| Login |
2014/07/28
数日前、友人たちと旅行したときに行ったレストラン。
美味しかった...。久しぶりに、食べたものの写真を入れてみようと思います。


お通し 1: 川魚の唐揚げ「フリチュール」

まず出てきたのは、ちょっとびっくりさせられた1品。新聞紙の上にのせられた小魚のフライです。




新聞紙を敷き紙にする

田舎料理だからしたと思える、こういう演出、面白いな...。
真似してみたくなる。

フランス人で日本料理を作るときには揚げ物をすることがあるので、日本から天ぷら用の敷き紙を持ってきているのですが、新聞紙でも良いわけではないですか?!

よく見ると、さすがに、新聞紙の上には白い紙が置いてありましたけれど。

でも、私の貴重な天ぷら用敷き紙を2枚消費する代わりに、新聞紙を敷いても良いわけなのだ、とアイディアを頂戴しました...。
 
でも、こういう風にレストランが新聞紙を再利用する場合には、書いてあることをチェックして使う部分を選んでいるのでしょうか? 殺人現場の写真などが入っている部分だったら、食欲を減退させるからマズイではないですか?!

何にでも興味を持つ私。新聞紙を引き出して、どんなことが書いてある部分なのか検証してみたくなったのですが、友人たちと一緒に食事しているときだったので、さすがに遠慮しました!


小さな川魚のフライ

このレストランはブルゴーニュ南部にあるマコネと呼ばれる地域にあり、ここではカエル料理とともに、この小さな川魚のフライが郷土料理になっています。

お通しで出てきたのは、ソーヌ川でとれる小さな魚をフライにした「friture(フリチュール)」と呼ばれる料理です。

最近は環境破壊で川魚が少なくなったし、ソーヌ川で魚を釣る漁師がいなくなっているせいもあって、地元でも海の小魚をフライにしたりして出してきます。 地元の人たちは、川魚でないと味がなくて美味しくないと言います。

出されたお通しには説明書きがついていました。

レストランと契約しているらしいセバスチャンという名の漁師が、Seille川(ソーヌ川の支流)でとったablette(ギンヒラウオ) のフライなのですって。

これが本物の、伝統的に存在していた、河川に住む小魚のフライ「フリチュール」と呼ばれる郷土料理でしたか...。

あらためて、この日のフリチュールをアップにして眺めてみます。




Wikipediaに、ablette(ギンヒラウオ)なる魚の写真がフリー素材として入っていました:



成魚は20センチ近くになるそうなので、フリチュールにするのは小さなのを捕ったということなのでしょうね。


◆ どこが違って、こんなに美味しいの?

フリチュールはレストランで時々食べるのですが、こんな美味しいのは食べたことがないというフライでした。この後に出てくる料理は皆に食べてもらうことにして、これを私が1人で全部食べたくなったくらい。

次に行ったときにはこれをメイン料理として食べたいと思ったのですが、1つ星をとっているレストランなので、こんな庶民的な料理はアラカルトに入っていないようです。

ソーヌ川に沿った地域の郷土料理なので、このフライを出すレストランは幾つもあるのですが、こんなに美味しくはないのです。今まで出た料理はどんなだったかと写真アルバムを見たら、こういうのが出てきました。



普通に出るときは、こんな感じが定番です。

もっと大盛りで、この写真の3倍や4倍あるのが一人前として出てくると、食べているうちに飽きてきます。


淡水魚のフライという料理なので、ブルゴーニュ南部以外の地方でも、その魚が獲れる地域では郷土料理になっている感じがします。下は、アルプス山脈に近い湖の畔にあったレストランで食べたフリチュール。



ただレモンが添えられているだけなのが普通かな...。

それよりも、ここで2枚入れたフリチュールとして出された魚が、川でとれた魚だったのか、海の魚だったのかは分からない...。


今回食べたフリチュールが美味しかったのは、何か違うはず。

非常に薄く切ったラディッシュがあったのはマーク。でも、何だかわからないハーブの粉がかかっていました。それだけで食べても美味しいのですが、フランス料理で魚のスープに欠かせないルイユ(rouille)というソースでも味わえるように添えられている。

フランス人に食べさせるときに日本風にしたイカやイワシの唐揚げを作ることがあるのですが、こういう風に演出できますか...。でも、どんな香辛料が振りかけられていたのかは分からない...。赤いパウダーは Piment d'Espeletteではないかと思ったのですが。


farine de gaude とは、どんな粉?

それにしても、このカラっとして、香ばしい揚げ方は、どうやってできるのだろう?...

料理と一緒に出された説明書きを見ると、唐揚げにするためにまぶした粉としては farine de gaudeを使ったと分かりました。

この地域で「ゴード」と呼ばれる トウモロコシ粉。このレストランがある地域に流れるソーヌ川の向こう側はブレスと呼ばれる地域で、そこではトウモロコシがたくさん栽培されていて、トウモロコシ粉でパンを作ったりもしています。

地元の特産品だからゴードを使ったの? あるいは、片栗粉や小麦粉をまぶすより、トウモロコシのパウダーの方がカラリとあがるのだろうか?

トウモロコシの粉といえばコーンスターチを思い浮かべますが、「ゴード」はコーヒーのように炒ったトウモロコシをを粉にしたもののようです。コーンスターチのように真っ白ではなくて、 黄色っぽく、炒ってあるから香りもでているようです。

ゴードのメーカーとしては、次のところが有名らしく、サイトのトップページにゴード・パウダーの写真が入っていました:
Moulin Taron - Les Gaudes de Chaussin- farine de maïs torréfiée

高いものではないので、使い方が分からないで無駄にしても惜しげがないので、一度買ってみようっと...。

私は日本料理を作るとき、から揚げをすることがあるのですが、なぜかフランスで作るとベタっとあがってしまうので、毎回つくるたびに、もう二度と作らないぞ~! と思っているのです。 そう思いながら、時々作っているのですが...。


このゴード・パウダーはフォアグラのソテーを作るときにまぶして焼くと良いだろうなと思ったら、やはりレシピになったものが出てきました。



ゴードはトウモロコシ粉としては特殊で、日本では市販されていないように見えましたが、コーンスターチでも唐揚げに使えるようです。でも、コーンスターチでは、あの香ばしさはないでしょうね...。


ゴードというスープ

発音は同じでも複数形にしたGaudesというのは、ブレス地方の伝統料理。

ゴードの粉とミルクで作るスープです。貧しい時代の生活のシンボルのように言われるので食べてみたいとは思っていなかったのですが、私はコーンスープが好きなので、気に入るかもしれない...。

... と思って、ゴードと呼ぶスープの画像を探してみました。

 
www.cancoillotte.net • Afficher le sujet - Les gaudes

やっぱり、ゴードを出してくれるレストランを探して食べたいとは思えませんでした。これだけ食べればお腹がいっぱいになる、というようなスープのようです...。

でも、炒ったトウモロコシの粉の方は、使い道を研究してみたいと思いました。


◆ 後日、コーンスターチでミートボールを唐揚げにしてみた

この日記を書きだしていたら、友人たちが昼食を食べにやって来て(行きがかり上、食事に招待することになった、という頻繁にあるパターン!)、それが長引いて夜も更けてきたので(おしゃべりが続いて、腰をあげてくれない)、こういう場合に私がよくやる日本式スープを出すことにしました。飲みすぎ、食べずぎのときには、液体のスープが嬉しいものなので。
 
「日本式」と呼ぶ私のスープは、昆布で出汁をとって、冷蔵庫に入っているものを選んで鍋に入れて煮てしまい、醤油か味噌で仕上げるという、あり合わせ料理です。こんな短時間で、こんなにコクのあるスープができてしまうの?! と驚かれるので、自信を持って作れるレパートリーになっています。

たいてい野菜だけでスープにするのですが、この日はトマトに詰めて料理にする豚肉のひき肉があったので、それでミートボールを作って入れることにしました。前日にフレッシュチーズを食べるために刻んだ3種類のハーブが残っていたので、それをひき肉に混ぜ込む。

ミートボールは日本から持ってきた片栗粉をまぶして油であげようかと思ったのですが、コーンスターチで唐揚げにすると良いと学んだことを書いていたところなので、ここのところバニラアイスを作るときに活躍してもらっているマイゼナ(Maïzena)という商品名のコーンスターチをまぶして油であげてみました。

トウモロコシのパウダーであるマイゼナは、ジャガイモの片栗粉のように、粉をふいて、ベッとして状態ではなくて、さっぱりとした唐揚げができると思いました。

そもそも、片栗粉はカタクリという特別な植物から作られるのだ! と誇りに思って日本から持ってきていたのですが、現代に「片栗粉」こして売られている商品はジャガイモから作られているのだと知ってギャフンとしていたのです。

唐揚げのための粉として使うのなら、フランスでごく簡単に買えるマイゼナの方が良いのではないかと思いました。 香ばしそうに思えるゴードを使ったらどうなるのかを実験してみようと思います。


この日のレストランで出された他の料理は次回に書きます:
1つ星レストランのお得なランチメニューで出された料理


追記 (2014年8月):

ゴードに興味を持ったと話した友達が、イタリア料理で使う「ポレンタ」というトウモロコシの粉を見つけたからと言ってプレゼントしてくれてしまいました。私はトウモロコシを炒ってから粉にしたゴードに興味を持ったのであって、それとは違うのが500グラムも入った袋をもらってしまったら、どうするの~! と、かなり不満。

でも、私の得意にしているイカのから揚げを作る機会があったので(得意料理というより、何かしら日本料風にした料理を出さなければという意図で作るだけですが)、プレンタの粉をまぶして揚げてみました。

驚きました。今までは日本から持ってきた片栗粉をまぶして揚げていたのですが、ポレンタ粉でやってみたら、小麦色で食欲をそそる色に仕上がり、衣はカリカリの食感で、美味しい! 今後は片栗粉でから揚げはしないと決めました。



ブログ内リンク:
フランス人に受ける生姜醤油味 イカのから揚げ 2006/08/04
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
Farine de gaude: Histoire du maïs et des gaudes
究極の食感を探せ!唐揚げに使われる衣の一覧
☆ Wikipédia: Gaudes


にほんブログ村 グルメブログ フランス料理(グルメ)へ
にほんブログ村



コメント
この記事へのコメント
こんにちは!  こちらにお邪魔すると、美味しいものがいっぱいで、その上にあれかこれかと推理して探す好奇心もいっぱいで、ついつい後を引き、長居になってしまいます!! 

エスカルゴについては、こちらこそ有難うございました! 記事の中でもご案内リンクして頂き、感謝です!

先日ちょっとお邪魔した時も、この川魚のから揚げを拝見し、トウモロコシの粉、というのは、ひょっとしてポレンタの粉かな、と思ったのですが、フランスではポレンタを食べませんか?
トウモロコシを挽いた粉、黄色が一般的ですが、白いのもあり、味もちょっと違いまして、この粉を水の中に入れ火にかけ、ぐるぐるぐるぐる30分位もかき混ぜ、とロッとしたのを食べるのです。
ソーセージなどの付け合せ、肉類、そしてヴェネツィアなどでは魚のから揚げとか何でも合い、北イタリア独特の食べ物みたいなのですけど。
南の人間が北の人間の悪口を言うのに、ポレンタ野郎!というのがあるそうですが・・、ははは。

このトウモロコシの粉をパンに入れたりもしますし、このパンがとても美味しいのです、トルタなどにも入れるみたいで、小麦粉に比べ、ちょっとざらっとした感触というのかな。
でも、から揚げに使うというのは聞いたことが無い気がしますから、やはり違うのかしらん。

Otiumさん、ぜひ一度、そのゴードという粉が、どんな感じか、使い心地はどうか、試してみて下さいね。

2014/08/02 | URL | shinkai  [ 編集 ]
Re:
v-22 shinkaiさんへ

実は、ゴードについて調べていたとき、ポレンタがトウモロコシの粉で作られると知って、いかにも美味しそうなポレンタを作っている写真が入ったshinkaiさんのブログの記事を思い出していました。探すのを横着していたのですが、今見つけ出してみたら、やはりトウモロコシの粉で作ると書いてありましたね。

http://italiashio.exblog.jp/17003392/

>フランスではポレンタを食べませんか?
⇒ フランスでもラングドックなど一部の地域で、ポレンタ風のものを違う呼び名で作っているようです。

イタリア料理としてのポレンタはフランスでも良く知られていて、作る人もいるようですが、それほど人気があるわけでもないような気がします。でも、どこかで、ポレンタはこんなに美味しいのかと驚いたことがありました。北イタリアの料理だとすると、そこを旅行したときに本物に出会ったのかもしれません。

>トウモロコシを挽いた粉、黄色が一般的ですが、白いのもあり、
⇒ とすると、ゴード(炒ったもの)と、炒っていないトウモロコシ粉があるということになりますかね。私が食べて美味しいと驚いたのは、Shinkaiさんのブログにあったような黄色の鮮やかなものだったような気がします。

>ポレンタ野郎!
⇒ 面白いですね~。

ゴードの産地のブレス地方の人たちのことを、川を挟んだ向こう側の地域の人たちは「黄色いお腹」と呼びます。トウモロコシばかり食べてお腹が黄色くなっているから!(謂れについては、違う説もありますが)

トウモロコシは家畜の餌というイメージがあるので、それを食べていると馬鹿にするようです。ポレンタ野郎というのも、その感じでしょうかね。

>から揚げに使うというのは聞いたことが無い気がします
イタリアの唐揚げもおいしいので、ひょっとしてトウモロコシの粉を使っているのかと思ったのですが、やはり、あれはオリーブオイルで揚げるからなのでしょうね。真似してみようと思っても、フランス産のオリーブオイルはやたらに高いので、揚げ物なんかには使えません。イタリアに行くと、大きな缶でオリーブオイルを売っているので羨ましくなります。

>トウモロコシの粉、というのは、ひょっとしてポレンタの粉かな、と思ったのですが、
⇒ フランスのネットショップでは、ゴードをポレンタ粉とも呼び、ポレンタ用のピエモンテ産のポレンタ用トウモロコシ粉をゴード粉とも呼んで売っていました。

ゴードの有名なメーカーで作っている炒ったトウモロコシ粉は、細かな粉と粗挽き粉の2種類がありました。細かな粉の方をポレンタ用に使っているフランスの料理サイトがありました。なんとなく、ポレンタは粗挽き粉で作るのではないかと思ったので、混乱してきました。このメーカーがあるのはブルゴーニュの隣の県で、そのあたりには時々行くので、いつか見学に行って買いたいなと思っています。
2014/08/04 | URL | Otium  [ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する