| Login |
2015/03/24
少し前から、理解に苦しむ日本の流行があります。やたらに大きなぬいぐるみです。子どもを喜ばせるためにしているのなら自然ですが、大人ももてはやしているようなのが不思議...。

もう慣れてきたけれど、始めの頃は日本が狂ってしまったのかと心配しました。

私は自分が常識外れだと自覚しているので、覚えた単語はメモ。


ゆるキャラ

地方自治体がマスコットを作っていて、それを「ゆるキャラ」と呼ぶ。「ゆるいマスコットキャラクター」を略したものでなのだそう。「ゆるい」というのは、ほのぼのとしているという意味のようでした。

https://www.nikkei4946.com/zenzukai/detail.aspx?zenzukai=124
「ゆるキャラ」ブームの現状を知る:nikkei4946(全図解ニュース解説)

子ども受けするためにマスコットを作ったのかと思ったのですが、大人たちにも好かれている様子。

昔からサッカーチームなどにはマスコットがあることは知っていましたけど...。

私が初めて出会ったのは「くまモン」でした。東京のイベントに来ていて、何なのかと一緒に行った友達に聞いたら、「あなた、知らないの?!」と言われてしまいました。そのイベントのことを覚えているので、あれは2012年のことでしたね。


こういうところにも、ぬいぐるみを飾ってあるのって...

ご当地キャラ」という言葉もありました。経済効果が大きいのですって。私は何も貢献してあげたことはないのですが...。

でも、政治家としては、そういうのが流行っていて、地域振興のためには大歓迎なのでしょう。でも、自治体のお役人さんの部屋に縫いぐるみが置いてあるのって、初めて見たときにはびっくりしました。

たとえば、こんな感じ。市長室だそうです。

AMATIASアマチアス“行って見役所”上尾市役所編

こういう場面って、日本以外の国でも見かけることがあるのでしょうか?

フランスではありえないのではないかな?...

ブルゴーニュ地方で県知事さんの部屋を見学したときのことをブログに書いていたので、そこに入れた写真を眺めて、ぬいぐるみを置いたらどうなるかを想像してみました。


ヨンヌ県知事のオフィスを見学  2010/09/24

オレンジ色がアクセントになっている部屋なので、こんなのが良いのではないかと思って選びました。しかも、去年の「ゆるキャラグランプリ」でグランプリを獲得した「ぐんまちゃん」だそうなので。

オレンジ色の他に、県知事さんのデスクのところに置いてある三色旗の色も入ったマスコットなので、ぴったり?

でも、この県知事さんのオフィスは宗教建築物だった建物で、ロマネスク様式の回廊画窓にあります。その前に置いたら違和感があるかな? では、反対側に移動していただきます。



フランスの友達がこの写真を見たら、何を遊んでいるの?! と言われてしまいそう。書いてあることは読めないから、私のブログの写真だけ眺める友達がいるのです。

フランス語のページで検索しみたら「Yuru Kyara」という単語でたくさん出てきました。フランス人に聞かれたら、そういう記事のリンクを教えて読むように言えば良いわけで、私が何であるかを調べて説明する必要はないですね。


思えば、フランスにもマスコットのようなものがある町がありました。例えば、ブルゴーニュ地方の行政中心地のディジョン市。この街では旧市街にあるフクロウの彫刻がシンボルに使われていて、お土産屋でもフクロウの小物を売っています。

そのことについては記事にしていました:
ディジョン名物はフクロウだと思っていたら、ミミズクだった? 2014/08/18

ディジョンの市長室にフクロウが飾ってあるということはありえるだろうか?... 「ディジョン」と「市長」のフランス語をキーワードにして検索してみたら、出てきたのでした!

http://www.bienpublic.com/grand-dijon/2013/09/11/tous-derriere-le-dijon-fco
Dijon | Tous derrière le Dijon FCO ! - Le Bien Public

Logo du Dijon FCOフクロウのぬいぐるみのような人形と、前市長の姿が写っています。

あれ、あれ...、フランスでも?! 

... と思ったのですが、違った。ディジョンのサッカーチーム「Dijon FCO」のマスコットがフクロウで、その人形なのでした。
 
でも、私には分からないのです...。なぜ、ゆるキャラとか、ご当地キャラというのは経済効果が大きいのか?...

ディジョン市にもマスコットとも言えるフクロウがいますが、それで地域経済が発展したなんて聞いたことがありません。儲かるとか言う人がいるとしたら、フクロウ・グッズを作っている会社かもしれないけど、騒ぐほどには利益をあげてはいないと思うのです...。

上に入れたサッカーチームのメンバーと一緒に写っているフランソワ・レブサメン前ディジョン市長は、労働・雇用・職業教育・労使対話大臣として内閣に入ってから市長の座を降りたのですが、古都ディジョンを見違えるように活気づけました。フクロウとは全く関係ありません。日本だと、住みやすい街にする政治より、地域にお金が入るようにする政治家の方が評価されるのかな?...


「マスコット」の語源はプロヴァンス語だった

マスコットのことを調べていたら、この言葉はフランス語から来ているのだと聞いて驚きました。英語ではmascotで、フランス語でmascotte(女性名詞)と綴る。

フランス語のWikipediaの記述が正しいとすれば、プロヴァンスの言葉で、魔女(sortilège)を意味する「mascoto」が語源なのだそう。

プロヴァンス語の綴りは「mascotto」となっているのもありました。masco(魔法使い)の女性形だそうです。遡ると、イタリア語(方言)のmasca、さらにさかのぼると中世ラテン語のmasca。それより前の語源は分からない。

マスコットは、ただ可愛いというのではなくて、ご利益があるとか、幸運をもたらすお守りとかいうニュアンスがあるわけですね。

プロヴァンスの作家フレデリック・ミストラル(Frédéric Mistral)がこの言葉を紹介したと聞くと、なるほどと思いますね。ただし、マスコットという言葉が広まったのは、Edmond Audran(1842~1901年)のオペレレッタ『La Mascotte (1880年)』だった、という記述もありました

この作曲家も、そのオペレッタも知らないので、探してみました。


Duetto des dindons - Lys Operette (La Mascotte - Edmond Audran)

聞いてみても、あぁ、あれか、とは思い当りませんでした。でも、ここに入れたデュエットは、フランス人には知られているメロディーなのだとか...。

コメントをいただいて、また「ゆるキャラ」について考えてしまいました。
続きへ: 「ゆるキャラ」の人気はどこから来るの?

外部リンク:
「ゆるキャラ」ブームの現状を知る(全図解ニュース解説)
☆ Wikipedia: ゆるキャラ
☆ Wikipedia: 官公庁のマスコットキャラクター一覧
Au pays enchanté de l’ordre public nippon
☆ nippon.com: Le sommet des mascottes « yuru kyara »
Culture Nipponne # 21 Planète mascottes
☆ CNRTL: Etymologie de MASCOTTE
☆ Wikipédia: Edmond Audran  » La Mascotte
ゆるキャラは、地方創生に役立っているのか - 「地域活性化」という曖昧な言葉に騙されるな

内部リンク:
フランスがBentoブームって本当?  2011/11/19
★ 目次: クラシック音楽
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ 目次: 縁起物や迷信について書いた記事 (フランスを中心に)


シリーズ記事: 最近の日本 ~ 「日本礼賛」から「ゆるキャラ」のブーム


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (2) | Top
この記事のURL | Rédiger
コメント
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。なんとマスコットはプロヴァンス発祥なんですね、びっくりしました。私お恥ずかしながらゆるきゃら図鑑という本を持っておりました(笑)元々みうらじゅんという漫画家が名付け親で、特に「ひこにゃん」という彦根城のマスコットが流行ったことからわれもわれもと各地方で作られるようになったと思います。こんなに語ってしまって気持ち悪いでしょう!?でも私は以外とフランス人は好きになるかもと思ったのですが、そんなことないか。
ゆるきゃらの名前を市民から公募したり、デザイナーにゆるキャラ案を応募させたりして、市民の意識を活性化させるという効果もあるように感じます。それがくまもんやふなっしーのように爆発的ヒットになるとすごいですね。冷静になれば確かに変。日本人は変わってますね(笑)
2015/04/01 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22 chiaki@静岡さんへ

Wikipediaの「ゆるキャラ」へのリンクを入れておきながら読んでいませんでした。みうらじゅんさんの存在を知らなかったので、気に留めていなかったのです。造語にも才能のある方なのですね。

>フランス人は好きになるかもと思ったのですが、そんなことないか。

⇒ どう思うか聞いてみたい思いがあるのですが、人によって全く違うでしょうから、何人かに聞いてみる程度では判断できないだろうと思っています。日本の漫画が好きなフランス人は多いそうなのですが、私の友人仲間にはいないので返ってくる反応は偏ってしまうはずですし…。リンクに入れたフランス語のサイトに入っているコメントには、日本に4年住んでいるけれど、このマスコットには相変わらず驚かされ続けていると書いている人があったので、やはり大人がぬいぐるみを好きなのは不思議に思う方が普通ではないかしら?…

フランスの子どもたちは、もう大人であるところを見せたがる傾向がある。それに対して日本は子ども天国なので、大人が子供っぽくするようになったかな… と、私は感じています。

バブル景気の頃、面白い旅のアドバイスがあったのを思い出しました。海外旅行をするときに可愛いマスコットをスーツケースに付けているのは日本人だけで、日本人はお金持ちだと思われているのだから、空港の職員がカバンを開けたら価値のあるものが入っているはずだと思って中身を抜こうとされてしまうから、マスコットはつけない方が良い、とあったのです。私はそういう趣味が全くなかったので、ターンテーブルにのってくるスーツケースを観察してみたら、確かに日本人は必ずといって良いくらい可愛い小物を目印に付けていると気がついたのでした。

そんなアドバイスを読んだ人は少なかったと思いますが、最近は、そういうのはなくなっているような気がします。ゆるキャラブームがおきてから、この流行は消えたのかな?…
2015/04/02 | URL | Otium  [ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する