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2015/01/07

シリーズ記事目次 【赤ずきんちゃんのガレットとは?】 目次へ
その2


童話を読んでもらった子どもは、そこに登場する食べ物を食べてみたいと思うものなのでしょうか?

グリム童話の 『ヘンデルとグレーテル』には、お菓子の家が登場していたと思い出しますが、私はそれに憧れたりはしませんでした。

私が子どもの頃を思い浮かべると、食べてみたいな... と思ったのは、『アルプスの少女ハイジ』に出てきたチーズを暖炉であぶって食べるという場面。

フランスでラクレットという料理に出会って、ハイジがおいしそうに食べていたのはこれだったのだろうな... と思いました。

それ以外には、子どものときの興味を持ったお話しの中の食べ物って、私にはないな...。


おとぎ話に登場する食べ物を作りたいという発想

フランスには、「おとぎ話の料理」とでも訳せそうな言葉が存在していました。

Cuisine des fées

メルヘンは「conte de fées」。fées(妖精)が必ず登場するわけでもないのに、「妖精の童話」という感じで呼ばれます。それで、conte(コント)をcuisne(料理)に置き換えて「cuisine des fées」にすると、おとぎ話に登場する料理という呼び名になってしまう。辞書などには入っていない言葉ですが、フランス人に言えば何のことだかわかるようです。

そんな言葉ができているくらいなのですから、フランス人はおとぎ話に登場する食べ物に興味があるのでしょうね。

童話に登場する料理を作るレシピ本が何冊も出版されていました。増版を重ねている書籍もあるので、人気があるらしいです。



これまた私の記憶にはなかったのですが、フランスの文学者ペローの童話『赤ずきんちゃん』では、お婆さんの見舞いに行くように言われた赤ずきんちゃんはガレットを持たされていました。ペローの100年以上後に出たドイツのグリム兄弟の『赤ずきんちゃん』でも、フランス語版ではガレットという単語を使っています。

そのガレットとは何なのか、前回の日記から書き始めています:
赤ずきんちゃんが持っていったガレットとは、どんな食べ物?


『赤ずきんちゃん』が持っていったガレットの作り方

前回の日記に書いたように、赤ずきんちゃんが何かを持っている画像を眺めてみたのですが、どんなガレットなのかは分からない。

レシピを見れば一番よく分かるだろうと思いつきました。そんなものがあるはずはないと思いながらもフランスの検索エンジンで探してみたら、たくさん出てきたのです! 驚きました。

シャルル・ペローの国だから、フランスの子どもは日本以上に『赤ずきんちゃん』に親しみがあるのでしょうか?

お料理の名前は、「Galette du Petit Chaperon Rouge赤ずきんちゃんのガレット)」として定着してしまっているようです。

例えば、こちらが「赤ずきんちゃんのガレット」 ↓


La galette du petit chaperon rouge - Chez Féefils

インターネットで見つけた「赤ずきんちゃんのガレット」から、5つのレシピの材料を並べてみます。

上に入れた写真を入れたブログでは、レシピ①で作っていました。おいしそうですね...。

グリム童話の『赤ずきんちゃん』フランス語版では、お母さんは「お婆さんが舌鼓をうって喜ぶから」というようなことを言って、赤ずきんちゃんにガレットとワインを持たせています。私もこんなにきれいにお菓子が焼けたら、同じことを言いそう...。


小麦粉 100 g
グラニュー糖 50 g
バター 50 g
ベーキングパウダー ひとつまみ
アーモンドパウダー 15 g
ミルク 25 ml
卵 1個(艶出し用)

※ 好みによって、シナモンひとつまみを入れる。
  • 生地はラップに包んで冷蔵庫で1時間寝かせる。
  • クッキングシートを敷いたプレートにのせ、表面に卵を塗ってから、ナイフで筋目を入れる。
  • オーブンは180度で、20~25分焼く。

小麦粉 250 g
粉砂糖 100g
バニラシュガー 1袋
加塩バター 60 g + 10 g
ミルク 小さじ3杯
卵 1個
塩 ひとつまみ
シナモンパウダー ひとつまみ
卵黄 1個(艶出し用)
  • 生地は丸めてから布を被せ、常温で30分寝かせる。
  • 2cmくらいの厚さにローラーでのばして形作る。
  • 卵黄にミルク大さじ1杯を混ぜて表面に塗り、ナイフで筋目を入れる。
  • オーブンは200度で、20分焼く。

小麦粉 240 g
バター 150 g
砂糖 150 g
卵黄 4個 + 1個(艶出し用)
ベーキングパウダー 1袋
塩 ひとつまみ
  • 砂糖とバターを混ぜ、卵を1個1個加えていき、小麦粉を加え、最後にベーキングパウダーと塩を加えて混ぜる。
  • タルト型に紙を敷いてはがれやすいようにしてから生地を入れる。
  • オーブンは200度で、30分焼く。
④ 学校のレシピ
(小学2年生のクラス用)

小麦粉 200g
バター 80g(柔らかくしたもの)
砂糖 40g
塩 ひとつまみ
卵黄 3個(1個は艶出し用)
ミルク 大サジ1杯
  • 生地を混ぜたら(ミルクは最後に加えていく)、丸くして、冷蔵庫で1時間くらい寝かせる。
  • 生地を伸ばし、ボールを逆さにしたものを型にしてガレットを3つ作る。
  • クッキングペーパーの上において、表面に卵を塗り、オーブンに入れ、中火で15分焼く。

多少の違いがあるくらいで、だいたい同じようにシンプルに作っていますね。

童話ではガレットを1個持って行ったと書いてあるので、ほとんどの人は大きな形に焼いていました。この材料で小さなガレットもできるのだそうですが。

結局のところ、赤ずきんちゃんが持っていったとされるガレットは、一般的には大きな丸いビスケットなのだろうと思いました。赤ずきんちゃんのガレットは「大きなsablé(サブレ)」だ、と表現している人がありました。

ここにあるのはペローでもグリム童話でも良いレシピだと思います。でも、前回の日記に書いたように、その前にあった民話に登場するものだとしたらパン風にしなければなりませんから、これは無視されているのだと思いました。


フランスの子どもにとって、赤ずきんちゃんはガレットに結びついている?

学校のレシピでは、童話を勉強した後にガレットを作って、単語や動詞の変化なども学ぶのだそうです。

子どもたちが赤ずきんちゃんのガレットを作っている映像がYouTubeに入っていました。


La galette du petit chaperon rouge

動画のタイトルは「赤ずきんちゃんのガレット」となっているのですが、説明からリンクされていたレシピは簡単に作れるガレットでした(Galette au sucre rapide pour enfants impatients)。バターの代わりに、フレッシュチーズかヨーグルトを使うレシピです。

この料理サイトには、「赤ずきんちゃんのガレット(Galette du Petit Chaperon Rouge)」というレシピも入っているのですが、小さな子どもたちなのでバターを使うのを避けたのかもしれません。結局のところ、「これが赤ずきんちゃんのガレット」と言って大きなお菓子にすれば、何でも良いのではないでしょうか?

この学校に限らず、フランスでは、あちこちの学校でやっているようです。ひょっとして、フランスの子どものほとんどが赤ずきんちゃんのガレットを作る機会を与えられるのではないかと思ってしまうほど。

フランスの検索エンジンで「galette du petit chaperon rouge(赤ずきんちゃんのガレット)」をキーワードにして検索すると、作ったガレットの画像以外に、子どもたちの料理風景がたくさん出てきたのです。もちろん、関係ないものも紛れ込んでヒットしてはいますけれど。

Google画像検索で「galette du petit chaperon rouge」を検索した結果

日本の検索エンジンで、「赤ずきんちゃん」の他に、「ガレット」とか「菓子」とか「バスケットの中身」とかをキーワードにして検索しても、赤ずきんちゃんのガレットは出てきません。前回の日記で書いたスコーンのほかは、ブルガリア在住の方が作ったレシピを報告なさっているだけでした。

日本では余りやらないのではないでしょうか? そもそも、あのお話しにお菓子が登場していたなんて、私の記憶にはありませんでした。

改めて、ペローの『赤ずきんちゃん』の話しを聞いてみます。


Le petit chaperon rouge - version 2 - FR

知らなかった! ガレットがとても強調されているのですね...。

この動画はペローの童話を脚色したものなので、そうなったのかな?... ドイツ人のグリム兄弟が書いた童話『赤ずきんちゃん』でも、そんなにガレットという言葉を繰り返しているのだろうか?

2つのお話しを比較してみました。

バージョン物語のワード数ガレットの文字
ペロー版
779ワード
(最後の教訓を除けば 674ワード)
6回
グリム版1,571ワード5回

「galette(ガレット)」という言葉が出てくる回数にはそう差はないのですが、グリム版はペロー版の倍以上の長さがありますから、ペロー版ではガレットだらけと感じても無理ないですね。

赤ずきんちゃんの民話は、11世紀のフランスにはすでにあったことが確認されているのだそう。フランス人たちにとっては、日本以上に親しみがあるお話しなのかもしれないですね。

私は赤ずきんちゃんのレシピを調べましたが、作ってみようとは思わないものな...。おっと、こういうのは子どものためか、子どもと一緒に作るのが楽しいものなんだ!


これで赤ずきんちゃんのお話しは終わりにしようと思ったのですが、もう1つ気になったことが出てきたので、次回に書きます。

 シリーズ記事: 赤ずきんちゃんのガレットとは? 【目次




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外部リンク:
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