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2016/02/27
パリにあったワイン市場のことを書きながら情報を探していたら、フランス人がワインを飲まなくなってきているというデータが出てきていたのでメモしておきます。

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その23

パリでは、17世紀前半に作られたワイン市場では狭くなってきたので、19世紀半ばにはもう1つのワイン市場が作られたという話しを書いてきました。フランス人は19世紀にワインを非常に飲むようになっていました。

1955年には、1年間に平均143リットル飲んでいたとのこと。1年を365日として割ると、1日0.4リットルくらいですか。お酒を飲まない人もいたでしょうから、飲む人はかなり飲んでいたということでしょうね。


フランス人はワインを飲まなくなっている

20世紀後半からワインの消費は減少して、1996年には67リットルにまで下がったとありました。およそ40年の間に、ワインの消費は半分以下になったということですね。

下は、1961年から2014年までのアルコール飲料の消費を示したグラフです。


Alcool : évolution des quantités consommées par habitant - OFDT

スピリッツ(Spiritueux)とビール(Bières)は殆ど変化していません。ワイン(Vins)が激減しているので、全体(Ensemble)と同じ下降線を表しています。

赤いラインがワインの消費量。3分の1くらいにまでに落ち込んでいますね。

フランス人たちのお酒を飲む量が激減したのは、酒飲み運転の規制が厳しくなってからだと思っていたのですが、そういう風にはグラフからは見えませんでした。むしろ、ここ15年くらいは横ばいに近い状態になっています。飲まなくなったと私が感じたのは、彼らが外出しているときの姿なので、全体にはひびかないのかもしれない。

この統計では、15歳以上を対象として、アルコール飲料を1人が1年間にどのくらい消費しているかを示しています。純粋アルコールをリットルで表していると説明してあるのですが、度数で換算したということなのかな?...



下のグラフは、どのくらいの頻度でフランス人たちがワインを飲んでいるかを示しています。


La consommation de vin en France en 2015

色が濃い部分が、いつも飲んでいる人(2015年で16%)。毎日か、ほぼ毎日という飲み方。
最も薄い色の部分が全く飲まない人の割合(2015年に33%)。
中間に位置するのは、時々飲む人(2015年に51%)。

1980年からずっと、全体的に飲まない傾向に移動したわけですね。1980年には、ほぼ半数が毎日のように飲んでいたのに、今では半数は「時々飲む」となっている。

いつもワインを飲む人の割合は、平均すると16%しかいませんが、年齢によって高くなっていました。50~64歳で23%、65歳以上だと38%。

ワインをたくさん飲むのは、やはり男性の方ですね。1980年には、男性の8割が毎日のようにワインを飲んでいましたが、女性は37%。2015年には男女差が縮まって、男性で23%、女性で11%に減少しています。



年間に何リットルのワインが販売されたかを示すデータがありました。15歳以上を対象にしたアンケート調査結果です。

http://www.mon-viti.com/sites/default/files/images/conso_france_1960-2015.png
Les Français et le vin : bientôt l’abstinence ? 15/10/2015

1人当たりのワイン消費量をグラスの大きさ示しています。

1960年には、ワインの消費量は4,600万ヘクトリットルで、一人あたりに年に100リットル。

2015年には、全体で2,720万ヘクトリットルとなり、一人あたりは年に42リットル。ボトルにすると56.4本。計算に弱いので書かない方が良いのだけれど、1週間でボトル1本を飲むという計算かな?... 全くワインを飲まない大人がいるわけですから、そんなに少なくはないのかもしれない...。


バック・イン・ボックスでワインを飲むようになった?

2015年のワイン雑誌サイトの記事に、こんな図が入っていました。フランス人ひとりあたりを示しています。


spiritueux magazine: Infographie, Les chiffres de la consommation du vin en France 17/10/2015

1人あたり、平均すると年にワイン代として2万円くらいをかけてているということですね。

計算すると、ボトル1本300円? そんなに安いワインを飲んでいるのかな?...

ブルゴーニュにいると美味しいワインを安く買えますが、水代わりに飲むワインだって、1本千円くらいはするけど...

でも、最近の傾向として、ボトル詰めではなくて、カートンに入ったワインを買う人が増えているのだそう。

フランスでも英語で「Bag-in-boxBIB)」と呼ぶもの。

http://nemesis-fc.fr/les-bib/
Les BIB | Fabrice Chaudier

これは2014年の記事。Bag-in-boxで買われるワインの割合は35%になっていますが、もっと最近の記事だと40%という数字が出てきています。

ワインの梱包方法による分類では、売り上げが伸びているのはバッグ・イン・ボックスだけです。

カートンの中にはビニール袋に入ったワインがあって、飲んでいっても真空状態で保存できます。

保存期間は3カ月くらい。

袋に入っているワインを水道の蛇口から出すようにして、好きなときに、好きなだけグラスにつぐことができます。

ワインをあけても飲み切らない人だったら便利でしょうね。この売り上げが伸びたのも、ワインを余り飲まない人が増えたからかもしれません。

そして、ボトル詰めではなくて、こういうのをフランス人が多く買っているのだとしたら、ワイン代が安いのは納得できます。


BIBが多くなったというので情報が出ているのでメモ。

このシステムは、1955年に発明されたのだそう。

Bag-in-boxというのは商標登録されているので、フランス語で言うならfontaine à vin。フランスに普及したのは1990年代の後半なのだそうです。

瓶詰ではないので日本に持ち帰るのに便利だと喜んだころに書いたブログは2005年でした。

持ち運び便利なワインを買う 2005/03/16

ワイン農協で、シャブリの10リットル入りが80ユーロ(約11,000円)だったと書いていますね。

10年前にブログを書いたときには、日本ではバッグ・イン・ボックスがほとんど売られていなかったのですが、今調べてみたら、かなり出てきました。日本にも流行が移ったのかな?...

バック イン ボックスを楽天市場で検索

その後は、ワイン農家で買えるようになったので、シャブリの農協で買うことはなくなりました。

私はフランスで水を飲むとお腹を壊してしまうので、常に冷蔵庫に白ワインのバッグ・イン・ボックスを入れておくようになりました。

ワイン農家は幾つかあるのですが、いつも軽くてフルーティなマコネの村の名前がついた白ワイン。

例えば、右に入れたサン・ヴェラン。

私は幾らで買っているかな?... 大量にワインを買うので、お得意さん価格にしてくれるのですが、ボトル1本に換算したら600円くらいかな...。

でも、さっきの統計にあったボトル換算で1本300円にはならないです。

ワイン産地に住んでいない人たちは、たぶんスーパーで買うのだろうと思います。すると、かなり質の悪い、AOCなどは取っていないワインが並んでいるのです。そういうのを買っているとしたら、そのくらい安い予算でワインが飲めてしまっているかもしれない。

ともかく、バッグ・イン・ボックスの売り上げが伸びていると聞いて納得できました。以前はワイン農家の人たちは作りたがらないので、日本に買える少し前には予約したりして確保していたのですが、最近は比較的簡単に手に入りますので。

BIBを話題にしたニュースもありました。


RTBF LA UNE bibovino

上質ワインを入れたBIBを扱う店も登場したと言っていました。それは賢いと思う。上質のワインを入れれば、ボトル詰めとそう違わないのですから。

フランスでは頻繁にある20人以上、50人以上集まるパーティーでも、10リットル入りのカートンはとても便利なのです。

セルフサービスのワイン(下)
 


フランス人は世界で一番ワインを飲む国民

フランス人のワイン消費は激減したということは、飲まなくなっているということではないようです。外国での消費と比較すれば、フランスは相変わらずトップレベルでワインを飲んでいました。

下は国別のワイン消費量を示した図(2013年)。

http://www.primus-soft.fr/uploads/filemngr/consommation%20vin%20france%20erp.jpg
Les Français boivent moins souvent du vin, mais l'apprécient plus 14/10/2015

消費量は、フランス人がトップで1人当たり年間42.7リットルを飲んでいる。日本人は2.7リットルなので、フランス人の16分の1ですか。そんな差ではないと感じるのですけれど...。

緑色の矢印は2010年と2013年を比較した消費量。アルゼンチン、日本、中国が伸びています。

ところで、住民一人あたりのワインの消費量が最も多いのは、実はバチカン市国なのそう。税制が異なるのでランキングには入らないだけとか。別のソースでは、フランス人は一人年間44リットルだけれど、バチカンでは73リットルと報道していました。

カトリックの総本山があるので、ミサでワインが使用されるから多いのかと思ってしまいますが、そうではない。バチカン市国の人口は800人しかいないけれど、健康客が多いので単純に割り算するとそうなってしまう。それから、税制が特殊で、バチカンの従業員と退職者はスーパーでアルコール飲料を安く買えるパスがあるのも原因ではないかとみられているそうです。


ワインの消費に関するフランス情報を検索していると無限に出てきてしまうので、データを眺めるのはこのくらいにしておきます。

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その23



ブログ内リンク:
★ 目次: ワインの消費、ビジネス、飲酒規制、歴史など
★ 目次: ワイングッズ、ワインのボトル、グラス、コルクなど
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ

外部リンク:
Enquête sur la consommation de vin en France en 2015
La consommation de vin en France en 2015
Espace Champagne: Consommation de vin en France en 2015 
Alcool évolution des quantités consommées par habitant
Les Français boivent toujours trop 12/04/2013
Les jeunes Français reprennent goût au vin
Insee: Boissons alcoolisées : 40 ans de baisse de consommation 2004
Les Français au top mondial des buveurs de vin, après le Vatican
Les Français préfèrent boire de l'alcool à la maison
Le Bib prend du volume quand la bouteille prend de la valeur
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Le Bag-In-Box® ne connaît pas la crise.
Le « Bib » peut-il remplacer les bouteilles ?
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