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2016/03/10
「本物」と言っても、建築物として「本物」と思える城(シャトー)のことです。

ボルドーのドメーヌは「シャトー」と呼ばれていることに私は違和感を感じています。建物の画像を見ていると、私の感覚では「château(城)」と呼ぶより、「manoir(館)」と呼んだ方がふさわしいと思える建物物ばかり...。

19世紀に建てられたものもありますが、私は19世紀に建築された城は「本物」とは思えないのです。建築技術が発達していますから、見た目は立派ではあります。でも、何か違う...。


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その27


何を持ってシャトーと呼ぶか?

シャトー・ホテルでも、普通の家よりは大きな家だったりする程度のも見ています。昔はお城があって、それを壊して大きな館を建てたときも、昔の名残りで「城」と呼ぶこともある。

商売をする上では「城」という名前を付けていた方が高級感があって良いわけで、ある程度のお屋敷ならシャトーと呼んでも誇大広告にはならないようです。

でも、フランスにはお金を払って見学する価値があるシャトーだけでも5万くらいはあるのですから、歴史的価値がない建物をシャトーと呼んで欲しくないと思ってしまう。

かねがね気になっていたことなので、この際、「château(シャトー)」の定義を仏仏辞典で調べてみました。
  1. 諸侯ないし王室の住居
  2. 田舎の大きくて美しい大邸宅
  3. 昔には、堀や外壁や塔によって要塞の役目を果たした屋敷
  4. Cを大文字で表記すると、ボルドーのグラン・クリュを意味する

私は、歴史的に城の役割を果たしていた城を「シャトー」と呼びたいようです。

Château de Tanlay

ボルドーは、シャトー = ドメーヌと思わなければいけない。ブルゴーニュでは「ドメーヌ(domaine)」で、シャンパーニュでは「メゾン(maison)」という呼ぶ具合。

辞書にはグラン・クリュがシャトーだとあったのですが、グラン・クリュでなくてもシャトーと名付けているところがあるのではないですか?...


ここのところ、ボルドーのワイナリーについて調べていたのですが、すごいお城の画像に行き当たりました。
これは、まぎれもなくシャトーと呼ぶに相応しい建物!

Château d'Yquem


シャトー・イケムChâteau d'Yquemは歴史的価値がある城

あら、まあ、すごい! と驚いたのが、この映像でした。


英語版: Chateau d'Yquem 's Wines - Bordeaux - Millesima 

かの有名なシャトー・ディケムChâteau d'Yquem)でした。



イケムの管理人、リュルトン氏

でも、この動画の冒頭で、またあの人が出てきたのでギャフン。

先日シャトー・シュヴァル・ブランのことを書いて以来、情報検索すると、関係ないものにまで彼が登場するので、何度も見るはめになっているので、いささかうんざりしてくる...:
白馬の城はコンクリートで出来ている 2016/03/01

シュヴァル・ブランとイケムのドメーヌの支配人を兼ねているピエール・リュルトンさんです。フランスの高級ブランドを次々と買収しているベルナール・アルノー氏の全面的信頼を得ていると言われる寵児。

この方を初めて見たときから、デジャヴュを感じるので奇妙なのです。人も羨むような良いポジションにいるのに、なんだか幸せそうに見えない表情が不思議。上司には絶対服従で、自分より立場が弱い人には見下した態度をとる人のイメージかな?... 人間の弱い面を見せられるようで、私は非常に傷ついてしまう...。

またまた動画に登場されたので、この人を見た私が誰を連想しているのかと考えてしまいました。私が勤めた職場にはいなかったような...。でも、頻繁に会っていた人のような気がする...。

ようやく、あの人ではないかと思い浮かびました。日本人なのですけど。

リュルトン氏は、アルノー氏からフランスの高級ワインで伝説の人のようになる役割を担わされているのだろうと思います。ワインの世界においては名門の出のようです。リュルトン一族はボルドーの25のドメーヌを持っていて、そのブドウ畑の総面積は1,600ヘクタールなのだそう。

「ボルドーにあの人あり」と言われるようなカリスマ的な資質には欠けるように感じるのですけど...。でも、イケムのワインの話しをしているこの動画では、ほんのりと笑顔を見せています。やはり、コンクリートでワインを作るのを宣伝するより、伝統的に作られているワインの話しをする方が居心地が良いのではないかな...。

リュルトン氏は、ご自身のシャトーもお持ちでした。

Château Marjosse(シャトー・マルジョス)というドメーヌ。

「シュヴァル・ブランとイケムで行われている優れたワインの作り方をしています」とか宣伝して、日本では高く売っているのではないかと思ったのですが、むしろフランスワインとしては安い方ですね。よほど質が悪いのかな...。

マルジョスとはどんなお城なのかと検索したら、またまたリュルトン氏がインタビューに答えている動画にぶつかってしまいました。

ジュバル・ブランとイケムの仕事は、「良い父親であるため」にして請け負っていて、自分のドメーヌでのワインづくりは純粋な趣味でやっているとおっしゃりたいらしい。
※ またまた、ひとり言   クリックして開く/閉じる

彼の顔を見た私が誰を思い浮かべていたかが分かってすっきりしたので、このシャトー・ディケムの建築物としての城について調べました。


シャトー・ディケムとは、どんなところ?

16世紀から18世紀に建てられた城が残っていて、2003年に政府から歴史的建造物の指定を受けていました。隣に工場のような建物が並んでいるのは気に入りませんが、でもワインの醸造所なのだから仕方ない。

こういう城だったら見学してみたいと思って調べたら、1時間半のガイド付きヴィジットがあるとのこと。でも、一人60ユーロもするのでした。夫婦二人で見学したら、デイリーワインなら1ダース買えてしまうお値段。

このお値段なので、試飲はあるそうです。ムートン・ロートシルトのシャトーを見学したときには、ワインを1滴も飲ませてもらえなかった恨みがあるので、それよりは良い見学になるのだろうとは思いました。

でも、ボルドーまで行く予定は全くないので、城の様子が見れる動画を探しました。

すると、『Les Quatre saisons d'Yquem(イケムの四季)』と題されたドキュメンタリー映画がYouTubeに入っているのを発見♪

シャトー・ディケムでの1年を追った1時間半のビデオなのですが、映像が美しいだけではなくて、訴えかけるものがあって、とても良いドキュメンタリーでした。

撮影されたのは2000年。
下のワインを作るためのブドウが収穫された年のお話しです。


シャトー・ディケムが、高級ブランドを次々と買収しているLVMHに乗っ取られたばかりの時期。ドメーヌを取り仕切る役割が、さっき誰かさんを思い浮かべると書いたリュルトン氏になる前なので、登場しているのは先祖代々のドメーヌを守ってきたアレクサンドル・ド・リュル・サリュース伯爵でした。

建築物としてのシャトーを見ようと思っていたのに、興味はワインづくりの方に行ってしまいました。経営者としての伯爵は、従業員を家族のように大切にしているという昔ながらの姿。そして、イケムを愛してくれている人たちに満足してもらえるワインを作ろうとする姿。幸せそうに働く人たちが映し出されていました。

友達にドキュメンタリー映画のことを話したら、ボルドーのアレクサンドル・ド・リュル・サリュース伯爵は、ブルゴーニュならロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌ氏に匹敵するような人なのだと言われました。

また1つ、フランスにあった昔ながらの文化が投資家によって壊されるのではないか、というレクイエムとして記録映画が作られたのかも知れません。

ドキュメンタリーを見た後、シャトー・ディケムの買収劇や、その後は何が変わったのかなどを調べながら書いていたら長くなってしまったので、ページを新しくして入れることにします。

続き:
シャトー・ディケム 2000年が、どう作られたかを見せた映像


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外部リンク:
Lurton (Pierre) Cheval Blanc et Yquem
☆ オフィシャルサイト: Château d'Yquem
Figaro vin: Château d'Yquem
Wikipédia: Château d'Yquem


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