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2016/05/18
少し前に泊めていただいた家で、ダイニングルームの壁にあった猫の絵に目が釘付けになっていました。



腕組みをして、こちらを睨みつけている猫は、何を言いたいのか気になる。

この絵を「理想郷のようなところにあった農家」にちらりと入れたら、これはトミー・ウンゲラーの童話『キスなんか だいきらい』の絵だ、と教えてくださるコメントをいただきました。

何らかの主張があるように感じて、それが何なのかを探りたくなるような絵が好きです。というか、本来の音楽や絵画は訴えるものがあるべきだと思っています。

本当を言って、この類いの現代アートを私は好きではないのです。でも、これだけ気になった絵だったのですから、もしかしたら特別な作家なのかもしれない。それで、トミー・ウンゲラーとは誰なのかを調べてみました。

名前からは想像できなかったのですが、フランスの作家だったので、ネットで検索すると情報はいくらでも出てきたのでした。


『キスなんか だいきらい』と題されたトミー・ウンゲラーの童話

生意気そうな猫の絵は、日本語で『キスなんか だいきらい』と題された童話の表紙になっていました。1973年に発表された作品で、フランス語の題名は『Pas de baiser pour maman』。

猫の家族のお話しで、ママがベタベタに優しいのが気に入らない男の子が主人公。フランスの家庭では普通にありそうなお話しで、たわいもないストーリーなのだけれど、ユーモラスな語り口が楽しい。

主人公の子猫に、自分の好きなことしかしない身勝手な猫の習性がうまく重なっている。何よりも、子どもの立場から描いており、教訓じみたことは何もないのが気に入りました。

※フランス語と英語のアマゾンでは、一部分を覗くことができます。

題名は、フランス語と英語は同じ。日本語は、ちょっと違う。ママが息子を猫かわいがりしていて、キスを浴びせてくるのが耐えきれないと反発している男の子の話しなのですが、日本語の題名からは、なぜかママの文字が消えています。

フランス語と英語のタイトルを普通に訳したら、「ママにキスなんかしてあげないよ」とかになるのではないかと思うのですが、日本では親子がキスの挨拶をする家庭は例外的だから変えたのかな?...

フランス情報では、7歳から10歳向けの本となっていました。

インターネット情報だけでは、『キスなんか だいきらい』と題された日本語バージョンは読書感想で垣間見る程度でした。

でもフランス語版の方は、効果音入りの朗読で聞くことができました。一部は欠けているようでしたが、20分くらいの朗読。

※ 朗読をきけるサイトをリンクしておこうかと思ったのですが、クリックすると変なページが開いたり、ブラウザが危険信号を出してきたりするので止めておきます。


その他、フランスの学校の授業で使えるような教師用のマニュアルもありました。英語版についても、書籍販売ネットの中身拝見などで少し垣間見ることができたし、要約も読むことができました。

インターネット情報だけしか得ていないのですが、この本をいつか手にすることができたときのために調べたことをメモしておきます。

このお話しはトミー・ウンゲラーの自伝でもありました。彼の人生を知ると、このストーリーとの重なりが見えてきて興味深かったのです。しかも、擬人化した猫で表現しているので、かえって人間の家庭で描くよりよく表現されている。



トミー・ウンゲラーには自分の国というものがない?

レジオンドヌール勲章を受賞したパーティーで撮影された写真のようですトミー・ウンゲラーTomi Ungerer)は、イラストレーター、児童文学作家など、色々な肩書を持っていました。

1931年、ドイツと国境を接するアルザス地方の州都ストラスブールで生まれています。

父親は、彼が3歳半のときに病気で他界。

国際アンデルセン賞を受賞しているけれど、普通の、当たり障りのない「子ども向け」というお話しを書いているわけではないようです。

しかも、かなりエロチックな絵も描いている。彼がどんな人であるかは、ひとことでは言い表せないようです。

彼は3か国語で本を出しているそうですが、日本では児童文学が翻訳されているようです:
アマゾンで「トミー・ウンゲラー」を検索


トミー・ウンゲラーの故郷アルザスは、ドイツとの国境に位置し、フランスの中ではかなり特殊な地方です。

アルザス地方が神聖ローマ帝国からフランスに割譲されたのは17世紀半ば。普仏戦争がおこり、1870年にはアルザス地方はロレーヌ地方と共にドイツの領土になります。そして、第一次世界大戦の後に、再びフランスに併合される。


1940年、トミーが8歳のときに第二次世界大戦が勃発し、アルザスは再びドイツに占領されます。

彼は名前を変え、ドイツ語を話すことが強制されます。ウンゲラー家族では、多くのアルザス人たちと同様に、家も会社もドイツに没収されました。

学校ではナチスの教育を受けます。初めて出された宿題は、ユダヤ人の絵を描くことだったと語っていました。

家庭ではフランス人、学校ではドイツ人、友達とはアルザス人というカメレオンのような生活をしました。でも、優しくて賢い母親が家族を守り、笑いが絶えない生活をすることに努めてくれたそうです。

1945年、戦争が終わると、トミーは再びフランス人になりました。ところが、フランス語を上手に話せない。通うことになったフランスの学校では、アルザス語を話すことが禁止されている。

というわけで、フランスにも馴染めなかったようです。

1951年には、バカロレア(大学入学資格試験)に不合格。ストラスブールの装飾学校に入りますが、不服従ということで学校から追い出される。

彼はお坊ちゃん育ちではなくて、気骨のある男の子だったようです。15歳のときに自転車でフランス各地を旅行したのを皮切りに、ヒッチハイク、貨物船に乗ったりして、世界各地を貧乏旅行していました。

1956年というので、25歳の時ですか。描いた絵と、ポケットに60ドルを入れただけという持ち物でアメリカに渡っています。何でも可能なアメリカだったために、たちまちイラストレーターとして成功。

アメリカは永住の地とはなりませんでした。ベトナム戦争に反対したり、エロチックな絵も書いたりもしたので批判があり、自由の国というのは表面的なことだけだと感じて居心地は悪くなったようです。1971年にはカナダのノバスコシア州、さらに妻の故郷のアイルランドに移住します。

そんな人生を歩んだからでしょう。トミー・ウンゲラーにはどこかの国に所属しているという意識がないようです。「自分の国旗は自分のハンカチーフだ」と発言しています。

彼にとっては、やはり心のよりどころは幼い時代を過ごしたアルザスのようです。でもアルザス地方はフランスとは違う国。もちろん、彼の故郷はドイツでもない。1980年代からは、ドイツとフランスの関係を良くすることや、アルザス地方の2カ国併用運動などに尽力しているようです。

彼の働きのせいとも言えないでしょうが、フランス語を公用語にすることを強制してきたフランスですが、最近は地方の言語を学校教育で行っても良いという柔軟性を出してきました。

昔は国が違っていて、言語体系も全く異なる言葉があった地域も合併した国は、ヨーロッパではフランスだけに限りません。こういう言語の問題は、私などには理解できない面です。


親から受け継いだもの

トミー・ウンゲラーがアメリカに行ってすぐに仕事を得られたのは、ユダヤ人コミュニティーでの助け合いがあったから、という記述がありました。ということは、彼はユダヤ人だったということになりますよね。そうだとすると、戦時中に強制収容所に入れられずに済んだのは不思議です。母親がゲシュタボに捕まったときもうまく切り抜けたほど賢い人でもあったせいなのかもしれません。

トミーの母親は、アレクサンドラン(12音節詩句)を書くのが好きだったとのこと。ドイツに占領された時期にも、トミーが絵を描き、フランス語で日記を書き続けることを励ましました。トミーの子ども時代に描いたデッサン、学校の宿題、日記など、すべてのものを彼女は死ぬまで保管していたそうです。

母親のアリスは、末っ子のトミーを溺愛するのは自分に似ているからだと言っていたのだそう。かなりの美人でした。彼のオフィシャルサイトに親子の写真が入っています。

http://www.tomiungerer.com/biography/
Biography | Tomi Ungerer

トミーは4人兄弟の末っ子(兄1人、姉2人)。でも、兄弟とは年がかなり離れていました。下の作品に描かれている赤ん坊が自分を描いたものなのだそう。


Weihnachtslieder: Spielbuch Gitarre, Flöte und Gesang. 20 bekannte Weihnachtslieder

姉たちは絵を描くことを教えたくれたけれど、トミーは生きたお人形だったとも語っています。


トミーの父親の家系では、曾祖父の代から時計技師でした。トミーの祖父が1858年に設立し、1989年まであったウンゲラー社の広告です。

Ungerer

会社は時計の製造と修理が主体で作られたようなのですが、20世紀前半には自動車修理もしていたのだそう。時計と自動車のメカニズムは似ていましたか...。

ストラスブール大聖堂には、とてつもなく立派な天文時計があるのですが、その維持を担っていたのもウンゲラー社だったそうです。

Strasbourg Cathedral Astronomical Clock Cathedrale de Strasbourg - Horloge Astronomique
Horloge astronomique de Strasbourg, Cathédrale Notre-Dame de Strasbourg 


Cathédrale de Strasbourg : Horloge astronomique


シチリア島にあるメッシーナ大聖堂の天文時計は、トミーの父親Théodore Ungerer(1894-1935年)の設計によるものでした(1933年)。

トミーが3歳半のとき、父親は病気で亡くなっています。祖父も、その2年前に亡くなっています。

父親のことは、家族や親戚の人たちが語ることを通してしか知らなかったトミー。父親は、優れた業績を残し、人格的にも完璧だったというイメージだったそうです。

時計のメカニズムを知り、デザインをする技師には、絵を描く才能も必要だったのでしょう。トミーの祖父も父親も、見事な絵画やデッサンを残していました。

祖父、特に父親の絵を見せながら、トミー・ウンゲラーが自分が描いたものとを並べて見せている映像がありました:


De père en fils(2002年)


トミーの父親が描いた絵の中にも、少しエロチックなものもあります。妻がソファーで横たわっている姿なども、かなり官能的。

そんな父親の絵を才能を受け継いだことが、とても誇りのようです。

『De père en fils (2002年)』の中で、彼の父親は「死ぬときに全ての才能を私に引き継いでくれた」と書いています。


『キスなんか だいきらい』は、賛否両論の作品?

モノクロの絵ばかりで、子ども向けの本としては可愛くない絵が描かれていました。

お話しの始めには、主人公のジョーが目覚まし時計を壊してしまう話しが出てきます。



先祖代々、時計技師だった家系。トミー・ウンゲラーが子どものときには、きっと時計のメカニズムはどうなっているのかと分解してみたことがあったでしょうね。台所に忍び込んで缶切りを持ち出して時計を分解したら、バネが飛び出したので捨てたというのが愉快。

時計はチクタクとやるのが良いのであって、目覚ましなんかはして欲しくないと思ったようです。私は、チクタクやるのも煩いと思いますけど。


アメリカで出版するにあたって、トミー・ウンゲラーは表紙に「この本は子ども向けで、ママたちのためではない」という注意書きを付けたがったのだけれど、出版社に拒否されたとのこと。

それがなかったせいというわけでもないでしょうが、アメリカで発表されたときには批判が殺到したようです。かなりショックを受けた親たちもいたそうで、今年出版された「最悪の児童書」という賞までもらったとのこと。

批判の対象となったのは、描かれた家族関係、主人公の子猫の暴力。彼が歯を磨いているふりをして、トイレの便座に座って本を読んでいるという絵がひどい、などが問題にされたようです。

発表されたのは1973年。この時代のことを考えないといけないかもしれない。まだ昔風の子育てがなされていた時代だろうと思うのです。今のフランスだったら、男の子がキスは嫌いだという主張は人格として認められて、かえってママが息子の頬に平手打ちをすることの方が批判されるかもしれない。

ネットで拾った日本人の感想文では、貶している人たちがチラホラといました。絵が可愛くない、「つぶしねずみ」なんていう食べ物が出てくるのが気持ち悪い、など。


登場人物の名前

日本語で出版された童話『キスなんか だいきらい』は、英語版を訳したようです。英語のテキストは作家自身が書いているらしく、自由に英語圏の人向けの言葉遣いにしている感じがしました。

まず、登場人物の名前がフランス語版とは違う。

主人公の男の子の名前は、フランス語版ではJo(ジョー)という名前になっています。フランスではファーストネームから愛称を作る習慣があるので、ジョスランとかなんとかいう名前が本名なのかもしれませんが、それは出てきませんでした。

英語版では、主人公の男の子の名前はPiper Pawで、日本語版でも パイパー・ポー。

以下、主人公の子猫の名前はフランス語に従って「ジョー」としておきます。

英語版では、この一家にPaw(猫の肉球のこと?)という苗字を与えているようです。それで、ママの名前はMrs. Velvet Paw。

フランス語版では、ママはMadame Chattemite(マダム・シャットミット)になっています。

chatteはメス猫のこと。それにmiteを付けたchattemiteは、やたらにへつらってくる、つまりママがジョーにしているようなことをする人のことを指します。シャットミットを日本語に訳すと「猫かぶり」なので、ぴったりなのですけどね。

英語ではベルベット、つまりビロードになりますか。まあ、軟らかくてベタベタのママの雰囲気にはなりますけど。


ジョーのパパの名前は、英語では何なのかは分かりませんでした。Mr. Pawでしょうか?

フランス語では、パパはMonsieur Matou(ムッシュー・マトゥー)。時には、ムッシューの代わりに、父親を付けていることもありました。

matouというのは、去勢していない大きな雄猫のことです。食卓で口をきくことは少ないので存在感は薄いけれど、父親としてするべきことの最低限はしている父親として描かれている感じを受けました。つまり、トミー・ウンゲラーにとっての父親像が出ている?


子どもを呼ぶときの愛称

ママは息子のジョーを色々な愛情を込めたあだ名で呼んでいます。

中でも、ジョーが大嫌いなのは「Mon petit chou au miel」と呼ばれること。

chouというのはキャベツの意味があるので、ハチミツで煮てトロトロになったキャベツのイメージで呼んでいるのかと思ったら、そうではなかった。

日本でいうシュークリームは、chou à la crême。そのクリーム(à la crême)を、蜂蜜(au miel)に置き換えたようです。

私の蜂蜜入りシュークリームちゃん、という感じ。ベッタベタの甘さを感じますね。

キャベツではなくてシュークリームなのだろうと分かったのは、ジョーが怒っている場面があったからです。

ママに教えてあげるけど、chou au mielなんで存在しないんだ。パン屋のマスパンさんはケーキにも詳しいから聞いてご覧よ。シュー・オ・ミエルなんてのは存在しないんだ。

ー Ne me chéris pas tant Maman, ça me coupe l’appétit! Je ne suis pas non plus ton petit chou au miel. On m’aurait éjecté de l’équipe si je jouais comme un chéri ou si je ressemblais à un petit chou au miel. Et puis, j’ai l’honneur de te faire savoir, chère Maman, que les choux au miel, ça n’existe pas. Vas demander à Monsieur Massepain, le boulanger ; il s’y connaît en gâteaux. Les choux au miel, ça n’existe pas.

そんなことを気にする必要はないのですが、蜂蜜を入れたシュークリームというのは、あっても良さそうなスイーツではないですか? 本当に無いのかと思ってレシピを検索してみたら、1つだけ出てきました:
☆ レシピ(動画入り): Choux au miel

とても甘いけれど美味しいと言っています。フランスで「甘い」と言ったら、日本人には「甘すぎる」だろうと思って、作ってみる気にはなりませんけど。

ところで、この蜂蜜入りシュークリームという呼び名は、英語版では「honey pie」になっているようです。英語圏での代表的なデザートはアップルパイなので、リンゴの代わりにハチミツを入れたパイというところでしょうか? 主人公の名前を英語版ではPiper(パイパー)にしたのも、ここでパイをあだ名にしたからの命名なのかもしれません。

日本語バージョンでは、単に「パイちゃん」みたいですね。そもそも、日本のママは、いくら子どもにメロメロでも、色々なあだ名で呼んだりはしないので、そんなところに凝ってみても意味がないからなのかもしれません。


フランス語版では、登場する料理が美味しそうに感じる

日本人の感想文としては、絵が可愛くないというのと、登場する食べ物がグロテスクという批判がありました。

「つぶしねずみ」というのがあったのですが、何のことなのでしょう? 英語版の紹介文には「mice mush」という単語が登場していたので、それの訳なのだろうと思いましたけれど、どんな料理なのか私には想像できません。

フランス語版に登場する料理名は面白いです。

例えば、この朝食の場面。


Viens et assieds-toi, mon doux trésor. Prends un peu de ce pâté de souris, de ces filets de harengs, de cette friture de gésiers de pinsons. Je les ai préparés exprès pour toi, mon chéri.

ママが、「あなたのために作ったのだから、お食べなさいな」とトミーに言っているのですが、その料理とは、ネズミのパテ、ニシンのフィレ、小鳥の砂肝のフライ。

朝食なのに、すごい料理を並べているところで、ママが愛情の現れなのでしょうね。

小鳥とは、pinsonになっていました。フランスでは、ピーチクしゃべる陽気な人の例えに持ち出される鳥です。

庭でさえずっている鳥について、ブログで書いたことがあります:
華やかにさえずっているのは何の鳥? 2013/05/24

美味しいのかどうかは知りませんが、スズメのように小さな鳥なのに砂肝を取り出したところがすごい。ママの努力が見えるではないですか?!

猫はネズミが大好き。でも、自分で捕まえたいのだから、ママがパテにまで料理してくれたら面白くないと思うだろうな...。

ところで、この朝食テーブルの絵に、Schnaps(シュナップス)という酒がのっていることも、作品が発表されたときにケシカランという批判もあったのだとか。これは、ジャガイモや穀類からつくる蒸留酒で、ドイツやアルザス地方では飲まれる酒なのだそう。こんなところにも、作家はアルザス色を出しているようです。


お話しのクライマックスでは、ママが買い物に出かけるついでにジョーを学校でピックアップして、昼ごはんを食べにレストランに連れて行こうという展開になります。

ママは息子が好きなピンク色でコーディネートでおめかしをして出かける。この日に連れて行こうとした町一番のレストランでは、日替わり料理がジョーが大好きな料理だから。

で、その料理とは「tripes en cocotte」というもの。

トライプを、ココットという厚手の鍋でコトコト煮た料理。

色々な臓物の煮込み料理なわけですが、手間をかけて煮れば美味しい田舎料理になります。

どんな感じの料理かと検索すれば、こんな画像が出てきます

でも、人間さまが食べる食材ではなくて、さすが猫のお話しなので、材料はモグラになっていました。

モグラは美味しいのでしょうかね?

この料理名で、トミー・ウンゲラーは都会の人ではないかなと思いました。フランスの田舎の人がお話しを書くとしたら、hérisson(ハリネズミ)にしたと思います。フランスにいる放牧の民の人たちの大好物で、実際に食べた人たちもすごく美味しいのだと言っていましたから。


ともかく、息子の好物のモグラのトライプのココット煮込みを食べさせてあげようと張り切ってでかけたママは、学校から出てきた愛する息子が大怪我をしていたのでパニックになり、息子を抱きしめてキスの雨を降らせてしまう。

キスをされるのが嫌で仕方なかったジョーは、なんだかんだとキスばかりされるのはたまらないのだ、と思いのたけを並べました。すると、レストランに行くために呼んでいたタクシーの運転手さんが、「ママに対してそんな言い方はないだろう」とジョーをたしなめる。

これも、フランス的だと思いました。日本ではお客様は神様、同様に、子どもも神様。よそ様の子どもがいくら悪いことをしたって、咎めたりする権利はないと黙っているではないですか?

タクシーの運転手さんの注意で、この子は悪いのだと思ったママは、つい、愛する息子に平手打ちをしてしまう。


Elle s’avance , et, pif-paf, elle gifle son fils...

この後、二人は予定通りレストランに行きます。でも、二人は気まずい思いでいる。ジョーは好物のココット料理に鼻面を突っ込んだ程度。ママの方は紅茶しか注文しなかった...。

その後にどうなったかは書かないでおきます。

ジョーは、チヤホヤしすぎのママを煙たがっているのですが、本当はママが大好きなのですよね。こんな仏頂面でいるのも、ママが自分を愛してくれているという確信があるからできるだけのこと。もしも、ママから嫌われる子だったら、自分の方からシャットミットになっていたかもしれない。

下は、ほとんど最後の画面のはず。



仏頂面だったジョーのタッチと全く変わっています。見事な表現だと思いました。この童話は、絵が語っていることに言葉で少し説明を付けた、という感じなのではないでしょうか?


フランス人の子どもへの愛情表現


名前とは全く関係ないあだ名で呼ぶのはフランス人は好きらしくて、夫婦でもそうだし、子どもに対しても普通に使います。

特に、子どもを呼ぶときのあだ名は1つに決めずに、色々な表現をしているように思います。

子猫のジョーを呼ぶママの呼び名には、「蜂蜜シュークリーム」のほかに「Mon doux trésor」というのも出てきていました。

「Mon trésor(私の宝物)」と親が子どもを呼ぶのは非常にありふれています。でも、そこに「doux(甘い、優しい、心地よい)」を付けてしまっているのがママのメロメロぶりを現しているのでしょうね。

でも、ちょっとヒネリが足りない。蜂蜜シュークリーム(Mon petit chou au miel)も、ハチミツなしにして「Mon petit chou」だったら、男女間でも使う、ごくありふれた愛称です。

人間の場合には、「私の猫ちゃん」という感じの愛称でバラエティーがあるのですが、さすがに猫のお話しなのでそれは使えなかったらしい。ジョーに対しては、「砂糖でできたタイガー」みたいなのがありました。

タイガーに例えるのは、トミー・ウンゲラーの母親も使っていたようです。彼がどう呼ばれていたかというリストアップもありました。太陽の光、スズメちゃん、金のスカラベ、ウンコちゃんなどですが、アルザス語に翻訳がついただけなので音の響きが面白いのかどうか私には分かりません。でも、このお話しよりは遥かにバラエティーに富んでいるし、そんなに甘いものばかりに例えているわけでもありませんでした。


フランスに初めて留学して、家族のように親しくなった家庭には、10歳と13歳の男の子がいたので、彼らがどういう風に母親から扱われているかを観察したものでした。

この童話に出てくるジョーもそのくらいの年齢という想定だと思うのですが、私が観察した家族もジョーと同じような感じで母親からメロメロに可愛がられていると思いました。ついでに私も彼らのママからキスの雨を浴びていましたけど、言葉がろくにできないときにスキンシップで愛情表現してくれるのは悪くないと思いました。

13歳の男の子に対して、別に愛情表現する必要もない場合なのに、ただの呼びかけとして「私の宝物」とママが言っているのを見て、よくそんな言葉を息子に言えるものだと感心したのを覚えています。でも、観察していて思ったことがありました。

子どもを叱るときには、非常に怖いママになるのです。言うこともきつい。私だったら、一回でもそう言われたら家出を考えると思うようなことまで言って、冷たく突き放しているのです。ところが、優しいときはメロメロの愛称で呼んでキスを浴びせている。

そういうコントラストがあるのがフランスの躾なのだろうな、と思ったのでした。つまり、きつい叱り方をしても、後で愛情表現があるから子どもは正常に育つ。怖いだけだと、やはり子どもの心は傷づいてしまうはず。また、メロメロばかりしていて、叱ったりしなかったら、やはり片手落ちの教育になって、子どもは自分の存在感がなくなってしまうのでは?...

ところで、怪我をした子猫のジョーが、迎えに来たママにキスを浴びせられたら激しく怒ってしまった場面について、フランス人に解説を求めてみました。クラスメートにママからベタベタと可愛がられているのを見られてしまうのは、男の子としては最大の屈辱なのだそう。だから、ジョーのママがやってしまったのは絶対に許せない行為だ、と断言していました。つまり、そんなことがあった後では、仲間から散々バカにされるということらしい。

男の子にはメンツがあるということ? 人が見ていようが、平気でキスの挨拶をするフランス人なのですけど、そういうものですか。私が親しくなったフランス人の家族で見ていたのは、家庭内での母親のメロメロぶりであって、あの子たちが外に出ているときには、ママは態度を変えていたのかなと思いました。



トミー・ウンゲラーと猫

トミー・ウンゲラーは、動物を観察して、それを絵にするのが好き。そして、動物の中でも猫が一番のお気に入りです。

彼は語っています:
猫は利口だ。そして、自分でもそれが分かっている。

猫は、犬と違って、かなり好き勝手なのです。ウンゲラーは自分の奔放な生き方を猫の中に見出しているのだろうと思いました。

彼は数多くの作品を残しましたが、猫はかなりの頻度で登場しているようです。




トミー・ウンゲラーはフランスの国境から10キロくらいの所にあるドイツのカールスルーエ市(Karlsruhe)に作られた幼稚園をデザインしていました。「国境のないヨーロッパ」プロジェクトの1つとして実現されたのだそうです。


Une maternelle en forme de chat en Allemagne - Helloo Designer

こういう建物は往々にしてバカバカしくなるのですが、実に見事なデザインだと思いました。楽しそう。猫の口から建物に入ると、猫の体の中にいる気分になるデザインになっています。

トミー・ウンゲラーが好きか嫌いかは別にしても、並々ならぬ才能を持った人だろうと感じます。


何かにつけてキスをするんだから! と息巻いた子猫。そういう風習なしに育った私にとっても、キスをするフランス式挨拶は気になるところです。

続きを書きました:
どちら側からキスの挨拶をすべきなのか?




ブログ内リンク:
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・テレビ番組
複数の公用語がある国ベルギー: 言語戦争?! 2009/05/26
★ 目次: フランス式挨拶、親しさの表現
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方

外部リンク:
☆ オフィシャルサイト(英語): Tomi Ungerer - Official Website
☆ Musées de Strasbourg: Abécédaire Tomi Ungerer
☆ Wikipédia: Tomi Ungerer
L’œuvre satirique de Tomi Ungerer (2007)
L'oeuvre graphique de Tomi Ungerer, par Therese Wller
☆ Libération: Pour adultes et enfants seulement (1998)
☆ INA: 「Tomi Ungerer」をキーワードにして記録映像を検索
☆ YouTube: トミー・ウンゲラー
絵本作家トミー・アンゲラーTomi Ungerer
天才トミー・アンゲラーの「政治」展

Pas de baiser pour maman USEP Garazi Baigorri
Tomi Ungerer 7 à 10 ans - l'école des max
No Kiss for Mother  Tomi Ungerer
☆ Booktopia: No Kiss for Mother by Tomi Ungerer.
絵本レビュー『キスなんてだいきらい』
キスなんてだいきらい

L’école Chat, Allemagne

Les surnoms que vous donnez à votre enfant
50 surnoms pour bébés
Les Petits Noms d'Amour - French Love Nicknames


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カテゴリー: 文学、映画 | Comment (7) | Top
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コメント
この記事へのコメント
まあ!
トミー・ウンゲラーについてこんなに詳しく調べてくださってありがとうございます。
たまたま日本語訳「キスなんてだいきらい」を読んでいたおかげで、あの絵がウンゲラーだとわかっただけで、彼自身については何も知りませんでしたので、驚きがいっぱいの記事でした。
日本語訳は矢川澄子さんなのです。
もしこの絵本をほかの人が訳していたら、書店でみても興味を惹かれなかったかもしれません。
つまり私に取って矢川澄子さんは特別な作家なのです。
言葉の選び方、文章の運びなど本当に素晴らしいセンスの持ち主。
サド裁判で有名な渋澤龍彦夫人でもあったこともあり、フランス文学への造詣も深いかたでした。

モノクロでかわいげのない猫の絵の絵本は、一見いかにもうさんくさい(笑)
ウンゲラーの絵本としては「すてきな三にんぐみ」の方が有名かつ「健康的」かもしれませんが、「キスなんてだいきらい」の毒けは抜かれてしまい、あの強烈なまでのインパクトはありません。
なぜか、こちらではウンゲラーではなくアンゲラーという表示になっています。

ウンゲラーがアルザス人であったと聞いて思いだしたのが、シュバイツァーでした。
小学生の頃読んだ伝記から、彼はドイツ人だったと記憶していたのですが、あるときアルザス出身と知って複雑な気持ちになったものです。現在のフランスで、彼はどちらの国に所属するとされているのでしょう。

「家庭ではフランス人、学校ではドイツ人、友達とはアルザス人」・・・
ウンゲラーのシニカルで、反抗的とも言える作風がこうした背景と重なってきました。
2016/05/19 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

aostaさんが「あの本」という感じでおっしゃったので、価値のある作品なのだろうと思って調べたくなったのでした。トミー・ウンゲラーは非常に興味深い人でしたが、複雑すぎて把握はできませんでした。

日本語訳は感想文で覗けるくらいでしたけれど、雰囲気を伝える良い翻訳になっているらしいと感じました。矢川澄子さんについても知りたくなります。

『すてきな三にんぐみ』は代表作の1つになっているとマークはしたのですが、フランス語版でも英語版でも『三人の悪党』と訳すようなタイトルなのに、日本語訳では「すてきな」と付けてしまっているが気になりました。私はチラホラと表紙の画像を入れたナチスのユダヤ人迫害をテーマにした作品の方に興味をひかれました。

>シュバイツァー... 現在のフランスで、彼はどちらの国に所属するとされているのでしょう。

フランスでは、彼はフランス人としているそうです。フランス人は、アルザスは一時的にドイツにとられたとしているので、そうなるのでしょう。Wikipediaの独語ページでは、ドイツ・フランス人と表現していました。彼はちょうど45年間ずつドイツ人とフランス人として生きていますから、その言い方の方が正しいかもしれない。

アルザスは複雑な地方ですね。名前や地名もフランス語とはかけ離れているし、この地方の出身者の顔を見るとアルザスの人だと分かります。ウンゲラーもシュヴァイツァーもプロテスタント。アルザス人は働き者の定評があるのですが、プロテスタントが歴史に大きな役割を果たした地方だからなのかな?… 彼らのメンタリティーは完全にドイツに近いと私は感じるのですが、アルザスの人たちはフランスへの思い入れが強いのだそうです。アルザスは料理がとても美味しい地方なので、やはりフランス的な風土かなと思ったりもしますが。
2016/05/20 | URL | Otium  [ 編集 ]
>日本語訳では「すてきな」と付けてしまっているが気になりました。

日本語、というか、極めて日本的な感覚なのでしょうね。
三人組は決して善人ではない、むしろ、Otiumさんの仰るような悪党なのでしょうが、日的な感性としては、完全に性善説に基づいて、「純真無垢」名子供たちの絵本に「悪党」を登場させてはまずい、というのが暗黙のうちに了解されているようにおもいます。
「すてきな三人ぐみ」を矢川さんだったら、どう訳されたかしら。
矢川さんが渋澤龍彦夫人だった当時、渋澤のためにポーリーヌ・レアージュの「O嬢の物語」の翻訳のほとんどを手掛けたという話は、公然の秘密でもあります。
また私がアナイス・ニンを知ったのも、矢川さんの「アナイス・ニンの日記」を通じてでした。彼女だったら「すてきな」なんて能天気な言葉は使わなかったんじゃないかしらと思う所以です。

シュバイツァーについての評価は二転三転したようですが、私が小学生の頃読んだ伝記では「密林の聖者」とありました(;^ω^)
アルザスはプロテスタントが多い地方ということからも、文化においても、宗教においてもドイツ的な傾向が強いということが伺えますね。
確かに「労働観」ということからしても、働くことは贖罪であると考えるカトリックと、労働は神の御心に適う業と考えるプロテスタントとの間には、かなり違いがあるように思います。
そういえばシュイツァーはカトリックではありませんね。
いまさら納得した次第です。

先日アルザスはシュレールのリースリンクを味わう機会がありました。美味しかった!次回はゲベルツトラミネールを試してみたいところですが、日本では美味しいアルザスのワインは結構なお値段です"(-""-)"
2016/05/20 | URL | aosta  [ 編集 ]
Re:
v-22 aostaさんへ

>「純真無垢」名子供たちの絵本に「悪党」を登場させてはまずい、というのが暗黙のうちに了解されているようにおもいます。

そうなのでしょうね。問題を起こしたくないと思う出版社からの圧力もあるのかもしれない。

でも、私は自分が幼かった頃の記憶から、子どもは大人が思うような幼稚さはないと確信しています。末っ子だったためにバカバカしい幼稚さを出していると受けるというのが分かっていたので、子供っぽい発言をする役割を演じていましたけど。それを友達に話したら「太宰治の世界じゃない」と言われましたが。普通の子は、やはり子供っぽい考え方をするのかな?...

>「労働観」ということからしても、働くことは贖罪であると考えるカトリックと、労働は神の御心に適う業と考えるプロテスタントとの間には、かなり違いがあるように思います。

私もプロテスタントが勢力を持ったのは、働くこと、富みを持つことを正当化するためだったと思っています。フランスでも、プロテスタントが勢力を伸ばしたのは商業が発達して豊かな地域でした。農民が素朴に生活しているところはカトリックが根強い。

でも、フランスの宗教戦争でプロテスタントが勝っていたら、後にブルジョワ革命がおこる必要もなくて、宗教建築物が破壊されずに残ったかな... などとも考えたりします。

アルザスワインは、美味しいのと不味いのとの差が余りにも大きいと感じています。ブルゴーニュでも、安い会費の公民館での食事会などではアルザスワインが出てくるので参るのですよ。アルザスにはお気に入りのワイン農家があって(ご主人がカラヤンと瓜二つの顔!)、かならずストックしていたのですが、引退されてしまってからはアルザスワインを飲まなくなりました。

ゲベルツトラミネール。やたらに高価なワインですけどね。先日、刺身などの日本料理を作ったとき、日本に来たフランスのワイン醸造学者が日本料理にはゲベルツトラミネールが最も合うと言っていたのを思い出して、似たようなワインとして、甘口だけれど変には甘くないボーム・ド・ヴニーズがあったのでそれを飲んだら、本当によく合うので驚いたところです。
2016/05/20 | URL | Otium  [ 編集 ]
Bonjour! (お尋ね・・このあとは、マダム? マドモワゼル?・汗)
猫の絵を拝見した瞬間、あ、いいなぁ、愛すべき猫ちゃん!! (笑) という印象でした!! 

動物は、苦手なんですが、可愛いとは思うんですよ。噛みつかれそうで(笑)、怖いんです。(汗)

今回も、深いい話を、ありがとうございます!!

絵本の主人公の名前が変わるのは、よく??ありますね。 ホフマン原作の、くるみ割り人形もそうなので(日本の絵本も統一されていない)、20年ほど前、随分と調べました。
ドイツの、ホフマンを研究してある大学の先生に厚かましくもお尋ねしたら、論文が少ないということで、1年後、論文を発表されました。情報が多い今では、冗談ような??話です。(汗)

猫の絵本といえば、佐野洋子さんの1977年〜のロングセラー、『100万回生きた猫』 でしょうか。こちらの方が、日本人向きですよね。絵も素敵。

20年ほど前、100万回・・と、くるみわり人形(101ページ・ほるぷ出版・残念ながら英語からの訳・渡辺茂男)の絵本が、こちらの小学校の図書館になかったので、本好きでもない(汗)のですが、寄付いたしました(読んでくれているかな)。

そうそう、思い出したのですが、トルストイの『イワンの馬鹿』という話がありますね。子供のころ絵本を読んで、どうして? 『イワンは馬鹿』 じゃないんだろう・・? と思ったのでした。(汗) これじゃ、題名になりませんね!! (笑)

イワンの馬鹿・・って、なじるように言う言葉としか感じなかったのでしょう。 大人になって、北御門二郎氏(熊本の山奥で本屋をなさっていた)が訳されたトルストイの短編集(これは好きです)を読みましたら、物語の始めに、『馬鹿のイワンと、その二人の兄弟、軍人のセミヨンに布袋腹のタラスと、啞(おし)の妹マラーニャと、それに老悪魔と三人の小悪魔についてのお話』と書いてありました。長い!!(笑)

で、お馬鹿な私は、北御門氏に、題名についてお尋ねしたことがあったのですが、イワンの馬鹿でも、馬鹿のイワンでも、どっちでもいい・・とおっしゃったときには、な〜〜んだ と、自分に呆れたのでした。(笑)
2016/05/21 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
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2016/05/21 | | -  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

>絵本の主人公の名前が変わるのは、よく??ありますね。

ああ、そうなのですか。私は「これを読んだ」と記憶に残る絵本が全く思い浮かばないし、床についた子どもに童話を読んであげたことも一度もないようなので、私にとっての絵本は遠い存在です。

どうして変えるのでしょうね?…

くるみ割り人形で、クララ、マリー、マーシャと呼び名が違うようですが、何故でしょうか?:
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12113969042

「くるみ割り」というのがフランス語ではcasse-noisetteで、つまりクルミではなくてヘーゼルナッツなので、ヘーゼルナッツ用の小さな道具が存在するのかな、と気になっておりました。現代のフランスで普及している道具は、クルミもヘーゼルナッツも割れるようにできているのですけれど。小さなことが気になると、疑問は果てしなく広がります。

>『100万回生きた猫』 でしょうか。こちらの方が、日本人向きですよね。絵も素敵。

これも知らなかったお話しなのですが、ある程度詳しい紹介が出てきました:
www.ehonnavi.net/ehon/94/100万回生きたねこ/

なるほど、教訓もあって、大人が評価するようなお話しですね。へそ曲がりの私は、教訓じみたお話しが嫌い…。でも、絵は素敵ですね。

>イワンの馬鹿でも、馬鹿のイワンでも、どっちでもいい・・とおっしゃったときには、な〜〜んだ と、自分に呆れたのでした。(笑)

そんなものなのだろうなと笑ってしまいますが、「馬鹿のイワン」だとつまらないので、「イワンの馬鹿」は素敵な命名だったと私は思いますけど。

>マダム? マドモワゼル?

マドモモワゼルという敬称は、消滅の道をたどっているのではないかという気がしています。幼い女の子に「あなたはレディーなんだから」という感じで言うときの表現としては残るかな...。

女性だけ敬称を区別するのは差別だと捉える動きもあって(他の先進国では区別していないと批判されている)、去年だったと思いますが、フランス政府は公式の場で女性の大臣の名前を呼ぶときには「マダム」で統一するということにしていました。確かに、結婚したことがないからと、高齢の女性をマドモワゼルと呼ぶと滑稽に聞こえるし、差別といえば差別だと思います。
2016/05/21 | URL | Otium  [ 編集 ]
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