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2014/12/29
旅行していると、たまらなく好きな音楽を聞きたくなることがあります。でも、最近は便利。禁断症状になる前に、iPhoneに入れた音楽が聞けますから。

昔は、旅先でつけたラジオからクラシック音楽が流れてくると、涙を浮かべてしまうほど感激したものでした。雑音だらけなのに、それでも嬉しい。

不思議に思います。ほんの少しでも調子が外れて歌われたり、演奏されたりすると、たまらなく耐え難い私なのに、ああいう悪条件の音楽には耐えられるのですから。

音楽というのは、第一にリズム、全体として調和がとれていることが大事なのかな...。それさえしっかりしていれば、頭の中で音楽を再構成して、実際に聞いている曲をおぎなって鑑賞できる。

ところで、無人島に何を持っていくかと聞かれたり、音楽を聞くのは1曲だけにせよと言われたりしたら、私には迷わず選ぶ曲があります。

無人島で音楽を聞くとなったら、手で回す蓄音機とレコードが必要なのではないかな?... 無人島に何を持って行くかの質問はどうなったかと思って、前回の日記「もしも無人島に住むとしたら、何を持っていく? 」を書きながら調べてみたのでした。

どうせ「もしも」という仮定で考えることなので、電気が通っているかどうかなんて気にしなくて良いみたいですね。だとしたら、私が無人島に持っていく曲に変わりがありません。

無人島に行くことになるまでもなく、音楽を聞きたい衝動にかられたときは、まず、その曲から聞きます。


聞ける曲が1つに制限されたら...

私は、迷わず、ブラームスの『ピアノ協奏曲第2番』を選びます。

好きなのはクラシック音楽で、特に大編成のオーケストラが好きです。楽器としてはピアノが最も好きなのですが、このピアノ協奏曲はピアノ入りの交響曲という感じの作品なので、私には理想的な音楽。

しかも、録音は、これが最高に気に入っています ↓


ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
Brahms: Piano Concerto No. 2
& Grieg: Piano Concerto - ゲザ・アンダ



ピアニストはゲザ・アンダ、ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、録音は1967年。

テンポが非常によくて、ピアノの美しい響きとオーケストラが見事にクライマックスを盛り上げているので、何回聞きなおしても、余りの美しさにゾクゾクしてしまいます。

音楽に飢えているときに聞けば、その曲と初めて出会ったときのように感動して涙ぐんでしまいます。天国にいるような気分。頭の中から嫌なことを一掃してくれる音楽...。

上にリンクしたアマゾンのサイトでは、ほんの少し視聴ができますが、全部入っているサイトもありました:
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 Op.83

無人島にインターネットにつなげるパソコンだけを持っていったとしても、私が一番好きな音楽を聞けてしまうのですね...。すごい時代です。

この曲にほれ込んだときには、片っぱしから色々なレコードを買って聞き比べました。東京にいるときだったので、世界的に有名なピアニストが演奏するコンサートは頻繁にあったので、ブラームスのピアノ協奏曲が演奏されると知れば行っていました。でも、やはり、このピアノ・コンチェルトはゲザ・アンダとカラヤンの共演が最も魂を揺さぶると感じることは揺るぎませんでした。

もちろん、この曲には名盤と言われるものがあったので聞いたのですが、不思議なことに、私がこれだけ気に入っているレコーディングは特に名盤とは呼ばれないでした。ともするとブラームスは重々しくなりすぎてしまうのに、ゲザ・アンダとカラヤンの共演は限りなくロマンチックなので素晴らしいと思うのですけれど...。


14年先立つカラヤンとの共演を発見

ブラームスのピアノ交響曲第2番とゲザ・アンダについてインターネットで検索していたら、私が好きなレコードの14年も前に、ゲザ・アンダとカラヤンの共演のレコーディングがYouTubeに入っていました。

ただし、オーケストラはベルリンフィルではなくて、RAIローマ交響楽団。


Anda & von Karajan - Brahms Concerto No. 2 in B flat Op. 83

ゲザ・アンダは33歳の演奏でしょうか。

YouTubeだから音が悪いということだけではなくて、1954年の録音では繊細な音には録音できなかっただろうと思います。それでも、なかなか美しくて引き込まれました。ただし、私が恍惚状態になってしまう第2楽章の官能的なメロディーは、かなり物足りない...。

YouTubeに入っていたのは、このレコードの演奏だろうと思います ↓


Brahms - Piano Concerto No. 2 op. 83/Mozart - Symphony No. 40 KV 550 (UK Import)

このレコードについての情報

力強くて優しいゲザ・アンダの演奏は同じように美しく感じるのですが、歌い上げるようなロマンチックさに欠けます。やはり、オーケストラがベルリンフィルでない、という違いでしょうか?

ベルリンフィルの演奏を聞いたのは1回だけ。地方都市ディジョンなどに来るのは後にも先にもないから、と音楽好きの友人が強く誘うので、演奏曲目は私が好きではなかったにも係らず行ったのでした。

驚きました。オーケストラのメンバーは、それぞれがソリストのように酔いしれて勝手に演奏しているように見えるのに、それでいて呼吸がぴったりとあっている。東京にいた頃に、カラヤンが指揮するベルリンフィルの演奏を聞きにいってみなかったことを公開しました。みんなが「素晴らしい」というと、なんとなく反発を感じてしまうヘソ曲りの私がいけなかった...。

カラヤンの死を知ったのはギリシャの野外劇場でした。コンサートが始まる前、訃報が告げられて、観客が黙とうをささげるように促されたのです。あれから、もう四半世紀もたってしまっているとは信じられない...。


ゲザ・アンダというピアニスト

一番好きな曲はゲザ・アンダが演奏した録音と決めているわりには、このピアニストにこだわってはいませんでした。

調べてみると、Wikipediaには「アンダ・ゲーザ」として項目ができていました。

あれ、あれ、私は名前を間違って覚えていた?...

でも、そこからのリンクは、英語もフランス語もGéza Anda

彼はハンガリア人で、ハンガリアの名前の書き方だと、姓が先にきてAnda Gézaなのだそうです。つまり、やはりアンダが苗字。

1921年、ブタペスト生まれ。二十歳になったばかりの頃にスイスに亡命し(1943年)、スイス国籍を獲得していました。1976年にチューリッヒで亡くなったとのこと。まだまだ演奏を続けられる年齢だったのに...。



私がゲザ・アンダを発見した当時は、演奏家はレコードのジャケットで顔を見る程度の時代。それで、彼が演奏するところを映像を探してみました。

パリのシャンゼリゼ劇場でのリサイタルの前に、フランス語のインタビューに答えている映像が見つかりました。

▶ リンク切れ: Géza Anda (1966) - Interview & Schubert Sonata

すごいヘビースモーカーなのですね。ピアノを弾きながら煙草をふかしているので、鍵盤やズボンに灰を落としてしまうことがないのだろうか、と心配してしまいました。

極度に神経を集中して演奏をするにはストレスが大きくて、それでタバコを吸っていないといられなかったのでしょう。でも、公共の場での喫煙が禁止されている現代に彼が生きていたら、どうしたのだろう?...

演奏している映像も見つかりました。

▶ リンク切れ: Geza Anda - Schumann Kreisleriana 1964

さすがに、本番ではタバコをふかさないのですね。つまらないことに感心してしまった私...。


追記:

入れた動画が削除されてしまっていました。ゲザ・アンダがタバコを吸いながらピアノを演奏する姿をお見せしたいので、別の動画を入れておきます。


Géza Anda Documentary: Pianist, Conductor, Teacher



ブログ内リンク:
徹底した禁煙運動: 死者にもタバコは吸わせない! 2005/06/22
★ 目次: クラシック音楽

外部リンク:
ゲザ・アンダの記録映画
☆ YouTube: Geza Anda - 記録映画『Geza Anda, Pianist - Dirigent - Paedagoge(ゲザ・アンダ、ピアニスト-指揮者-教育者)』ほか
☆ Ina: Récital Geza ANDA - Audio (09 oct. 1960)
ブラームス ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調op.83 名盤
ゲザ・アンダ――現代でこそ浮上してくる感覚の冴え
☆ YouTube: Popular Piano Concerto No. 2 & Johannes Brahms videos (リンク動画数 200)
The 25th memorial of Herbert von Karajan
「細雪」文庫版解説



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