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2015/09/16
ブログに拍手をいただくと、他の方も閲覧されるかもしれないと思って、その記事が古くなって内容を更新する必要があるかどうかを確認することにしています。たまにしか拍手は入ってこないので、そんなこともできる次第。今日の拍手をいただいた古い記事を開いてみたら、語源に関していれた情報リンクが1つ切れている。それで、代わりに入れられる情報を探しました。

検索キーワードでヒットしただけで、探していたのとは全く関係ないフランスの新聞記事が出てきました。ところが、それに興味をそそられたので、記事の更新はそっちのけで、それに関する情報探しに方向転換しました。


笑いの日本美術史展

日本人と笑いについての分析に関する記事でした。Le Mondeという格調の高い新聞で、記事を書いたのは日本特派員のフィリップ・ポンス氏。私なんかとは比較できないくらい日本のことを知っている方なので、彼が日本について書いているときは読む気になります。

パリ日本文化会館(Maison de la culture du Japon)が、2012年に開いた特別展「Warai. L'humour dans l'art japonais de la préhistoire au XIXe siècle(笑いの日本美術史 縄文から19世紀まで)」を紹介する記事でした。

新聞記事は文字だけだったので、先に展示会の情報を探したのですが、まず目が釘付けになったのは、これでした。



埴輪は死者と一緒に葬るものでしょう? それなのに、どうして笑顔でいるのですか?!


どういうのが日本人に対するステレオタイプのイメージなのか?

ル・モンド紙の記事では、フランス人にとっての日本人に対するステレオタイプのイメージはこういうものだけれど、と切り出して、そうではなくて日本には笑いの文化があると論証しています。

フランス人が日本人と聞くと、まず、よく笑う陽気な(rieur)国民ではない、というイメージが浮かぶのだそう。

日本人に対してフランス人が与えるステレオタイプとして、こんな単語を挙げていました。
  • zen: 禅
  • sérieux: 真面目(サラリーマンは会社に忠実である)
  • conformiste: (体制)順応主義者
  • coincé: (対人関係などで)気詰まり、気後れ

ともかく、日本人には笑顔のイメージではない。さらに、日本人の微笑み(sourire)は、当惑や悲しみを隠しているようで、西洋人には謎めいている。

そう言われれば、そう思うだろうな... と思えます。特に、フランス人が出会う日本人は、ビジネスマンで、彼らがフランス人のように冗談を飛ばして円滑にしながら仕事しているとは思えません。

フランスで通訳をしている日本人女性が、商談の通訳では不快に感じることがよくあるのだと話していました。お金があることを笠に着て、信じられないほど横柄な態度をするのだそう。「私は日本人として恥ずかしいので帰らせていただきます」とタンカを切って仕事を放棄したこともあるのだと言っていました。

私は、通訳は魂を悪魔にあずけるような仕事だと思っているので、自分の口から出したくない言葉でも訳さなければならない責任があると思っていました。でも、その後に、本当に「帰らせていただきます」と言ったのは、こういう人たちだったのだろうなと思う日本人たちに出会って、彼女には職業意識がないと責めるのは間違っていたと思ったのでした。日本では、お金を払う人が威張っていられるのが最大の問題なのだろうと思います。

ポンス氏は、そういうところには触れていません。フランス人が日本人に抱くステレオタイプのイメージは間違っているとして、日本人は笑うのが好きなのだと切り替えています。

日本人はよく笑う。大災害にあった時、3.11の津波や、それに続いておこった原発事故の後だって。

そう言われると悲しくなってしまいますけど、日本人には、泣いて他人を責めたり、怒ったりはしない美徳があると思う。自分のことは自分を受け止めて、せめて笑ってみせるという文化は、どのくらいの範囲の国に広がっているのでしょうか? 日本だけではないかという気がします。

だいたいにおいて、外国の人たちは怒りをぶつけると感じます。アフリカや東欧からやって来る難民の人たちは、受け入れが悪いと言って怒っています。でも、ここのところ連日ニュースで出てくる難民たちはなんだか変。彼らは体格も良くて、生活に困窮して逃げてきたような人たちには見えないのです...。

今夜のニュースでは、障害がある子どもを殺した罪で裁判にかけられていた母親が、無罪釈放ではなくて、5年間の執行猶予になった、と不満をカメラに向かって不満をぶちまいていました。世の中は間違っている! と息巻いている。障害がある子どもの面倒を見るのは辛かったでしょうけれど、人を殺してしまったのですよ。刑務所に入らなくても良い判決が出ただけでも満足すべきではないですか?... 事件を追っていないので何も知りませんが、この女性は殺すほどの惨状ではなかったのに子どもを殺害したのではないか、と思ってしまいました。

脱線しました。


日本人の笑いの文化

ル・モンド紙の記事では、日本には笑いの文化があると例を挙げていました。

お笑いタレントがいて、北野武(ビートたけしですが、フランスでは本名が使われているようです)を挙げています。「おバカタレント(idiot de service)」というのがある。それから、吉本興業には「お笑い帝国」のあだ名がある。さらに、落語、漫才がある。

笑いは日本の日常生活に溶け込んでいるのだとして、本題のパリで行われた展示会の紹介に話しを移しています。

天照大神に糞にまつわる話しがあったなんて、私は知らなかった...。天岩戸といわれる高千穂には行って感激していていたのですけれど...。

鳥獣戯画、これは確かに世界に誇る傑作ですね。

江戸時代に笑いは爆発的な人気になったとしています。東海道中膝栗毛、川柳、狂歌、春画、笑い絵など...。そこに宗教とエロティズムが絡んでいるところに特徴がある。白隠和尚、英一蝶、一休さん...。

なるほど、挙げていただくと、日本の笑いの文化には奥深いものと再認識します。

パリの展示会のタイトルになった「Warai」という言葉に説明がありました。意味深い言葉で、rire(笑い)からsourire(微笑み)への曲用、開花も意味する。そうですか...。

日本人は笑い。自分自身を嘲弄もする。戯言の中にカタルシスの強さも見つけ出す。記事の最後に挙げられていたのは、井上靖のフランス語で出版された『Les 7 roses de Tokyo(2011年)』でした。

この記事の中に、「かの有名なLa Bataille des pets」というのが出ていました。オナラ合戦? 私は知りませんでした。

日本語にすると「放屁合戦」という絵巻物で、これが痛烈に愉快なのでした!

この絵巻物をフランス人に見せたら、答えが思いつかないことを聞かれた場面がありました。その中に出てくる人たちが何を食べているのかという問題です。それをクイズにしてしまおうと思いますので、どうかよろしくお願いします。

クイズ: この人たちは何を食べているのでしょう?

このシリーズ(ブログ内リンク)
★ フランス人にとっての日本人のイメージ 2015/09/16
  ⇒ クイズ: この人たちは何を食べているのでしょう? 2015/09/17
  ⇒ 絵巻物に描かれていた人たちが食べていたものの推察 2015/09/22

外部リンク:
☆ Le Monde: Drôle comme un Japonais (2012/11/01)
☆ パリ日本文化会館:  笑いの日本美術史 縄文から19世紀まで
  ⇒  WARAI - L’humour dans l’art japonais de la préhistoire au XIXe siècle 
     ⇒ 仏語パンフレットのダウンロード
« WARAI » Ça rit, sourit et … pète dans l’art japonais
日本古美術の「笑」がパリで一堂に会すユニークな展覧会「笑いの日本美術史 縄文から19 世紀まで」展
WARAI 笑いの日本美術史〜縄文から19世紀まで
笑う埴輪 本庄市
☆ Wikipedia: 埴輪
フランス人がzenというときの意味
昔は世界的学者が絶賛! 今は世界第2位のマンガ消費国! なぜフランスはずっと「日本びいき」なのか? COURRiER Japon

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人のジョークについて書いた記事


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カテゴリー: 日本 | Comment (4) | Top
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コメント
この記事へのコメント
笑いと陰陽五行
吉野裕子さんの 全集をいま読んでおります。
彼女の説には 異論もあるようですが、、
易と陰陽五行を駆使しての
日本の風俗 文化 風習の謎解き、、
ぼくには すんなりきます。

日本人の笑いについて 次のような記述がありました。
参考になれば 幸いです。
http://www.hi-net.zaq.ne.jp/bupef907/books123.htm

先の震災のおり
津波で家屋の一階が被災した おじいさんが
白い犬を抱え 救助の自衛隊員に支えられながら
二階から降りてきたときの 映像

微笑みながら「大丈夫 大丈夫 またやり直せばいいだ」

おじいさんの微笑みと言葉に勇気づけられ
不覚にも 涙してしましました。

>それをクイズにしてしまおうと思いますので、どうかよろしくお願いします。

こちらこそ どうぞ宜しく♪
考えて知る楽しさを 存分に味わうつもり
なのだ♪
2015/09/17 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
こんにちは
いつも楽しく読ませて頂いています。
日本人が辛い時にも笑っているのは泣いたり叫んだりして周りを不快にさせるのが嫌なのでしょうね。日本人は喜怒哀楽の中の「怒」と「哀」を人前でうまく表現できないところがあるように思います。外国人にとっては本心がよく分からないように見えるでしょうね。フランスに住み始めてからはなるべく不必要な場面でヘラヘラしないように気をつけているのですが、それでも「いつも笑っているね」と言われ何だか複雑な気持ちです。

でも、日本をよく知るフランス人に「フランス人も日本人のようにいつもニコニコしているべきだ」と言われたことがあります。その人曰く日本人の笑顔はそれが例え偽善的なものであったとしても人間関係を円滑にする上では時には必要だそうです。初対面でニコニコしてくれているととても打ち解けやすく、フランス人より日本人の方が話しやすいと言っていました。嬉しいですね。

さて、クイズの答えですが、「煮たお芋」でしょうか?
2015/09/17 | URL | loc-envel  [ 編集 ]
Re: 笑いと陰陽五行
v-22 たかゆきさんへ

>易と陰陽五行を駆使しての 日本の風俗 文化 風習の謎解き、、 ぼくには すんなりきます。
⇒ 日本文化のルーツは非常に興味があるのですが、基本的なところから勉強しなければならないので、私が死ぬまでの時間では足りないだろうと思って放棄しております...。

リンクをくださった「ダルマの民俗学」は後でじっくり読むことにします。ダルマについては興味を持って軽く書いたことがあるので、情報リンクとして加えさせていただきました。

だるま(達磨)は、フランスでは人気がでていないみたい:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-1941.html

>微笑みながら「大丈夫 大丈夫 またやり直せばいいだ」
⇒ フランスの報道でも、日本人の美徳ということで映像が出てきたように記憶しています。日本人の良さですよね~。特に東北人の我慢強さ。九州出身の友達が、福島でなくて九州で事故がおきたら、みんな怒りをぶつけていたと言っていました。

>考えて知る楽しさを 存分に味わうつもり なのだ♪
⇒ よろしく! まだ画像を入れた記事を書いていないのですが、次のコメントで早々と解答が入りました。でも、私にはそれに見えないのです...。
2015/09/17 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re: こんにちは
v-22 loc-envelさんへ

>フランスに住み始めてからはなるべく不必要な場面でヘラヘラしないように気をつけているのですが、それでも「いつも笑っているね」と言われ何だか複雑な気持ちです。
⇒ 私も全く同様です!(笑) それと同じように、私がgentilleだと言われるのにも、馬鹿にされているみたいで抵抗を感じています。

でも、フランス人でも重症の病人とか、何か問題がある人たちからは、私の笑顔を見ていると心が休まると言われたことがあります。

>日本をよく知るフランス人に「フランス人も日本人のようにいつもニコニコしているべきだ」と言われたことがあります。
⇒ 不愛想だと悪評の高いパリで、皆で笑顔をつくろうとかいうイベントをやっていましたね。政治家も練習しているのではないかしら。インタビューに答えるとき、最後にニコッとやる人たちがいて鼻につきました。

フランス人は、日本人のように自然にニコッとできないのではないかとも思っています。フランス人の上司が月曜の朝に苦虫をつぶしたような顔でオフィスに入ってくるので、「そういう顔を見ると1週間働く気がしなくなってしまうから止めてくれ」と文句を言ったら、翌日からニコっとした顔を作って出社するようになりました。でも下手すぎて、わざとらしくて、腹がたつ。それも止めてくれと言ってしまいましたが、相手はほっとしたようでした。

>クイズの答えですが、「煮たお芋」でしょうか?
⇒ さすがフランスに馴染んでいらっしゃるloc-envelさん。食べる必要があるものだと連想されたのですね。私はフランス人から「カスレみたいな料理が日本にもあるでしょう?」と言われて初めて気がつきました。サトイモを連想したのですが、それには見えないのです。画像を入れますので、見てくださいますか?
2015/09/17 | URL | Otium  [ 編集 ]
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