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2017/01/03
シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!
その14


長らく栗について書いてきたのですが、最後に「栗色」に触れてみます。


◆ 「栗色と訳されるフランスの色

栗が育たない国では「栗色」というのはなくて、「茶色」とか何とかいうのではないでしょうか? フランスでは中世には栗の栽培が始まったそうなので、当然ながら栗を想起させる名前の色があります。

拾ってみたところ、3つ見つかりました。

栗の木「シャテニエ(châtaignier)」の実を意味する「シャテーニュ(châtaigne)」からできた、シャテーニュ(châtaigne)という色、châtain(シャタン)という色。

それから、栗の木でもマロニエでも果実をマロンと呼ぶのでややっこしい「マロン(marron)」という色。

色の違いをフランスのカラーコードで出したものを並べてみます。


châtaigne
シャテーニュ
(明るい栗色)
châtain
シャタン
(栗色)
marron
マロン
(栗色)
#806D5A
灰色がかった明るいブラウン
#8B6C42
ブラウンと金色の中間
#582900
赤味がかったブラウン
栗 栗 マロニエ

それぞれの色の名前に仏和辞典に入っている訳語をカッコの中に加えたのですが、みんな「栗色」とされているのですね。私は栗色といったらマロン色を思い浮かべますけれど。

「シャテーニュ」という色の名前は、それほど使わない感じがします。コードで出した色は栗の皮の色でもないし、渋皮の色とも違うし、何なのだろう?.

英語情報では、シャテーニュはDonkey Brownに近いとありました。
Donkey Brown(#816E5C)
なるほど、ロバはこういう色が多いですね。

「シャタン」には馴染みがあります。フランス人の多くは「シャタン」と呼ぶ髪の毛の色だからです。金髪を濃くしたような色で、brun(ブラウン)とblond(ブロンド)の中間にある色、と定義されていました。

シャタンは髪の色と密接な関係があります。ヘアーカラーでも、濃いシャタン色、明るいシャタン色、灰色がかったシャタンなど、色々なニュアンスを出して売られています。「マロン」と呼ぶ色合いよりも使われていることが多いように感じます。

右に入れたのは濃いシャタン色(châtain foncé)と表現されていた髪の毛。こうなると、マロンの色と違いが余り見えなくなります。

目が茶色の場合には、シャテーニュ色とマロン色は使いますが、シャタン色とは言わないですね。


発音も綴りも全く違う3つの色を全て「栗色」と訳すのは面白くないので、栗に関係した和色の名前を探してみました。


日本の色には、栗がたくさん登場する

フランスより日本の方が多いだろうなとは予測したのですが、こんなに出てくるとは思わなかった! そんなに栗は日本人には思い入れがある果実だったのでしょうか。

拾った色コードで色を出したのですが、なんだか全く違って見える色も並んでしまいました。間違っているのかもしれませんが、拾い出したものを並べてみます。色の名前に対応する色コードはもっと存在していたのですが、収拾がつかないので全部を並べるのは止めています。

和色: 一般的な栗色
栗色
(くりいろ)
#762F07
(日本の伝統色)
栗の皮のような赤みのある焦茶色。

別名: 落栗色、栗皮色、栗皮茶


《実りの色2》落栗色(おちぐりいろ)
#800000
#704B38
#5D2917
#522C1E
#591C12

栗皮色
(くりかわいろ)
#6A4028栗の皮の色で、黒みがかった赤褐色。

現代では、一般的に「栗色」と呼ばれる。

江戸時代には女帯によく使われていた色らしい。

栗皮茶
(くりかわちゃ)
#6D3C32
栗の実の皮のような黒みがかった赤褐色。

別名: 栗色、栗皮色

栗の樹皮と灰汁で茶に染める「栗皮染」がある。
#824522


和色: 特殊な栗色
栗梅
(くりうめ)
#852E19栗色を帯びた濃い赤茶色。あるいは、少し赤みの明るい茶色。

「栗色の梅染」が略されたもので、江戸時代の流行色。
梅がつく色は「紅梅色(こうばいいろ)」に代表される赤み(#E86B79)を表現している。
#6C1912
#58271E
#88503E

栗梅茶
くりうめちゃ
#CC5959赤みから黒みを帯びた茶色。
「くりむめ」ともいう。

栗金茶
(くりかねちゃ)
#B14329

蒸栗色
(むしくりいろ)
#EBE1A9蒸した栗の皮を向いた実のような、緑みがかった淡い黄色。

中国の古代書の『爾雅』にこの染色が登場している「蒸栗」の色は、日本で一般的に思われている色とは違うという説もある。

#EFEACC
#EEE2C2

小栗色
(こぐりいろ)
#72A46A未熟の小栗の色を表したものと思われる。

柴染
(ふしぞめ)
#B28C6Eタンニン物質を含んだ樹皮や柴木(山野に生する栗、楢、樫、櫟など小さい雑木)の煎汁で染めた色で、暗い灰みの黄赤。

どこででも採れる染料であるため、下位の人間の服の色とされた。
朽葉色(くちばいろ)
#796040


外国から入った色
マルーン
maroon
#501818明るい赤みの茶色
大粒の栗の名前が英語化したもので、暗い赤茶色に用いられる。
#800000
#6A1917

チェスナットブラウン#5C3E2Dマルーンより小型の栗で、色も赤みが少ない。
#68412F

フランス語: marron
#582900
英語: chestnut
#954535
イタリア語: castano
#6D351A



フランスのブラウン系の色

フランスでもブラウン系は色々あります。ただ、栗を持ち出さないだけなのでしょうね。

ブラウン系の一覧:
Code couleurs html - Les brun.

Wikipediaのフランス語に入っているブラウン系は少ないですがカテゴリーが出来ていました:
Catégorie:Brun


フランスで使われている色の名前は、和色の名前に比べると、全くつまらないですね。



栗の木とマロニエについて長々書いてきてしまったので、今回でシリーズは終わりにするつもりだったのですが、「栗色」と訳される「シャタン」という色が気になるので、まだ続けます。

続き:
 亜麻色の髪とは、淡い栗色ではなかった 2017/01/08


 シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!

ブログ内リンク:
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
【茶色】
☆ Wikipedia: Palette Teintes de brun
☆ Wikipedia: Châtain
☆ Wikipédia: Marron (couleur)
☆ Au domicile des mots dits et écrits: Le marronnier | La châtaigne
Marron symbolisme, histoire et expressions… notre série des couleurs

【髪の毛の色】
☆ Wikipedia: Palette Teintes de cheveux
☆ Wiipedia: Couleur des cheveux
☆ 髪の毛の色表現:  | (ヘアーカラー) | (ヘアーカラー)
Le vocabulaire du coiffeur, se faire mieux comprendre!

【目の色】
☆ Wiipedia: Couleur des yeux
☆ Wikimedia Commons: categoryEyes by color

【色】
[CODE COULEUR] Dictionnaire des couleurs
☆ Wiktionnaire: Thésaurus couleur-français


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コメント
この記事へのコメント
クリは 色々 ♪
栗色 茶色 は
赤 黒 黄 の 三色で調合されるとか、、

それぞれの 濃度の差によって
無限の色調が 可能ですね。。。

ちなみに 小栗色 これは
緑 だべ
でも 茶色でも 緑茶は 間違いなく
緑!! 抜かりなし 🎶

陰陽五行では 
北が黒 南が赤 で子午線を構成し
黒と 赤の混合色 紫は天子のみ使用できる色
そして 黄は 大地を現わす色

栗色 茶色は なかなか
あなどれない 色なのだ ♪
2017/01/07 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: クリは 色々 ♪
v-22 たかゆきさんへ

>茶色でも 緑茶は 間違いなく 緑!! 抜かりなし 🎶

あれ~、お茶の茶、地面の茶色。同じ「茶」という漢字を使っていたのだ! …なんて、今ごろ気づいた私…。

緑茶は珍しく「緑」の文字を使っていますね。「日本茶」という呼び方があるのに、最近では「緑茶」の方が多く使われているような…。外国でグリーンティーのように呼んで区別するから「緑茶」という言葉を使ったのではないかと思って、「緑茶」という言葉がいつから使われたのかを探したのですが、見つかりませんでした。

お茶の語源とボキャブラリーを探してみたら、青製、青柳茶というのが出てきて、「青い」と説明しているのですが、画像を見ると、別に青くはない。緑色の意味で青を使っているのではないかと思いました。

>黄は 大地を現わす色

陰陽五行から茶色を見るのは面白いですね~♪ 日本の伝統色で緑なのに青というのも、ここから来ているのかな?… でも、陰陽五行で大事な黄色を抜いてしまったのはなぜなのだろう?…
2017/01/08 | URL | Otium  [ 編集 ]
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