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2015/07/04
フランスにいると、家に友人たちを招待して食事を出す機会が非常に多いです。誰かがふらりとやって来たときも、おしゃべりしているうちに食事の時間になれば、「食べていらっしゃいな」になるのが普通です。

というわけで、6人分くらいのために料理を作るのは何でもなくなりましたが、招待客の人数が多くなると、やはり緊張します。

フランスで日本食ブームになってからは、あらかじめ食事に招待したときには和食を出すようになりました。

前回の日記「友人宅での昼食会が終わった2時間後、和食の夕食会を開く」に書いた日には、友人の家で昼食をご馳走になり、その時のメンバー11人が夕方には私のところに来て、私が作った日本料理を食べるというものでした。

昼食が終わったのは午後6時過ぎ。「8時前には来ないでね」と言って家に帰って夕食の支度。遠慮して9時頃になったらやってくるかと思っていたのですが、8時になったら三々五々集まってきました。

翌朝には旅行に出る人たちがいたので、そんなに遅くから食事を始めたくなかったのだろうと思います。そうでなかったら、フランスで夕食会といったら、夜の10時ころから食べ始めても平気なのですけれど。

昼食が終わってから2時間しかたっていないので、シャンパンなどを出した食前酒タイムではおつまみを出しませんでした。そこでお腹がいっぱいになって、せっかく用意した料理を食べてくれなかったら、私としてはがっかりしてしまいますから。

庭で食前酒タイムを始めてから1時間くらいにして、食事のために用意していたテーブルに移動してもらいました。


出した和食のメニュー

料理の準備をする時間がないので、あらかじめ前日に作っておけるものを多くしました。それと、昼食をご馳走になった後で私は疲れているはずなので、手間をかけないでできる料理を選びました。

今後にメニューを考えるときのために、何を作ったか、何が良くて、何が悪かったかなどをメモしておきます。

せっかく飾りつけにも努力したのだから、記念に料理の写真を撮っておけば良かったのですれど、自分が料理を出す役割になっていると、その余裕がない...。みんなはさかんに写真を撮っていたのですけれど。



 刺身盛り合わせ: 
  • クロマグロ(thon rouge)
  • サーモン(スコットランド産ラベル・ルージュ)
  • ブルターニュ産の鯛(dorade grise)
魚介類が豊富な冬ではないので、これだけしか仕入れることができなかったのが残念。手長エビ、貝付のホタテ貝で作る刺身がフランスでは最も美味しいと思っているのですけれど、売っていなかった...。

ズッキーニのツマ付け合わせは、友人の家庭菜園でとれた小さなズッキーニで作ったツマ。

フランスで刺身を作るとき、ツマはズッキーニで作る! 2007/08/21

日本から持って来た生姜の酢漬け。
これが、フランス人はやたらに好きなようなのです。

ソースは、ワサビ、ショウガ。
フランス産のショウガはするとスジだらけなので、中国系の店で買っています。



 海草サラダ

変わったものも出したいと思ったら、日本から持ってきていたパックが1袋あったのを思い出したので出しました。

11人で分けると、ひと口ずつしかないのでどうしようもない。後で気がついたのですが、こういう場合は、レンゲにのせて出せば良かった。

ひと口サイズのおつまみを出すときには、これが気に入っているので、レンゲはたくさん日本から持ってきているのです。



私は美味しいとは思いませんでした。やはりインスタント食品の味...。

ソースは自分で作るべきですね。時間があったら、キュウリのスライスを入れた酢の物と合えたらマシだったと思う。

ワカメは、フランス語では「fougère de mer(海のシダ)」と訳せるのですね。こう呼べばフランス人にもイメージがわくので良い命名。



 ほうれん草の胡麻和え

フランス人はホウレンソウが嫌いな人が多いのですが、胡麻は人気があるので、この料理にすると嫌いな人も食べてくれるのを発見しています。

ほうれん草は前日に茹でておきました。

ゴマは日本から持ってきています。フランスでも中国系のお店で買えるのですが、小粒で美味しくないので。

この日のメンバーの中には、以前に私のホウレンソウの胡麻和えを食べて、美味しいのに驚いたとその後も話題に出してくる若者がいたので、彼のために作りたいと思ったのでした。

★ シリーズ記事目次: フランスでは、なぜホウレン草を嫌う人が多いのか? 2011/03/04



 肉じゃが

前日に作っておいて、当日に温めれば良い料理として思いつきました。

買い出しに行く朝市には、パリでは食べられないような豚飼育農家がいるので、この豚肉は食べさせる料理を出したいと思ったのも理由。脂身が多いéchine de porcの塊を買いました

これと、フランス産シイタケ、新じゃがを昆布だしで煮ました。

フランスで、どのようにシイタケが栽培されているのかを見学 2013/01/10

ジャガイモは、見た目が良いように、丸くて小さなのを使いたいと思いました。

丸くて小さいジャガイモとしては、Bonnotte de Noirmoutier(ボノット・ド・ノワールムティエ)という品種が最高品です。Ratte(ラット)も小さなジャガイモ。それらは朝市で売っていたのですが、レストランで出会って美味しいと思ったgrenaille(グルナイユ)があったので、そちらにしました。

つまりは、育ちそこなって小さなジャガイモなのですが、肉じゃがにしたらとても美味しかった。普通のジャガイモよりは高めのお値段ですが、ボノットよりはずっと安い。

肉じゃがには、グルナイユで十分だと覚えておこうと思います。むしろ、肉ジャガというさっぱりした味付けだと、このジャガイモのおいしさが引き出せたと思う。

grenailleに出会ったときの日記:

久しぶりに行ったレストラン 2013/07/04

パリ中央市場のサイトでも、この育ちそこないのジャガイモがブームだと書いていました。


Le boom de la pomme de terre grenaille...

35mm未満のジャガイモを「grenaille(グルナイユ)」と呼ぶのだそうです。品種としてはcharlotte(シャルロット)種のジャガイモが最高だそうです。私が買ったのも、それに見えました。大きく育たないから味が凝縮しているのでしょうかね。甘味が強いと表現しています。

肉じゃがは私たちにはお惣菜すぎる料理ですが、この時も評判が良かったです。ただし、出す前にどういう料理であるかをフランス人に説明すると、まずそうな料理をイメージするらしいのですが。



牛肉たたき

牛肉のたたきは、少し前に私のレパートリーに入った料理です。

突然やってきた友人たちに残り物を食べさせるにあたって、大きなコート・ド・ブッフ(Côte de bœuf)をバーベキューで焼いた残りがあったので、日本風にたたきにしてみたのです。あまり良い肉ではないものだったせいか、少し肉が固かった。それで、薄切りにしてから包丁の背で叩いてみたら、柔らかさがでました。肉を叩くというのは、フランスの肉屋もやるのだそう。

タレは、こういう感じではないかと思って作ったのですが、すこぶる好評だったのでした。

それで、それをやろうというアイディアが浮かんで朝市に行ったら、良い肉を売っている肉屋で、見るからに美味しそうなサーロイン(Faux-filet)の塊があって、「買ってちょうだい」と言っているように見えたのでした。

シャロレー牛のサーロイン(faux-filet)を使いました。
7センチくらいの厚みで、1キロ強という感じの塊。

日本の牛肉のように霜降りではないのですが、素晴らしく美味しいサーロインでした。

前日の夕食をバーベキューにして、分厚いサーロインの両面をさっと強火で焼いて冷蔵庫に入れておきました。

タレは、新ニンニクをおろしたものに、醤油、胡麻油、ごまだれ、ゆずのポン酢などを入れてかき混ぜ、味見をしながら整えました。これは前日に作って、冷蔵庫で寝かしておいてOKでした。

刺身などの料理が終わったときに、たたきに取り掛かる。スライスして味見したら、非常に柔らかったので、たたく必要は全くありませんでした。

平たい大皿に入れて、サラダを敷き、その上に薄切りにした肉を並べる。それから、エシャロットの薄切り(水に少しさらした)、イタリア産のケッパーと小粒のオリーブ、チャイブのみじん切り、シソの葉、グロゼイユ、炒った黒ゴマを散らす。

庭になっているグロゼイユ(赤スグリ)は、そのまま食べるのは好きではないので、最近はレモン代わりに使っています。

小さな赤い実がちらしてあると食慾をさそるので気に入っています。

ケッパーは、少し前にタルタルステーキを作ったときに使った瓶に残っていたので入れてみたのです。生の牛肉に合うわけなので、牛肉のたたきにも、これがないと物足りないと思うほど良く合っていました。

タレは、好きな人が付けるように別に添えました。生のニンニクをおろしたものが入っているので、癖が強すぎるかもしれないので。

牛肉のたたきは、とても好評でした。素晴らしい発見だと、褒めちぎられました。パリで日本料理店に行く友人たちも、この料理と出会ったことがなかったのだそう。

いってみればローストビーフだから、違和感が全くないのでしょうね。それでいて、ローストビーフとは全く違って日本的なのが新鮮な驚きになったようです。

牛肉のたたきは、私の夏のレパートリーにしようと思いました。刺身を作るのなんかよりずっと楽だし、魚介類より肉の方が安上がりという利点もある。

量は2倍や3倍にしても、皆は平らげただろうと感じました。少なくとも、倍を用意しておいた方が良かった。計算してみて気がついたのですが、11人で食べれば、ひとり当たり100グラムくらいしかなかったのでした...。

【楽天レシピ】 牛肉のたたき



 茸の炊き込みご飯

イメージ写真
【久世福商店】混ぜご飯の素【2合用】<山菜きのこちらし>
この冬に長野を旅行したときに、老舗らしい佃煮屋さんがあったので、色々な茸が入った炊き込みご飯のパックを買って持ってきていたので、それを使ってみした。

それに、今が旬のグリーンピースを茹でておいて、炊き上がってから加えて色どりをよくしました。

でも、全く美味しくなかった!

やはり、インスタント食品は良くないですね。茸の香りなんては全然ない。色々入っているから、昆布出汁のうまみも、日本から持って来た白米(最近気に入っている「ひとめぼれ」)の風味も、全く消えてしまっていました。

私がいつも作っているシイタケご飯の方がずっと美味しいです。切った生シイタケを米に加えて、昆布出汁と白ワインを入れて炊き、炊き上がったら風味の良いバターを加えて混ぜるというだけのレシピ。グリーンピースがシーズンのときには入れるという程度。シイタケの香りが立ち上って、これで十分という炊き込みご飯になるのです。

それを食べたことがある友人は、シイタケご飯の方が美味しかったと言っていました。

18人参加の和食パーティーで魚沼産のコシヒカリで白米を出したときは、「こんなにお米が美味しいものとは知らなかった」と感激していた友達もいたのです。あのインスタント炊き込みご飯のパックを使ったのが大失敗だった...。

実は、いつもは刺身と一緒に出すのですが、この日は私自身がご飯なんか食べたくないほどお腹がいっぱいだったので、出しそこなっていました。でも、牛肉のたたきのときの皆の食べっぷりを見ていたら、ご飯も出さなければ、と思って出したのでした。

お変わりをする人は誰もいなくて、3合炊いたご飯の半分は残ってしまいました。

やはり、フランス人は、米のようなお腹を膨らませる食材は好きではないのだと思いました。刺身や牛肉のタタキをもりもり食べていたのは、いくらお腹がいっぱいでも美味しいから食べたのだろうと思う。

★ シリーズ日記: フランス人にとっての米 2012/11/03

和食を作るとご飯がなければという先入観があるのですが、反省しました。お蕎麦などにした方が珍しくて喜ばれただろうと思う。



鯛のあら汁(味噌仕立て)

ご飯と一緒に食べるように、刺身で使った大きな鯛の骨と頭で出汁をとった味噌汁を出しました。

これは人気がありませんでした。お腹を満たすためには、味噌汁はなしにして、肉じゃがの大盛りを出して、皆で取り分けてもらえば良かった。私が小鉢に入れて出す必要はないのだから、その方がずっと楽でした。

汁には鯛の身を少し残して入れたのですが、これはもったいなかったと反省。あんなに質の良い鯛は、刺身のままで食べた方が遥かに美味しかった。

さらに後になって反省。鯛の残りで下手の汁物を作るよりは、飾りにすれば皆を驚かせる演出効果があったはず。刺身がほんの少ししかなかったとき、量を多く見せるためにやってみたことがあったのです ↓


今日つくったお刺身 2010/05/29

この日はスープを出す必要はなかったと思うけれど、喜んだ人もいたかな?...

甲殻類のスープは美味しいですが、フランス人には魚の匂いがするのは苦手なのかもしれない。ショウガを少し刻んで入れたのだけれど、やはり魚の匂いが消えなかった。私の作り方も悪いのでしょうね。もっと研究しないといけない!

反省して、あら汁の作り方について書きました:
フランスで刺身にできる海産物をリストアップしてみた 2015/07/10


ここまでは、お箸で食べてもらいました。


 チーズ:

皆がお腹がいっぱいの状態で来るだろうと思っていたので、普通ならすべきチーズの盛り合わせは予定しませんでした。

出したのは、買い置きがあったベルトー社のエポワス(Époisses Berthaut)だけ。

ブルゴーニュのAOCチーズ。普通に家庭で食べるエポワスは、カマンベールくらいの大きさの容器に入った250グラムですが、この日に出したのはエポワス村のチーズ工房で買ったので、その3倍か4倍ある大きさです。

こういう大きいのは、大勢が集まったときに出してしまうに限る。

ご飯と味噌汁に人気がなかったので、さすがに皆はお腹いっぱいになってきているのだろうと思ったのですが、エポワスの熟成度が良いので、男性陣は大喜びでたくさん食べていました。

エポワスは癖の強いブルゴーニュのチーズなので、それが嫌いという人のためにはフレッシュチーズを用意していした。

でも、女性たちはさすがにお腹がいっぱいの様子で、フレッシュチーズの注文はありませんでした。

それにしても、この日に出したエポワスは、みごとにクリーミーに溶けていて、エポワスとしては最高の風味でした。

チーズの段階まで来ると料理担当もリラックスできるようになるので、写真を撮っていました。



緊張感がなくなっていたせいか、チーズの取り皿を出したとき、ナイフは全員には配っていなかったらしい。ふと気がつくと、お箸でこれを食べようとしている人がいたので慌てました。

箸はナイフとフォークの代わりにもなって便利なのだ、などと自慢していたのですが、さすがに、こんなにとろけたチーズを箸で食べるのは無理ですね!

この時のチーズについては、別に詳しく書きました:
AOC/AOPエポワスは不思議なチーズ 2015/07/14



 デザート Dessert : Salade de fruits, Glaces maison
  • フルーツサラダ(サクランボ、アプリコット、リンゴ、バナナ、洋梨、野イチゴ、フランボワーズ、グロゼイユ)
  • 自家製アイスクリーム(マダガスカルのバニラビーンズ、抹茶、黒ゴマ)
  • 自家製シャーベット(イチゴ、リンデンティー)
  • クッキー(ケーキ屋さんで買ったもの)

フルーツサラダは前日に作ってしまいました。

ただし、庭でとる果物(野イチゴ、フランボワーズ、グロゼイユ)は溶けてしまうのではないかと思ったので、当日の朝に収穫して、食べる直前に加えました。

アイスクリームとシャーベットは、今の時期はたくさん作って冷凍庫にストックしているので、庄司かいのための準備は何もなし。

私の頭の中には、みんなが夜にもお腹がいっぱいだろうということだったので、デザートは軽くしました。

さすがに、大食漢たちでもお腹が満たされてきていたので、こういうデザートで良かった。

アイスクリームの方に人気がありました。
特に、抹茶と黒ゴマ。普段は食べられないものを食べたいのでしょうね。



ほとんどの料理で出汁に使ったのは、この冬に出会って気に入った羅臼(らうす)昆布のお買い得品でした。

私はこの出汁が素晴らしいと思ったのですが、フランス人には違いが分からないみたい。

それは仕方がないでしょうね...。

出汁のうまみが感じられるのは肉じゃがだけだったし...。




パリから来た友達は、以前に招待されたときの私のメニューを保存しているのだと言っていました。前回に何を出したか、メニューを探し出して眺めたら、やはり今回の料理は種類は圧倒的に少ない。

でも、昼食会の後だから簡単にしたと言っていたので許されるでしょう。

彼女からは、翌朝にSMSが入り、感激したというお礼の言葉が並べられてありました。

出されたお皿の枚は18,000枚だった、なんて書いてある。一人あたり18枚のお皿を使ったかな? フランスでは小皿などは余り使わないので、数える人がいるのです。本格的に料理をしたときには、しっかりカウントしていて、24枚とか言っている人がいました。

今回は完全なる手抜き料理にしてしまいましたが、みんなに喜んでもらえたし、大騒ぎして楽しい食事会になったので満足でした。でも、日本料理をもっと上手に作れるようになりたいな...。

フランス人たちが日本料理を喜んで食べるようになってから、お料理を研究しなければと思いながら、全く努力していない。和食がブームになってから、もう10年以上たっているのに...。

続きへ:
ブルゴーニュで刺身の材料を仕入れるのは難しい

ブログ内リンク:
日本料理を作った夕食会のメニュー  2011/08/10
日本料理のパーティ  2005/03/27
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ カテゴリ: フランスで作る和食
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ シリーズ日記目次: 月島の寿司屋で教えてもらったこと
★ 目次: シャロレー種の牛について書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


シリーズ記事: 日本料理の夕食会を開いて(2015年夏)  目次


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