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2014/08/18
ブルゴーニュ地方の行政中心地であるディジョン市に、人騒がせなものがあります。

それは何かというと、フクロウ!

ディジョンの旧市街に、13世紀に建立されたノートルダム教会があるのですが、その外壁にフクロウの彫刻が彫られていて、これを願い事をしながら左手でなぜると、その願い事が叶うということになっています。


ディジョンの名物フクロウ 2012/09/08

ここを通る地元の人たちもやりますが、ガイドブックにも書いてあるので、観光客たちもフクロウのお腹をさすっています。


フクロウの彫刻が傷つけられた

ところが、ある日の夜、何者かがハンマーで彫刻を傷つけたというニュースが地元新聞のトップを飾ったことがありました。2001年のことでしたね。

破壊された状態を見てはいなかったのですが、展示会にあった写真を見ると、ここまで叩いてしまったの? という画像でした...。



願い事が叶うと信じてフクロウを撫でた人が、何か悲劇をこうむってしまったら、腹いせにハンマーで叩きたくなるだろうな... と、私は思いました。でも、いくら腹がたったって、ディジョンっ子たちがお守りのようにしていて、何百年も前からある彫刻を傷つけるのは許されることではありませんけど...。


フクロウではなかった?!

ディジョンを騒がせた破壊事件から間もなく、彫刻は依然の状態に復元されました。 とても上手に仕上がっているので、事件を知らなかったら昔のままに見える出来ばえ。

ところが、今日は、この彫刻はchouette(フクロウ)と呼ばれていたけれど、実はhibouだ、というニュースが地元新聞を飾りました。


Dijon : et si la chouette porte-bonheur des Dijonnais était en fait... un hibou ! - Le Bien Public

hibouもフクロウの一種でしょうから、どうでも良いじゃないの?... と思って調べてみたら、日本語でもhibouは「ミミズク」と呼んで、フクロウではないのだと知りました。

フクロウ(chouette)とミミズク(hibou)は、がどう違うのか?...

写真で顔を見比べてみると、全然違うのでした!

Chouette フクロウHibou ミミズク 


ミミズクには、耳のように見える羽がたっている。その羽のことを、フランス語ではaigretteと呼ぶのだそう。

ディジョンのノートルダム教会の外壁に彫られたフクロウはすり減ってはいますが、耳のような部分ははっきりと残っています。何かを見てもしっかりと観察しない私なのですが、それは目にとめていました。

その耳がフクロウではなくてミミズクである証拠だとしたら、もっとずっと前から、違いが判る人が気付いていても良かったではないですか? 私はフクロウとミミズクの違いを知らなかったので、人を責めることはできないですけれど...。

ディジョンの町のシンボルは、フクロウのデザインを使っています。道路にフクロウのマークを埋め込んで、それをたどっていくと主な観光スポットを巡ることができるようになりました。

そのプレートを改めて眺めたら、ちゃんと耳がついていました。このデザインをした人は、これはミミズクだと思わなかったのかな?...


街の観光コースを示すプレートに描かれるデザイン 2011/10/09


ディジョンっ子たちに人気のフクロウは、実はミミズクで、ミミズクの種類の中でもHibou grand-ducだろう、とニュースに書いてありました。

学名はBubo bubo。
右に入れた鳥です。

日本語ではワシミミズクなのですが、フランス語ではgrand ducと呼ぶ品種のミミズク。

中世にあったブルゴーニュ公国の君主はDucなので、それに「偉大な(grand)」と付いているとブルゴーニュ公国の都ディジョンにふさわしい♪

今は絶滅に近い品種だと聞きましたが、ブルゴーニュにも生息しているミミズクです。


フクロウとミミズクの区別ができないのは私だけ?

フクロウとミミズクが違うというのは全く意識していなかった私です。 他の人だって混同するのではないかと思って調べてみたら、シマフクロウというのが出てきました。



耳のようなのがあるのでミミズクなのですが、フクロウという名を与えられています。

実は、ディジョン名物のフクロウはこれだったのではないか?!

... と喜んだのですが、シマフクロウはアジアにしか生息していないらしいので、中世にディジョンで彫刻が彫られるはずはなかった!


◆ ディジョン名物フクロウの近くにある、もう1つのフクロウは?

幸運を呼ぶフクロウの彫刻の近くに、もう1つ観光スポットになっているフクロウがいます。

ノートルダム教会のフクロウが見えるところの道は、「Rue de la Chouette(フクロウ通り)」と呼ばれています。この通りの10番地に15世紀に建てられたMaison Millière(ミリエール館)があり、この屋根の上にフクロウと猫の置物があるのです。


屋根の上にいた動物たち  2009/11/27

地図は、こちら

観光ガイドの人は、こんな風に説明しているのではないかと思います。

この家にはきれいな奥さんを持った商人が住んでいました。フランス語でフクロウ(chouette)には「素敵な女性」という意味もあります。それで、フクロウを屋根の上に置き、それを見張る猫を配置したのです。

この屋根の上のフクロウは落ちてしまい、何年もそのままだったのですが、ようやく屋根をふき替えて、この夏に置物も戻ってきました。

その時の地元新聞のニュース:
la maison Millière retrouve ses animaux mystérieux 06/07/2014

このページに入っている写真アルバムで、屋根の上に置くフクロウと猫が大きな写真で見れます。それで確かめてみると、こちらのフクロウにも耳のようなものがあり、つまりは、こちらもミミズクの姿なのでした!

屋根の上にフクロウと猫を配置したのは20世紀になってからだったそうです。すぐ近くの教会の外壁にフクロウがいるので、それを真似して作ったのではないかという気もします。

ともかく、この界隈はフクロウで有名ですし、ディジョン市もフクロウと呼ぶ観光コースを作っているのですから、今さらながらミミズクと呼ぶようにはならないと思います。

ともかく、口語で「chouette(フクロウ)」には、感じが良い、素敵、美しいなど、良い意味があります。「ミミズク(Hibou)」にはそんな意味はないので、町のシンボルにするには適していないように感じます。 

フクロウの方が家の煙突に巣を作ってしまうくらい親しみのある鳥なのに対して、ミミズクは野生性が強いので親しみを持みのある鳥ではありません。似たような鳥だったら、やはりフクロウと呼んでしまうのではないかな?...


日本人は真面目

東京の池袋がフクロウをシンボルにしているのを思い出しました。 あれは、本当にフクロウだったのだろうか?... ひょっとして、耳をつけていたのでは?...

画像を検索したら、でてきました。

 
[池袋駅東口] いけふくろう

耳がないから、ちゃんとフクロウですね...。日本人は几帳面です!♪

でも、お地蔵さんみたいに寂しげに見えてしまうのですけど...。やはり、耳をつけた方が可愛いのではないでしょうか?


追記:
少したってからディジョン市に行ったので、フクロウを見てきました:
フクロウ? ミミズク? カモ? ハト?... 2014/09/05

 シリーズ記事: ディジョンの観光


ブログ内リンク:
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など

外部リンク:
Dijon, si proche de l'univers d'Harry Potter


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カテゴリー: 動物 | Comment (10) | Top
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コメント
この記事へのコメント
いけふくろう
>画像を検索したら、でてきました。

あ、、、毎日見てるwww

ttp://tokyo.thepage.jp/detail/20140526-00000007-wordleaf

これも毎日見ています
コイツ「みみずく」だったのかっ!
2014/08/23 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: いけふくろう
v-22 じゃむおじさんへ

わぁ~! 教えてくださってありがとうございます♪ 郵便ポストに耳がついているのですね~!

池袋のシンボルにもミミズクの姿があるのではないかとは思ったのですが、自分がフクロウとミミズクの区別をしていなかったのを正当化する証拠を見つけるみたいに探究するのもな... と思って画像検索を続けていなかったのです。

リンクしてくださったページに(始めの「h」が欠けているのを補って表示できました)、豊島区の地形はフクロウが羽を広げた形になっているという記述も面白かったです。シャンパーニュ地方のトロワの町(Troyes)が、シャンパンのコルクの形をしていると言っているのを思い出しました。

リンクしてくださったページにある「としま ななまる」なるものを検索したら、やっぱり、キャラクターには耳がついている~♪

https://www.city.toshima.lg.jp/etc/24705/007059.html

それにしても、こういうキャラクターを作るのが、なぜ日本で流行っているか、熊本出身の友達から大成功した熊本のキャラクター「くまもん」の話しを聞いたとき以来、どうして? と思ってしまっています。小さな子どもがキャラクターを好きなのは理解できるのですが、大人がなぜ喜ぶのか?...

ディジョン市は「素敵」の意味もあるフクロウをシンボルにしていますが、フクロウのぬいぐるみが町のPRをするために登場するのは見たことがありません。
2014/08/23 | URL | Otium  [ 編集 ]
くまもん
ttp://kumamon-official.jp/%e3%83%a8%e3%83%bc%e3%83%ad%e3%83%83%e3%83%91%e9%80%b2%e5%87%ba%e2%91%a0%ef%bc%81%ef%bd%9e%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%91%e3%83%b3%e3%82%a8%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%83%9d%ef%bd%9e.html

フランスでも大人が喜んでますよ。
ご参考までに


ついでにこれも
ttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/1405/26/news033.html

まー、文化の違いですね
2014/08/24 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re: くまもん
v-22 じゃむおじさんへ

へぇ~♪ くまもんはパリにも来ていましたか~。

>フランスでも大人が喜んでますよ。

フランスは言語の壁が大きいために、どうにでも言われてしまっているので、少し疑ってしまいました。日本で開かれたフランスの物産展で、「フランスでは知らない人はいない、動物と会話ができるフランスの少女」が会場にいると宣伝されていたので、誰のことなのかフランスの友人たちに聞いたら、誰も知らなかった、などというのを頻繁にみていますので。

Japan Expoとは万博のようなものなのかと思って、まずフランス語検索エンジンで画像を出してみたら、びっくり!…

http://goo.gl/KR8ezt

ジャパン・エキスポは、漫画、アニメなどを中心にした博覧会なのですね。そういうイベントなら、くまもんも活躍できたでしょう。最近のフランスでは日本の漫画やアニメの人気が高いそうなので、そういうイベントに来る、つまり私などよりもその方面では日本通の人たちには「くまもん」は人気を集めただろうと思いました。

でも、仏語の検索エンジンでKumamonを検索してみたら、「日本で人気がある…」という記事ばかり並んでしまって、ジャパン・エキスポで人気を集めたのかどうかは分かりませんでした。

くまもんが、フランスの拡張高い新聞ル・モンドで記事になっていたのを発見♪:
http://www.lemonde.fr/style/article/2013/06/07/le-jackpot-des-mascottes_3425085_1575563.html

去年のニュースで、有名な「くまもん」がジャパン・エキスポに来ると始めています。日本ではマスコットが大人気で、膨大な商業利益をもたらしている。中年男女も携帯電話にマスコットを付けるのをはばからないし、選挙運動にも登場しているのが不思議... という感じの内容でした。最後は、福島原発事故のあと、Pluto-kun(プルトニウム物語 頼れる仲間プルト君)、東京電力のマスコットのDenko-chan(でんこちゃん)は消えた、なんて結んでいます。

2番目にリンクしてくださった「くまモンの怪 海外では「悪魔の手先」?」にも興味を持って、フランスでは何を言われているのか調べてみたのですが、それらしきものが出てこないので検索を放棄。悪魔はフランス語でDémon(デモン)で、Kumamonとは韻をふむので、何か言われているのではないかと期待したのですけれど…。
2014/08/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
こんにちは
初めてコメントいたしますが、時々Otiumさんのブログを訪問して楽しんでいます。
2回ほどディジョンを旅しました。もちろんこのフクロウ?ミミズク君も触りました。ずっとフクロウだと思っていたのでちょっとびっくりです。
またブルゴーニュの素敵な情報を楽しみにしていますね。
2014/09/05 | URL | bordeauxlyon  [ 編集 ]
Re:
v-22 bordeauxlyonさんへ

ブログを読んでくださって、どうもありがとうございます♪

先日ディジョンに行ったので、フクロウの写真を入れる記事を書きかけているところです。地元新聞がミミズクだとスクープしたのですが、もうすっかりフクロウで定着しているので、いまさらミミズクと呼ばれることはないだろうと思いますね...。

プレートも買われたのですね。私も観光コースでプレートが登場したときにツーリストオフィスで見て、なかなか美しいので買いたいと思ったのですが、高すぎるのであきらめていました。
2014/09/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
パリで行われたジャパン・エキスポの入場者数は26万人だそうです。
26万人かー、結構少ないですね。
ソースはNHK Eテレ 「ニッポン戦後サブカルチャー史」
2014/10/03 | URL | じゃむおじさん  [ 編集 ]
Re:
v-22 じゃむおじさんへ

情報ありがとうございます。

>パリで行われたジャパン・エキスポの入場者数は26万人だそうです。 26万人かー、結構少ないですね。

誰もが行きたくなるイベントではないし、フランスの人口は日本の半分なので、けっこう行った人が多かったのだな... と私は思いました。
2014/10/04 | URL | Otium  [ 編集 ]
Bonjour! Otiumさん
フクロウは、幸運だといわれたり不吉だといわれたり・・、いつも困ってしまいます。(汗)

グラン-duc、って、日本だと、大公という意味でしょうか。以前、こちらの博物館で、ブルグントのマリアと、カトリーヌ・デ・メディシスの小さな肖像画が、並べられて展示されていたのですが、つい、会いたかった!! と心で叫びました。マリアは、明るい顔と、とっても暗い顔の絵がありますね。後世の絵なのでしょうけれど・・。ハプスブルクとメディチの話は、大好きなんです。

フクロウですが、すぐ近くの宇○八幡宮(安産の神様で大変人気)にも、渡り鳥の(夏)、アオバズクというフクロウがペアで来ます。ホッホー ホッホー・・と2回続けて泣きます。もう一種、希少なフクロウが来ていたのですが、もう来なくなったそう(巫女ブログより)。

市内に、シュエットというフレンチのお店があるのですが(以前は女性経営の菓子店だったが、居抜きでフレンチに)、そういえば・・とお店のフクロウのイラストを確認したら、どうも耳がある??・・ような。(汗)

菓子をフランスで勉強された方なので、ブルゴーニュのこのフクロウを参考にされたのかも??しれませんね。
2016/05/29 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-22フォルナリーナさんへ


>フクロウは、幸運だといわれたり不吉だといわれたり・・、いつも困ってしまいます。(汗)

そうですよね。でも、13は不吉な数字のはずなのに、ラッキーだからとフランスでは宝くじを買う人が多かったりするのと同じかなと思って、私は気にしていないのですが。

>グラン-duc、って、日本だと、大公という意味でしょうか。

そのまま訳したら、そうなりますよね。立派な名前は、ヨーロッパで最も大きな夜行性動物だからなのでしょうか。背の高さが75センチもあるとか。

>ハプスブルクとメディチの話は、大好きなんです。

そうなのですか。ブルゴーニュ公国の最後の公女マリー・ド・ブルゴーニュ(絶世の美女)はマクシミリアン1世の妻で、カール5世は彼らの孫など、ハプスブルク家には興味はそそられるのですが、歴史は複雑なので私は追えないでいます。

>シュエットというフレンチのお店があるのですが
>菓子をフランスで勉強された方なので、ブルゴーニュのこのフクロウを参考にされたのかも??しれませんね。


どうなのでしょうね。単純に考えると、俗語で「素敵」の意味があるシュエットを採用したのではないかと思うのですけど。フランス語はカタカナ表記にすると収まりがつかないとか、覚えにくかったりするのが多いですが、シュエットはすっきりしているので良い命名だと思いました。

気になったので探してみたのですが、ここだろうと思ったフレンチレストランのロゴには耳が付いていますね。でも、この鳥、耳がないと絵にならないとも思ってもしまいます。
2016/05/29 | URL | Otium  [ 編集 ]
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