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2015/07/15
7月14日はフランスの祭日。「14 Juillet (7月14日)」というだけの味気ない名前の祭日。

バスティーユを襲撃した1789年7月14日を記念する祭日なので、「革命記念日」と呼びたいですが、日本ではルネ・クレール監督の映画『14 juillet』が「巴里祭」と訳されてたので、日本でも「パリ祭」というイベントがあったりするのが不思議...。

肥沃な国土に恵まれたフランスの繁栄の斜陽は、ブルジョワ革命に過ぎなかったフランス革命から始まったと私は思うのですが、現在のフランスはフランス革命によって築かれたとしているようです。

7月14日の祭日は、フランスの中で最も大きく祝われている日という感じがします。クリスマスは家族で祝うし、大みそかから新年は友達で祝う、という傾向があるので内々のお祝い。パリのような大きな町では、新年を祝って花火をあげたりしますが、田舎では何もないです。

7月14日はフランス共和国の祝いとして、行政機関も力を入れます。パリだけではなくて、田舎でも、小さな村にいたっても、イベントが開かれます。

小さな村でどんな風に行われるかというと、こういうのが標準的な式次第ではないかと思います:
  • 戦争の記念日のときと同じように、戦争慰霊碑に集まって参拝。村長が国のメッセ―ジを読むなどのスピーチをする。それから、慰霊碑に書かれている村の戦死者の名前を読み上げ、そのたびに列席している人たちが「フランスのために死んだ」と繰り返す。
  • 役場で、食前酒がふるまわれる
  • 有志の人たちがオーガナイズした食事会がある(希望者は有料で参加)
  • 役場で子どもたちに提灯が配られ、行進する。日本的に考えると、戦死者たちへの鎮魂なのかな?... と思うのですが、これが何のために行われるのは突き止めていません。
  • 花火大会(有志の人たちが、村はずれの安全そうな場所に設置)
  • 食事会の続きとして、ダンスパーティーになる
過去を振り返り、戦争で命を失った人たちのことを忘れないというのは感動的。でも、それはそれとして、彼らのおかげで今の生活があると楽しんでしまうフランス人たち?...

食事会

日本では経験したことがないイベントなので、始めのうちは珍しくて面白いので行っていました。でも、だんだん私はマンネリ化してくる...。いつも同じなのですもの!

参加費は安いですが、バーベキューを食べるのは、うんざり。夏には友人たちが食事会を頻繁に開いて、そのときの料理といったら、大勢でお腹いっぱい食べるのに便利なバーベキューが多いのです。

ダンスパーティーが好きではない。もう少し前には、アコーデオンの、いわゆるシャンソンという感じの音楽も多かったように思うのですが、最近はディスコミュージック。老いも若きも、フランス人たちは好きらしい。私のように踊らない人たちもいるので、おしゃべりを楽しみたいのですが、耳をつんざくほどのボリュームにしているので、そばにいる人とも会話もできないのです。

というわけで、今年も誘われたのだけれど、7月14日の行事には参加しませんでした。花火大会の方は、自宅の2階の窓から鑑賞しました。


パリの革命記念日

7月14日の夜、パリで行われたイベントのテレビ中継を見ました。

シャンゼリゼ大通りで行われる軍隊パレードは見ていません。

パレードの様子を見せる番組は2時間近いものなのに、国防省がYouTubeに入れていますね。なるほど、こういうのはPRする必要があるのだ...。
Défilé du 14 juillet 2015 : L'intégrale

今どき、共産主義国でもない先進国が、こんなパレードをしているのはフランス以外にはないのではないでしょうか? こんなところで国の予算を使うなんて、とバカバカしくなります。でも、フランス革命後からずっと続いているイベントだそうなので、止めるわけにはいかないのでしょうね...。


このほか、どんなイベントがあったのかは情報サイトにリンクして省略:
パリ祭2015年7月14日革命記念日の過ごし方・花火・パレード情報


私テレビで見たのは、夜のイベントの生中継でした。さすが首都パリ。田舎で見ているのと規模は比較にもなりません。

エッフェル塔をバックにした仮設ステージが作られて、コンサートが始まっていました。クラシック音楽なのが嬉しい。無料の野外コンサートはつい最近に始まって、今年は3回目の開催だったそうです。

クラシック音楽といっても、一般受けする明るくて華やかな曲目を選んでいましたが、演奏者と歌手は総勢200人を超えているので、まあ、お見事なこと~!

フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』も演奏されましたが、ベルリオーズが編曲したオーケストレーション。勇ましくて、美しい演奏でした。フランス国歌は革命のときにできたので、「敵を殺せ~!」という飛んでもない歌詞。でも、音楽の美しさに、そんなことは忘れてしまいます。

国歌は威勢が良くあって欲しいです。日本の国歌は、「お国のために命を捨てます」と悲壮な気分にさせる曲だと思います...。


仮設ステージは、照明が色々に変わって、派手なオペラ座という雰囲気で、華やか...。


Le concert de Paris - O Fortuna (Carmina Burana - Carl Orff)

エッフェル塔前のシャン・デ・マルス広場に集まった人たちは50万人と言っていました。そんなにクラッシック音楽が好きな人たちがフランスにいるはずがないと不思議に思いました。いくら巨大な舞台装置と言っても、遠く離れていたら何も見えないはず。それなら、自宅でテレビ中継を見た方が良いではないですか?

でも、コンサートに続いて行われる花火大会があるのでした。たぶん、みんなは、そのために集まったのだろうと思います。

コンサートの終わりに演奏された国歌の部分から、花火大会までの動画です:


Feu d'artifice 14 juillet paris 2015 !


花火大会の始まりでは、しっかりと2024の文字を出して、オリンピックにパリが立候補していることをアピール。世界の大都市は、どうしてオリンピックをやりたいのだろう?...

猛暑と騒がれているこの頃。パリも夕焼けが美しい日でした。

2024年のオリンピック主催地に立候補するパリは、風刺がきいたニュースでは、こんな大気汚染が酷い街では何も見えないなどと茶化されているのですが、この日の映像に移っていたパリは素晴らしく美しかったです。もともと、パリは夜景が一番美しいと思っている私ですけれど、中継では空から見た映像もあるので、パリの風景も満喫できました。


フランスの花火の安全規制は、日本より遥かに厳しいのだそうです。パリと東京の姉妹都市イベントで、日本側が素晴らしい花火を用意して持ってきたら、ほとんどが規制にひっかかって使えなかったと聞いています。

フランスの花火を見ると、日本の方が遥かに素晴らしいテクニックがあるよ~ と思ってしまう。でも、フランスの観光地で行われる花火大会では、城などの歴史的建造物をバックにして花火を打ち上げるので、それなりに美しいのですよね。

この7月14日のパリの花火は、エッフェル塔の中からも花火を打ち上げてしまうというものだったので、日本では見たことがないタイプの演出でした。普通は下から花火を打ち上げるのに、上から落ちてくるというのが面白い。

こんな風に打ち上げたら、パリ市内では、遠くからでも眺められたでしょうね。


テレビで視聴した人は1,000万人とか。不況にあえぐ最近のフランス。でも、行政が、こんな風に高らかに国歌を歌ったりする派手なコンサートと花火のイベントを開くのは、庶民の気分が明るくなって良いなと思いました。日本の行政は、そんなことはしてくれないので...。


放送したチャンネル(France 2)のサイトには、この時の番組が入っていて、3時間近い番組が見れます。ただし、放映から1週間したら消されてしまうようです:
☆ France 2: Le concert de Paris - Mardi 14 Juillet

こちらは、消されないのかもしれない:
Le concert de Paris du 14-07-2015 à 2056 en replay

テレビでは番組の途中から見たので見損なっていたのですが、始めの20分くらいはイベントの準備段階を見せていました。


思い出せば、今年の始めにはパリでシャルリー・エブド襲撃事件がおきて世界を震撼させていました。パリのシンボルのエッフェル塔の前に50万人も集まってしまうイベントはテロに狙われる対象だったでしょうに、何も起きないで終わって良かった...。

とはいえ、荒れ狂っている人たちもいた模様。7月13日と14日で、腹いせに燃やされた車はフランス国内で700台を超え、逮捕された人は600人ほどいたのだそうです。昨年に比べると、燃された車の数は23%増加とのこと。新年に車を燃す風習(?!)がフランスにあるのは知っていたけれど、革命記念日にもやるとは知らなかった!

問題が山積みのフランス。そんな話題で友人たちがカッカとして議論しているとき、「フランスは、まだマシよ」と言ってしまいます。日本では政権のすることに反発する人たちがデモを起こしても、報道だにされませんから。安全保障関連法案も可決されてしまったのですね...。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
フランスの正月: 1. 車を燃して新年を迎える 2006/01/02
フランスのサッカー選手は、なぜ国歌を歌わないのか? 2005/02/23
★ 目次: 戦争に触れて書いた日記

外部リンク:
Linternaute: Pourquoi le 14 juillet est-il fête nationale
Soirées des 13 et 14 juillet 603 gardes à vue et 721 voitures brûlées
C'est reparti comme en 14.
「強制しない」と首相が約束した国旗国歌法。それがつくった今の社会
6万人! 国会前デモの熱気を伝えないNHK、日テレ、フジはどこの国の報道機関なのか


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カテゴリー: 季節の行事 | Comment (2) | Top
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コメント
この記事へのコメント
なるほどフランス国歌は物騒ですね。君が代の歌詞が今の人には簡単に理解できないように、ラ・マルセイエーズもすぐにはわかりにくいのでしょうか?

安保法案、参議院で覆すのも難しそうです。去年の総選挙のときにはこれがいずれは問題になることはわかっていたはずなのに、消費税でうまくごまかされてしまった人が多いでしょうね。あと無投票の無関心…。困ったものです。

2015/07/17 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
Re:
v-22  chiaki@静岡さんへ

>ラ・マルセイエーズもすぐにはわかりにくいのでしょうか?
⇒ 国歌をちゃんと歌えるフランス人は例外的存在ではないかと思います。「武器を取れ 市民らよ」という声を張り上げて歌う部分は誰でも知っていると思いますが。外部リンクに付け足したのですが、サッカーの国際試合の国歌斉唱で、選手たちが全く口も動かしていないというのに気がついたときには面白いと思いました。

安倍首相と薄気味悪いくらい同じことをしていた前大統領のサルコジ氏は、学校で国歌を教えるように強制したのですが、教員たちはプログラムを選べるので、従った先生は少なかったと言われていました。

でも、フランスに帰化したい人たちはフランス語を覚えるだけではなく、国歌を歌わせられて、愛国心も教えられるそうです。先日、パリで帰化の許可を取った人たちのセレモニーをテレビニュースでやっていたのですが、一緒に見ていた友達は「生まれながらの生粋のフランス人だったら、全員が落第だろうな」と言って笑っていました。

フランスのニュースでは安保法案の反対デモが大きく扱われていますが、日本の報道では無視されているような...。

日本の歴史の転換期に生きていると思えば価値があるかもしれませんが、日本が戦争に突入するのは体験しないうち世を去りたいです...。
2015/07/17 | URL | Otium  [ 編集 ]
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