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2014/07/25
フランス人は食べることと、おしゃべりを楽しむ国民だと思います。特に、ここは食道楽のブルゴーニュだから、その傾向が強いのかもしれませんが。

人を家に招いて一緒に食事するとなったら、食卓に座ったままで6時間たつ、さらには、昼ごはんだったのが夜中を過ぎてから終わる、というのも珍しくありません。

これが私には疲れる...。

延々とおしゃべりが続くので、毎回同じことをしゃべる人、私には全然関係ない親戚や知人の話しをされると、退屈してしまいます。

こちらはフランス語を聞くときには神経を尖らせる努力をするわけですから、興味深い話しをしてくれないと、聞いている気もなくなります。

この人がいると退屈しない、という友人がいます。会うたびに異なった話しをしてくれるので、時間が立つのも忘れてしまいます。

何でも知らないことはないのではないかと思ってしまう人。色々な職業をした人だからかもしれない。古民家の修復技術から、果てはミツバチとアブの違いまで、話題にするテーマの広さったらありません。子ども時代の話しをするにしても、ただ語るのではなくて、ひと昔前のフランス人のメンタリティーはそうだったのかと感心させてくれます。フランスの話しだけではなくて、盆栽の作り方のテクニックまで話してくれる...。

その彼が、前回に会ったときには、フランス式の包丁の研ぎ方のデモンストレーションをしてくれていました。先日、食事に招待したら、セラミックの包丁をお土産に持ってきてくれました。

包丁を研ぎ方から発展して、研ぐ必要がないセラミック包丁の話しが出て、私がまだ使ったことがないと言っていたからプレゼントされたのと思います。


切れるものをプレゼンするには躊躇する...

ナイフをプレゼントするのは難だけど... という感じで出してきて、小銭をちょうだいと言われました。それで10サンチームのコインを出しました。

ナイスは切れる。つまり、友情が切れることになるという言い伝えがあるのだそう。それで私にナイフを買わせたわけでした。

「日本でも同じことを言うよ。結婚祝いには包丁をプレゼントしない」と私。

「へぇ、同じなの」と、面白がっていました。

言ってしまってから、少しして気がつきました。ブログのコメントで、包丁を結婚祝いにすると縁起が良いのだと教えてくれた方があったのです。

話題が他にいっているのに、日本の迷信の訂正をするのも面倒なので、そのまま...。ごめんね。間違ったことを言ってしまった。でも、切れるものをプレゼントするには敬遠する日本人もあると思うので、良いか...。


そうして日がたったのですが、パソコンを開いたら、ふと目に入ってきた広告がありました。結婚祝いに包丁セットを贈るという商品。


なに、なに... と思って開いてみたら、こう書いてあります。

http://item.rakuten.co.jp/sakai/10000538/ 


でも、調べてみたら「結婚祝いに包丁を贈ってもいいの? 」というのがあって、包丁を結婚祝いにする場合には、少し言葉をそえた方が良いようでした。

http://www.hadukuri1ban.jp/jiten_mame.html#2 
包丁の疑問にズバリ答えます!_包丁辞典【マメ知識編】利光



ナイフはコインと交換するという習慣

フランスは、日本に比べると迷信が少ないと思っていました。私が覚えたのは、くしゃみをした人に対して、厄払いのように言ってあげる言葉くらいのような気がします。 

こう言います:
À vos souhaits ! あるいは À tes souhaits !
「souhaits(願い)」の代わりに「amours(愛)」と言う人もいる。


フランスでも包丁と「切れる」が結びついた迷信があるのは面白い。友人が迷信深いだけかもしれないので調べてました。

ライヨール(Laguiole)というフランスの有名なナイフメーカーのサイトにミュージアムのコーナーがあり、それについての記述がありました。

http://www.musee-laguiole.com/fr/traditions_laguiole.htm
   Légendes, rumeurs et traditions - Le musée du Laguiole
 

ナイフをプレゼントすると、贈った人ともらった人の間の友情や愛情を切る、という言い伝えがあるのだそうです。それを避けるために、プレゼントをされた人はコインを1枚渡す。

お金を出すという風習は、フランスだけではなくて、このメーカーの商品を買う近隣諸国でも同じなのを確認しているそうです。この風習がどこからきているのか知っている人があったら教えてください、とも書いてありました。
 
それでも、他のフランス人に聞いてみたら、この風習を知らないと答えた人もいました。


10サンチームで買ったセラミックナイフには「アゴ」がなかった

セラミックナイフをプレゼントしていただいたのですが、これは日本の商品が優れているはずだと思っていた私は、少し拍子抜け。これを発明したのは京セラではなかったですか?

いただいたナイフは3点セット。写真を撮ろうかと思ったのですが、同じアイテムの画像をいただけるので、それを入れます。

Pradel Premium 035 2 Couteaux Céramique + 1 Éplucheur

セラミックナイフを手にしたのは初めて。刃は厚ぼったいので、こんなもので切れるのだろうかと疑いました。ところが、後で肉を切ってみたら、スパッとよく切れる!


でも... 私がこの包丁が気に入らない点がありました。日本の包丁だと、下の図でいう「アゴ」があるのに、それがない。

包丁の各部名称(和庖丁)

この「アゴ」という部分はとても大事だ、と私は思うのですけど。これがなかったら、ジャガイモの芽などはどうやって取り除く?...

でも、フランス人には必要ない部分なのかも知れません。

日本の包丁の質の高さはフランスでも評価されているので、日本製の包丁をフランス人にプレゼントしたことがありました。ところが、こう言われたのです。

私があげた包丁は良く切れるけど、アゴのところで手を切ってしまうので不便だ。

どういう手の使い方をしたら、そんなところで怪我をすることになるのかな?...


日本で売られている包丁は、和包丁洋包丁に分かれて分類されていました。でも、日本製の洋包丁にはアゴの部分があることが多いのではないかと感じました。

洋出刃包丁を楽天市場で検索

フランスの家庭で最もよく使われるのはCouteau Chefというものらしく、その名前を付けて日本でもシェフナイフという名の包丁がありました。「牛刀」に相当するのだそう。それを比較して眺めてみます。

フランス製

Pradel Jean Dubost 50417 Massif Couteau Chef
日本製

やはり、日本製の包丁にはアゴがありますね...。


セラミックナイフの手入れ

プレゼントしてくれた友人は、このナイフは研いではいけないのだ、と注意を与えていました。

でも、セラミックナイフも研げるという電動シャープナーがあったのですけど。

実は、京セラの電動ダイヤモンドシャープナーをフランスで使って気に入っていて、日本にいるときにも欲しいと思って、この冬に探したのでした。

京セラダイヤモンドシャープナーを楽天市場で検索

ともかく、日本は世界の中でも包丁にこだわりがある国ではないかと思います。そもそも、「包丁」と「ナイフ」という言葉を使い分けるではないですか?

フランス語にはcouteauしかありません。料理に使う包丁も、食事するときにフォークと一緒に使うナイフも、couteau。



ブログ内リンク:
ライヨールのナイフ 2006/03/02
まな板を使わないフランス人たち 2009/09/08
★ 目次: 縁起物や迷信について書いた記事 (フランスを中心に)
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事

外部リンク:
包丁Q&A
包丁辞典 【マメ知識編】
刃物はプレゼントに向いているか?→向いてる
Offrir une arme blanche
☆ Wikipédia: Couteau
☆ Wikipédia: Arme blanche
セラミック包丁の基礎知識!

☆ L'Express: À vos souhaits!
Pourquoi dit-on à tes souhaits à quelqu’un qui éternue
☆ expressio.fr: Expression « A vos souhaits ! »


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (8) | Top
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コメント
この記事へのコメント
大変ご無沙汰しております
ブルゴーニュ便りの時からのファンのフランス大好きです。
しばらくネットをお休みしていて、今日久しぶりにブルゴーニュさんのブログを拝見しました。
実は二年ほど、週一で厨房でアルバイトしました
その経験上、ナイフはマックという新潟燕三条?のステンレスが軽くて使いやすかったので、自分用に使っていましたが
トマトを切るのにはペティナイフが必要だし、ニンジンや大根は鉄の重い包丁が必要です
素材によって使い分けるのが日本人流かもしれないですね♪
2014/07/28 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
Re: 大変ご無沙汰しております
v-22 フランス大好きさんへ

わぁ~♪ お久しぶりのコメント、ありがとうございます! ブログが更新されなくなってしまってから久しいので、どうしていらっしゃるかな... と思っておりました。

さすがお料理上手のフランス大好きさんだと、お気に入りの包丁を使い分けていらっしゃるのですね。

>素材によって使い分けるのが日本人流かもしれないですね♪

フランスでもプロの料理人は使い分けをしっかりやっているのでしょうけど、友人たちを見ているとぺティナイフで全て済ませていたりするので驚きます。

「包丁一丁さらしに巻いて...」なんて歌が昔にありました(月の法善寺横丁)。フランス人のシェフが、自分の包丁を持って転職するということはないのではないかという気がするけど、どうなのだろう?...
2014/07/28 | URL | Otium  [ 編集 ]
早速コメントありがとうございます
実は月の法善寺横丁は前にやっていたブログで紹介した
赤坂のラビーノ料理教室のシェフがいつもカラオケでうたっていた曲です。!
お店は残念ながら閉店してしまったのですが
私はたまたま、バイト先の厨房の包丁があまりにも切れなくて
持ち込みで、大小二本使ってました!
Macという包丁は、先端にクローバーのような穴が空いているのが特徴で、
珍しいのでお店の人に聞いてみたところ
ヨーロッパでは、穴のあいている部分に
ひもを通してキッチンに下げて使っているとの事でした。
危ないと思うのですが本当なのでしょうか?
ヨーロッパのどこかは聞かずじまいでした。。。
2014/07/28 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
Re: 早速コメントありがとうございます
v-22 フランス大好きさんへ

>持ち込みで、大小二本使ってました!
⇒ さらしに巻かれて持ち込まれたとは思いませんが、本当のお話しなのですね~。確かに、包丁が切れないのほど苛立つことはありません。

Macという包丁は、検索してみたら日本の伝統的な包丁というイメージがないので、始めのコメントをいただいたときには無視してしまっていました。でも、改めて調べてみたら、動画もでてきたので、じっくり眺めました。本当に切れそう! 持ちたくなりました。

>危ないと思うのですが本当なのでしょうか?
⇒ どうなのでしょうね。フランスの家では、壁に取り付けた木に打ち込んである釘に調理器具を吊るしていることがあるので、やっている人もいるのではないかと思いました。ただ、包丁なので危なさそう...。銅鍋を吊るしてインテリア効果もあるものは普通に存在するので、それに吊るすと良いだろうと思ったのですが、大小の鍋を吊るすためにできているので、空間がもったいないなと思いました。
2014/07/28 | URL | Otium  [ 編集 ]
ご丁寧にありがとうございました
ひさしぶりに、ブルゴーニュさんとお話しできてすっかりうれしくなってしまいました。
macの包丁は青森にいる叔母の所へ遊びに行ったとき、すごくきれるから気をつけてといいながら、イカやホタテの刺身をいつも作って食べさせてくれていたので昔から知っていました。
厨房を始める時、近所のスーパーでイベントがあり「軽いしステンレスだけど砥げるよ」との一言で購入しました。
ネットで調べたらブルゴーニュさんが楽天で紹介された堺の包丁と同じ堺市で作られているみたいですね。。奇遇。。。大阪はやっぱりユニーク!


2014/07/28 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
Re: ご丁寧にありがとうございました
v-22 フランス大好きさんへ

macの包丁には思い出もありましたか。

堺市については気にしていなかったのですが、調べたら「堺打刃物」という言葉が出てきました。包丁の製造で歴史がある土地なのですね。堺刃物商工業協同組合のサイトには、驚くほどたくさんの関連会社の名前が並んでいました。

マック包丁のサイトで、創業者がアメリカ留学から帰国して包丁メーカーを作ったという話しが書いてあって、なぜ突然、包丁? と不思議だったのですが、境という土地柄だったからなのだと分かりました。
2014/07/29 | URL | Otium  [ 編集 ]
またよろしくお願いいたします
ブルゴーニュさんの素敵なブログに触発されて、私も再出発ブログを
楽天で始めることにしました。
名前は、ラビーノdeアーレコーレにしてみました。
お暇なとき遊びにいらしてくださいませ♪
リンクの貼り方がよくわからないのですがまたいろいろお勉強してみます!!
2014/07/30 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
Re: またよろしくお願いいたします
v-22 フランス大好きさんへ

いただいたブログ名で検索してみたのですが、出てきませんでした。開設はこれからかしら? この次にコメントを下さるときは、よろしかったら、コメント記入のURLのところにアドレスを入れてくださいますか?

楽天ブログは、メンバー同士でコメントのやりとりが簡単にできるので楽しかったのですが、どうにも使いにくいのでFC2ブログに引っ越してしまいました。

最近の楽天ブログは色々なタブを無くしてくれたのですが、ひところは酷かったのです。断りもなく勝手に、ブログを書いている人の年齢をプロフィールに入れたり、楽天市場で買ったアイテムを紹介したりするようになった事に偶然気がつくので、あせって設定を直していました...。今でも楽天ブログは閉鎖しないで残しているので、時々、変なことをやられていないかとチェックしています。
2014/07/30 | URL | Otium  [ 編集 ]
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