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2011/07/20
Otiumオティウム)はラテン語です。

フランス語にもなっているのですが、この単語を知っている人は多くはないだろうと思います。少なくとも、フランスの日常生活では使われない単語です。

古代ローマ人は生活の時間を2分して、働く時間をnegotium、それをしない時間をotiumと呼んでいました。

Otiumは、職務から解放された自由な時間、思索にふける休息、無為、余暇、孤独、平穏... というような意味を持っています。


ローマ時代には「オティウム」があったが、これは「オプティマテス optimates (もっとも優れた政治的な派閥) 」を対象にした一種の特別休暇である。執政官のポストをめぐる争奪戦に一時的に身がはいらなくなると、「オプティマス」はこの特別休暇をもらう。各人は怠惰と倦怠をいうふたつの落とし穴におちいらないようこころがけ、この時間を思い思いに過ごす。そして公務の緊張から開放されているあいだに、知性を磨いたり、必要なら公務復帰後の方針を練ったりする。「オティウム」は、いわゆる別荘、遊び目的で建てられた別荘のことである。ローマ人のうちでも選良となると、泉のせせらぎ、木々を揺する風の息づかい、渚を洗う波のリズミックな響きなど、耳をくすぐる自然の音を好んだ。「オティウム」は海のほとりで過ごされることが多い。富裕なローマ人となれば、一軒といわず数軒の別荘を所有していたが、そのうち最低ひとつは渚に面した別荘を持つようにこころがけている。共和政末期から帝政も開始以来2世紀半が流れるころまでのあいだ、ラティウム、カンパーニアの海辺のいたるところが保養地に変貌してゆく。

― アラン・コルバン著『
浜辺の誕生 ― 海と人間の系譜学』より


「サバティカル休暇」は、そんな目的を持って与えられるのだろうと思います。

というわけで、Otiumという単語は、呑気に書くブログに相応しいだろうと思って名前を選びました。




なお、Otiumの画像として使っているのは、装飾写本「Les Très Riches Heures du duc de Berry(ベリー公のいとも豪華なる時祷書)」に入っている絵です。

カレンダーの中から、1月の絵を選びました。
私が誕生した月なのと、働いてはいない場面なのでOtiumには相応しいと思って...。

拡大画像は、こちら

15世紀の作品です。シャンティイ城のコンデ博物館に保管されていますが、実物にお目にかかれたのは特別公開のときの1回だけ...。



ブログ内リンク:
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外部リンク:
☆ Wikipédia: Otium
☆ Wiktionnaire: otium
L’éloge de l’oisiveté
「観光学」を学ぶ人のための「レジャー論」(その5) レジャーの思想的側面(古代ギリシャ・ローマ その1)
Le calendrier des Très Riches Heures du duc de Berry


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コメント
この記事へのコメント
海辺の別荘
Otiumの意味理解できました♪
ありがとう ございます。

>休息、無為、余暇、孤独、平穏...
貴重な時間ですよね、、、

実生活では なかなか得られない
時間ですけど、、
0tiumさんの ブログでノンビリと
フランスの生活を満喫させていただきます♪

ぼくは フランスのお酒や 食材に関しては
無知同然なので 記事や写真
全てが新鮮で興味惹かれます♪

2015/09/07 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 海辺の別荘
v-21 たかゆきさんへ

このブログを開設したとき、変なハンドルネームを使うので説明をしなければと思ったのに忘れておりました。それを思い出させるコメントをいただいたことに感謝しております。

上手に説明できなかったのですが、「貴重な時間ですよね」とおしゃっていただけたので、私の気持ちは伝わったかと安心しました。

これを書きながら、古代ローマ人にとってのotiumは海辺と密接に結びついていると書かなければならないことに抵抗を感じました。海までは容易に行けないブルゴーニュ地方にいるので、田園でだってotiumを満喫できると言いたいのですが、イタリアは日本のように海が近い国だからの発想なのでしょうね。
2015/09/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
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