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2015/03/26
食用にされる伝統的なエスカルゴは「Escargot de Bourgogne(ブルゴーニュのエスカルゴ)」と呼ばれる品種で、学名はHelix pomatiaです。

日本ではエスカルゴ料理はフランス料理とされていると思いますが、正確に言ったら、特にパセリを入れたバターとともにエスカルゴを詰めた料理は、ブルゴーニュの郷土料理です。

このブログの名前にも使っているくらいですから、私はエスカルゴにはこだわりがあって、エスカルゴについて書いた記事の目次には現在20の記事を入れています。

品種について書いたのは、次の記事:
本物のエスカルゴとは? 2014/07/11

下は、ブルゴーニュ地方の家の庭にいたカタツムリを撮影して記事を書いたときに使った写真です。


雨あがりに姿を現したエスカルゴ 2006/07/28

①が「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種。

②は、フランスで養殖もされているプチ・グリ種で、レストランで食べるときにはこれである可能性が高いです。

③は、絶対に(!)食べないカタツムリ。

見た目からしてブルゴーニュのエスカルゴ種はおいしそうでしょう? ブルゴーニュ地方ではカタツムリを地方の顔にもしていて、お土産用のグッズなどでもよくあります。

それで、ブルゴーニュではエスカルゴのチョコレートまでできています。

日本の知人と話していたとき、エスカルゴの形に作られたチョコレートに興味を持たれたので、日本でも買えるのかを調べてみました。

楽天市場でエスカルゴのチョコレートを検索
アマゾンでエスカルゴのチョコレートを検索


「マルキーズ・ドゥ・セヴィニエ」というメーカーとは?

日本で簡単に手に入るエスカルゴの形をしたチョコレートは、これでした ↓

でも、私にとってはエスカルゴ=ブルゴーニュなので、パリのシンボルであるエッフェル塔の絵などをパッケージに描いているのは気に入らない。

エスカルゴの形をしたチョコレートとしては有名なメーカーがあって、もちろんブルゴーニュの会社なのです。これはフランス土産として売っていますね。ということは、あのメーカーが海外旅行者向けにパッケージを変えて売っているのだろうか?...

でも、このチョコレートのメーカーの名前は「マルキーズ・ドゥ・セヴィニエ」。書簡作家として知られるセヴィニエ侯爵夫人(Marie de Rabutin-Chantal, Marquise de Sévigné: 1626~96年)はブルゴーニュ出身の人なので、それにちなんで命名したメーカーなのかな?...

こういう名前のメーカーが本当にあるのかを調べてみました。
「マルキーズ・ドゥ・セヴィニエ」をアマゾンで検索

チョコレート・メーカーのようでした。

フランス語で探してみる。パリにブティックを持つチョコレート屋さんで、サイトもあります:
☆ メーカーのサイト: Marquise de Sévigné

フランス中部のオーヴェルニュ地方で19世紀末に創業したのですが、全国に店を展開したらしい。なので、ブルゴーニュとは関係ないですね。そのせいか、普通は「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種のエスカルゴの名前を使わずに、「フランスのエスカルゴ」という名前で売っていました。


ランヴァンのチョコレートはどうなった?

エスカルゴのチョコレート・メーカーとして有名なのは、Lanvin(ランヴァン)という会社です。これが日本では市販されていないようなのは不思議...。

ランヴァンは買収されてブルゴーニュのメーカーではなくなったとは聞いていましたが、ブランド名も変わってしまったのだろうか?...

この会社がブルゴーニュの行政中心地ディジョン市にあるチョコレート工房を手にいれたのは1921年、2代目のEtienne Lanvinが1935年に売り出したエスカルゴ型がヒットしたそうです。

当時としては、エスカルゴの形をしたチョコレートを作るなどとは斬新的だったし、さっぱり目の味も好かれたようです。

1968年、ランヴァン社はサルバドール・ダリ(Salvador Dalí: 1904~89年)をコマーシャルに起用しました。トレードマークの髭が持ち上がって、「Je suis fou du chocolat Lanvin !(私はランヴァンのチョコレートに夢中)」という彼のセリフは受けたようです。


Je suis fou du chocolat Lanvin !

お金儲けに熱心だったダリは色々なコマーシャルに出演したそうですが、このランヴァンのコマーシャルが最も成功したようです。

しかしランヴァン社は原価の高騰によって経営が困難になり、イギリスの企業グループに入り、さらにスイスのネスレの傘下に入り... という歴史をたどっていました。現在のところは、ランヴァンのチョコレートのトレードマークはネスレ社が持っていて、ネスレのサイトにランヴァンの紹介がありました。

http://www.nestle.fr/nosmarques/chocolatconfiseries/lanvin

しばらく買っていませんでしたが、こういうパッケージでしたね。エスカルゴの渦巻き模様がランヴァンのトレードマーク。

ところが、このランヴァンのエスカルゴをインターネットで検索してみると、スーパーのサイトなど、品切れの表示ばかりが出てきました。一時的なものなのかも知れないのでけれど、フランス・アマゾンのページへでも売り切れとなっています。

とはいえ、販売しているところも見つかりました。価格を確かめたかったのですが、1個105円くらい。クリスマスシーズンにはプレゼント用の大きなパッケージがスーパーで山積みされていた記憶があるので、そんなに高かったかな?... という気はしました。

http://www.epicerie-francaise.de/LEscargot-en-chocolat-noir
L’Escargot en chocolat noir - Lanvin - Épicerie française

でも、検索していたら、ランヴァンのエスカルゴが昔とは違った味になってしまった、と嘆く人たちの声が目立ったのでした。クリスマスにランヴァンのチョコレートをもらうのが楽しみだったのに、歯ざわりも違うし、安物のチョコレートの味になってしまった、と報告している人もいました。

ネスレに問い合わせをした人もあって、ネスレ側ではもっと自然な材料を使うようにしたからと回答してきたのだそう。改良したというのはメーカーの言い訳かもしれません。ともかく、作り方が変わったのは確かなようです。

調べて書いているうちに、懐かしいランヴァンのチョコレートを買って食べようかと思ったのですが、やめることにしました。


エスカルゴの形からチョコレートを見る

やはり、エスカルゴはブルゴーニュ。それにこだわって、ブルゴーニュでエスカルゴ型のチョコレートを作っているメーカーの紹介が地元新聞のサイトで紹介されていました。

ランヴァン社を一部引き継いだ会社らしく、Chocolaterie de Bourgogneという名前のメーカー。エスカルゴ型のチョコレートは、色々なパッケージで売られていました

こんな風な形だそうです。
http://www.chocolateriedebourgogne.fr/la-chocolaterie/les-produits/la-confiserie

貝殻の模様がつまらないですね...。

ランヴァンのエスカルゴ・チョコレートは、もっとエレガントに見えたような気がする。画像を探してみました。

http://tartines.fr/lanvin-escargot/
Chocolat Lanvin, l’Escargot | Tartines

大量生産されているチョコレートですけれど、悪くない見た目ですね。

ランヴァンがエスカルゴ形のチョコレートを売り出したときは、斬新さもあって受けたようですが、今ではそう珍しくはないと思います。エスカルゴ形にする道具も売っていました(こちらなど)。

エスカルゴ形のチョコレートといったらランヴァンと思ったのですが、調べてみたら、エスカルゴ形のチョコレートを作っているところは幾つもありました。

例えば、ブルゴーニュ地方オーセール市にあるチョコレート屋さんで、Olivier VIDALという人のお店。この1月に東京で開催された「サロン・デュ・ショコラ2015」にも出展したそうで、評判も良かったようです。



う~ん、見た目からして美味しそう...。手作りのチョコレートは高いけれど、やはり工場生産のものとは全く違う味がするのですよね。こういうチョコレートを食べてみたい...。



ブログ内リンク:
★ 目次: エスカルゴについて書いた記事
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理

外部リンク:
Idée cadeau gourmet de Luxe 3 : le chocolat Lanvin
Chocolat Lanvin, l’Escargot
Mes petits escargots Lanvin
☆ Wikipédia: Lanvin (chocolat)
Salvador Dali, roi de la provoc et avide de dollars
Chocolaterie de Bourgogne(オフィシャルサイト)
Dijon : au coeur de la Chocolaterie de Bourgogne
Olivier Vidal ショコラ・アソート
☆ Wikipédia: Cuisine bourguignonne


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コメント
この記事へのコメント
ヨーロッパのお土産といえばベルギーのチョコレート、という時代がありました。一つ一つ違う貝の形をしたチョコレートはなんだか特別なもの、という感じで、うやうやしく口に運んだ記憶があります(笑)
エスカルゴのチョコレートというのもあるのですね。かなりリアルで面白い。
ランヴァンとはオートクチュールのメゾンとばかり思いこんでいましたが、チョコレートのランヴァンもあったとは!

そのむかしパリに行った時、エスカルゴと牡蠣、そしてなぜかオマールだけは食べて帰ろうと、クリシーに繰り出した思い出があります。
チョコレートのエスカルゴ、ネットで買えるのですね。探してみます。
2015/04/02 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

私がベルギーのチョコレートが美味しいと定評があるのだと知ったのは、そんなに昔ではありませんでした。日本の友達から「ゴディバよ」と、もったいぶって言われて、なぜベルギーでチョコレート? などと思ったのでした。海外旅行のお土産というと、ハワイのマカダミアナッツチョコレート。ひところは、やたらにもらった記憶があります。俗っぽいですね...。

エスカルゴの姿をしたチョコレートというのは、考えてみれば奇抜だなと思いながら書いたのですが、色々な形の貝というのも楽しいですね。
2015/04/02 | URL | Otium  [ 編集 ]
貝の形をしたチョコレートは何というメーカーのものだったか、あまり昔の話なので、全く覚えていません。
ゴディバの名前を聞いたのは、いつ頃だったかしら。
当時は簡単には手に入らず、高級品というイメージがあり増したが、最近ではヴァレンタインデー近くになるとコンビニで買えるようになりました。
ゴディバよ、お前もか!という心境です。もしかしたら日本だけのコンビニ・バージョンなのかもしれません。ゴディバともあろうものが、売れればいいというものでもないような気がします。
何もゴディバじゃなく手も、最近の日本のチョコレートは美味しいと思います。
2015/04/07 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

チョコレートが売れるのは、日本ではヴァレンタインデーで、フランスではクリスマスと復活祭のとき。ここのところ、卵やウサギの形をした大きなチョコレートを見ながら、ここまで大きいと食欲が減退するけどな… と眺めておりました。

私が初めてチョコレートを意識したのは、スタンダールの『パルムの僧院』を読んだときだったので、子どものときにはチョコレートに対する思い入れはなかったのだろうと思います。牢獄に入っていた主人公に、女性がお見舞いとしてチョコレートを持っていったというくだりがありました。チョコレートは甘いし、カロリーがあるので、牢獄にいる人に元気づけに差し入れしてあげる食べ物としては適しているな… と、気がついたのでした。

チョコレートがこんなに美味しいものかと知ったのは、フランスのケーキ屋さんの手作りチョコレートを食べたときでした。「トリュッフ」と呼ぶ、フワっとしたチョコレート。賞味期限は1週間くらいしかないと思います。日本の麺類やお餅、ピザの生地も同じで、手作りだと、押しつぶさないのが風味を出しているのかな… と思います。正直いって、ゴディバのチョコレートは手作りの味を知った後だったので、大量生産にしては良い味を出している、という程度にしか思いませんでした…。

お返事を書いていたら、自家製のトリュッフ・チョコレートをコーヒーに添えて出すレストランに久しく行っていなかったことを思い出しました。1つ星ランクのレストランなのでお安くランチが食べられるのですが、最後の締めくくりのチョコレートが絶品。気温があがると作らなくなるので、今月中に行かないと...。
2015/04/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
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