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2016/10/01
フランスで友人の家に前触れもなく訪れるときは、食事の少し前というのが多いです。少なくともブルゴーニュで私が付き合っている人たちとの関係では、行った家でお茶を出されるのは例外的。ブルジョワ家庭から「お茶に」と招待されたときに行ったら、本当に紅茶が出てきて驚いた経験が1回あるだけです。

人が来たら、まず食前酒を勧めるのが礼儀なのですが、飲むお酒は人によって好みが違うので色々おいておきます。もちろんアルコール飲料は飲まない大人や子どももいるので、ジュースも用意しておく。

そういうときには、酒を飲む人にも、飲まない人のためにも、何か一緒につまむものも必要なので、オツマミはいつもストックしています。

お腹がすいている人のためにはポテトチップが便利。でも、余りにもありふれていて味気ないので、それに近いものはないかと、先日行ったスーパーで探してみました。日常の食料品をスーパー買うことは滅多にないので、頻繁には行く機会がないのです。


ルツェルンのオボロスOboles de Lucerne

ブルゴーニュ特産品コーナーの隣りにあったので目に飛び込んだのが、こちらの商品 ↓

Albert Ménès - Oboles de Lucerne, emmental suisse, biscuits apéritifs - Le paquet de 100g

パッケージの表面だけを見て分かったのは、次の情報でした。

「Oboles de Lucerne(ルツェルンのオボロス)」という名前で、エメンタールチーズを使ったアペリティフ・クッキーと書いてある。

甘いビスケットに見えるのですが、食前酒用のだとしたら塩味のはず。

ルツェルンとは、カペル橋のあるスイスの美しい町の名前。1度しか行ったことがないけれど、クラウディオ・アバドが指揮するルツェルン音楽祭はテレビでよく見ます。

それに、エメンタールといったらスイスのチーズ。とするとスイス産? それなら敬遠しようかと思ったのですが、試しに1箱買いました。

食べてみると、なかなか美味しいのでした。薄焼き煎餅みたいなものですが、もっと薄くて、味も薄い。ウエハースのようですが、もっと歯ごたえがあってパリパリ。


しゃれたオツマミができてしまう

とても気に入ったのですが、2枚か3枚食べていると飽きてくる。先日行った友人の家で、食前酒のオツマミとして、ポテトチップの上にパテを塗るというのがあったのを思い出して、真似してみました。

平らなので何か乗せやすいのでした。それに、ポテトチップを使うのと違って高級感もある♪

2回目の実験をしたときに写真に撮っておきました。



左に何ものせていない状態を入れました。

この時にのせたのは、andouille de Guéméné(ゲメネのアントゥイユ)というソーセージ。丸いのも同じだし、大きさがピッタリと合うのでした!

ソーセージだけでは寂しいので、ほんのり甘い林檎のコンポートをのせたら、ソーセージの塩味が消えて、とてもよく合うのでした。それでは、何か緑色のものをのせた方が良いので庭に出て、フェンネルを切ってきて乗せたときのものが、上の写真です。

上に乗せたのは、庭でとれる出来損ないのリンゴで最近盛んに作っているコンポートの利用です。林檎の皮と種を除いて砂糖をまぶしからグラタン皿に入れ、バターを少しのせ、アルミホイルをかぶせてオーブンで焼くという簡単レシピ。このときは、夏の始まりにたくさん作ったラズベリーを瓶に入れて砂糖で埋めて保存するとたくさんできしまうシロップで甘味を付けたので、リンゴがピンク色になっています。

豚肉料理にリンゴを付け合わせるはフランス料理の定番なので試してみたわけなのですが、今作っている私の林檎のコンポートは、完熟になる前に落ちてしまったリンゴを使っているため、砂糖を入れても余り甘くないのでよく合いました。

レストランでアミューズブーシュとして出せるような一品ではないか、と我ながら喜んでしまいました。友人の家で食べたポテトチップに乗せるというのより洒落ているし、オボロスは上品な味を出しています。

この薄くスライスしたソーセージは私の好物で、ブログでも書いていました。

 
ブルターニュのソーセージ「ゲメネのアンドゥイユ」 2011/09/11


これを作った前日は、やってきた友達にジャンボン・ペルシエを乗せてだして好評だったので、別のものを乗せたらどうなるかを実験したのでした。


今年の復活祭で目についたもの: ジャンボン・ペルシエ 2010/04/03

ジャンボン・ペルシエは薄く切りにくいので、四角く切ったのをのせたので見た目が落ちました。食べるときに上手に摘ままないと、ハムが落ちてしまう。それで、翌日はゲメネで試したわけでした。


オボル、オボロス?

この薄い煎餅みたいなのを見たときは、教会のミサで使うホスチア(聖体)を連想しました。


キリスト教にとってのパンとワイン 2013/09/30


でも、このクッキーの名前は「Oboles de Lucerne(ルツェルンのオボロス)」。

オボロスというのは、ギリシャ神話に登場していました。

死者が冥府の川の渡し主カローンに払う1オボロスの渡し賃を「obole de Charon(カローンのオボロス)」というのだそう。


アッティカ, アテネのオボルス。紀元前449年のもの


下は、9世紀のフランスの硬貨。

Pepin II d Aquitaine obole 845 to 848
Obole de Pépin d'Aquitaine (845-848 apr. J.-C.)

中世フランスでのobole(オボル)は、硬貨2分の1ドゥニエに相当したのだそう。つまり、少額のお金のことらしい。フランス人にはoboleという言葉が面白いらしいく、これを食べるときに「オボロスをください」と言う乞食の真似をしたりしていました。

食品の名前は「Oboles de Lucerne(ルツェルンのオボロス)」。1877年からあるスイスの食べ物だそうです。

このオボロスを、メーカーは「gaufrettes(ゴーフレット)」と呼んでいました。パッケージには「biscuits(ビスケット、クッキー)」と書いてあったのですけど。

薄焼きの食べ物に付ける呼び名が気になって、写真を並べて商品を見比べてみたこともあるのですが、やはり紛らわしいな...:
紛らわしい菓子の名前: ゴーフル、ゴーフレット、ガレット 2014/12/11


Albert Ménèsアルベール・メネス

少し高めのパッケージだなと思ったのですが、何枚も入っているので100グラムのパッケージは食べでがあります。それで値段は気にしないで、また買おうと思いました。

調べてみたら、パリにある高級食料品店Albert Ménès(アルベール・メネス)の商品なのでした。ブランドのことは何も知らない私...。

日本では、食通の方々はご存知のようで、スパイス類はかなり輸入されているようでした:
アルベール・メネスを楽天市場で検索


店を取材した動画もあって、後半部分では私が気に入ったオボロスを試食しています。


老舗エピスリー『アルベール・メネス』で昔ながらのフランスの味に出逢う

日本で食べ物を紹介すると、レポーターが食べるから嫌いだなどとブログに書いたことがあるのですが、やはり、食べるところを見せた方が、私が「パリパリです」などと書いているより分かりやすいですね...。

帰国するときのフランス土産に悩む私なので、このスーパーでも買えてしまうブランド名は覚えておこうっと。ブルゴーニュだからとお土産にワインを持つと荷物ががさばってしまうし、苦労して持って行くと自分で飲みたくなってしまうのです...。


サーモン・ムースのミルフィーユ

私が作ったオツマミより、もっと本格的なレシピを見つけました。あちこちのサイトで同じレシピを紹介しているし、オボロスのメーカーも勧めているので評判が良いのかもしれない。



5分でできてしまうと書いてありますが、確かに簡単そうだし、美味しそう。でも、ミキサーを使うので、大量に作るとき向きでしょうね。パテなどを使って重ねてしまうのなら、もっと簡単にできますね。

いつか作ってみたいので、レシピをメモしておきます。


材料:
  • フレッシュの山羊チーズ 150 g
  • スモークサーモン 4切れ
  • シブレット(チャイブ) 少々
  • oboles de Lucerneのようなガレット 1箱
  • 塩、コショウ

作り方:
  1. スモークサーモンの3枚と山羊チーズをミキサーに入れて攪拌する。
  2. チャイブのみじん切りと塩コショウでムースを仕上げる。
  3. ガレットにムースを塗って挟み、最後に残したサーモンを飾る。


出されたら食欲をそそられると思ったのですけれど、これをどうやって食べるのだろう? 一口で食べるのは大きすぎるし、ナイフで切ったらバラバラになると思うのですけど。

私が初めに買ったのはチーズ入りでしたが、ケシの種子入り、クミンの種子入りのオボロスもありました。

クミンは好きなので、これも買ったのですが、味が強いので何かを乗せないといけないと思いました。色々と冷蔵庫に入っているものを乗せて試していますが、何を乗せても美味しいと思います。フランスパンを薄切りにしてカナペにすることはできるのですが、この薄いパリパリ感があるものに乗せると、なんだか本格的なオツマミに見えてしまうのが嬉しい。



ブログ内リンク:
★ 目次: ハム・ソーセージ類、豚について
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: ゴーフル、ゴーフレット、ガレットなど紛らわしい菓子の名前
★ 目次: ホームパーティー いろいろ
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
ブザンソン大司教の館だった城を見学 2015/04/14 ホスチア(聖体)を焼く道具
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事

外部リンク:
☆ メーカーのサイト: Oboles de Lucerne au Fromage d'Emmental Suisse
Recette Mille-feuille de mousse de saumon


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コメント
この記事へのコメント
このまるいソーセージはみるからにおいしそうですね〜
これをつかった otium sanの おつまみも
とてもおいしそう〜
わたしも むかし 料理家の友が ガレットに
生クリームとハーブのクリームにやサーモンをのせて 出してくれたときの後には  ガレットを使ってみたりしましたが
このごろは クルミとレーズンがはいった
パンを薄切りにして 何かのせるくらいで、、

それにしても ヨーロッパにはあの世に行くのに日本と同じに 三途の川があり
 渡し船に 渡し賃をださねばならぬ、、というのが 驚きでした〜

リンゴは あまりすきでなくて
買ってみては 時間がたち そのときは
同じようにレンジでチンして 冷凍しておく
(アイスクリームにのせて食べたりします)
わたしなので これも カナッペにつかえる、、と
教えられました〜
それにしても 食事の前に 来られると
ワタシ等は 困りまする〜
なにかたべちゃうと 食事がおいしくないから、、
長いされると 自分ちの食事の用意もできないし、、
酔っぱらって 長いされ 食事もだすはめになると
言う事態には ならないのですか、、
みなさま そういうことも 読み込み済みなのでしょうか、、
それぞれの風習 習慣は 面白い物ですね〜
2016/10/04 | URL | katananke 05  [ 編集 ]
Re:
v-22 katananke 05さんへ

>三途の川

私も驚きました。大昔には交通の便が悪かったのに、世界中で文化の交流があったということなのかな? とすると、日本にユダヤ教の影響が入っていたというのも信じられる気がする。あるいは、人間が考えることは、どの国でも同じなのか?...

>レンジでチンして 冷凍しておく

リンゴを冷凍できますか。レンジでチンしてからというのがミソなのでしょうね。こんど試してみようっと。リンゴをカナペにするというのも研究してみます。庭にあるリンゴが収穫期なのでやたらにあるので。

>酔っぱらって 長いされ 食事もだすはめになると 言う事態には ならないのですか、、

親しい人が食前酒タイムに来たときは、食前酒を飲んでいるうちに「食べていらっしゃいな」と言うのが礼儀なのだと感じて、出すことにしています。

町中に住んでいたら、「一緒にレストランに行って食事しよう」となることもありますけど。なにしろフランス人たちは、話し始めると止まらない!

食事を出せなかった友達について書いた記事:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-1165.html

私の食前酒のおつまみは見た目にも気を遣うので人気があるようです。食べに来るのではないかと勘ぐってしまうようなズーズーしい人は好きではありません。週に何回も来られると、悪い癖を付けてしまったと反省しながら、さすがにうんざりします。でも、夜も8時過ぎになっても腰をあげてくれないと、食事を出さざるを得ない。

私の友達の家には、近所に住む独身男性が毎日のように来ていました。話しが面白い人でもないので、よく面倒をみているなと感心していたのですが、たまにしか来なくなったようなので、何か対策をしたのだろうと思う。

>なにかたべちゃうと 食事がおいしくないから、、 長いされると 自分ちの食事の用意もできないし、、

食前酒のときに色々出していると、それでお腹がいっぱいになって、後はチーズとデザートで食事になってしまうこともよくあります。かなり飲んでしまったときは、まず日本式のスープを出すこともあります。あるものですぐに作れるので簡単だし、アルコール度を落とせると思うので。

酔っぱらうということに関しては、日本人のようには悪酔いしないので、楽しいだけだと感じます。明らかに酔った状態になる人もいますが、「アル中」と烙印を押されて敬遠されますね。
2016/10/04 | URL | Otium  [ 編集 ]
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