出しました。この感じだと雹が降ってもおかしくないと思ったのですが、私がいたところでは雨が降っただけ。

ブドウ畑に雹が降らないかと心配をしていました。 すると、地元の人は、最近のブドウ畑にはantigrêleと呼ぶ雹対策装置を使っているから大丈夫、とおっしゃる。

近代的な雹対策装置って、どんなのだろう? 探してみたら、動画が出てきました。

火を焚く装置で人工的な雲のようなものを上空に作り、雹を小さくすることができるので、地上に落ちてくるときには雨になる、というシステムのようです。

その装置を見せる動画がありました ↓


Pluies de grêle nombreux dégâts pour les viticulteurs malgré le dispositif anti-grêle


今回の被害があったコート・ド・ボーヌでも使っていて、この装置のおかげで被害が小さくなったのかもしれませんが、やはり完璧な装置ではないようですね...。

このような雹対策装置は、ボルドーやコート・ド・ローヌにはすでに普及していて、ブルゴーニュでも南部で使い始めていたようです。現在のところ、ブルゴーニュでは9,000ヘクタールを雹対策装置でがカバーしていて、それにかかった費用は95,000ユーロとのこと。

もっと装置の数を増やすにはお金がかかるのが問題なのだそうですが、フランスの農家は驚くほど高価なトラクターを何台も持っているのを考えると、それほど大した出費ではないと思ってしまうのだけど...。

雹対策装置には色々なタイプのものがあるようで、もっと大がかりな装置もありました。

シャンパーニュ地方のブドウ畑で見た装置をブログで書いていて、これは旧式なものだと思ってたのですが、ひょっとしたら、今でも使っているものだったのかな?...


フランスのブドウ畑で見た奇怪な装置 2007/09/08


雹から作物を守る方法として、フランスの果樹園では、屋根のようなネットを張る方式がよく行われているそうです。そう言われれば、南仏などでそういう畑を見たことがありました。太陽の熱を吸収するためか、鳥に果実を食べられるのを避けるために張ってあるのかと思っていたのですが、雹から守るためだったのかな?...



こういう雹対策幕は、果実として食べるブドウの栽培ではよくやられている方式なのに、ワインにするブドウ畑では行われていないようです。

ワイン用のブドウ畑だとネットを高くして張らないといけないので費用がかかりすぎることもあるし、ブドウ栽培者は点在している畑を持っているので、無事だった畑からの収入で被害を帳消しできるからかもしれないとのこと。


フランスでは日本よりも頻繁に雹が降る感じが私はしていて、その話しを何回もブログに書いていました。日本で雹が降たという記憶がないのですが、少し前には東京でも大量の雹が降っていたようでした。

この日曜日からフランス国内の22県に雷雨注意報がでていて、その中にブルゴーニュのワイン産地であるコート・ドール県とソーヌ・エ・ロワール県も入っています。

3月からまともに雨が降らなかったので、おしめりがあるのは嬉しいですけど、普通に雨が降って欲しい...。



ブログ内リンク:
【ブドウ畑の雹の被害を見たときに書いた記事】
雹の被害にあったコート・シャロレーズのブドウ畑 2011/07/3
2004年の寒い夏 2004/08/10

【フランスで見た雹について書いた記事】
雹が降ったので思いついたアイディア 2009/01/20
晴天を喜んだ日だったのに、夕方には雹が降ってきた 2012/04/29

★ 目次: 今年のミレジムは? (ブルゴーニュ・ワイン)
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Côte de Beaune : la grêle fait des dégâts dans les vignes
Après la grêle, la désolation des viticulteurs de la côte de Beaune
La région de Beaune a été touchée par de violents orages : des domaines viticoles sont ravagés
Vigne et grêle - Que faire sur vignes grêlées
Filets anti-grêle - Pourquoi n’en voit-on pas plus dans le vignoble français
En Bourgogne, les viticulteurs en guerre contre la grêle
☆ Vignoble beaunois : Au lendemain des averses de grêle, l'heure est au bilan 2014/06/30ニュース
☆ Wikipedia:
ブルゴーニュワイン


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へにほんブログ村にほんブログ村 トラコミュ フランスのお酒 (ワインなど)へ
フランスのお酒 (ワインなど)



コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する