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2014/10/25
先月のブログでクイズを出していました。

ボージョレーのワイン農家に行ったとき、ふと気がつくと庭に材木が積んであったのですが、これは何だったのかというものです。

これは何でしょう?
クイズ: これは何でしょう?(ボージョレーで見たもの) 2014/09/12

あるものを半日がかりで解体したのだ、と言われました。

1カ月余り前に出したクイズなのですが、先日、この記事に拍手ボタンを押してコメントを残してくださった方がありました。そして、期せずして同じ日に、クイズを出すと考えてくださるpepe犬さんからもコメントを入れていただきました。

拍手ボタンからコメントを書き込んでくださった方のクイズの答えが鋭かったのです! これが何であるかを考えてくださって、「とても難しいです」とおっしゃりながら、見事に推察してくださっていました。

拍手と一緒に入れてくださるコメントは公開しないように設定しているのですが、秘密にしたいと思われたということはないと思うので、この材木が何であるかを書いてくださった部分を入れさせてください。

こう書いてあったのです:
昔 ワインを作るために葡萄を踏み潰していたたらいのような物とか…

「大正解で~す!♪ と叫びたくなったのですが、「踏みつぶしていた」という部分まで当たっていたのか私には分かりません。

それで、調べることにしました。


分解したのは、これではないかな?...

ワイン農家のご主人は、昔のPressoirを解体したのだとおっしゃっていました。

プレソワールとは圧縮機のことです。ワインを醸造する前の作業。

木を組んで作ったワインの圧縮機は、今ではめったに使われなくなったのですが、ブルゴーニュではあちこちに飾りとして置いてあるので、親しみがあります。プレソワールと言われただけで、どんなものかが想像つきました。

「木で作った圧縮機なんかがあったの?」
そう言うと、「見ていなかったの?」とおっしゃる。

ずいぶん前から通いつめているワイン農家なので、見ていたのかもしれない...。

昔は写真をスライドで撮っていたので(フランスでプリントすると高すぎるという経済的理由から!)、昔の写真を出してきて見るのは面倒です。でも、少しはスキャンしてデジタル化した写真があるので眺めてみたら、その中に、この農家で撮影した圧縮機の写真が入っていました。



こんなに立派なのがあったかな?... と思ってしまうのですが、写真があるのだから、あったのでしょうね。

ワインの圧縮機は、今ではワイン農家に行っても近代的なものを見るようになりました。

下に入れるのは、ボージョレーのワイン農協にあった近代的なブドウ圧縮機です。空気圧で圧縮するシステムでしょうね。


ボージョレーのワイン農協で醸造施設を見学 2013/10/06

木を組んで作ったものは珍しいのに解体してしまって、暖炉の薪にするなんて、もったいない...。

木製のブドウ圧縮機は、もう使われていないのだろうと思っていたら、まだ使っているところで見学したことはありました。このドメーヌでは、今でも高級のシャンパンを作るときには使っていると思います。

   
シャンパンのブドウ圧縮作業見学 2007/09/03

ブドウを圧縮する昔ながらの装置は木を組み合わせていて、隙間があります。農家のご主人から圧縮機だと言われたときには、この形を思い浮かべて、何も疑問を持ちませんでした。木を組み合わせているわけなので、分解したら木の部品になるのですから。

でも、コメントをいただいてから改めてクイズにした写真を眺めながら考えてみると、疑問がわいてきました。


圧縮機に必要なもの

クイズとして入れた写真を眺めると、圧縮機にしては材木が太くて立派すぎるではないですか?

思えば、昔のブドウ圧縮機は、その形に合うブドウ汁を受ける台がありました。

ブドウの圧縮機の下に置いて、絞りだされた果汁を受ける木の台が、このボージョレーのワイン農家にはありました。こちらは、テーブル代わりにして使っていて、そこでいつも試飲させてくれていたのでよく覚えています。

こちらです ↓



これも一緒に解体したとしたら、太い材木ができそう...。

特にテーブルの下には支える部分があって、それもまた立派な木だったのでした。

その後には、お客さんの試飲テーブルではなくして家で使っていたときの写真もとっていました。



このテーブルを支える足の部分は、この圧縮機を使っていたときにもこういう風に台にしていたのだろうか?

昔の圧縮機の写真をインターネットで探してみました。圧縮するときに上から重みをかけるために、大きな材木を樽の上に重ねて置いている写真が出てきました。

例えば、こちら:
Presser les dernières images du ban des vendanges

ですので、このテーブルの足にしていたのは、本来は上に置くものだったのではないかという気がしました。一番下の足には、持つのに便利なような鉄の取っ手がついているし...。

ともかく、圧縮機というのは、ブドウを入れる木に隙間を作って組んだ樽の部分と、絞ったブドウ汁を受ける部分がある。このテーブルにしていた部分も木を組み合わせて作ってあるので、これを解体したら庭にあった材木の太さになるだろうと思いました。

圧縮機だと言われたときは、下の受け皿のことは全く考えなかったのですが。


ブドウの液を搾りだす伝統的な方法は2つ

ワイン農家のご主人から圧縮機を分解したのだと言われたのだから、「クイズの答えは圧縮機です」と言えます。でも、拍手のコメントをくださった方の突っ込みにつまづきました。

葡萄を踏みつぶしていたタライ、とあったのです。

ブドウを絞るには、2つの方法があります。

写真を入れたような隙間をあけて木を組んだ圧縮機では、上から電動で力を加えることをしなかったとしても、大きなネジのようなもので絞っていくというのを想像しました。

でも、もう1つ、大きなタライにブドウを入れて、そこに人が入って足で踏んでブドウをつぶすという方法もあるのです。

この農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代に使っていた圧縮機だと思うのですが、どうやっていたのだろう?

大きな圧縮機だったので、この中に人が入って足で踏み潰すこともできなくはないとは思うのですが、上から重みをかけて圧縮していたのではないかな?...

ボージョレーのワイン農家にあったのは、今の若い後継者のお爺さんの時代の圧縮機だっただろうと思います。

 

左は19世紀のモデル、右は20世紀のモデル。


足でブドウを踏む伝統的な方法で行っているのを見たときのことを思い出してみたのですが、こういう風に隙間がある木で組んだ桶ではなくて、ブドウ汁のプールのようになっていたように思います。見たのは1回しかないので、これについて調べてみました。そもそも、2つの方法には別々の名前が付いていたのでした。

それまで書くと長くなるので、続きは次の日記で書きました:
ワインを作るために足でブドウを踏む作業 (1) フラージュ 2014/10/28



ブログ内リンク:
★ 目次: ブドウ畑の作業、ワイン醸造法など
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
☆ Wikipédia: Pressoir à vin


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コメント
この記事へのコメント
うわぁ!
あの木材は圧縮機を解体したものだったんですね!ほぉ~。
ワインと木の関係は樽しか思わなかったのでワインボトルの棚かな?と思っていたのですが、たしかにタライもそうですよね。そして圧縮機!
あの解体した木材にはワインがたくさん染み込んでいるってことですね。すごい!
2014/10/27 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
Re: うわぁ!
v-22 pepe犬さんへ

圧縮機は思いつかなかったですか。フランスは石の文化だと思っているのですが、木も色々に使っているのですね。

>あの解体した木材にはワインがたくさん染み込んでいるってことですね。すごい!

気がつけば、こんな木でできた圧縮機でブドウを絞っていたら、かなり液体が吸い込まれてしまうのでしょうね。小さな1リットル入りくらいの木の樽があったので、ブランデーを入れて、これで熟成するだろうかなどと喜んでたら、何日もたたないうちに半分くらいは木に吸い込まれてしまっているのに気がついて慌てたことがありました! コニャックでは酒蔵で蒸発する分は「天使の分け前」と呼ぶけれど、消費者としてはそんなことは言っていられません。
2014/10/28 | URL | Otium  [ 編集 ]
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