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2015/05/15
庭の外れにある、「bonnet d'évêque(司教の帽子)」と呼ぶ実がなる木に花が咲いたので写真を撮ってみました。



見えない? マウスを近づけるとアップになります。それでもよく見えない!

秋になって色づくと目立つのですが、その木だと分かっていないと、花が咲いて見分けがつきません。花を眺めて覚えようと思ったのですが、やはり秋にならないと、散歩していて出会っても目に止めないだろうな...。

この司教の帽子に似た実がなる木については、すでに書いています ↓


ボネ・デヴェック(司教帽)と呼ばれる木  2011/09/30

今年は、たくさん花が付きました。今年の天候が気に入ったのか、実がたくさんなるほど根付いてくれたからなのか?... あるいはまた、教会の鐘が故障していて、アンジェラスの鐘がならなくなっているので怒っているから?...

教会の向う側にある家の人は「静かになって良かった」などと言っていますが、私は1日3回聞こえるはずのアンジェラスの鐘がならないのは物足りなくて仕方ありません。静かにさせたかったなら、どうでも良い15分毎に鳴る時の鐘の方をやめて欲しかった...。


寒さを呼ぶ3聖人 - 寒のもどり

春になると、家庭菜園をしている人たちが「Saints de glace(サン・ド・グラース)」という言葉をよく口にします。「氷の聖人たち」という意味。3人の聖人の祭日、5月11日から13日の3日間を指します。

この時期を過ぎると、もう氷点下には下がらないから安心、という目印。その時期を過ぎてから路地に種を蒔いたり、苗を植えたりするというわけです。

今年は、移動祝日の昇天祭(Ascension)が5月14日だったので、その直前で分かりやすかったです。

3聖人とは、フランスではSaint MamertSaint PancraceSaint Servaisの3人なのですって。3番目のSaint Servaisの祭日というのは、Saint Gervaisの祭日と言われることもあるのだそう。聖人はたくさんいますから、1日に複数の聖人の祭日であったりもするので、それは納得することにします。

サン・ド・グラースの3聖人の名前は教えてもらっても覚えていなかったので、この際、表にしてみました。
5月11日5月12日5月13日
Mammertus
Saint Mamert
(Mamert de Vienne)
マメルトゥス
432(?)~475年
San Pancrazio Guercino 1616
Saint Pancrace
(Pancrace de Rome)

289/ 290(?)~304年
Maastricht, Treasury of Saint Servatius, reliquary bust of Servatius
Saint Servais
(Servais de Tongres)

300~384年
現在の聖人:
Sainte Estelle
現在の聖人:
Saint Achille
現在の聖人:
Sainte Rolande

この3人が行ったことには全く関係していないようです。

昔からあったもので、春になったと喜んでいるこの時期に突然寒くなることが多かった時期ということで、農業をする上でマークしていたのだそうです。

フランス語で「Saints de glace(サン・ド・グラ-ス)」は、英語では「Ice Saints」と呼ぶらしい。フランス語をそのまま英語にしていますね。それを英和辞典でひくと「寒のもどり」という訳語が出てきました。日本語には「花冷え」という言葉もありますね。

なるほど。そう訳すことにすれば、聖人たちとは誰なのか、などとは気にしなくて良いわけだ...。

この「氷の聖人たち」の祭日は、フランスでは一般的なもののようで、ガーデニング関係のサイトでも、天気予報関係のニュースでも、よく用いられます。

5月も半ばにならないと本格的な春ではない、というわけなのですね。遅いでしょう? 日本も北海道あたりだったら、そういう感じでしょうか?

ブルゴーニュでは、だいたい当たっている感じがします。最も、今年はまだ油断できない感じですけれど。そうなるとフランス人たちは、「サン・ド・グラースが過ぎたのに寒い...」と、恨みがましく言います。

どっちみち、フランスの気温というのは季節との関係が薄いように思います。ここのところも、夏のように暑い日があったり、冬のように寒い日もあったりと、いろいろ...。

でも、氷点下になる危険があるかどうかくらいだったら、ボーダーラインが引けるかな?...


フランスのカレンダー

フランスのカレンダーには、たいてい祝うべき聖人の名前が書いてあります。聖人の名前をファーストネームにしている人が多いのです(昔はそれだけだったように感じますが、最近は変わった名前が流行ってきています)。聖人の祭日には、その名前の人の誕生日みたいな感じで「おめでとう」を言う習慣があるからでしょう。

といって、ごく親しい人だったら、あるいはカレンダーで見て気がついたら「おめでとう」くらいなのですが、なかには毎日カレンダーでチェックして、おめでとうの電話をしているのではないか、というマメな(?)人もいます。日本でいえば、年賀状代わりかな?...

今、壁にかけているカレンダーを見たら、5月11日から13日までの3日間は、全く違う聖人の名前が書いてありました。

1960年に、カトリック教会が、この日はどの聖人というのを変更したようなのです。確かに、天気予報の3聖人は時代が降るすぎて、土着の信仰の影が残り過ぎていたかもしれない。

ともかく、天気予報に使われていた3聖人は消えて、順番に、Sainte Estelle, Saint Achille、Sainte Rolandeの祭日になっているそうです。でも、天気予報で言う時の聖人の名前はそのまま。つまり、カレンダーを見ても確認できなくなっている、というわけでしたか。


氷の聖人は3人、というわけでもなかった

ガーデニング関係情報では、サン・ド・グラースが過ぎても油断してはいけない、と書いてありました。本当に、もう寒くはならないから安心して良いというのは、Saint Urbainウルバヌス1世 (ローマ教皇))の祭日が過ぎてからなのだそう。その祭日は、5月25日です。

アレクサンドル・デュマ・ペール『三銃士(Les Trois Mousquetaires)』と同じだ、と書いている記事がありました。『三銃士』と同様に、実際の主人公は4人いる、というわけ。

Les Trois Mousquetaires


それでカレンダーを見ると、またSaint Urbainの祭日だとは書いてない! 今年の5月25日(月)は、移動祭日の「聖霊降臨祭の翌日の月曜日(Lundi de Pentecôte)」なので、カレンダーにはそちらが書いてあったのでした。確かに、学校や会社が休みの日なのだと示す方が大事ですからね。

それにしても、フランスのカレンダーって、なんでこんなにややっこしくできているんだ! フランスはライシテ(政教分離)の国と言いながら、満月がいつだったかによって変わるキリストの聖人暦を国民の祭日にしておかなくったって良いのに...。


ここで、ふと、また疑問が生まれる。

いつから氷点下にならないか、というのを聖人の祭日で表現するのはキリスト教文化なわけですが、ヨーロッパでも寒い国と暖かい国がありますから、聖人の祭日に合わせるのには不都合があるはずではないですか?

Wikipediaで調べてみました。

英語情報ではIce Saintsで、ヨーロッパ諸国のことを書いています。国によって少し異なるようですね。イタリア語のリンクでは、4人の聖人にしていて、5月11日~14日。ドイツ語とオランダ語では、5人の聖人で、5月11日~15日のようですね。プロテスタントの国だと異なっているように見えます。

Wikipediaにはスペイン語へのリンクがなかったのですが、スペインでは言わないのかな...。フランスよりカトリック信仰が遥かに残っている国なのに、でも、スペインとか、スペイン語を使う南米諸国だったら、氷点下にならないのを5月まで待つということはないと思うのですよね。


こんなことを書き出してしまったのは、サン・ド・グラースが過ぎたからと、さっそく耕した友達の家庭菜園を見に行ったことを書こうとした気になってしまったからでした。

続き:
友達が買った中古のミニ耕うん機



ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化

Les saints de glace : dates et histoire
☆ Wikipédia: Saints de glace
Les trois Saints de Glace comme les Mousquetaires étaient quatre
Attention aux Saints de Glace du mois de mai
Dernier Saint de Glace 2015 : des gelées ce matin 2015/05/21
☆ Wikipédia: Liste de saints catholiques
ライシテ(laïcité)とは?


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