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2016/05/06
郷土史研究会のようなサークルがオーガナイズした見学会に参加することにしたので、少し遠出をしました。同じブルゴーニュ地方なので、朝早く出発すれば日帰りできなくもないのですが、せっかくなので週末の2泊3日の旅行を計画しました。

村はずれにある集落。しかも行き止まりのようなところに、2泊することにした農家がありました。

小高い山の上にあって、見晴らしが素晴らしい。到着した瞬間に満足してしまいました。



夕方に到着して、その日は農家で夕食を出してもらうことにしていたので、荷物を部屋に置いてから家の周りを散歩してみました。お天気も素晴らしく良かったし。

こういう風景が大好き。牧場があって、遠くに山が見えるという景色です。田舎に憧れる人にとっては理想郷ではないかと思う立地。

少し前には山岳地帯にあるホテルに泊まったのですが、近くに天文台もあるくらいなので素晴らしいところかと期待していたのに全くつまらないところだったのです。自然の中だからって美しいわけでもないのですよね。



ご主人が牧場の杭を直していたので、牛の品種をきいたらJersiaiseだとの返事。イギリスの品種で、フランスでは珍しいのだと言われて、日本ではジャージーと呼ばれる牛だと気がつきました。

九州で何回も通った地域でジャージー牛のミルクを盛んに売っていて、地元の人たちはジャージー牛のミルクがとても美味しいのだと自慢していたのですが、実際のジャージー牛は1回も見たことがありませんでした。日本では牛は余り放牧しないせいかもしれない。

見たいと思っていた牛をフランスで見ることができたので嬉しく思いました。おとなしい牛らしいのですが、あまり人懐こくはないのかな。フランスの牧場にいる牛を眺めようとすると、みんな寄ってくるのに、この子たちには全く無視されてしまいました。賢くて、餌をくれるはずがない人は見分けられるのかな?...

その翌日の朝には、牛たちは別の牧草地に移動されていました。草が多い場所に移したのでしょうが、このくらいたくさん家畜がいると、世話する手間は大変でしょうね...。

まだ牛たちはミルクを出していなかったので、この牛たちのミルクやチーズなどは味わえなかったのが残念。


とても良く道が整備されているので、家の周りの農地を見てあるくのは簡単。ぐるりと見てあるきました。



昔の農家には必ず池があったのだと聞いていましたが、ここにもありました。

農家は16ヘクタールの土地を持っているのだそう。フランスの農家では、100ヘクタール、400ヘクタールという土地を持っていたりするのですが、穀物畑にするのではなかったら、このくらいがちょうど良いくらいの広さではないかな...。



ありとあらゆる家畜がいる感じがしました。たいていは食べ物を生産する動物たちでしたが、ロバも何頭かいました。



自然には逆らわない農業をしているように見えました。ロバも蹄鉄は付けないので、3カ月に1回くらい、爪を切ってあげる必要があるのだそう。

ロバの方も気持ちが良いのか、装蹄師の方に頭をのせて甘えたりしていました。

家畜は全ての種類がいるように見えていたのですが、馬だけは飼っていないのだそう。馬は非常に手がかかるからとのことでした。そう言われて、馬が大好きで何頭も飼っているフランスの友人が、ヴァカンス旅行は全くしないと言っていたのを思い出しました。

山羊の方はミルクを出しているようで、チーズも軒先に干してありました。



家庭用のチーズを干す道具というサイズ。家畜は色々いるし、もちろん手入れの行き届いた野菜畑もある。こういう生活をしていたら、「買うのは塩だけ」という生活が可能ではないかな...。

農家のご夫妻は町に住んでいた人たちでした。20年くらい前、奥さんの方が農業者の資格をとって農業を始めたのだそう。ご主人も農業をしていますが、本職としての仕事も持っていました。そうしないと、家計費が足りないからではないかな。

フランスの場合、ご主人が農業をしていて、奥さんが町に働きに出るというパターンが多いのに、ここは逆。でも、フランスのサラリーマンの労働時間は短いし、休暇も長いので、無理なくやれるだろうと思いました。

何がきっかけで農業を始めたのか聞きそこなったのですが、こういうところで、こういう農業ができたら理想的な生活だろうな、と思いました。

友達の中に、教職を止めて実家に戻り、農業者の資格をとって跡取りになった人がいるのですが、彼の場合だと、農業は仕事でしかないはず。400ヘクタールの小麦畑で大きなトラクターを乗り回し、畑に撒く化学肥料や農薬の買い付けを計算したりするのは、ただの事業家ではないですか? しかも、彼の農場は、ただ平らで広い場所に麦畑が広がっているだけなので、風景は限りなく単調なのです。私には魅了的な転職には思えませんでしたが、親の仕事を途絶えさせたくないということだったのでしょうね。


2泊させていただきながら、この農家のような生活こそが人間らしい生き方だと思って憧れました。



朝食の食卓です。この他にも、近所の脳あが作っているリンゴジュースなどもあって、とても豪華。

近くにパン屋がないし、朝は乳しぼりの仕事などがあってパン屋まで車を走らせることはできないのでしょう。焼き立てのクロワッサンなどはなかったのですが、代わりに奥さんが焼いたケーキが3種類並んでいます。


食卓の横には古めかしい柱時計。毎週日曜日の朝、ご主人がネジを巻いていました。蓋を開けてネジを巻く棒を取り出し、2カ所のネジを巻く。



壁にかかっている猫の絵が気に入りました。食べ物がのっているテーブルを前にして腕組みをして座っていて、「お前、美味しい料理がつくれるのかよ」と言っているように見える。

本物の猫ちゃんも親子で住んでいました。


私の寝室からの眺めです。



赤い矢印を入れたのは、ヒツジたちと一緒の牧場にいるオスの山羊。

まだ若いそうで、いたずらしたくて仕方ないのかもしれない。時々ヒツジたちの方に行って頭突きをしたりしてしまうのでした。

ご主人が名前を呼んでさとすと、悪戯するのは止めて、動かずにこちらを見るのですが、少しすると、またやりだしてしまう。朝に目を覚ますと、まず窓の外を眺めて、この山羊が何をしているかを眺めていました。

猫たちの名前は忘れてしまったけれど、山羊の名前は1回聞いただけで覚えました。

Petit filou(プチ・フィルー)。フィルーというのは、ちょっとずる賢い人などに対して使ったりする愉快な名詞なのです。



宿を発つときは、もちろんプチ・フィルーちゃんにお別れの挨拶をしました。

悪戯をされて困ると話すご主人に、女の子を紹介してあげたらと言ったら、秋にならないとダメなのだと返事されました。そういうものなのですかね...。


追記:
ダイニングルームの壁にあった猫の絵が何であるかコメントで教えていただいたので、続きを書きました:
トミー・ウンゲラーが描いた仏頂面の猫

ブログ内リンク:
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この記事へのコメント
壁にかかっている猫ちゃんの絵!
トミーウンゲラーの「キスなんてだいきらい」という絵本の挿絵です。 
きゃ~~!こんなところにウンゲラーの絵が!
ってビックリマークの連続でした(;^ω^)

「キスなんてだいきらい」
http://www.ne.jp/asahi/ehon/wonder/rvw_nokiss.htm
2016/05/13 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

>トミーウンゲラーの「キスなんてだいきらい」という絵本の挿絵です。

ちらりと書いただけだったのですが、実は、ものすごく気になった絵だったのです。この仏頂面の顔は何を言いたがっているのかが気になる。

教えてくださって、どうもありがとうございます! 私の方も、きゃ~という嬉しい悲鳴をあげてしまいました。

しかも、トミー・ウンゲラーはフランス人だったので、検索してみたらたくさん情報が出てきて、かなりユニークな人生を送ってきた人なのが面白くて引き込まれました。作者の子ども時代を反映したお話しのようですね。

「キスなんてだいきらい」のフランス語バージョンは、インターネットで朗読を聞くことができ(全文ではないかもしれないけれど20分くらい)、それも面白くて気に入りました。

フランス的な表現になっているし(登場人物の名前の面白さや、美味しそうな料理名など)、フランスの男の子にはよくありそうなお話しなので、このニュアンスを伝えた翻訳にするのはできないだろうな... と思ったのですが、日本語訳は内容の雰囲気を伝えて、同じようにリズミカルによく書かれているようですね。英語バージョンから翻訳したのが良かったのかもしれない。作者自身が英語版も書いたから遠慮がなかったのだろうと思いますが、登場人物の名前も変えてしまっていました。

主人公の男の子が、「蜂蜜入りシュークリーム」とママから呼ばれることに怒っているのに笑わせられるのですが(そんなのは存在しないのだから、ケーキに詳しいパン屋の○○さんに聞いてみろ、なんてママに言っている)、そういう食べ物の話しは英語や日本語バージョンにも出てくるのかな?...

この子が大好物だからとレストランにママは連れて行ったわけですが、こういう食欲をそそられる料理のはずなのです(ただし、材料はモグラですけど!):
https://fr.fotolia.com/id/78258104

調べたら色々出てきたので、それをメモするページを作ろうと思いました。
2016/05/13 | URL | Otium  [ 編集 ]
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