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2015/05/03
ドイツ人と結婚した友達(フランス人女性)が、ドイツは結婚した女性が働ける国ではない、と不満をもらしていたのを思い出しました。

子どもができた後も仕事を続けられる体制になっていないので、専業主婦になってしまうのは避けたいのに、というのが彼女の言い分。

それを聞いた私は、ドイツのことは知らないけれど、おそらく日本の状況よりは良いのではないかと思いました。それに、ドイツも日本も経済大国です。単純に考えてみると、働きたいという人数が少なくなれば、失業率が下がることになるではないですか? 夫が妻を養える収入を得て、既婚女性が仕事を持てない体制にしておくと、国の経済力は高まるのかもしれない?...

でも、この友達はアフリカでボランティアをして働いていたような活動的な女性で、家で家事と育児に明け暮れることに喜びを見出すような姿は想像できません。数年もたたないうちに、彼女は旦那さんを説得したらしく、二人でフランスに住むようになりました。

ドイツには住みたくないと言った友達の話しはずいぶん前のことなので、その後は事情が変わっているかもしれない。でも、統計を見ると、相変わらずドイツの合計特殊出生率は横ばい状態ですね。

おもな国の合計特殊出生率の動き(欧米)



フランスにも専業主婦はいるけれど...

フランスは先進国の中では合計特殊出生率がトップだと騒がれ、少子化問題に悩む日本ではフランスの政策がよく話題になります。フランスは世界で最も早く高齢社会になった国なので、社会保障制度には家族手当という分野があって、子育て支援のための手当てと言ったら、よくこんなにきめ細かに考えたと笑ってしまいたくなるほど、色々な支援もできているのです。

つい最近も、こんな記事がありました東洋経済オンライン 2015/04/29
フランス女性はなぜ仕事を続けられるのか ~ 「母親の仕事」がやたら多い日本と大違い
 
フランスを見ていると、こういう風に見えるな、という内容でした。確かに、女性は結婚しても仕事を続けるのが普通になっています。専業主婦がいないわけではないのですけれど、全く目立たない。田舎では雇用の機会が少ないので、仕事を持っていない妻もかなりいますが、都会では働くのが当たり前のようになっています。

農村に住んでいるフランス人は4分の1に過ぎないので、やはり町での暮らし方でフランスが代表されますね。

前回の記事「「専業主婦」に相当するフランス語を探してみた」を書きながら単語を探していたわけですが、そうしたらフランスの公的機関が専業主婦の実態を調査していたという情報がでてきました。

普通は全く目立たない存在なので、興味を持ちました。その報告書に何が書かれているかをメモしておく前に、面白いなと思ったことがあったので先に書いておきます。


フランスで専業主婦をしていると肩身が狭い?

インターネットに、「専業主婦ネット」のようなサイトがあったのです(La maisonweb des femmes au foye)。妻も職業を持っている方が圧倒的に多いので、専業主婦は低く見られてしまうし、孤立感も感じる。それで団結して、情報交換をしたりして明るく生きようではないか、という趣旨のサイトのようでした。

会費も集めているので、NPO組織のもなっていました。日本の感覚で、そこまで組織化しているの、と驚くにはあたりません。フランスではボランティア活動を保護するために1901年アソシエーション法というのが作られて、お金儲けをしない活動である限りは極めて簡単に国の承認を受けることができるからです。

フランスの社会学者の研究によると、フランスの場合は、働いている主婦の方が専業主婦よりもストレスが少ないのだそう。アメリカやドイツに比べるとフランスでは専業主婦の割合が少なく、夫婦の典型は共働きであるためにプレッシャーを感じることなども原因になっているようです。

もっとも、フランスで仕事を持たない主婦というのは、社会的には両極端なようです。非常に裕福な家なので妻が働く必要がないケース。これは堂々としていられる。それに対して肩身が狭いと感じてしまうのは、経済的に余裕はないので妻も働くべきなのだけれど、仕事がない場合。

日本でも共働きが増えてきているようですが、専業主婦の立場が弱いから団結しようというところまでいく時代が来るのでしょうか?

... と書きながら確認してみたら、『専業主婦でなぜ悪い!?』という題名の本が出版されていたのを発見。でも、日本人が書いたのではなくて、翻訳でした。


「主婦」や「専業主婦」のイメージは国によって違う?

「専業主婦」はフランス語で「femme au foyer」と訳せば良い、と思うことにしました。

単語が存在すれば、インターネットの画像検索でイメージを垣間見ることができます。日本とフランスではかなり違うのではないかと思って検索してみたら、その通りなのでした。

面白いので、訳語が正しいかどうかは分かりませんが、友達が文句を言っていたドイツと、日本に大きな影響を与えているアメリカの検索結果も並べてみます。

検索エンジンとしてはGoogleが好きなのですが、検索画面のトップをキャプチャしやすいYahoo!の検索結果を入れて眺めてみます。言語と地域を指定した条件検索の結果です。


フランス語フランス): Femme au foyer(専業主婦)

 Googleでの画像検索結果

ひと昔前の絵が目立ちます。やはり昔の主婦のイメージが強いのでしょうね。フランス人に「Femme au foyer」の意味を確認しようと思って聞いたら、もうそんな風に呼ばれる既婚女性は存在しないと言われてしまったのも納得できる気がします。

フランス語では「主婦」をずばりと示すキーワードがないので、その検索は省略。


日本日本語): 専業主婦

 Googleでの画像検索結果

はつらつとした若奥様というイメージが私には見えました。フランスの結果のように「専業主婦というのは大変」という説明的な絵は例外的な感じ。


日本日本語): 主婦

 Googleでの画像検索結果

Yahoo!ではイラストをトップに出しているのですが、その後に並ぶのはGoogleと同じに女性の顔。つまり、「専業主婦」の検索結果との違いが見えません。


ドイツ
ドイツ語): Hausfrau(主婦、専業主婦 ?)
 Googleでの画像検索結果

フランスほどではないにしても、ひと昔のイメージがかなり入っています。フランスと比較すると、たくましさが出ていますね...。


英語アメリカ): Housewife(主婦)



英語アメリカ): full-time housewife(専業主婦)


日本に近い明るさを私は感じました。

Google検索では、アメリカのサイトに設定できなかったので、イギリスの画像検索結果のページだけ入れます。アメリカの検索結果にも重複しているのではないかと思うので。
 Google 英語(イギリス): Housewife
 Google 英語(イギリス): full-time housewife


イスラム系の国ではどうなのか知りたいとも思ったのですが、アラビア語は全くわからない。

Wikipediaで「主婦」からリンクされていたアラビア語は「ربة منزل」。それで、アラブ首長国連邦のGoogleに指定して画像検索をして開いたのが、こちらのページです

始めの方には他の国々と同じような主婦らしき画像が入っているのですが、だんだん見るのも怖い写真ばかりになってきました。姦通罪などがあるから、事件に関係した写真なのかな?...


インターネットで検索すると、キーワードに関連しているだけのものもヒットしてしまうので、これがキーワードに直接関係した画像ばかりではないはず。でも、日本語とフランス語の結果を比較すると、ここまで違うの?! と驚きませんか?

画像検索などをして遊んでしまいましたが、次回は真面目な報告書に書いてあった分析結果をご紹介します。

シリーズ記事: フランスの専業主婦の実態 2015年  目次


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方

外部リンク:
ジェンダーと子育て負担感に関する 日本・ドイツ・イタリアの比較分析(2009年)
20代女性に強まる「専業主婦願望」 理由は「働きたくない」「ラクしたい」
夫への服従、社会との断絶… アラサー女性が「専業主婦になりたくない」3つの理由を分析
なぜ日本は働きづらく産みづらいのか? 少子化は女性が働くからでなく女性が働けないせい
フランスの出生動向と家族政策-少子・高齢化に関する国際研究-


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コメント
この記事へのコメント
画像検索でよく分析しましたね! (笑)すごーい。
いやぁフランスやアメリカは絵がうまいなぁなんて別のことで感心しちゃったりしますが、確かにフランスは一昔前に感じますね。以前フランス人と結婚して移住した日本女性が家にずっといたらなんで働かないのかと討論になり、離婚まで行ったかはわからないけど、日本とは違うというニュースをやっていました。
日本は専業主婦は減って来ていますが、やはり男性が女性を養うという感覚はまだ他の国よりは強いかなぁ。。
2015/05/24 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22 chiaki@静岡さんへ

画像検索でこれだけ差が出るのは面白いと思ってしまいました。私は気にしていなかったのですが、絵の描き方にもお国柄がでていますね。

>以前フランス人と結婚して移住した日本女性が家にずっといたらなんで働かないのかと討論になり、離婚まで行ったかはわからないけど、日本とは違うというニュースをやっていました。
⇒ ありそうな話しですね。でも、日本人であることを活かした仕事をするとか、国境を越えて通用する分野で働けるケースでない限りは、日本人女性は言葉のハンディーがあるのでフランス人のようには就職口を見つけられません。見つけられるとしたら、日本では絶対にしないような仕事しかない。それを考えないで家計の財布を2つにするために「働け」と言うような思いやりのないご主人なら、さっさと別れてしまうべきだと私は思いますけど。

>日本は専業主婦は減って来ていますが、やはり男性が女性を養うという感覚はまだ他の国よりは強いかなぁ。。
⇒ 男性が家族を養うという意識を持っているのは悪くはないと思います。でも、日本の社会は男性が家族を養うように仕組みができているので、女性が独身でいると、老後の問題など、非常に厳しいのが問題だと思っています。
2015/05/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
> それを考えないで家計の財布を2つにするために「働け」と
> 言うような思いやりのないご主人なら、さっさと別れてしまう
> べきだと私は思いますけど。
確かに、他国の人が住むことがどれだけ大変なことかの想像力や優しさをもっている男性か、は大きいですよね。

> 女性が独身でいると、老後の問題など、非常に厳しいのが問題
> だと思っています。
ちなみに、これは具体的にはどこら辺に感じられますか…?
2015/05/25 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22

>確かに、他国の人が住むことがどれだけ大変なことかの想像力や優しさをもっている男性か、は大きいですよね。
⇒ 日本女性と結婚しているというスウェーデン人と日本で出会ったとき、なぜ日本に住むことにしたのかと聞いたら、その答えがふるっていました。彼には日本女性と結婚している知人が何人もいるそうなのですが、なぜか妻たちは子どもが生まれた頃に日本に無性に帰りたくなってしまうので、みんな別れてしまった。それで彼は、そうならないように奥さんの国に来たのだそう。優しいですね~。

私の日本の友達の何人かがスウェーデン企業で働いていた関係で、何人かのスウェーデン人と出会う機会がありましたが、彼らは穏やかな性格で、フランス人とは全然違うな... と思いました。フランス人の小憎らしさに慣れると、穏やかな外国人というのは物足りなく思ったりもするのですが。

>これは具体的にはどこら辺に感じられますか…?
⇒ 言葉が足りなかった。定年を迎えてからの生活費の問題です。男性の場合は、普通にサラリーマンをやっていれば、それなりに出世して、天下りみたいな再就職先ももらえるし、なんとか生活できる老齢年金くらいはもらえますが(最近は厳しくなったでしょうけれど)、女性の場合は普通に働いていただけでは生活が保障されていないと思います。
2015/05/25 | URL | Otium  [ 編集 ]
うわ〜そんな方がいるとは…。彼女はその気持ちだけでも嬉しいでしょうね。日本語の難しさや独特な日本文化は大変だと思うけれど、愛は勝つ!ですね。

小憎らしさがクセになるのですね(笑)
私もフランスに短期留学をしたときに、スウエーデン人と一緒になったのですが、穏やかで癒されました。
ホストマザーもスウェーデン人が一番好きとおっしゃってました。穏やかでスタイルよくルックスもいい方が多いから納得だけど。。
二番目が日本人だと言ってましたが、私とはトラブルもあったのでその後評判を落としてしまったかも…。

その通りです。男性が強い分野なら仕方ないと思うのだけど、同じ仕事をしていても待遇が違うのは…。少し変わって来てはいるので、今の若い世代のときにはどうなってるのかなと思います。

2015/05/27 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22 chiaki@静岡さんへ

>うわ〜そんな方がいるとは…。彼女はその気持ちだけでも嬉しいでしょうね。日本語の難しさや独特な日本文化は大変だと思うけれど、愛は勝つ!ですね。
⇒ この人とず~っと一緒にいたいと思ったら、一緒にホームレスになろうというのでもない限り、努力するのが自然だと思うのです。その後にどうなったかは知らないのですが、切り抜けてくれたと期待します。

>私もフランスに短期留学をしたときに、スウエーデン人と一緒になったのですが、穏やかで癒されました。
⇒ やっぱりそうなのですか。フランスでも、寒さが厳しくて助け合いが必要なのだろうと思う地域では、「どうして、そんなに親切にしてくれるの?!」と思ってしまったことが何度かありました。

その通りです。男性が強い分野なら仕方ないと思うのだけど、同じ仕事をしていても待遇が違うのは…。
⇒ 私はまともに努力していないので自業自得なのですが、日本でちゃんと仕事をして地位を築き上げた女性から話しを聞くと、わぁ~、そんなに努力したからなのだ~! と驚きます。「男性の百倍頑張って、ようやく一人前として認められました」と言った人。それから、頑張るだけでは十分ではなくて、「実力を発揮できる機会を幸運にも与えられたからです」と言った女性。脱帽です...。
2015/05/27 | URL | Otium  [ 編集 ]
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