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2015/07/27
少し前のブログで、タチアオイについて書きました。

「聖ヤコブの杖」と呼ばれる植物 2015/07/20

タチアオイは、フランスでは普通はrose trémièreと呼ばれているのですが、巡礼者が持つ杖に例えて「聖ヤコブの杖(bâton de Saint Jacques)」という名もあるのでした。

この記事へのコメントで、タチアオイは日本では「コケコッコ花」と呼んで子どもたちの遊びになっていることを教えてくださるものが入ってきました(こちらのコメント)。

タチアオイがニワトリに変身するの?!

私は全く知らなかった遊びなので、少し調べてみました。


タチアオイの花弁をニワトリのトサカにする遊び

花弁をニワトリに例えて遊ぶというもののようです。

タチアオイについて調べた時には全く気に留めていなかったのですが、Wikipediaの「タチアオイ」でも、この花はコケコッコ花(コケコッコー花)と呼ばれると書いてありました。

北海道で広く行われていた遊びのようですが、信州や奥会津でも子どもたちがしていたようです。

北海道放送局のアナウンサー日記:
2004年 7月29日「コケコッコー花」(渡辺 陽子)

さっそくタチアオイの花を1つとって実験したのですが、言われたようにネバネバはしていない!

フランスのは違う品種なのか、乾燥しているから粘着性はないのだろうと思いました。

でも、コツがあるのでした。

花弁の付け根の部分をシールのようにはがすと、そこに粘着性があるので肌に張り付く。赤いタチアオイならニワトリのトサカに見える。

こちらのブログで、その作り方を写真で見せてくださっています:
コケコッコ花

不快感があるベタベタではなくて、吸い付くように張り付くのでした。子どもたちが遊んだのが理解できます。

それにしても、花弁を薄く剥がして遊ぶなどとは手のこんだ遊びですね。誰が思いついたのだろう?... 調べてみても、起源は出てきませんでした。

タチアオイの花弁や根は薬用として利用されるようです。花弁を処理しているときに偶然に花弁が肌について、それが遊びになった?... この遊びは北海道で盛んなようなので、ひよっとしららタチアオイは北海道で生産されていた?

... などというのは、全く根拠のない私の憶測です!


フランスには、別のコケコッコ花が存在していた

フランスのサイトで検索しても、コケコッコ花のような遊びの画像で出てきませんでした。フランスの子どもたちはタチアオイの花で遊べるのを発見していないのではないかな。

小さな子に会ったときにやって見せたら、尊敬されるかも知れない! あるいは、変なことをする大人だと馬鹿にされるかもしれないけれど。 

雄鶏の鳴き声の「コケコッコー」は、フランスではcocoricoなので、「これはコリコ花だ」と言えば良いわけです。

でも、フランスの野原や畑に咲いていて親しみがあるヒナゲシは「コリコ(coquelicot)」と呼ばれるので紛らわしい。

私が下手に発音すれば、「コケコッコ花」のつもりでも、デモンストレーションを見た子どもからは、私が「ヒナゲシ」と言っていると思われるでしょうから、余計にバカみたいになってしまう...。


フランスの畑や野原に咲いているコクリコです。

 

「コケコッコー」をフランス語で表すと「cocorico(ココリコ)」ですが、昔は「coquerico(コクリコ)」と表記していたようです。今でも「コクリコ」を使う人もいるのではないかと思います。

フランスでは余り擬声音は使わないので、どちらでも気にしないのではないかな...。

日本人は何にでも擬声音を作っていますね。音が聞こえないのは「シ~ン」なんていうのまである! 擬声音だらけの日本の漫画をフランス語に訳す人は、よほどの能力を持った人なのだろうと思います。

雄鶏の鳴き声を「coquerico(コクリコ)」とすると、ヒナゲシの「coquelicot(コクリコ)」に益々似てきてしまいます。日本語ではRとLを区別しないので、片仮名で書くと全く同じ。

crête d'un coq domestiqueヒナゲシのコクリコ(coquelicot)」とは、雄鶏の鳴き声の昔の表記「coquerico」から来ていて、雄鶏の鶏冠(とさか)に似た花だからなのだそう。

確かに、ヒナゲシの花はトサカの鮮やかな赤い色を思い起こさせますね。

ヒナゲシは、フランスの三色旗の赤に例えられる花です。

フランスの三色旗を表すのに使われる野原の3つの植物について書いた日記:
★ 美しいフランスの6月 2006/06/08

雄鶏はフランスのシンボルとしても使われます。雄鶏は夜明けを告げるので、自分たちが一番優れていると思っているフランス人が自らを例えるのにふさわしいと思っているかららしい。

雄鶏を想起させるヒナゲシを三色旗の赤にするもの好かれるわけなのでしょうね。もっとも、フランスの野原でよく見る赤い花といったら、ヒナゲシくらいしかないようにも思いますが。


ともかく、「コケコッコ花」という名前は、フランスではヒナゲシに先に取られてしまっていたのだ!…

ひょっとしたら、フランスの子どもたちはヒナゲシで雄鶏になる遊びをするのだろうか? 「コクリコ」を繰り返して歌う童謡「Gentil coquelicot」もあるくらいですから。

検索してみたら、ヒナゲシの花でする子どもの遊びが出てきました。



お人形さんにしてしまいますか。今の年配の人たちが子どものときには、よくした遊びだそうです。


トサカではなくて、美人の死に例える

ヒナゲシは「グビジンソウ虞美人草)」とも呼ばれていました。

虞美人(秦末の楚王項羽の寵姫)が自決したときの血が、この花になったという中国の伝説からなのだそうです。

☆ Wikipedia: グビジンソウの名について

ヒナゲシは切り取るとすぐにしぼんでしまうので、はかない花だと感じるので、虞美人草は私のイメージの中では一致します。ヒナゲシも、茎を火であぶると花瓶に活けておける、というフランス人もいますけれど。

国が違うと、花も色々に例えるのですね。

フランスで恋人同士の死に例えた花といえば、『トリスタンとイズー』の物語で最後に登場するスイカズラを思い浮かべます:
香りを放つスイカズラ 2009/06/01

スイカズラは蔓を絡ませながら伸びまくっていくので、これが悲恋のシンボルかと思うと怖くなるくらいたくましい植物!




ブログ内リンク:
「聖母マリアのハート」の不思議 2015/05/07
首に傷があるような姿の鳥たち 2015/05/09
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
フランスの国花は何の花? 2013/05/09
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
Gentil Coquelicot mesdames...


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