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2016/12/21
日本で言えば「お正月のご馳走」、フランスで言えば「クリスマスのご馳走」というのがありますが、そういうのは今では薄れましたね。

海がないブルゴーニュでは、サーモンがクリスマスのご馳走だったと言う友人がいましたが、今は全く問題なく食べられる。フォアグラもご馳走だったはずですが、1年を通してかなり頻繁に食べる機会があります。

いまだに高価過ぎてめったに食べられないのは、シャポンと、マロングラッセかもしれない。

シャポンが何であるかは書いていました:
フランスで最高のクリスマス料理: シャポン 2005/12/05

シャポンは去勢して育てた雄鶏なのですが、農家ではクリスマス用に育てているので、シーズン外れのときにはまず手に入りません。

マロングラッセは1年中買えるとはいえ、やはり高価なので出てくる機会が少ない食品です。

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その8


ヒマダネ記事はマロニエと呼ばれる

クリスマスが近づいたら、ニュースではマロングラッセの話題が増えてきました。

クリスマスプレゼントしてもらえるのをフランス人たちは期待するらしい。マロングラッセといっても、スーパーで売っている得体の知れないものから、手作りまでありますけれど。フランスのニュースで、1キロ150ユーロ(2万円弱)もするのだと書いてありました。1キロ食べなくても良いのですが、フランスの食材はキロ単位の値段で言うからでしょうか。


そう言えば、毎年決まってニュースで話題にするネタのことをmarronnier(マロニエ)とフランスでは呼ぶのでした。日本語にはそういう言い方が思い当たらないので辞書をひいたら、「(季節をテーマにした)ヒマダネ記事」と訳していました。

新学期になったとか、初雪が降りました、夏のヴァカンスシーズンなので道路が渋滞していますなど、毎年ニュースで時期になると出てくる話題を「マロニエ」と呼ぶ。

ここでまた、なぜマロニエなのかと思ってしまうではないですか?

パリのテュイルリー公園にある、1792年の8月10日事件のときに命を落としたスイス人の歩兵連隊の墓の上に、マロニエの花が春になると咲く、と毎年ニュースで取り上げられる。それを茶化したのか、そういうのを「マロニエ」と呼ぶようになったのだ、という説明がありました。

Wikipediaの記事でベニバナトチノキの品種のマロニエを出していたので赤い花を入れたのですが、花の色には余り関係がなさそうです。

毎年繰り返される話題を扱った記事のことを、イギリスではchestnut、アメリカではevergreenと呼ぶとのこと。

ヒマネタがマロニエと呼ばれるようになった経緯については諸説あるそうなので、放置することにします。ここのところ私が調べているのは食べられる栗のマロンから作るマロングラッセですので!



マロングラッセを作るには、大変な手間がかかる

法外と言いたくなるほど高い値段で売られるマロングラッセですが、材料が限定されるのに加え、製造には非常に手間がかかるからだそうです。

マロングラッセのメーカーでは、クリスマスシーズンには製造が追いつかないくらい忙しいようです。でも、ドル箱商品のはず。よく知られたメーカーのサバトン社では、売り上げの3分の1がマロングラッセの販売によるものなのだそう。

栗をイガから取り出してから商品になるまでに20日間かかるのだ、という記事がありました。

まず、大きくて、割れやすくなくて、できるだけ実の固い栗を選ぶ必要がある。フランスで最高級の栗が収穫できる産地といったら、原産地呼称AOC/AOPを獲得しているアルデッシュ産の栗なのですが、栗の風味は良いけれど、大きさは余りマロングラッセ向きではないようです。

イガから取り出してから1週間くらい水に浸しておくと、水面に浮かび上がってくる栗がある。それは何か問題がある血管品ということで使わない。それからナイフで皮をむく作業があるのですが、これがまた大変でしょうね。

その後にも、長い、長い行程...。


栗2つを布のネットで包んでシロップ煮する

フランスの有名メーカーがマロングラッセを作っている行程を見せる動画があったので、幾つか眺めました。

美しい画面が出ていたのは、こちらのニュース。南仏でマロングラッセを作って120年になるコルシグリア社(Corsiglia)です。イタリア系の家で、ニューヨークで菓子づくりをしていたご先祖がマルセイユでマロングラッセを作る店を開いたとのこと。


YouTube: Gastronomie les Corsiglia, spécialistes du marron glacé
⇒ 
動画を入れた記事

最後にマロングラッセを割って見せていますが、出来の良し悪しを見分けるためにはナイフでは切らないと言っていますね。こんな風に中身がジューシーになっているのが本物だそうです。中まで固くなっていたら、製造法がいい加減だったか、日が立ちすぎてしまっているとのこと。

コルシグリア社のサイトを見たら、栗はイタリア産のmarron de Turin(トリノ・マロン)、marron de Naples(ナポリ・マロン)、それから入手できれば地元産のMarron de Collobrièresを使っているそうです。

同じ会社ですが、下の動画の方が詳しく製造過程が見られます。


Les secrets de fabrication des marrons glacés

面白いことに気がつきました。

栗を砂糖シロップで煮るときに、栗が崩れないように布のネットでくるむのですが、栗を2個ずつくるむのが本来の製法のようです。これは甘味がしみ込みすぎないようにするのが大きな目的なのだそう。

2つを抱き合わせたようにネットでくるむのを、イガの中で生まれたときと同じ状態にするという説明。そうやって栗に休んでいただくということでしょうか?

今回の私のシリーズ記事では、イガの中に1つだけ入っている栗をマロンと呼び、それで作るのがマロングラッセだ、ということが日本では定着していると聞いて不思議に思ったことから書き始めました。植物学の上からはマロンはそうだったけれど、現在ではそうとは限らないということで、実際に映像を見て確信しました。

サバトン社(Sabaton)の製造過程を見せる動画も入れておきます ↓


Les marrons glacés

比べて眺めていると、どちらが美味しいか見えてしまう気がしました...。


フランスで有名なマロングラッセのメーカーは?

フランスで有名なマロングラッセのメーカーをリストアップしておきます。リンクしたのはメーカーのサイトです。

パリにメーカーがあるのを除くと、栗の生産地として知られるアルプス山脈に近いフランス中部と南フランスがマロングラッセの故郷なのだなという風に感じました。



どんな風にマロングラッセを作っているのかを見たので、次はマロングラッセはいつできたのか、ということについて書きます。

続き: マロングラッセとマロンの関係。鶏が先か? 卵が先か?


★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!






ブログ内リンク:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
C'est le printemps ! parole de marronnier des Tuileries
Qu'est ce qu'un marronnier en journalisme?

Gros plan la fabrication des marrons glacés chez Sabaton (サバトン社の製造過程を見せる動画あり)
☆ Sabaton: Les secrets de fabrication du marron glacé


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コメント
この記事へのコメント
頂いたら もちろん ありがたくおいしく
いただきますが
自分でかったことは ありませんです〜
ちょっと 甘すぎるしね〜

栗の渋皮煮のほうが ちょうど甘みもそこそこで
すきですが
グラッセはやはり 手間ひまかかっていますよね〜
1週間も水につけておくとは びっくり、、
渋皮にを作った事はあるけど
ひと晩かせいぜい 2晩つけておくくらいね〜
2016/12/22 | URL | katananke 05  [ 編集 ]
ステファニーさんもイザベルさんも、素敵な方ですね。(笑)
マロングラッセ、バリバリ(笑)ネットでしたね!

それにしても、フランスでは絶大な人気なんですね。
そろそろミラノから届くマロンG、どうかな・・。
ボワシエ(マロンGを発明って??)も、ピエールマルコリーニ(本店ベルギー・福岡にも)も日本にあるので、機会があれば食べてみたいですけれど。

マロニエの葉は、『掌状複葉』というんですね。小さな葉の部分は小葉と呼ぶそう。7枚のもありましたね。日本産の樹木では、非常に珍しいとか。

ご紹介してくださっていたスペインのトマトハウス、びっくりしました!
もったいないと思っていたバレンシアのトマト(投げ)祭り、納得しました。(笑) 
ありがとうございました。
2016/12/22 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-22 katananke 05さんへ

>1週間も水につけておくとは びっくり、、

私も本当なのかなと疑っているのです。初めに出てきた情報では9日間。次に出てきたのは1週間だったので、1週間でたくさんじゃないかと思って、そちらを採用したのでした。本当に信じられないので、また情報にぶつかって、私の勘違いだったら書き直そうと思っています。

栗の渋皮煮、美味しいですよね。でも、作るにはとても手間がかかるのだと聞きました。

どうして栗は、そんなに人間を苦労させるのだろう?... コルシカ島名産の栗の粉を買ったとき、やたらに高いと言ったら、ものすごく手間がかかるから、と言われたのです。
2016/12/22 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

>ステファニーさんもイザベルさんも、素敵な方ですね。(笑)

私も動画を眺めながら、色々な職業があるけれど、親からマロングラッセ作りの仕事を受け継ぐなんて幸運だな...、そんなお顔だちをしていらっしゃる... なんて思いました(笑)。

>フランスでは絶大な人気なんですね。

フランスにいても見かけることが少ないので(クリスマスシーズンにスーパーで売っている怪しげなのをのぞけば)、情報を検索したらたくさん出てきたので驚きました。人気があるというより、話題性があるのではないかと思ったのですけど。

>そろそろミラノから届くマロンG、どうかな・・。

ご報告、楽しみにしていますので、よろしく♪

>マロニエの葉は、『掌状複葉』というんですね。

そうなのですか。モミジの葉を「赤ちゃんの手」というのと同じ感覚かな?...
2016/12/22 | URL | Otium  [ 編集 ]
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