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2015/06/12
フランスでテレビのコマーシャルを見ていると、不味そうな食品ばかり。フランスが誇るような優れた食材は全くと言って良いほど登場しません。

スーパーで大量に売るような食品でないと宣伝費はかけないでしょうから、そうなるのでしょうね。高品質の食材は、宣伝しなくても売れる。

パッケージに入った不味そうなハムのコマーシャルも多いです。冷凍食品やレトルト食品に、シェフのレシピで作っているなどと宣伝してあるのも多い。

工場で大量生産した食材のコマーシャルに3つ星を持つシェフまで登場するのには驚きます。プライドはないの?! と言いたくなるけれど、3つ星レストランは人件費などがかかり過ぎて収益をあげるのは難しいので、シェフの名前を貸すというのが大きな収益源なのだそうですので仕方ないのでしょうね。


スーパーで売っている質が高いとはいえないようなバターのコマーシャルに、パリの3つ星レストラン「ル・ブリストル」のシェフÉric Fréchonが出ています ↓


Publicité Président Beurre gastronomique


日本食ブームも、フランス人の味覚が乱れた現れでは?

どんなものかをお見せするために、YouTubeに入っていたフランスのコマーシャルを1つ入れてみます。


Les secrets du surimi Fleury Michon

フランスで「surimi」と呼ばれる食品です。変なものから作っているのではないと見せているコマーシャル。蟹も出ていますが、天然の蟹から作ったフレーバーだと言っています。

それにしても、このカニカマは、形からして不味そうに見えませんか?...

日本のは、もう少し蟹に似た感じにして作っていると思うのですけど。

海沿いの地方でもない限り、フランス人には蟹は馴染みが薄い食材なので、形や触感を蟹に似せる必要はないのかもしれない。

スリミは1985年からフランスで製造されていて、日本の伝統的な食材だから(カマゴコ、すり身)カロリーが低くて健康に良いイメージを与えるし、かじりやすい形というのも人気の理由らしい。

Surimiの消費量は、フランスは日本に次いで世界で第2位になっているのだそう。年間に1人300グラムを食べているという計算。私の周りにいるフランス人たちがそんなに食べているようには見えないのですが、食べる人はたくさん食べているからのようです。

フランス人たちに日本食の人気が出てきたときは嬉しくなって、食べたいという友人たちのためにはりきって料理していきました。でも、最近はあまり乗り気でなくなりました。

昔は得体が知れないから食べたくないと言っていたものを喜んで食べるということは、フランス人の味覚がおかしくなってきた現れだと思えてきたからです。

そもそも、フランスにある日本料理店は、大半が安く食べるのを売り物にしているアジア系の店なのです。私が刺身に使うような生魚などは非常に高い食材だし、醤油や味噌などのように欠かせない食材は日本から持ってきています。偽物と一緒にされてはたまらない!

最近は、家に来た友人が、私が出す日本料理を食べないと拒絶すると、あっぱれだと褒めたくなってしまっています。もしも、「日本食が大好きで、パリに行ったらラーメンを食べる」などと言う友達がいたら、絶対に日本料理は作ってあげないつもりです。

シリーズ記事目次 【フランスの外食事情とホームメイド認証】 目次へ



レストランのホームメード認証

イタリアでスローフード運動が提唱されたのは1996年。フランスでも、1990年代に入った頃から、子どもたちがファーストフードを喜んだりするために味覚の乱れがでてきたと問題視されるようになりました。

最近では、厨房で料理しないものを出すレストランが増えたことに批判の矛先が向くようになったと感じます。

家庭で食べるものに関しては、安いからと質の低い食材を買ったり、手間をはぶくためにレトルトや冷凍の食品を買ったりするのは本人の勝手。そういうのが嫌な人は避ければ良いわけですから。でも、レストランで知らないうちに食べさせられてしまうのには腹がたつ、というわけなのでしょう。

特にヤリ玉になっているのは、自分のところでは調理はしないでレトルト食品を温めて出すだけとか、下ごしらえはしないで済む冷凍食品を使うレストラン。そういうものを売っているところで有名なのは、ドイツの外食企業「Metro(メトロ)」。レストランや商店などのような食料品のプロでないと利用できないのですが、その名前はフランス人なら誰でも知っているように感じます。

ホームメイドでない料理を出すレストランを貶すときには、友人たちは代名詞代わりに使っています。レストランの前にその車が止まっていると、そこで食事したくなくなたりしている。



一度だけ、プロしか入れないメトロの店舗を見学させてもらったことがありました。商品の陳列にはこだわらないので、味気ない巨大なスーパーという感じ。本当に何でも売っている! こういうのを仕入れて、電子レンジで温めた料理を出すのか?... と驚きました。料理を下手に作るよりはマシ、ということもあるでしょうけれど。

外食産業見本市というのには2度ほど行ったことがありますが、食欲を失うものも展示されていました。



見た目にはきれいなのですけど、やはり工場で大量生産されている食べ物には食指が動きません。すごいなと驚いたのは、卵が白身と黄身に分かれて売っていたこと。

フランス人は工場で作られた食べ物を嫌う。と言っても、レストラン側からすれば、調理場の仕事を楽にできるので重宝するようです。特に、2000年頃から始まった週35時間労働制が進んでからは、自分のところで調理をしないレストランが増えた感じがします。

飲食関係の仕事は労働としては大変なので、働き手を見つけるのが大変なそうです。パリなどで調理場で働く人としては、不法滞在者も含めて、アフリカ系の人が多いと感じます。最近は、厳しい労働条件にも耐えてよく働く日本人研修生を使うレストランが非常に多くなりました。修行だと思って将来のキャリアにしてくれれば良いですけど、利用だけはされたくないな...。ほとんどタダで働くのに、高い斡旋料をとる日本の業者までいるのですから。

レトルトや冷凍食品を使っているレストランは、全体の75%を占めているらしいという調査結果がありました。そういう食材だけ使っているというわけではなくて、少しでも使っていると答えたレストランの割合です。この数値をどう読むべきなのかな?... レストランの中で大多数を占めているのは、大都会にある、ともかく安く食事ができれば良いという飲食店が大きな比率を占めているでしょうから。

前回の日記「フランスのレストランにできたホームメイド認証ラベル」に書いたように、フランスでは工場で作られたレトルト食品や冷凍食品を使わない料理に対して「Fait maison(ホームメイド)」という名前を付けることができるという法律ができました。



このマークができたのは昨年の7月。そのときは一部の冷凍食品も認めていたのですが、今年の5月からは生鮮食料品を使わなければダメという風になりました。パンやハム・ソーセージなど、一部の食材は例外として認められていますが。

いちおう、このマークがあれば、レストランが新鮮な材料を使って厨房で調理した料理だと安心できるという目印になります。この表示ができたことによって、フランスのレストランで出す料理の質が向上するのかは疑問ではありますが...。

このホームメイド認証が気になりだした最近、レストランを見るとこのマークがあるかをチェックしてしまうようになりました。気をつけてみると、かなり目につきますね。ホームメイドであることを強調するのはパリのような大都会だろうと思っていたのですが、田舎でもやっている。レストランが林立している観光地では、特に多いと感じました。


フランスのレストラン業界の現状をあばくテレビ番組(2012年)

ホームメイド認証の法案が通る前の時期に、フランスの外食産業界がどうなっているのかを暴露したテレビ番組の動画があったので入れます。一面を捉えているので、フランスのレストランの全てが、こうなのだとは受け取っていただきたくはないのですが。

この報道に出てきたのはパリがほとんどでした。電子レンジで温めただけで出す料理というのは、パリのような大都会でぶつかってしまう確立が高いと感じます。町で生活していたり、仕事や観光で行ったりしたときは、ともかくレストランで食事しなければならない人たちがたくさんいるので許容されるでしょう。それに、忙しい都会生活をしていると、家庭でも冷凍食品を食べている人も多いですから。

面白いことに、この番組では、少し前に私がレストランで食べて褒めて書いていたSouris d'agneau(子羊のすね肉)の料理にスポットを当てていました
こういうレストランが家の近くにあったらな... 2015/04/23

この料理はビストロなどで出す代表的な家庭料理ということで、それを食べ比べて、工場で作られたものを温めているだけかどうかをテストしているのでした。

さすがに、自分のところでは料理しないとか、冷凍食品を使っていると批判しているのはレストランやビストロのような店のみで、ファーストフード店、日本で言えばファミリーレストランのようなところ、カフェテリアなどは対象から除いています。問題外ということ?


Restauration française : un pavé dans l'assiette
France 5 2012年放映番組

パリの立派なレストランで、なかなか美味しそうな料理がメニューに並んでいます。立派な調理場が出てくるのですが、電子レンジしかない! 料理なんかできなくても、温めればよいという工場で作られた食品が出回っているのです。

パリのブラスリーのテラスで出された子羊のすね肉を料理評論家がテストします。

ウエートレスさんはホームメイドだと言うのですが、料理批評家は見破ります。骨が白いので、本来のレシピ通りにオーブンで長時間焼いたはずはない。肉は、見た目からしても、ナイフを入れてみても、食べてみても肉の触感がないので、何度も火を通したのが分かる。古くなったポトフ、と表現していました。真空パックに入っていたか、冷凍のものを仕入れて電子レンジで温めただけだろうと結論。

何も、料理評論家に検証してもらわなくても、見た目にも不自然だし、食べてみれば分かりますけどね...。とはいえ、たまたま開いた在仏日本人の方のブログでお勧めビストロとして入っていたのが、まさに見た目からしてレトロそのものの子羊のすね肉料理。柔らかくて美味しかった、と書いてあるのでした。そういう風に受け取る人もいるという証拠ですよね?... 食事は文句をつけないで美味しくいただくのが一番だと思うので、羨ましくなる...。

まともに調理したものではないと見破れるのは、こういう見た目ということをお見せするために、動画の場面を入れておきます。書いてある文字は「隠しカメラ」です。洗ったまま出てきたような白い骨の部分を見ただけで、おかしいと思われませんか?



動画の続きです。

その翌日、番組はレストランのゴミ箱の中をチェック。パッケージを見つけ出して、子羊のすね肉は冷凍食品だったと判断。その後に食べた牛肉のタルタルステーキも、レストランでミンチにしたのではなくて、パックのものだった。


次に出てくるレストランでは、調理場に運ばれてきたのは冷凍食品ばかり。魚は骨が取り除かれているし、野菜はきれいに形がそろって切られている、というわけ。シェフは言っています。30年くらい前に彼が働いてたときには、調理場のスタッフは週に60~70時間働いていた。今では、他の職種と同じように週35時間労働ですよ、と自慢げ。

デザートは、仕入れたものを電子レンジで温めて、きれいに飾り付けて、仕入れ値の7倍で出しています。儲かるわけですね。

温めれば良いだけという工場生産の食品を作る会社がたくさんあり、この業界に関係する大きな企業5社で、売上は80億ユーロ。有名シェフの名前もPRに役立っている。商品には「ホームメイド」とか「伝統」とか「本物」とかの文字を入れている。今日では、フランスのレストランの7割はそういう食材/料理を使っているとのこと。


レトルト食品を卸している大企業全てから取材を拒否されたので、地方で真空パックの料理をつくっている調理人の工房を訪問しています。ミシュランの星を持っていたシェフですが、採算がとれないのでこの事業を始めたのだそう。ヨーロッパ産の3分の1で買えるニュージーランド産の子羊を使って、味は落ちるので粉末の粉で風味を出して、子羊のすね肉料理を作っています。

その後、新鮮な食材しか使わないパリのレストランが出てきます。またまた子羊のすね肉料理が出てきて、手作りの場合のコストを計算させています。工場生産の料理より15%高い。その前に出てきたレトルト食品の見本市会場では、レトルトだと30%安いのだと宣伝していたのですが。

ここで始めに出てきた料理批評家が再登場して、子羊のすね肉料理の食べ比べをします。工場生産のものは、肉が骨から簡単にはがれるのに対して、自家製はナイフで切らないといけない。匂いを嗅ぐと、自家製はタイムの香草が焼けた匂いが立ち上がってくるけれど、工場生産製は何度も煮た香りしかない。


ホームメイドの表記に対する規制がないので、工場生産の料理を袋から出して電子レンジで温め、そこに少しタイムの葉と塩などを乗せれば「ホームメイド」としてレストランで出せるのだ、などとやっています。

それをやっているのは、『フランスのガストロノミー黒書(Le livre noir de la gastronomie française)』の著者。

美味しいものにこだわる人でしょうに、そういう顔をしていないのが不自然ですけど...。


栄養士も登場して、レトルト食品をチェック。工場製品は伝統的なレシピでは使わない食材で味付けしていることがあるので、アレルギーがある人には危険だと指摘しています。自分で買うなら、何が使われているかをパッケージの表示を読んでチェックできるけれど、レストランだと分からないのが問題。

でも、ひどいアレルギーがある人だったら、レストランで食事するのは避けるべきではないでしょうかね。シェフが創作料理をしていることだってあるのですから...。


ホームメイド表記については業界から強い反対があるので、法案を成立されるのは難しいのだと話しています。しかし、イタリアは成功例。

イタリアのレストランでは、冷凍食品を使っている場合にはメニューに「*」を付けて表示することが1998年から義務付けられているのだそう。出てきているシェフは、この法律ができるまでは冷凍食品を大量に使っていたけれど、今では食材の5%しか使っていないと言っています。フレッシュな食材を使うためには地産地消になるので、地域経済を潤すことにもなる。お客さんは美味しいと評価するので、店は繁盛する。

再びカメラはフランスに戻り、アルザス地方の調理学校。驚いたことに、そういうところで工場生産の食品を使うことが教育プログラムに入っているのでした。先生は、個人的には好きではないけれど、生徒たちが働くようになったときのために工場製品も使うことを学ばなければいけないから、と言っています。

学校の倉庫には、工場生産の食材がたくさんストックされています。メーカーから寄付されたのだそう。そうでしょうね。将来のお客さんにPRすることになりますから!


自分で料理しようと思えば、フランスでは優れた食材が手に入る

フランスの美食術がユネスコの無形文化遺産に選ばれたのは2010年。その少し後のフランスでは、ガストロノミーとは関係ない食品業界の企業などがこれを利用するようになったことが問題視されて、そんなことをしているとユネスコから登録を取り下げられるらしいなどと囁かれていました。噂に過ぎなかったのかも知れませんが、反省するのは良いことだと思う。

ユネスコが世界遺産に指定するのは、努力を怠っていたら消えてしまう危険があるものに対して与えられるべきだと私は思っています。歴史的価値がある地域が世界遺産になると、観光客が急増して昔の良さがなくなってしまうことが多いので、何かしら登録されたことでメリットもないと思うからです。

それで、日本の食文化も登録されたのは(2013年)良いことだと思いました。フランスは食生活が乱れていることを大きな問題として取り上げていますが、日本はそれ以上のレベルなのに、ほとんど騒がれていない感じるからです。

日本では昔からインスタント食品が普及しているし、ファーストフード店、ファミリーレストラン、チェーンの飲食店がたくさんあります。東京でレストランに入ったときには、レトルトを温めているだけのところが多いと感じますが、日本人はそれほど気にしていないのではないでしょうか? レストランが自分のところで調理した料理ではないと貶す友人は、今までに一人もいませんでした。

そもそも、工場で作った料理を表す単語をフランス人は普通に使うのですが、日本語では「レトルト食品」くらいしか思い浮かびません。「工業生産の食べ物」などとは言わないですよね? フランスでは農業に関しても言われて、放牧にしないで建物の中で家畜を飼育する農場などにも「ferme-usine(工場ファーム)」という言葉を使って非難します。

美食の国と言われるフランスでも、本物の食べ物を求めない人が多くなっていると感じます。特に、忙しい生活をしなければならないパリでは進行している。

でも、美味しいものを食べたいとこだわる人たちは存在し続けています。気取っているわけではなくて、情熱というか、病的とも言ってしまいたくなる知人たちがいます。そういう人たちがいる限り、食の乱れは日本のレベルまでには下がらないだろうと感じます。

少なくともフランスは農業国なので、優れた食材を入手するのは簡単にできます。政府公認の高品質食品認定AOC/AOP(原産地と生産法を規定)は、いい加減なのが紛れ込んでいるという批判はありますが、かなり信頼できる基準で、日本の政府公認マークよりはずっと厳格です。

農水省も、消費者が食品に対する正しい知識を持たせるために充実したサイトを作っています:
Portail public de l'alimentation

フランスには直売農家が多いので、自分の家で料理をするときには、農家に直接買い付けに行ったり、農家の出店が多い朝市に行けば、優れた食材を選ぶことができます。特に割高になるわけでもありません。

ミルクやチーズは何の品種の牛なのかでも選べます。家畜は放し飼いなのかどうかも分かる。健康に育った家畜の肉は全く味が異なります。日本では、「地鶏」と呼んでも放し飼いであるわけではないのですよね。それに、さすがに肉食の国なので、肉屋さんは充実していて、自家製の加工食品も作っています。

パリの食の乱れは田舎より進んでいるとは感じますが、さすがに人口が多いので、優れた食材が手に入りやすい街であることも確か。パリの中心地に住んでいるグルメの友達と買い物に行くと、朝市でも商店でも、食材によってお気に入りの店があって、歩いて回るだけで良いものが買えてしまえるのですから羨ましい。

パリの朝市で人気の直売農家です ↓




日本でも深刻に食生活のことを心配するべきでは?

日本でも、田舎に行ったときは本来の味がある野菜に出会えますが、東京はひどい...。それで、最近はやたらに調味料やソースで味付けするようになりました。フランス人は外国から入った農産物を貶しますが、東京で国産だけ食べたいと思ったら、私などは破産してしまいそう...。

この冬に帰国してフランスに戻ったときには、「日本はどうだった?」と聞く友人に、食べたものの話しから始めました。旅行から帰ると、ブルゴーニュの友人たちは何を食べたかに一番興味を持つので。

それで話したのは、すごい鶏肉を食べたというエピソード。日本で買う鶏肉はブロイラーで味がないとは思っていたのですが、あそこまでスゴイのが存在していたというのは、私には大発見でした!

友達の家で私が得意料理を作るということになって、鶏肉のクリーム煮を作ることにしたのでした。スーパーで買った鶏肉のパッケージを開いたとき、底に薄くピンク色に染めたような水がたまっているのでした。気持ち悪いけれど、約束したのだから料理を作らねばならない。生クリームも、一番マシそうに見えたものを買って持って行ったのだし...。

キノコ、玉ねぎ、鶏肉で鍋をフォアグラのラードで炒めてから少し煮ていたら、鍋の底に固形物が少し残るという状態に減ってしまったのでした。特に、鶏肉が水になってしまったのには仰天しました。肉が液体になるなんて、まるで手品のよう! あるいは、ホラー映画を見たような気分...。

フランスの友人たちからは、「フランスでだって、スーパーで買ったブロイラーは、不味くて食べられるものではないのだ」と言われました。でも、水になって溶けてしまう鶏肉を市販するというのはフランスではあり得ないのではないかな...。味にこだわらなくても、フランス人はボリュームだけは求めますので。

ああいうのは、栄養剤を混ぜた水をガブガブのませて、2週間くらいで市場に出せる大きさに育ててしまった鶏なのだろうとしか思えない...。去年にブログを書きながら、今は禁止されているホルモンで育てたニワトリというのを昔のシャンソンで知ったのですが、それはこういう鶏肉のことだったのではないかと思いました。

ジャン・フェラのシャンソン「ふるさとの山」に見る日仏文化の違い 2014/08/10


これを書きながら検索をしていた出てきた記事に驚きました。

フランスの大きな町で見かける冷凍食品専門のスーパー「ピカール(Picard Surgelés)」が、日本にも進出したのだそう。

私のフランスの友人たちとこの店を見かけると、フランスも世も末だという感じで言われるので、中に入ったことは一度もありません。

日本では、フランス料理だ~♪ と大歓迎されている様子です。

ついに日本上陸! フランスの高級冷凍食品「ピカール」は何がすごい? 2015/01/27

企業が海外進出したときに成功するかどうかは、宣伝費を幾らかけるかにもよると思いますけどね。

フランスの巨大スーパーマーケット「カルフール」が日本に入ったときも騒がれたのを記憶していますが、今は消えてしまったのではないですか?

冷凍食品でフランス料理を食べるなんてことより、日本に伝統的にある料理を守って欲しいけどな...。

この冬に長野に行ったときには、久しぶりに会いたい人のお家に行ったときに食べさせてもらった料理は絶品でした。山奥で農業をしていた80歳近い女性が迎えてくれました。近くにあるレストランで食事することになったので、ちょっと寄らせてもらうだけだからと前置きして行ったのに、案の定、お茶と一緒に、色々な食べ物をテーブルに並べてくれてしまいました。

お菓子はどうでも良かったけれど、煮物と漬物に感激したのです。何でもなさそうに見える料理なのに、何がどう違うのか、本当に美味しいのです。こういう料理には10年以上出会っていなかったような気がしました。

こういう日本の素晴らしい食文化を感じさせる手料理は、もう私が死ぬ前には食べられない可能性が高いと思って、レストランに行く前に立ち寄ったのに、お腹がいっぱいになるまで食べてしまいました!

もともと、日本の食事は軽いので、2回食べてしまっても大丈夫なのです。食べ物屋さんに入るときには、果たしてお腹がいっぱいになるほど食べられるだろうか、という強迫観念みたいなものを感じてしまいます。フランスの友人たちからは、私は小鳥のようにしか食べないと笑われるのですが。

ブログ内リンク:
調理チームに入ってみないと、レストランの評価はできない 2014/12/05
スリミ・ダイエットをしている友達 2013/07/08
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
RESTAURATION FRANCAISE : UN PAVE DANS L’ASSIETTE 2012/10/09
Y a-t-il un chef en cuisine ? 2013/04/23


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コメント
この記事へのコメント
こんにちは
お久しぶりです。いつも読み応えのある記事を有難うございます。楽しく読ませて頂いております。
工場生産のものが増え、品質が落ちることは非常に残念なことだと思うのですが、個人的には値段が安ければこれも納得できるのに・・・と思っています。フランスでは、高速道路のサービスエリアや、大型スーパー内のレストランなど明らかに工場生産と分かるようなお粗末な料理でも1回の食事に10€はかかってしまいます。こういうところで食事をする時というのは時間が無い時なので、美味しさに期待はしていないので、せめて安ければと思ってしまいます。
恐らく、日本で工場生産のものが増えても問題にならないのは、値段が安いことが理由の一つではないでしょうか。サラリーマンの毎日のランチや、奥様達が子供連れで集まってランチをしたい時、高校生が友達同士で食事したい時、料理するのが面倒で何でもない日に家族で夕飯を取りたい時など、日本では外食する機会が非常に多く、高い品質よりも、安くて気軽に食べられるものを求めているのだと思います。
フランスの一回の食事は前菜、メイン、デザートに飲み物とそれぞれにかかるお金が高いので日本のように500円でランチを食べることは無理だろうと思いますが、大量生産するのなら、もう少し安く出来そうなものですが・・・・。
2015/06/15 | URL | loc envel  [ 編集 ]
Re: こんにちは
v-22 loc envelさんへ

同感することが多くて楽しく読んでいたloc envelさんのブログが更新をストップされてしまったので、とても残念に思っていました。でも、コメントをくださったということはお元気だと分かったので嬉しいです♪

フランスの外食は、やたらに高いのですよね。ランクを落として入ったつもりのレストランでも、1つ星レストランの平日ランチメニューを食べるのより高い代金を払うことになったりするので、レストラン選びはコストパフォーマンスの点で真剣になっています。

最近はファーストフード店の飲食税に合わせてレストランの飲食税を下げたのと(アルコール飲料に対する税率は据え置きですが)、不景気なので安くしなければ客が来ないというのもあるので、安い料金のレストランが増えたかなという気はします。でも、つまらないものを食べても高い。それでお給仕の人が感じ悪かったりすると、それってないよ~! と思ってしまいます。

>日本で工場生産のものが増えても問題にならないのは、値段が安いことが理由の一つではないでしょうか。

日本くらい安く食事ができたら、文句を言わないのは自然だと思いますね。これだけお金を出したら、フランスなら一生の思い出になるような食事ができるのに… と思うことも多いのですが、ちょっと食べたいというときに入るには便利な飲食店は非常に多いと思います。

日本では食材は高いのに、外食の料金が安いのはどうなっているのか不思議。東京にいるときに、料理を作るのが面倒だからとスーパーで惣菜を買うと、フランスでそれをやるより高いのではないかという気もします。不思議…。

日本に比べると、フランスでは社会保険や税金の負担が大きいし、雇用人の労働条件は守らなければいけないし、調理場の衛生基準は非常に厳しいので、飲食店経営には必要経費がかさむので料金が高くなるのでしょうね。それに、日本人はさっさと食べるので、レストラン側としては1つのテーブルで何人もが食事をするので利益が出るのもあるからお手軽価格で食べられるのだろうとも思います。

昼食で自宅に帰れないような都市のサラリーマンはどうしているのかと聞いたら、会社が社員に食事クーポン券を出しているとか、パリなどでは労働者だけが入れる安いレストランがあるのだとか教えてくれました。

>こういうところで食事をする時というのは時間が無い時なので、美味しさに期待はしていないので、せめて安ければと思ってしまいます。

フランスでそれができていらっしゃるとは羨ましい♪! ブルゴーニュは特殊なのだろうと思います。一番始めに親しくなったのは下宿先のマダムだったのですが、異常なほどの食べ物へのこだわりがあるので、食いしん坊症候群のような病気なのだろうと思いました。片言のフランス語しかできない時期だったので、いくら優しくしてくれるからといって、こういう精神異常の人と親しくなってはいけない、と本気で思ったほどです。ところが、知り合いが増えてくると、ブルギニョンはみんな、彼女と同じなのでした!

旅行のときは、ともかく空腹を抑えるためにレストランで食事してくれれば良いと思うのですが、そうはいかないのが、私が付き合っているブルゴーニュの友人たち。私は観光したくてウズウズしているのに、レストランの品定めに時間がかかり、レストランに入れば延々と食事をしているので参ります。遠出の旅行ではさっさと目的地まで車を走らせれば良いのに、「高速道路のサービスエリアのレストランは高くて不味いから嫌だ」と言われて(カフェテリアでの食事は頭にない!)、高速道路を下りてレストラン探しになります。時間の無駄ですよ~! さすがに500Km以上の移動ともなればサービスエリアで我慢してくれる、と観察していますが。

最悪だと思うのは、農家直売や小規模生産の美味しい食品を展示するイベントに友人たちと行ったときです。試飲と試食で私はお腹いっぱいになるのですが、彼らは仮設レストランでもフルコースの食事をしないと気分が収まらないらしい。ワイン祭りのようなイベントでも同じ。私だけ「会場めぐりを続けるから」と言うのも礼儀に反すると思って食事に加わるのですが、こんなところに来て、どうして普通でも食べられるもので食事をしたいの?! とあきれてしまいます。フランス人が好きなconvivialitéとは、そういうことなのだろうと思うことにしましたけど...。
2015/06/16 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re: 初めまして
v-22 R*さんへ

非公開コメントにするご配慮までくださって、どうもありがとうございます。私もおっしゃることの全てに同感ですなどと書いたら、絶対に意地悪コメントをいただいてしまうはずですので。でも、悲しいけど、本当のことなのですよね...。

ピカールは悪くないのだろうと思えてきました。フランスでは日曜日が商店は休みだし、近くに店がない田舎も多いので、たぶん冷凍食品にはかなりの需要があるので、美味しいと言われるものを作る努力をしていると思うのです。

私がフランスにいるときは生鮮食料品は朝市でまとめ買いをするのを楽しんでいるので必要は感じないのですが、日本にいるときに試してみようかと思いました。
2017/01/08 | URL | Otium  [ 編集 ]
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