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2015/11/05
パリでメトロに乗ったとき、一緒に乗っていた友人が、すごく近代的でしょう、と自慢しました。

ドアの上に液晶画面があって、路線のどこにいるかの地図や、次の駅の名前などが出てくるのです。そんなのは、東京の地下鉄は昔からやっているし、ニュースとかコマーシャルなんかも流しているよ、と私。

でも、パリのメトロにしては画期的進歩でしょうね。

始めて利用したときには、どうしてこんなに不便なシステムにしているのだろうと思ったものでした。乗っているとき到着して駅のホームにある大きな駅名を見ると、その駅の名前しか書いていないので、次はどこに止まるのか分からない。電車の中には路線図もない。ホームに降りる前に、しっかり路線図を眺めているか、メトロの地図を持っていないといけないのです。

日本の科学技術は進んでいるから、と友人は苦笑したけれど、本人が感心しているから話しを続ける。

自動運転だし...。

運転手がいないの?!

薄気味悪くなりました。
2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その11 
目次



たまたま先頭に乗っていたので前が見えるのでした。かなりスピードを出して走っているのですが、無人運転なの?!...

何か問題がおきた合に運転手を配置できる措置も、空間さえも、ないように見えます。でも、取っ手のようなものが見えるので、そこをピアノの蓋のように開けると操縦ボードが出てくるのかな?... でも、人が立てるようなスペースがあるようには見えない...。

パリのメトロでは、ホームに駅員の姿も見えないのではないでしたっけ? 車掌も見たことがないような気がします。抜き打ちの無賃乗車検査以外では駅員がほとんど目に入らない。

何かあったときには、どうするの?!

電車を降りてから、本当に運転席には誰もいなかったのかを確かめました。



運転手席の部分は、ないですね。
一番前に座っている人が見えますが、乗客です。


こういうのは、日本語では「自動列車運転装置(ATO: Automatic Train Operation)」、フランス語では「Pilotage automatique」と呼ぶらしい。面白い名前は付いていないようです。

もちろん、列車はコントロールセンターのようなところで動かしているわけでした。私が乗ったパリメトロ1号線の制御室は、こんな風になっているのだそう ↓

PCC Ligne 1
 Poste de commande centralisé (PCC) de la ligne 1



パリ地下鉄1号線が無人運転化


La ligne 1 ou la ligne de toutes les innovations


パリ交通公団(RATP: Régie autonome des transports parisiens)が採用しているシステムはSAET(Système d'automatisation de l'exploitation des trains)。現在のところ、1号線と14号線で無人運転を実施していて、4号線の自動化が2022年完成予定で進んでいるようです。

パリの地下鉄も近代化したのですね。20年くらい前、来日したパリ交通公団の社長さんのお世話をしたときに聞いた話しを思い出しました。東京の地下鉄を一緒に見学して、運転手の席にも入れたのが楽しかった思い出。

そのときに挙げていたパリの地下鉄の問題点が興味深かったのでした。
  • 新しく路線をつくろうとして掘ると、必ずと言って良いほど遺跡がでてきてしまうので、工事ストップが入って工事が遅れる。
  • 毎日と言って良いほど線路に飛び込み自殺をする人がいるので、列車ダイヤが乱れる。
東京の地下鉄は、ここに止まるというところで待っていると、そこにぴったり止まることに感心していらっしゃいましたね。

フランス人が日本に来ると、ホームにゴミなどがなくて清潔なのに感心します。でも、今回行ったパリのメトロでは、ずいぶんきれいになったような気がしました。少なくとも、最近はタバコの吸い殻をホームに捨てる人はいなくなったのではないかな...。

ところで、運転する人がいない電車は、日本にもありました。日本の大都市では過密ダイヤルなので、無人運転の電車は多くはないようです。

東京だったら、ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線が無人運転をしているそうです(一部の時間は除く)。

そう言われても、乗りに行こうとは思いませんけど。


Y a-t-il un pilote dans la rame ?

運転席に誰もいないのに電車が突っ走っているのって、薄気味悪いものですね...。

トルコのカッパドキアで気球に乗った日本人観光客の体験記を思い出しました。

地上に近づいたあとに気球が空に上がっていったとき、ふと気がつくと操縦していた人がいなかった。

変だと思って下を見ると、グループの1人と操縦していた現地女性が手を振っていた。地面に近くなったところで身を乗り出して記念撮影をしていてカゴから落ちてしまったらしいのです。

体験記を書いていた人は、乗ったときから操縦に興味を持って眺めていたので、なんとか真似をして無事に着陸できたというお話しでした。

私も同じところで気球に乗ったのですが、ああいう乗り物では事故がおきない方が不思議だな、と思って調べたら出てきたのでした。


運転する人がいない地下鉄で事故はおきないのでしょうか?

フランスがそういうことをやるのって信頼できないのですよ...。新しい新幹線の車両を開発して出来上がったら、車両の幅が合わなくて駅を通過できないことが分かったので駅の改修工事をしたなんてことがおこる国なのですから:

フランス鉄道であり得ないミス、総額150億ユーロの費用を投じて発注した新型車両の設計ミスで駅舎を通過できないことに

まして最近はテロもあるのだし...。

今年の春先には、ジャーマンウイングス9525便墜落事故もあったのだし...。でも、あれは、操縦席にパイロットが入れなかったのが問題であって、初めからパイロットが必要ないなら問題ないわけか...。


Journée portes ouvertes dans le métro

パリの地下鉄で事故がおきたことがないはずはない、と思って情報を探したら、こんな動画がでてきました。次の駅に到着するまでの間、ドアが開いたままで走ってしまったのですって!


les portes du métro restent ouvertes entre 2 stations

恐いですよ~! でも、乗っている人は誰も慌てていない。開いたドアの横に腰かけている人さえ動揺していないので不思議...。

最近はやりのトリック映像なのだろうと疑いました。でも、投稿している人がインタビューに答えている記事もあったので、本当に起こったことのようです。次の駅で停車してから動きだしたときには、普通にドアが閉まった、と証言しています。

動画が投稿されたのは今年の3月31日。ドアが開いたままで2つの駅の間を走行した場面を撮影したもので、スマホで撮影した1分13秒間のビデオでした。

このアクシデントが発生したのはパリメトロ10号線。これが投稿されてしばらくしてからツイッターで話題にされて騒がれ、それから地下鉄の会社が調査に乗り出したとのこと。

パリの地下鉄の中でも、この10番線の車両は最も古いのだそうです。それでもブラックボックスも装備されているし、ドアが閉まっていなかったら発車できないシステムになっている、とのこと。なぜ、こんな事態が発生したのかという原因が分かったという報道は見つけることができませんでした。

無人運転車ではなかったようです。どっちにしても起こり得ることでしょうね。危険があるのは、運転者がいようと、いまいと、同じなのだろうと思います。

それにしても、奇妙な動画です。乗客たちはドアが開いていることに全く動揺していない。ビデオを撮った人だけは事の重大さに気がついているのに、緊急ボタンを押してもいない。

この動画の信ぴょう性を疑っている記事もありました。そこで持ち出していたのは、2010年にリヨンで起きたという事故の投稿動画。話題になった下の動画は、トリック映像なのだそうです。


Accident de bus à Lyon

この動画を投稿した人は「インターネットの映像に騙されてはいけない」と言って、どうやって作ったのかも詳しく説明しています。すごく手間をかけて作ったのですね:
☆ YouTube: Accident de bus à Lyon Making of


でも、ドアが開いたままで走ったパリのメトロの動画を投稿したという人にインタビューしたという記事では、その人の名前と職業を入れているので、本当に起こったことだと思うのですけど。

おこりそうなことは、いつかは必ずおこる。100%安全! というのは、絶対にありえないと思います。

動画を探していたら、同じように電車のドアが開いたままで走った事件として、ブラジルのサンパウロの地下鉄、ベルギーの路面列車の映像が出て来ました。

ブログ内リンク:
★ 目次: 乗り物に関して書いた記事(自動車、自転車、トラクター、船など)

外部リンク:
Wikipedia: 自動列車運転装置 » Pilotage automatique (métro)  » Automatic train operation
Wikipédia: Système d'automatisation de l'exploitation des trains (SAET)
Wikipédia: Stations fantômes du métro de Paris

Il filme le métro qui roule portes ouvertes J'ai voulu insister sur la vétusté - francetvinfo 17/04/2015
Métro roulant les portes ouvertes l'incroyable vidéo d'un voyageur - Le Parisien 14/04/ 2015
À Paris, la rame de métro qui roulait les portes ouvertes - Le Figaro 15/04/2015
L'étrange vidéo du métro qui roule portes ouvertes - L'Express 15/04/2015
Wikipedia: フライングハイ(映画) » 英 Airplane! » Y a-t-il un pilote dans l'avion ?
Vidéo fake d'un bus à Lyon: "Aucun accident de ce type"  28/01/2010

OKWave: 完全無人自動運転しない日本の地下鉄
実はすごい「ホームドア」 鉄道の自動運転化には欠かせぬ存在だった
☆ 日本地下鉄協会: フランス パリ
パリの交通情報
パリメトロ車両の解説(総説)
パリのメトロ乗り方ガイド


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