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2016/12/29
シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!
その13

いつか必要なことがあるかも知れないと思って、何でも写真に撮っている私なのですが、マロングラッセの写真を撮ったのは1回だけでした。



ここのところマロングラッセについて書きながら調べていたので見分けられるようになったのですが、後ろの写っている宣伝の写真で、このマロングラッセは南仏のメーカーのコルシグリア社(Corsiglia)のものだったらしい。

シリーズ記事の8回目で入れた製造方法を見せる動画を見て、誠実に作っている会社だという印象を受けていました:
マロングラッセを作るのには20日間もかかる

写真を眺めたら、ここで買ったマロングラッセが格別に美味しかったのを思い出しました。

でも、写真を撮っていたのは、壊れたマロングラッセを売っていたのが珍しかったからではないかと思います。写真に黄色い矢印を入れた袋です。

紙に包まれた落ち度のないマロングラッセは、100グラムで8.50ユーロ。100グラムとは5個くらいでしょうか? としたら、1個220円というところ? この写真を撮ったのは2012年11月でしたので、その当時のお値段ですけれど。

その左手にあるのは壊れたもので、100グラム6.40ユーロで売っています。



欠陥品なのに値段には大した差がないと思ったのですが、100グラム6.40ユーロというのは、どこが欠陥なのかと思う大きな塊のマロングラッセの値段でした。

その右手にあるリボンがついた袋に入っているのは小さく壊れてしまったもので、そちらは100グラム4ユーロという感じです。500円くらいですか。そうお安くはないですね。日本では、崩れたマロングラッセは半分近いの値段で売られているのですけど。

前回の記事「マロン・クリームはマロングラッセから生まれた」に書いたように、栗のジャムのようなマロン・クリームは、壊れて商品化できないマロングラッセから作られたのが始まりでした。

壊れてもこんなお値段で売れるとしたら、マロンクリームに入れてしまうのはもったいないではないですか? 伝統的な製法でマロングラッセを入れてマロン・クリームを作っていると歌っているメーカーでも、ほんの少し入れるだけなのではないかな?...


日本では、やたらに割れたマロングラッセが売られている!

マロングラッセのまともな写真を持っていないので、ネットショップの商品画像を使わせていただくために探したのですが、気がついたことがありました。

壊れたマロングラッセがたくさん売られているのです。もちろん、お値段には雲泥の差がありますけれど。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

割れマロングラッセ 1kg
価格:3642円(税込、送料無料) (2016/12/30時点)



マロングラッセを検索すると、「訳あり」がどのくらい入っているかご覧ください:
マロングラッセを楽天市場で検索

割れたものを探すためのキーワードまで提案してくるので、さらに探しやすくなります:
「マロングラッセ 割れ」で検索


楽天市場だと商品がたくさん出てきすぎるので、日本のアマゾンで検索すると、こちら。出てくるマロングラッセの3分の1は割れたものと見ました。

不自然ではないですか? マロングラッセを作るときには出来損なってしまうものが出るわけです。でも、日本で売っているマロングラッセに限れば、完成品より失敗作の方が圧倒的に多いと見えるのです。完成品は小さな箱に入れて売っているのに、割れたものは1キロ単位などで売っているのですから。

さらに確かめます。

インターネットで普通にマロングラッセ検索しても、壊れた「訳アリ」のがたくさん入ってきます:
「マロングラッセ」をキーワードにして、日本語Googleで画像検索

変だと私が覆ってしまうのは、フランスのサイトでマロングラッセを探したら、こんな結果にはならないからです。

商品となっているものか、レシピで使った画像が並んでいて、壊れたものの写真はほんの少し紛れ込んでいる程度なのです。

こちらをご覧ください:
「"marrons glacés"」をキーワードにして、仏語Googleで画像検索

マロングラッセとは何かと画像検索しているのですから、欠陥品が影を潜めているのは自然だと思います。


さらに気がついたのは、日本で「訳アリ」として売られている「壊れマロングラッセ」は、かなりお安いことです。フランスで売られているものが日本に入ると3倍くらいの値段になっていることが多いので、日本の市場に出ている訳有りマロングラッセは海外でできた欠陥品ではなさそうだと想像しました。

つまり、日本では、そんなに出来損ないのマロングラッセを作っているということ???

日本では、海老や蟹の手が1本なくなっているだけでも商品価値は落ちるので、壊れたマロングラッセも安く売られるのだろうと思ったのですが、なんだか変...。

そもそも、どうして、そんなに、たくさん、壊れたマロングラッセが日本の市場に出回っているの?!...


日本で崩れたマロングラッセをたくさん売っている理由を考えてみる

そんなことを私が気にする必要は全くないのですが、理由を考えてみました。

推測1:
海外のメーカーが作るマロングラッセの欠陥品を、日本が一手に輸入している?!

日本ではそんなにたくさん食べるスイーツではないのですから、製造過程で出る欠陥品の数だって、たかが知れているではないですか? とすると、まずそう考えられる。


推測2:
日本の栗は割れやすいので、日本で製造するマロングラッセでは欠陥品が大量にできてしまう?

でも、割れマロングラッセの宣伝で、イタリア栗を使っていますというのが多いので辻褄が合わない。マロングラッセを作るには、割れないように注意するではないですか? そうしないとメーカーが損をするわけですから、どうしてそんなに欠陥品を作るのか奇妙...。



推測3:
成型肉のように、割れたものを継ぎ合わせてマロングラッセを作って売る業者がいる?!

売られている割れマロングラッセは1キロ単位などが多いのでした。ちょっと食べれば良いものなのに、一般家庭で1キロも買って、どうするの? と聞きたくなる。

となると、日本が優れた技術を持っている成型肉ならぬ、成型マロンかな、と思ったのです。


栗の納豆が日本では好かれるのでは?...

クレマン・フォジェ社では、壊れたマロングラッセを売っていました:
☆ CLEMENT FAUGIER: Marrons Glacés Brisés Frais

出来損ないのマロングラッセを使ってクレーム・ド・マロン(マロン・クリーム)をつくることを考案した会社です。今でも同社のクレーム・ド・マロンにはマロングラッセのかけらを入れていると言っているのですけど、マロングラッセの欠陥品を商品化して売ってしまったら、マロン・クリームの材料が不足してしまわないの?...

フランスのネットショップでは、割れたマロングラッセをほとんど売っていません。でも、全く無いわけではありませんでした。

フランスのアマゾンで「マロングラッセ」を検索した結果

フランスアマゾンで唯一入っていた商品を眺めてみると...

Value Pack fissure MARRON GLACE 700g  748グラム   56.64ユーロ


フランスで売っているのに、日本語で「マロングラッセ」、さらに「イタリアからの自然の恵み」と表示されているのです! フランス人が見て分かる「marrons glacés」は小さくしか書かれておらず、アクセント記号が抜けた間違いフランス語になっています。

なんなのだろう?

製造過程で壊れたマロングラッセを一手に引き受けているのは日本で、それを世界に販売しているのは日本なの?...

このラベルが付いたものを日本でも売っているのではないかと検索したら、どことなく似ているパッケージで、「イタリア」という文字が入っているものを成城石井が扱っていました:

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正栄食品 訳ありマロングラッセ 500g 訳アリ わけあり ワケアリ
価格:1826円(税込、送料別) (2016/12/30時点)


フランスのアマゾンで売っているのは100グラムあたり8ユーロ(約1,000円)でしたが、日本で廃売されているのは365円。

説明を読んで謎が解けた想いがしました。こう書いてあるのです:
  • 割れたりくずれてしまった栗をマロングラッセにしました。パンケーキなどのご家庭でのお菓子作りや、お茶菓子としてご利用いただけます。

つまり、栗の甘納豆 ???

そう思うと「訳アリ」マロングラッセの画像で見ていた違和感が消えます。本物のマロングラッセはしっとりしているのですが、訳アリのマロングラッセは砂糖がふいていて変だったのです。

日がたってしまったものを売っているのかと思ったのですが、割れ栗からマロングラッセ風に作ったら、しっとりした出来上がりにはならないでしょうね。

フランスのメーカーでは、栗2つを抱き合わせにして、甘味が過度に浸透しないようにという工夫さえしたいたのですから。

訳ありマロングラッセは、どこで作られたのか書いてないことが多いのですが、成城石井の商品には製造元が明記されていました。その会社のサイトを覗くと、コンステラシオンというのがありました。これかな?

でも、説明は違うのです:
  • マロングラッセの割れ物(ブロークン)に糖衣がけをしてあります。

またマロングラッセの出来損ないに戻ってしまった。でも、いずれにしても、日本で売られている訳アリのマロングラッセは、グラッセと呼ぶ糖皮ではなくて、砂糖でコーティングしているらしい。

ここまで分かったところでインターネット情報の追跡はストップするつもりだったのですが、フランスのアマゾンで売っていたのと同じ商品が日本のアマゾンでも販売されているのに出くわしてしまいました:


フランスのアマゾンに入っていた商品情報にはメーカーの名前は無かったのですが、こちらでは会社の略号を出していました。パッケージが似ていると思った成城石井が扱っていた商品と、同じ日本のメーカーのようです。

フランスのアマゾンで扱っているパッケージを見たときには、中国の商品なのだろうと思ったのですけど、日本の会社でしたか...。



私には何も根拠がないので言えません。

でも、これだけ日本には割れマロングラッセが出回っている。ということは、「訳あり」として日本で売っているのは、マロングラッセの出来損ないではなくて、初めから割れた栗でマロングラッセ風の甘納豆を作っているのではないか、と思ってしまいます。

日本茶を飲みながら食べるには、小粒でつまみやすいと好ましいかもしれない。マロングラッセと甘納豆は全く異なった味だと私は思うのだけれど、日本人には栗の甘納豆が好まれるのかもしれない。とすれば、これだけ「壊れマロングラッセ」が市場に出回っているのは納得できます、

また、お菓子を作るのに使えば「マロン」という名前が使えて高級感を出せので、需要が日本にはある...。

違うかな?...



追記:

マロングラッセを日本でたくさん作っているはずはないでしょうに、なぜそんなに割れマロングラッセが市場に出回っているのか不思議でなりません。... そんなことを考えても何にもならないのに、疑問を持ったまま年を越してしまいました。

コメントをいただいて、日本には栗の甘露煮というのがあったのを思い出しました。これもマロングラッセと同様に、栗を丸のまま残さなければ欠陥品になってしまいますよね。

お正月近くになると、栗の甘露煮はたくさん日本で売られている感じがします。

栗の甘露煮を楽天市場で検索


栗の甘露煮は、割れてしまったら栗きんとんにするわけにもいかないでしょうから、形が崩れたらディスカウントする以外にはないのではないでしょうか?

としたら、「訳あり」の甘露煮がたくさん出るはずですよね。

でも、それらしきものは、ほとんど売っていないのです! 栗の「訳あり」とか「お買い得」で検索すると、割れマロングラッセばかりが目立つのでした。形が不揃いなのが入っているから割安の甘露煮、というのはほんの少しありましたけれど。

唯一、栗の甘露煮の成功品と、割れてしまったののを両方売っているお店を見つけることができました。
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栗の雫
総量200g 固形量100g 
価格:1350円(税込、送料別) (2017/1/2時点)

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栗の雫(ブロークン)
総量200g 固形量100g
価格:918円(税込、送料別) (2017/1/2時点)


日本で売られている割れマロングラッセは変だと勘ぐってしまったのは、製造したマロングラッセは売ってはいないのに割れマロングラッセを売っている会社ばかりだったことでした。マロングラッセのメーカーが、商品化できないからと下請けに回してきたものを、日持ちするように甘納豆風に砂糖をかぶせたのかもしれないのですが、どうも不自然...。

上に入れた栗の甘露煮の欠陥品(ブロークン)は、見た目が悪いだけで、味はほとんど同じなのではないかという印象を持ちました。マロングラッセは、中がジューシーで、そんなに甘味がしみ込んでいないように仕上げ、乾燥させてはいけないという微妙なところがありますが、甘露煮にはそんなデリケートなところはないはずだと思うのです。液体もある瓶に入っているので乾燥してしまうということもないし。

3割お安いなら、私には甘露煮のブロークンで十分。少なくとも、砂糖をまぶして甘納豆のようにした割れマロングラッセより、日本風の甘露煮の方が美味しいだろうと想像します。

甘露煮の割れたのだろうと、皮をむく段階で割れてしまった栗だろうと、世界的にステータスがあるマロングラッセ風にして市場に出した方が売れるのではないかな?... だから、甘露煮の出来損ないはほとんど売っていないのでは?

勝手な推測を色々と書いてしまいましたが、事情を知っていらっしゃる業界の方の目に触れたらバカにされてしまうだろうな...。



「マロン」と言ってもマロンじゃない、などなど... いい加減じゃないか! と言いたくなることが多々見つかって、真面目に考えて調べているのはバカだとよ、と自分に言いたくなっているマロンのお話し...。

あと1つだけ記事を書いて、このシリーズは終わりにします。


続き:


★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!



ブログ内リンク:
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
成型肉(せいけいにく)ってなに?無表示で出回る偽ステーキの見分け方
☆ YouTube: メニューの偽装防止に政府の規制は必要か 2013/11/09


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コメント
この記事へのコメント
マロングラッセひとつにも調べたら
謎も 多々ありましたね〜
わたしは クリがすきだから クリの砂糖がけでも
壊れクリでも どちらでもいいですが
まあ 買った事はないのですよ〜
甘納豆は 甘すぎてあまりすきでないですが
クリの 甘煮くらいで いいのだわ〜
ケーキのモンブランでも 家で作ろうと思ったら
このこわれクリ の 500グラムが あれば
重宝する、、ということかしらね〜
2016/12/31 | URL | katananke 05  [ 編集 ]
Re:
v-22 katananke 05さんへ

次にいれる「栗色」について調べていたら、栗にまつわる色の和名はたくさんあるので、日本人にとって栗はそんなに身近な存在だったのだなと感心しております。

甘露煮も美味しいのですよね♪

それで、割れ甘露煮の安売りを探したら、ほとんど市場に出ていないようなので驚きました。面白いので追記で入れてしまった。みんなマロングラッセに変身してしまうのかな。

でも、正直いって、割れマロングラッセというのは中国で作っているのが多いのではないかと疑っております。栗の生産では中国がダントツで世界第1位だし...。
2017/01/03 | URL | Otium  [ 編集 ]
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