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2015/04/20
日本でも昔はカエルを食べていたと聞いたのですが、カエル料理に日本で出会ったことがありません。今では全く食べなくなっているのかを確かめるために検索してみたら、ゲテモノ料理として出てきました。

丸焼きなどという料理もあって、カエルは巨大で、ものすごくグロテスクなのでした。見るのも気持ち悪いのでリンクはしません。


日本で市販されている蛙を比較してみる

フランスで食べるカエルは「グルヌイユ」と呼ばれ、かなり小さいです。食べるのは後ろ足だけなので、料理で出てきたときは、ほとんど蛙の姿は想像しません。

前回の日記「春先にしか食べられないカエル料理を食べる」を書きながら、日本で食べる蛙はどんなのだろうかと気になったので調べてみました。

日本には「食用ガエル」という呼び名もあるのですが、日本のレストランで出された蛙を見ると、フランスで食べるものとは品種が違うのではないかと思いました。

日本で市販されている蛙を比較してみることにしました:
食材としてのカエルを楽天市場で検索

フランス産
1匹 40グラム前後
ベトナム産
1匹 50~70グラム
台湾産
1匹 200グラム


フランスから輸入したという蛙は、フランスのレストランで出てくるのと同じように見えます。台湾産の「食用カエル」は、フランス産の5倍の大きさ?! 丸焼きなどという料理は、こういう巨大な蛙で作っていたのだろうと思います。


日本でいう「食用ガエル」とは、どんな蛙?

日本の食用ガエルは、普通はウシガエルを指し、非常に大きな蛙なのでした。

ウシガエルは、フランス語では「ouaouaron」という愉快な呼び名がついていました。grenouille-taureauという名でも呼ばれているのだそう。日本語と同じに牛に引っかけた呼び名ですね。正確にいうと、去勢していない雄牛(taureau)カエル。

この蛙はアメリカに生息していた蛙で、世界に広がったようです。


Carte de la répartition actuelle de la Grenouille taureau dans le monde

地図で、赤い地域は自然にウシガエルが生息している地域で、濃い緑色はウシガエルが外来種として入った地域。

問題を起こしている外来種のようです。ただし、アメリカのは40cmにもなって2キロにもなる蛙がいるそうですが、ヨーロッパ大陸も日本のも400~500グラム程度とのこと。

とはいえ、巨大な蛙ですね。台湾から輸入された2Lサイズの蛙より、さらに大きい。


食べるグルヌイユと、食べないクラポーの違い

フランスで普通に使われる「蛙」を現す単語には2つあります。食べる蛙は「grenouille(グルヌイユ)」。出会って不気味に見える蛙の方は「crapaud(クラポー)」。

食用ガエルの「ウシガエル」はクラポーではないかと思ったのですが、グルヌイユと呼ばれていました。

グルヌイユとクラポーはどこが違うのか?

グルニュイユは女性名詞で、クラポーは男性名詞。

それで、クラポーの奥さんがグルヌイユだろうと思ってしまうフランス人も多いそう。

実際、フランス語では動物の呼び名は複雑で、ただ雌と雄の違いだけで全く異なる単語になっているのが普通なのです。

それで、この2つの蛙は品種が違うのだ、と説明しているサイトがありました。

違いの第一は、蛙の皮膚。グルヌイユはツルツルの肌なのに対して、クラポーはブツブツの肌。

後ろ脚にも違いがあって、グルヌイユの方は長くて筋肉がある。なるほど、グルヌイユの料理では後ろ脚しか出てきません。

好んで住む場所も違って、グルヌイユは水場なのに、クラポーは土。それで、クラポーは森や草原や庭で簡単に見つかる。

両方とも水の中に卵を産みつけるのは同じだけれど、グルヌイユの卵はかたまっているのに対して、クラポーは糸状になる。

大きな違いは毒性。クラポーの目の後ろには敵を攻撃する毒を出す部分があるのだそう。人間にも毒になるので、クラポーに触ったら危険。悪くすれば死にいたるほどの毒性とか。

「crapaud(クラポー)」を仏和辞典で見ると、訳は「ヒキガエル」となっています。Wikipediaにあるヒキガエル科を調べたら毒があると記述されているので、同じもののようですね。

日本語では蛙はみんなカエルなので、毒性がある蛙がいるなんて、私は思っていませんでした。もっとも、クラポーは見るからに気持ち悪いので、触りたくはならないので危険はないと思いますが。


グリム童話の蛙は?

グリム童話に『かえるの王さま』があったのを思い出しました。フランス語訳のタイトルは『Le Roi Grenouille ou Henri de Fer』で、美しい王子様に変身する蛙は「グルヌイユ」が使われていました。

  

あらためて、この童話のあらすじを読んでみました。

これはクラポーの話しではなくて、グルヌイユだと分かりました。

まず、出合う場所が泉なのですね。水の中で生活していればグルヌイユ。

ご多分に漏れず、この童話にも残酷な場面があります。

お姫様は寝室までついてきた蛙を壁に叩きつけてしまいます。それで魔法使いにかけられていた魔法がとけて、蛙は王子様になるわけなのですが、蛙を壁にたたきつけるというのは想像しただけでもゾッとするではないですか?

今日では、もっとロマンチックなお話しに変えているのもあるのだそう。つまり、お姫様は蛙にキスをしてあげることによって魔法が溶けた、というバージョン。

でも、クラポーの方は毒があるのですから、キスなんかしたら危険です。クラポーとグルヌイユの違いが分からない子どももいるでしょうから、聞かせる話しとしては良くないのではないかな?...


文化が単語を誕生させる

日本では、蛙はみな「○○ガエル」としているのに、フランスでははっきり違う2つの言葉があるのが面白い。

考えてみると、鼠も同じですね。フランス語では2つ存在しています。

猫がつかまえてくるのは「souris(スーリ)」。パソコンのマウスも、この単語を使います。もう1つ、ドブネズミかなとおもう大きな鼠は「rat(ラ)」と呼びます。

見た目で使い分けているのですが、仏和辞典では「souris」には「ハツカネズミ」が割り当てられていました。「rat」の方が「ネズミ、ラット」。

ドブネズミは? 和仏辞典では「rat d'égout」。まさしく「ドブの鼠」ですね。

ここまで書いて、ふと気がつきました。食べる蛙グルヌイユは女性名詞で、毒があるクラポーは男性名詞。パソコンで使うのにも抵抗がないマウスに相当するのが「スーリ」で女性名詞。ドブネズミの方は男性名詞。

人間が親しみを持てる動物は女性形にされ、嫌うものは男性形にするという法則が存在するかな? もっと、例を調べてみないと結論できない。


ところで、日本では2つの単語を使い分けるのに、フランスでは1つしかないケースもあります。

蝶と蛾は、フランス語では両方とも「papillon(パピヨン)」。蝶も蛾も同じ単語なせいか、フランス人はきれいな色をした蛾を見ても「パピヨンがいる」などと喜んだりしています。

私はチョウチョが羽を広げて止まれば、忌み嫌う「蛾」だと思うので、「パピヨン」なんていう可愛い呼び名を使う気にはなりません。

蛾の方は「papillons de nuit(夜のパミヨン)」とも呼べるのですが、 昼間に富んでいる蛾もいるのですよね。それで私は、「それは、意地悪なパピヨンよ」などと勝手に呼び名を付けてしまっています。

日本では蝶と蛾を区別するのは、野菜を食べる文化の国だから、蛾が農作物にもたらす被害に敏感だからなのかな?...

シリーズ記事: フランシュ・コンテ地方への小旅行 2015年4月  目次







ブログ内リンク:
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★ 目次: 文学、哲学、映画、テレビ番組

外部リンク:
La grenouille mangeuse de poules
Quelle est la différence entre un crapaud et une grenouille ?
蝶と蛾


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2015/04/21 | | -  [ 編集 ]
Re: 食文化
リンクしてくださったページにショッキングな写真が入っているということで非表示コメントにしてくださったようなので、お返事をさせていただいてしまいます。

実は、日本のカエル料理の画像を探していて、もっとグロテスクで飛んでもない料理の写真も見ておりました。

何でも食べてしまうのは中国の文化と思っているのですが、日本でもけっこう色々なものを食べるのですね...。でも、「ゲテモノ食い」という言葉が存在するくらいなので、そういうのを食べることに快感を覚えるという文化かな?... とは言え、日本で2回だけ食べたことがある蜂の子料理は、とても美味しいと思いました...。
2015/04/22 | URL | Otium  [ 編集 ]
食文化
中国では 子猫の姿揚げ があるとか、、
映像で拝見したことが あります。

毛がついたまま 生きている子猫を 鍋に入れ
油で揚げてました。

あと 犬の料理
味を良くするために 殺す前日に
足の骨を折って苦しませ
アドレナリンを分泌させるのだとか、、

ウシカエルの声を 旅先で
夜中に たまたま 聞いたことがあります。
たぶん 田んぼで鳴いていたと思いますが
宿の人に聞いたら 野生の食用カエルとのこと

あんな 下品な声は ぼくの 声では
ありません♪

蜂の子、、長野の名産ですね。
蜂の子 食べます、、美味です
ナンチャッテカエルですから。
2015/09/13 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
蜂の子
検索してたら、、
こんな 記事がありました。。。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%81%93

ナンチャッテカエルが
蜂の餌、、 因果応報なのだ♪
2015/09/13 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 食文化 / 蜂の子
v-22 たかゆきさんへ

>子猫の...
⇒ きゃ~、やめてくださいよ~!

>犬の...
韓国人が、猫は食べないけれど、犬は食材になっていると言っていました。ソウル市では禁止になっているので、郊外で食されているとのこと。強精効果があるとしてファンがいるのだ、と言っていました。

中国を旅行したときには、日本からの安い団体旅行だったのに、食べ物がものすごく美味しくて、また食べるためにだけでも行きたいと思っています。

何でも食べてしまうという食文化なのでしょうけど、変なものはいただけない。私が画像を見て、これは食べられないと思ったのはセミの料理でした。

食通のフランスの友達が話したこと:
中国に仕事で行ったとき、接待の会食でとても美味しいスパゲッティーが出た。料理を並べたターンテーブルが回るので、うまくそれが自分の前に止まるようにして食べていたら、通訳の目にはとまってしまって「お好きですか?」と聞いてきた。「とても美味しい」と答えると、中国人たちが手で口を押えて、ヒヒヒー、ヒヒヒーと笑った。フランス人が話すときはジェスチャーを入れるので面白いのです。そのスパゲッティーはミミズだと教えられて、さすがに食べるのは止めたそうです。美味しかったなら、食べ続ければ良かったのに!

フランス人は日本を中国や韓国と混同しているので、「日本では犬や猫を食べるのですってね」と、よく言われます。それで、中国人は何でも食べるけど、日本は違うと答えます。それだけでは納得してくれないので、何処かで覚えたフレーズを言うことにしています。

中国人は4つ足なら何でも食べるけれど、テーブルは除く。飛ぶものは何でも食べるけれど、飛行機は除く。

そうすると、アハッハーになって、猫と犬のことは忘れてくれます。

>ウシカエルの声
⇒ どの記事だったか、コメントをいただいて、ウシカエルの鳴き声は不気味だ、という話しになっていました。

>あんな 下品な声は ぼくの 声では ありません♪
⇒ ケロケロちゃんの方ですね。安心しました♪ 仏語でカエルの鳴き声を何と呼ぶか調べたら、grenouilleもcrapaudも鳴き声はcoasse。不公平ではないかな?...

grenouilleも、抵抗を示すときは、けなげに声を張り上げるそうで、可愛いのでした:
http://www.gamaniak.com/video-4123-cri-une-grenouille.html

たかゆきさんが動画をご覧になったら、同じ声を張り上げてしまうかも...。

>蜂の子
⇒ リンク先を読んで、苦労して採取しているのだと知りました。それで高価な食材になっているわけなのですね。

蜂の子は美味しいですよね~。フランスでは、将来は世界的な食糧難になって、昆虫も食べなければならない時代が来るといっている人たちがいるので、「まずは、蜂の子を食べてみろ」と言いたくなります。でも、「日本では蜂の子を食べて、すごく美味しいのだ」と言うと、また犬と猫の話しに逆戻りするので、言わないようにしています。
2015/09/13 | URL | Otium  [ 編集 ]
悲鳴
動画拝見♪

カエルの 悲鳴 はじめて聞きました。
命が掛ると必死になりますね、、
カエルの心中 お察しいたします。

ちなみに ぼくは前世で蛇に食べられましたので
いまだに 蛇は苦手です。

>日本では犬や猫を食べるのですってね

犬は食べますね。ちなみに 鍋だそうです。
鍋料理の名前は 「大 点 鍋」
だいてんなべ と 言うそうです。
大という字の 右上に 点を打つと 犬
特に美味しいのは 赤毛の犬だそうです♪
(ぼくは食したことは ありません 念のため)

>中国を旅行したときには、日本からの安い団体旅行だったのに、食べ物がものすごく美味しくて、また食べるためにだけでも行きたいと思っています。

中国はとても恐い国だと思っているので
ぼくは けっして中国に行くことないだろうなぁ。。。
あと
日本で売っている中国製の食材には
ぜったいに 手を出しません。
毒入り危険 と 思ってますから。

もっとも
昔の中国人は好きです
特に 黄庭堅の 大ファンです♪
2015/09/14 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 悲鳴
v-22 たかゆきさんへ

>犬は食べますね。
⇒ そうなのですか。知りたくなかった…。フランス人に聞かれたとき、平気で「日本人は食べませんよ~!」と断言できなくなってしまったので。

でも、日本人も変なものを色々食べるのですよね…。誰か日本の学者さんが、食べる食材をリストアップすると日本は中国並みとか言っていたような。山菜を食べるから種類が多くなるのだろうと思っていたのですが…。そういえば、東北の方で、カラス退治のために食べるというのをやったことがありましたね。美味しくないので成功しなかったと聞きましたけど。

>毒入り危険
⇒ 私が中国を旅行したのはかなり前で、食材が危ないとは全く言われていない頃でした。今行ったら食慾が失せるかな…。中国はあんなに昔から高度な文化があったのですから、世界にアジアの文化を誇れる国になって欲しい…。
2015/09/14 | URL | Otium  [ 編集 ]
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